ご存知の通り私の愛車である2007年式クラウンセダン。
レビューに書いた事はありますが、なかなか詳しい事を書いている人は少ないのでご紹介を。
クラウンセダンは2001年のモデルチェンジ時から本元クラウンと異なりコンフォートベースとなったのはご存じの通り。
ゆえにデザインはグリルなどにクラウンらしさを感じさせますが、全体的なテイストはコンフォートその物。
ボディーサイズは
全長4695mm
全幅1695mm
全高1515mm マイハイは1525mm
WB 2785mm
となっており5ナンバー枠目いっぱいで華やかさはありませんがシンプルで飽きの来ないデザイン。
真正面から見ると威厳というよりかは何処か愛嬌のあるお顔。
ガラス製ヘッドライトでくもり知らず。
エンブレムはアスリート用にしています。(紺地に金メッキの方)
リアはクラウンのアイデンティティである横長のテールを継承。
私の車はECOエンブレムや低排出ガスステッカー等が貼られているので年式不明車w
なので私は敢えて6灯化しません。
サイドデザインは子供が描く、車その物の王道的な3BOXスタイル。
直角に近いCピラーのため室内に直射日光が当たりにくく後席の乗客を思ったデザイン。
フロント、Cピラーのエンブレムは前期モデルは17クラウンと共通。
装着されるタイヤは195/65R15
一番流通しているであろうサイズで価格が安くタイヤ銘柄も選びたい放題。
ホイールキャップは15,17クラウン同様の物ですが前車のイメージよりもクラウンセダンのイメージ方が先行する方も多いかもしれません。
搭載されるエンジンはトヨタ直6最後の末裔である1G-FE
2000cc 最高出力160psと現在のスペック見れば平凡なものかもしれませんが、始動時は直結ファンの勇ましい音で2000ccとは思えない豪快な物。
燃費も郊外では10キロを下回ることなく高速では16キロを記録したお財布に優しく、手ごろに直6を味わうことのできる優秀なエンジン。
ちなみに私の車は寒冷地仕様車です。
何が違うのかよくわかりませんがこのようにオイルパンガードが着いています。
みん友さんのクラウンには着いていなかったのでおそらくは寒冷地仕様車専用装備かと思います。
分かりやすいのはアクセルペダルが標準のオルガン式から吊り下げ式となっていること。
これ以外は何が違うのかは、よくわかりません。
実を言うと私はオルガン式の方が好きなので自身の愛車が寒冷地仕様と知ったときはショックでした笑
インパネ周りはベースとなったコンフォート同様13クラウンセダンをベースに作られたものですが13クラウンと異なりソフトパッドではなく硬質プラスチック。
木目調パネルはありますが華やかさはなく、質実剛健。
機能美に優れ、運転席その物。
ただ、この車で不満なのはステアリングに王冠マークがない所。
15クラウンと同様の物だと良かったのに…
トヨタのセンチュリー、セルシオと同形状のステアリングは私にとっては一番回しやすくデザインも好きなパーツですので。
業務用車ですのでペン立ても装備。
しかし、ノック式のペンは入らず、一部の蓋つきペンもしくは鉛筆でないと使えません。
ダッシュボードの高さもなく視界は良好すぎるくらい。
四角いボディーにも関わらずフェンダ―マーカーも装備され、更に最小半径5.1mと取り回し性は下手な軽自動車よりも良好。
教習車でこの車に乗った後、他の車に乗る初心者ドライバーが気の毒に思えるほど。
しかし、良好すぎる故ワイパーアームが邪魔に感じます。
メーターもシンプルなデザインで視認性も良好。
速度、回転数、燃料残量、水温などが一目でわかり、メーターのお手本のようなデザイン。
後期TSS系では常に文字盤がオプティ―トロンメーターのように光っているので更に視認性が向上。
エアコンパネルは90年代のトヨタ車に多く流用されたレイアウトの物で、操作性は良好。
トヨタ車ばかり乗ってきた人ならばブラインドタッチも可能であろうエアコンパネル。
強いて言えばマークⅡやクラウンの上級グレードに搭載されていた液晶付きの物だと更に良かった。
ルームランプも同時期のトヨタの高級車と同じもの。
シートはGパッケージなので15クラウンと同様の今や珍しいジャガードモケット。
座り心地は座面は問題ありませんが、背面は私にはランバーサポートを用いてもクッション性が足りず、長距離では腰が痛くなります。
ポジション的にもチルトはありますがテレスコはありませんので、足に合わせるとイマイチしっくりきません。
そういった点ではベースとなったコンフォートの上級グレードSGのシートの方が楽かもしれません。
この車で一番私がしっくりくるポジションはチルトを一番上にあげ、シートを直角にしたタクシードライバーモードですねw
ドアトリムは15クラウンセダンと同様のデザインの物で全体的な質感は硬質プラスチックも使用されておらず上質。
クラウンお約束の電磁式トランクオープンナーも装備。
15.17同様につま先が当たりやすい下部にはループパイル地のカーペットと同様の物が張られ
ご覧のようにスピーカーグリルにも布が張られコストが掛かっています。
こういった所にも布が張られ、ケチっているのかケチっていないのかがわからない…
ドアのネジ隠しやヒンジカバーなど現行クラウンよりもしっかりしたところがある点などなかなか面白い。
照明付きバニティーミラーも装備され一応クラウンという名前に恥じぬよう最低限のクラウンらしさは確保されています。
もう一つ13から15までのクラウンにお約束のスプリット式のコンソールボックスも装備。
コンソールの部品自体は13クラウンと同様の物。
ご覧のようにこのボックスは財布を入れるのにちょうどいいのですが開閉の特性上小物を落としやすく、私もペットボトルのキャップを落としご覧の通り全開にできません。
また、取るにはコンソール全体をバラす必要があり一苦労な為暫くそのままにしています。
コンソールが13と同様なのを利用して私は13HTのコンソールボックスを流用。
クラウンセダン用と異なり起毛処理されていますので、小物を入れてもカタカタ言わず自己満足度の高い一品です。
グローブボックスは容量的に車検証を入れれば終わり、使い勝手はあまり良くはありません。
クラウンセダンを始めコンフォート兄弟の特筆すべき点は後席の広さ。
助手席を一番後ろに下げているにもかかわらずレジェンドよりも広々。
まさに送迎車。
また、Gパッケージなので皆さん大好きなオットマンを装備。
本家クラウンと並ぶとやはり引け目を感じますがオットマンは装備されませんので自慢の一品。
可倒式ヘッドレストを倒さなくとも視界は良好ですが倒すと前を遮るものがなく車酔いし易い人も安心。
リアアームレストにはドリンクホルダーも装備。こちらのホルダーは取り外しが可能で取り外した際はティッシュボックスも収納可能。
先代、現行クラウンは上級グレードでなければ収納ボックスが装備されませんのでここは現行に勝った(笑)
アシストグリップは合皮巻き。
読書灯も装備され流石送迎車。
強いて言えば、スペース的に厳しいかもしれませんが15のようにエアコンの吹き出し口があれば文句なしの居住性。
標準で読書灯が装備されているにも関わらずオプション設定されているのもまた面白い。
大好きなエアプュリも装備。
マークIIやクラウンの様にさりげないものではなく、スペースの関係上いかにも空気清浄機置いてます!
という感じですが掃除がしやすく私は好きです。
もう一つ脱着式のハイマウントストップランプ。
窓ガラスを綺麗にムラ無く掃除できますのでお気に入りの装備。
同時期の17クラウンが電球式のストップランプだったのにクラウンセダンはLED式なのもタクシーとして使用する為なのかな?
以前ご紹介した昭和の高級車を感じさせるアイテムである、リア用の灰皿も装備。
後期では廃止され灰皿部分は木目パネル。
Gパッケージではオットマン、可倒式ヘッドレスト、前後調節機能付きヘッドレスト、エアピュリが廃止されますので前期の方が装備が良いというのも面白い。
生活感のあるトランクルームで申し訳ありませんm(__)m
ご覧のように燃料タンクの関係上奥行きはありませんが内部は四角く見た目よりも大容量。
私が必要なものを乗せてもこのくらいスペースに余裕があります。
開口部もデカイので重たい荷物も楽々収納。
走行性能はX80系マークⅡがベースで本元クラウンと異なり4輪独立懸架ではなく、リアがリジットで走行安定性に欠けると思われるかもしれませんが普通に走っている分には基本設計は古いですがしっかりと作られたシャシーなのでしょう。運転している分には詳しい人が乗らない限り車軸懸架か4輪独立懸架かはわからないと思います。
交差点などで轍を跨ぐときに感じるくらい。
乗り心地は非常に柔らかい為、峠道や都心環状線のような所では、大型車のようにきちんと減速しなければロールが大きいです。
しかし、前席で感じるほど後席ではロールを感じません。
全体的に基本設計は古いですがFRという事もありステアフィールも癖がなく、運転しやすく車の基本をしっかりと確保しています。
動力的に後期VVT-I付きの1Gはタウンユースでは不満はありませんが、大排気量に乗り慣れると、高速での合流時にしっかりと踏み込まなくてはなりません(音の割に速度が出ていない)
高速安定性は法定速度100キロまでは普通に運転できます。120キロを超えると両手でハンドルを持って運転。メーターの180から160までの間ですと流石にボディーが共鳴し車が危険と教えてくれます笑
静粛性は悪くはありませんが本元のクラウンに比べるとエンジン音は入ってきますが6気筒の心地よい音を存分に聞くことができるので私はあまり気にしていません。
しかし不満なのはフロアの遮音性。ギャップを超えた際のボコボコとした音が室内に入りやすく、私の場合フロアを鉛シートで制振、各種フェルトを敷き詰め軽減しました。それでもやはり気になります。
最後に
昨年販売を終了したクラウンセダン。
クラウンセダンとしては2001年から16年。コンフォートからは1995年から21年。さらにベースの80系マークⅡからですと約30年と言わば熟成された車でした。
悪く言えば枯れた技術の集合体。
ボンゴバン含め現在も販売されている昭和から続くシャシーを用いた車は最近の車に比べて構造が簡単で耐久性が高い。
長寿モデルゆえの莫大なデータから故障しても比較的すぐに修理可能で部品の調達も容易ですぐに業務を再開できる。
この車の本来の使用用途ではこれほど大切なことはありません。
後期では装備されますが私が乗るガソリンモデルにはTRCやVSCなどの電子制御もなくドライバーの腕が試される車ですが、それゆえに車に頼らない運転が必要となってきます。
路面状態の悪い道を最近の車と同じ感覚で曲がろうものならこの車は簡単にケツが流れます。
私も初心者の頃、この車でヤンチャな運転をして危ない目に遭っています。(特に雨天時と落ち葉は危険でした)
これをプラスとするかマイナスとするか。
プラスとするならば電子デバイスに頼らず、運転の基本を学ぶことができる。
マイナスは現在の車と比べるとやはり誰でも簡単にワインディングを攻めることはできないという事。
しかし、日常でこのような使い方をする人はこんな車は乗りません。
この車はあくまでも後席のお客をいかに快適に目的地まで運ぶかが重要な車であり、運転する側のプロ意識が問われる車です。
ゆえに私はこの車が好きですが自家用車として多くの人に進めようとは思いません。
しかしこの車の魅力は流行に流されないシンプルなデザイン、5ナンバーでクラウン、比較的最近まで生産していた車ながら、乗り味などに古き良きクラウンの世界を楽しむことができる。
この車はある程度運転する側の覚悟が必要な車だと思います。少なくとも30年前の車の基準で見なくてはクラウンという名前に囚われがっかりする点の方が多いかもしれません。
しかし、この車の特性を理解し、この車を愛すことができる人には高い満足度を与え、持ち主の良き相棒となる事でしょう。
事実、私はこの車を繋ぎで買って当初は早々に乗り換える予定でしたが、乗っているうちにこの車の魅力に気づき、今では手放せなくなりました。
私はレジェンドとクラウンセダン全く違う趣向の車を所有し、どちらもとても大事に思っていますが、仮にどちらかを手放さなくてはいけないとしたら、レジェンドを手放すことがあってもクラウンセダンを手放すことはないでしょう。
それだけ、私にとってクラウンセダンは良き相棒です。
その魅力はここで書いてしまうのは簡単ですが敢えて書きません、興味のある人は是非ご自身で確かめてみてください。
http://cdn.toyota-catalog.jp/catalog/pdf/crown-sedan-3/crown-sedan-3_200406.pdf