本日のお題も私のページにお越しの方は大好物であろう車…
20セルシオ eRです。
装備から見てこの車はB仕様のeR。
eRはご存知かと思いますが欧州チューンが施され、セルシオの中では走りに振ったモデルでエアサスではなくコイルスプリング。
今回紹介する車両は距離こそ走っていますが非常に綺麗で整備もばっちり、多くの装備も手つかず純正でセルシオを味わうには最高の条件。
ボディーサイズは
全長 4,995mm
全幅 1,830mm
全高 1,415mm
WB 2,850mm
となっており、現在の基準から見ても堂々たるボディーでトヨタのフラッグシップに相応しい風格を兼ね備えています。
後期型の本車両のデザインはフロント以外は先代の10系のキープコンセプト。
後期型からディスチャージランプとなった為、20年の歳月を感じさせません。
大柄なボディーを居住空間のみならずデザインにも生かしていますので王道的な3BOXスタイルで初代よりもずっしりと塊感のあるボディースタイル。
セルシオは国内専売ではなくご存知の通りレクサスLSとして高速走行が多い海外で販売されている為、トランク部の処理は空力を意識した形状で
トランクの絞り込みや御覧の通り凹凸がないボディーは四角いボディーにも関わらず現在の車と遜色ないcd値0.28を実現。
窓ガラスも当時にしては珍しくほぼフラッシュサーフェイス化されています。
事実、街中での静粛性はクラウンと大きく変わりませんが80キロから先の静粛性はクラウンよりも遥かに上。
ワイパー部もこの通り、これも空力の為かフェンダーマーカーも装備されず。
タイヤサイズは225/60R16
装着されるタイヤは前回のクラウン同様アドバンdb V552
トヨタのフラッグシップであるセルシオには20年以上前からご覧の通り現在と同じようにレーダークルーズコントロールが装備。
速度域は50~100キロまでですが現在の物と使用感は変わらずしっかりと前車の速度に合わせて加減速します。自動ブレーキは装備されませんが、指定速度以下になると警告音もしっかりと鳴ります。
悪天候時は現在の物に比べて使用できないことが多いですが20年前の技術と考えると大したもんです。
搭載されるエンジンは名機1UZ-FE
本車両はVVT-Iが装備された物で、今まで何度も書いていますが後継の3UZよりも好きなエンジンでサウンド、滑らかさは今でも一級品。
燃費も私が郊外を走らせ9キロ以上と大変優秀。
内装はeRなのでヤングアダルトの心を擽る黒革内装。
デザインに華はありませんがダッシュボード全体に貼りめぐらされた厚いソフトパッド、ウォールナットの本木目、天井、見えないところまで丁寧に、そして触れてわかる質感の高さが魅力的。
丁寧に仕立てられた内装は16万㎞を越えても軋み音一つ鳴りません。
ちなみにこの個体はお約束の屋根、革、マルチの三種の神器が揃っており、サンルーフに関してはeRは標準装備!
ましてや安心のバネサス仕様w
ドリンクホルダーはペットボトルには役不足かな?
私と同年代の方は勿論の事セダン好きならば、このようにチルトさせたサンルーフに萌えるはず。
ナビ周りもトヨタ車に乗ったことのある人ならば、おなじみのスイッチ類、表示、案内。
しかし、今まで気が付かなかったが音声はおなじみのあの声ではなかった…
15クラウンはお馴染みの声だったがセルシオの方が1年早く登場している影響かな?
モニター部も現在でも主流の7インチですので今現在でも動作の遅さ、画質、地図の古さ以外は違和感なし。
ナビ音声動画
https://twitter.com/Doyama20/status/1128230049746784256?s=19
メーターは自発光式。今こそ軽自動車でも当たり前の装備ですが、トヨタが10セルシオで初採用しセルシオのメーターは言わば元祖オプティ―トロンメーター。
緑とも白ともいえないこの色は目に非常に優しく、真っ黒の中からじわりと光るその姿は味わい深く、現在の液晶メータではこの雰囲気は出せないでしょう。
液晶メーター全盛の現在でも視認性の良さはこちらの方が遥に上でしょう。
メーターの表示類も多彩で多くのインフォメーション類が表示されカタカナ表記に萌えるあなたはマニアです…
夜はトヨタグリーンに囲まれムーンルーフから星空を見ながらドライブすれば日ごろのストレスもセルシオならば優しく癒すことでしょう。
しかし、内装の設えはクラウンも高級車ですが流石はセルシオともなるとコインホルダー然り
油膜除去タイプのウォッシャー
ベルトショルダー調節は運転席のみならず
助手席もこの通り電動…
チャイルドロック部も金が掛かっとる…
読書灯もこの通り2か所点灯。
ドア開閉に合わせて更に点灯…
間接照明はアンバー黒革内装にアンバー…
柔らかな雰囲気がいい…
オートエアピュリとウーファーもこの当時の高級車を語るには外せない装備。
このリアボードに色あせたピンクのクリネックスのボックスティッシュを置けば完璧だw
余談ですが、トヨタの上級車であるセンチュリー、セルシオ、クラウン、プログレ、ランクルなどと同形状のステアリングは多くのステアリングを握ってきましたがデザインと操作感は私にの中でNo1
革張りのシートは大柄で適度に反力があり深く沈みこまず私の腰痛センサーも全く反応せず。
今では数少なくなったスプリング入りのシートは21世紀の高級車にも負けない代物。
ご覧のようにヘッドレストの高さ調節も電動なのでとても快適、歴代セルシオはどれもヘッドレストが良く、長距離の移動は勿論の事、仮眠の時に威力を発揮します。
後席も広々、頭上空間はこの当時のセダン共通で狭めですが
足元も私のポジションでこんな感じ。
eRなのでドリンクホルダーのみのアームレストですが、
蓋を閉じやすいようにとの配慮は素晴らしい。
前後ドアトリム。
インパネ同様に派手さはありませんが布が張られたスピーカーグリル控えめなギャザーの入ったレザー部分など飾らずに質感の高さで勝負した印象。
面白いのがこの部分。
物を入れたくなりますが実はポケットになっていないので物を入れると落ちてしまう…
後席のドアトリムには当時のセダンではおなじみの灰皿にクラウンでは装備されないシガーソケットと大好物のビーズが…
走行性能はエアサスモデルと比べると非常にしっかりとしたもので、流石は欧州を意識したユーロチューン、ハンドリングはしっかりと重さ、反力があり熟成された油圧パワステで動きが自然。足回りもフワッとしたものではなく、エアサスモデルのクラウン的な旦那仕様、衝撃という衝撃を吸収するような乗り味を想像すると総スカンを食らいます。感じとしては先日ご紹介したKA9レジェンドのように重さを生かした非常にずっしりとした乗り味。
コーナーリング時も結構粘り、この時代のドライバーを信用し過ぎていない感覚と言えば良いのかな?
どこまでもフルスピードで駆け抜ける感じではないこのフィール、好きですね。
ブレーキが重さゆえに、少々頼りないところがありますが、街中を扱うにはトルクフルなエンジンと最小半径5.3mの小回り性能を生かして最近の高級車に慣れてしまえばどこでもスイスイ。
全長5m近い巨体ですが4車線のバイパスをUターンするのも簡単。
これは非常に重要なことです、レジェンドはそうはいかないので。
エンジン自体も低速からトルクもりもりで回さなくても、するすると簡単に加速していき、普段は2000回転以下で事が足り、いざ踏み込めばあっという間に100㎞。
5ATで余程の事がない限り2000回転以上回すことはありません。トルクで走れる車は本当に楽で私の走りでは1500回転で事足ります。
乗せて貰うならばエアサス車ですが運転するならばeR。
重量は2㌧、全長5m弱、全幅1.8mオーバーと巨漢ですが、それゆえの走行安定性があり、私の好きなブレビス等の小さな高級車には出せないものです。
この個体は16万㎞を越えていますがエンジン、ミッション共々快調その物でステアリングにガタもなく、室内は軋み音一つ鳴らない静寂に満ちています。
そんな静粛性に関してはアクティブノイズコントロールなどに頼らない制振材、吸音材をふんだんに使った物。街中ではマジェスタと差ほど変わりませんが高速域になると雲泥の差。無機質な静かさではなく遠くでヒューンとエンジンが囁き、路面からのノイズも物理的に遮断した物。静かな車はつまらないと仰る方もいるとは思いますが、私のブログにお越しの方は解る方が多数だと思いますけれど、案外静かな車は静かな車なりに楽しさもあるんです。
この車で一番目立つのはロードノイズかな。
しかし静粛性は依然乗せてもらったeRではない通常モデルの方が静かだった記憶が…
どなたか詳しい方教えてくださいませ。
この車は何度も述べたようにトヨタのフラッグシップ、最高という名のセルシオ。
20系自体の登場は1994年。
本車両と同じく各種先進装備が追加された後期型は1997年。
80年代車はところどころ走行性能に古さを感じさせる部分がありますが、90年代になりますと各社豪華さだけを主体にしたものではなく走りに携わる部分も重要視し始めましたので、現代においても見劣りすることなく、セルシオに関しては走行性能は現在でも通用するレベル。
ABSは勿論VSC、サイドエアバック、レーダークルーズなど自動ブレーキの類は装着されませんが20年前のセルシオも現代の車と大して変わりません。
20年を越えても現在の車に引けをとらないセルシオ。その志に最敬礼。
KA9レジェンドの時にも思いましたが、やはり各社の技術の粋を集めたフラッグシップは年数を越えても陳腐化しません。物がしっかりしています。
まして、この車のように当時物ナンバーを着けた個体に乗ると何とも言えない優越感に浸れますw
塗装もまだ、艶々。
この車に専用のエンブレムはなく、あくまでトヨタのエンブレムのみ。かつては世界の名だたる高級車を驚愕させたトヨタ。しかしその後はライバルがセルシオの良さをうまく吸収して生かし、再びライバルの後塵に…
トヨタのマークを背負って世界に勝負できる車を作って欲しい…
トヨタは日本一の自動車メーカー。きっと出来るはずです👍