みん友さんRoyal-S氏の愛車であるV36スカイライン。
この車は高速、一般道、山岳路とたっぷり乗せていただいておりますので今回ご紹介。
RS会の内容はRoyal-S氏、Haman 038氏のブログで詳しく書かれるでしょうから私は割愛。
Royal-S氏のブログ
https://minkara.carview.co.jp/userid/332001/blog/43205443/
というより
写真がない!
なんと、江ざわの勝浦タンタンメンしか写真を撮らなかったという大失態…
なので私は車両担当としてキーボードを叩かせていただきます。
話を車に戻しますと、
本車両は250GT。
いわゆるタイプ無し。
250GTがベースグレードに思えますが250GTの装備を厳選し、お買い得感を高めたA-パッケージがありますので必ずしもベースとは言えない。
ボディーサイズは
全長4780mm(前期は4755mm)
全幅1770mm
全高1450mm
WB 2850mm
後期はよりワイド&ローなデザインに。
前期と後期、あまり変わっていないように思われるかも知れないが、比べてみると殆ど別物。
後期の方がより滑らかな曲線になっている。
デザインはマークXの直線的なデザインと比べると曲線が多用されており非常に筋肉質でありながらグラマラス。
搭載されるエンジンは日産V6では馴染みのVQ25HR。
オーナーの手入れが良いのですぐにでも中古車として展示可能なレベル。
以前から良く言っているが経済性に関してはGRだが、サウンドに関してはトヨタのGRよりも好きなエンジン。
スカイラインというとターボのイメージが先行し、古くからのファンはNAなんて…と思われるかもしれないが、グロリアターボのような暴力的な加速はもちろん魅力的だがNAのシームレスな加速感はジェントルなキャラクターの新世代スカイラインにはピッタリ。
出力的にも225馬力と1.6トンのボディーには必要充分で踏み込める領域なので思いの外楽しい。
ちなみにエンジンフードのキャッチは二ヶ所となっており、高速走行の際に仮に開いてしまった場合にバタつかないようにする配慮とのこと。
部品自体も非常にしっかりとしていて、小さなことだがこういうパーツ一つ一つの積み重ねがこの車の良さを引き出しているのかもしれない。
装着タイヤは225/55R17
物凄く大きく低扁平でもないサイズはスポーツ性能と同乗者にとっての快適性を損なうことの無い絶妙のライン。
外観と同様に室内も曲線が多用されたデザイン。
各種スイッチ類の操作性やわかりやすさに関してはマークXの方がシンプルかつ直感的に操作できるが、このデザインを見ると許せてしまう…
ダッシュボードは高過ぎず、どちらかというと低い部類かな、ボンネットもしっかり見渡せ、曲線を多用したデザインの割に視界は良好。
すれ違い時や幅寄せなどではご覧のようにモニターで確認できますので余程下手くそなドライバーでなければ溝に落とすことはないだろう。
これでコーナーポールまで装着されたら左側に関して言えばぶつける要素は殆ど皆無。
インテリアの設えは洒落ているのは勿論の事、仕立ても良い。
カップホルダーの蓋もただのプラスチックではなく、しっかりとソフトパッド。
インテリアのパネルはアルミ調ではなく本アルミでアナログ時計と相まってモダンシンプル。
しかし、素材の耐久性は今一つで手荒に扱うとレジェンドのように加水分解を起こしやすく年式のわりにやれて見えてしまい、ダッシュボード等もひび割れを起こしやすくなってしまう。
本車両とは別の前期250GTの内装。
シフト周辺のデザインが微妙に異なる。
ステアリングスイッチ周辺が加水分解を起こし、みすぼらしく、見にくいがダッシュボードにもひび割れが見受けられる。
同様の症状はドアトリムにも見られ操作頻度の多いウィンドウスイッチ周辺の劣化は一段と劣化の度合いが顕著だ。
イルミはホワイトとブルーがバランス良く配置され淡く光るアナログ時計と多めのスイッチ類はグランドセイコーやロイヤルオリエントが好きなアダルトには何かときめく物があるだろう。
参考までにベージュ内装の本木目フィニッシャー仕様。
カタログの最後にクオリティーに関しての記述があるが、絶対的質感や豪華さはフーガには及ばないがアルミフィニッシャーのスクラッチ仕上げ、本木目の質感や各部の立て付けなど当時のミドルセダンの中ではトップレベルではないだろうか。
上級グレードでなくともパネル類にフェイク素材ではなく本物を使う辺り質感に抜かりはない。
しかし、フーガにも言えることだか日産のセダンはルーフの素材がトヨタのような起毛素材ではなくジャージのような素材なのはスカイラインでも同様で残念な部分。
肉厚なシートは合革と織物のコンビ。
本革シート嫌いの私には最適なシートです。
最近のサポート性能が高いシートよりもルーズなので比較的ゆったりと座ることができるが、体の収まりが悪いというわけではなく、スポーツ走行に重きを置いたものではなく恐らくは長距離での快適性を優先したのではないかと思う。
タイプ無しでもパワーシートが装備され、
チルト、テレスコが付いたステアリングによりしっかりとドライビングポジションをとることができる。
中でもスカイラインで素晴らしいと思うことは、
ご覧下さい。
ステアリングのみならずメーターまで動くのです。
これはステアリングをチルトさせた時にメーターが見えなくなるということもなく、素晴らしい配慮。
更にサンバイザーもこのとおり。
レジェンドやセルシオのようにサンバイザーが伸びるタイプでは伸ばした右側から光が漏れ眩しい時があるがこの車の場合は130クラウンのようにミラーからの僅かな隙間の光でさえカバーすることができるのです。
光線の関係で見えにくいがリアシートはお世辞にも広いとは言えない。
レクサスISよりは広いのだが、前席下へつま先が入らず窮屈な印象を受ける。
後席の居住性能はマークXはリクライニング機能もあり寛ぐ事ができるので上。
ただしヘッドレストとアームレストはスカイラインの方が良いので、どちらも甲乙つけがたい。
車としての全体的な感想は先代であるV35の内装の質感などの欠点を上手に無くし走りの良さをブラッシュアップした印象が強い。
見た目以上に進化している。
乗り味全体は同クラスのライバルであるマークXに比べると引き締まった印象を受けるが、固いということではなく、余分な動きが無いということで、よく言われるフラットライドな乗り味である。
引き締まった脚というよりかは腰のあるという方がらしいかな?
乗った感じ足回りはしっかりとコストをかけている印象。
スポーツセダンとしての乗り味ということを考えると市街地、高速、山岳路で見せる動きは非常に懐の深い乗り味。
フロントミッドシップで重量配分が、ほぼ50:50という理想の配分、剛性感溢れるボディーとシャシーでハンドリングと走り共に日産伝統のGTカーであるスカイラインの名に恥じないもので、レインボーブリッジから湾岸線へと合流するカーブのような高速コーナーでの車自体の持つ操舵性、安定性はレジェンドとは違う安心感があり、スペック的にはマークXよりも100㎏近くスカイラインの方が重い筈なのだが私はスカイラインの方が軽快な動きをしているように感じる、
250GTは文字通り2500ccであるがMC後から設定された7ATと相まって絶対的なパワー感はないが、街乗りではパワー不足を感じることはなく、低速での出だしの良さは3500cc+5ATのレジェンドよりも上。
このボディーで3700cc+本車両よりも約100馬力違うというのを想像すると…
我らが東京湾時短道路、アクアラインでの取り締まり車に使用される訳だと納得。
ただしこのATは全く癖が無いというわけではなく、車速で言うと30㎞前後、3速の制御がイマイチで滑らかな運転をモットーにしている私には気を使う場面があった。
特に交差点の侵入や信号待ちからの緩やかな坂道で予期せぬシフトダウンがあり、このシフトのコツは200㎞以上運転したことになるが今だ掴めていない。
前期の5ATも決して優秀なミッションと言えるものではなかったが車全体の質感、走りが向上し折角手を入れた筈の7ATの制御も今一つでスカイラインの良さを大きくスポイルしてしまっている印象がある。
ただしオートブリッピング機能の付いたミッションは先の3速での制御以外は大きな不満はなく、「スカイライン」の名前の通りワインディングが楽しく無駄にMTも度を多用しシフトダウンさせたくなってしまう。
静粛性は普段レジェンドに乗ってしまっているので何も感じないがエンジン音に関しては意図的にサウンドを聞かせているのでマークXに比べたらうるさく感じるかもしれない。
しかし、エンジンのサウンド自体は不快なサウンドではなく、寧ろ上質な6気筒サウンドですので私は気にならない。
ロードノイズに関しても同様で、やや大きめに聞こえるがこれはタイヤの影響もあるだろうから一概に煩いとは言えない。
恐らくオーナーは次のタイヤをどうするか悩んでいるであろうがタイヤ交換後、是非とも再び乗せていただきたい。
この車ははっきり言ってミドルセダンとしての使い勝手や居住性能など同乗者にとって良い車という点ではライバルとされるマークXの方が優れるが、走りに関する部分は個人的にスカイラインの方が遥かに優れている印象を受ける。
マークXとスカイライン。同じDセグメントセダンとして比べられるが車として目指すところがそもそも違い、前者は国内向け、後者はインフィニティでの販売を考慮されていることを考えるとマークXと比べるというよりはレクサスISと比べる方が走りに関してはしっくり来る。
内装に関しては完全にレクサスクオリティーのISが優れるが走りに関してはスカイラインも決して負けておらず、価格差を考慮するとかなり高レベル車だと思う。
オーナー自身も言っていたが食わず嫌いは良くないなということを改めて感じた。
私も嘗てはトヨタ車が好きで今の仕事に就いていなければ問答無用でマークXを推すだろうが多くの車に乗り、トヨタ以外の車に多く触れるにつれてトヨタの優等生感がつまらなく、乗り味含めて自身でミドルセダンの基準にしていたマークXが褪せてしまった。
市街地を中心に走り、家族4人乗せて出掛ける機会が多い方ならば街中での扱いやすさ、後席のリクライニング機能のあるマークXを強くオススメするが、私のように走るのが好きで高速走行が多く、どちらかというと2人でクーペのような使い方をする人にはスカイラインの方がおそらく満足度は上だろう。
日本の高級車の基準はクラウン。スポーツセダンの基準はスカイライン。
靴に例えるとクラウンがREGAL、スカイラインがNIKEのスニーカー。
どちらも定番でこれを選んでおけば間違いないと思える品。
スカイラインはまさしくNIKEのスニーカーでスポーツセダンとしてこれを選んでおけば間違いないと言える一台となっている。
このV36スカイラインは後継のV37とは違いスマートでインテリジェンスな技術の日産ではなく、メカとして男臭い技術の日産を感じることのできるモデルであった。