私がレコードプレーヤーのカートリッジに大きく分けて2種類(MM型カートリッジとMC型カートリッジがあり構造が違う)ある事を知ったのは1年と少し前。そうです、DENON DP-500Mを導入した時でした。つい最近なのです。
そして出力端子からの出力の大きさがLINE出力(CDプレーヤーなどの出力)>PHONO出力で、PHONO出力にも使用するカートリッジで出力の大きさが違いMM型カートリッジ>MC型カートリッジとなるそうです。
要約すると
LINE出力>MM型カートリッジ>MC型カートリッジ
と言うことです。これもこの時初めて知りました。PHONO出力、特にMCカートリッジの出力は凄く小さく繊細なんですね。
※大きく分けるとMM型カートリッジとMC型カートリッジの2つでMM型カートリッジが出力が大きいのですが、MC型カートリッジでも高出力型のカートリッジ(DENON DL-110やortofon MC-3 Turbo・MC-1 Turboなど)やaudio-technicaのVM型カートリッジ、NAGAOKAのMP型カートリッジなどもありそれらはMMポジションで聴けるようです。
家に親父のオーディオ機器があったので小学3、4年生頃から触ってはいました。しかしその頃はネットがありませんので情報を得られるとしたら人から直接聞くか本や雑誌などしかありませんでした。小学生の私にオーディオに詳しい仲間など居るはずも無く本や雑誌など購入出来る訳も無いので目の前にある物だけがオーディオ機器の情報の全てでした。
今もスピーカー以外はありますが、当時使用していたレコードプレーヤーはTechnics SL-1300、カートリッジにTechnics EPC-440C、プリメインアンプにTechnics SU-4600、スピーカーにTechnics SB-660で聴いていました。
EPC-440C がMM型カートリッジだった事、SU-4600がMM型カートリッジにしか対応していないプリメインアンプだった事もDP-500Mを導入する時に初めて知りました。
それまでは全てのカートリッジ(カートリッジと言う名前も知りませんでした。)がMM型カートリッジのように簡単に針交換が出来る物だと思っていましたしPHONO端子にレコードプレーヤーを接続すればどんなカートリッジでも聴ける物だと思っていました。
前にも書きましたが粗大ゴミで拾ってきたオーディオ機器も使用していた事もあり、当然その中にはレコードプレーヤーもありましたが本体は壊れている事が多かったためヘッドシェル付きのカートリッジだけを拾って使用していました。それらも今考えるとたまたまMM型カートリッジばかりだったのでSU-4600で普通に聴けていたんですね。
親父に教わってないのですが何故だかPHONO出力端子を他の入力端子に接続しようと思ったこともなかったですしCDプレーヤーなどの出力端子もPHONO入力端子に接続しようと思ったことがなかったので考えたこともありませんでした。
ただAUX入力端子だけは予備的に装着されている外部入力端子だろうとは思っていましたのでCD入力端子のないSU-4600ではAUX入力端子にCDプレーヤー出力を接続していました。しかしここにも何となくレコードプレーヤーを接続したらダメなんだろうなとは思っていました。
現在の構成
DP-500Mを導入する時にカートリッジに大きく分けて2種類ある事を知りましたがそれと同時に片方のカートリッジ、MC型カートリッジは出力が低くMC昇圧トランスやMCヘッドアンプと言う機器で出力を大きくする事、そして製品によって音質が変わる事も知りました。
基本的には下のような接続になります。
①MC昇圧トランス
MC昇圧トランスはトランス(簡単に言うと変圧器)でMM型カートリッジ並の出力に増幅する装置で電源は使用しません。今でも新製品が販売されています。MC昇圧トランスからの出力はMM型カートリッジ用の入力へ接続します。そしてMC昇圧トランスにはMM・MC切り替えが出来ない物(MC型カートリッジ専用)と出来る物があります。
MM・MC切り替えが出来ないMC昇圧トランスはMC型カートリッジを使用する場合はMC昇圧トランスをレコードプレーヤーとプリメインアンプなどの間に接続します。
MM型カートリッジを使用する場合はMC昇圧トランスを使用しないので通常通りに接続し直す必要があります。
MM・MC切り替えが出来るMC昇圧トランスはMM(PASS・THROUGHなど)を選択するとトランスを通さずスルー出力させます。ですからこの場合、MM型カートリッジを使用するのに接続し直す必要が無く手間が省けます。
②MCヘッドアンプ
その名の通り電源を使用してMM型カートリッジ並の出力に増幅する装置です。今は販売されておらず中古品しかありません。こちらはMC昇圧トランスと違ってMM・MC切り替えが出来る物しか見た事がありません。MCヘッドアンプからの出力はこちらもMM型カートリッジ用の入力へ接続します。
先程も書きましたがMC昇圧トランス・MCヘッドアンプを使用した場合はⒶの出力がMM型カートリッジ並の出力になっているのでプリメインアンプなどの入力はMM型カートリッジ入力へ接続します。
※PHONOケーブルとはRCAケーブル+アースケーブル
①・②とは少し違いますがフォノイコライザーアンプを使用する方法もあります。
フォノイコライザーアンプは電源を使用して増幅するのですが出力がPHONO出力ではなくLINE出力並み(簡単に言えばCDプレーヤーなどの出力信号と同じ)になります。ですからPHONO入力ではなくLINE入力に接続します。フォノイコライザーアンプにも少ないですがMM・MC切り替えが出来ない物(MM型カートリッジ専用)と出来る物(MCヘッドアンプ内蔵のフォノイコライザーアンプと言う事です。)があります。
MM型カートリッジにだけ対応している物の場合、MC型カートリッジを使用するにはやはりMC昇圧トランスかMCヘッドアンプも使用する必要があります。
MM型カートリッジを使用する場合はMC昇圧トランスを使用しないのでフォノイコライザーアンプに接続し直す必要があります。
MM・MC切り替えが出来るフォノイコライザーアンプは使用するカートリッジを選択するだけで良いのでどうせ購入するならこちらの方が便利です。MCヘッドアンプ内蔵のフォノイコライザーアンプが多いのですがMC型カートリッジの昇圧にヘッドアンプではなくトランスを使用するMC昇圧トランスを内蔵しているフォノイコライザーアンプもあります。
フォノイコライザーアンプを使用した場合はⒷの出力がLINE出力になっているのでプリメインアンプなどの入力はLINE入力へ接続します。
※LINEケーブルとはRCAケーブル
最近はレコードが流行っているのでPHONO入力が装備されているプリメインアンプなどがまた増えましたが一時はPHONO入力の無い物が多い時代もありました。そのような時にもフォノイコライザーアンプやフォノイコライザーアンプ内蔵のレコードプレーヤーを使用します。PHONO入力が装備されているプリメインアンプなどはフォノイコライザーが内蔵されています。価格にもよりますがフォノイコライザーアンプに特化した製品は内蔵している物より高性能です。
前に使用していたプリメインアンプ、PIONEER A-50DAは考えるとMM型カートリッジにだけ対応しているフォノイコライザーアンプを内蔵、今使用しているプリメインアンプ、LUXMAN L-505uXはMCヘッドアンプを搭載したフォノイコライザーアンプを内蔵していると言う事です。内蔵の物はそれなりの物(聴いて分かるかは別ですが…)だと思います。それに幅広いカートリッジに対応出来るようにしているため所有しているMC型カートリッジ、DENON DL-103・DL-103Rに限れば必ずしも最適な設定となっておらず本来の性能を発揮出来ていないと思います。
今回はそのDENON DL-103・DL-103Rの性能をもっと発揮させようとこれを導入しました。
DENON
AUDIO STEP-UP TRANSFORMER AU-340
1987年頃発売のMCカートリッジ用 昇圧トランスです。古い物です。
一つ下AU-320と言う昇圧トランスがありますがそれは数がそれなりに多くネットオークションやネットショップでよく見かけます。初めはAU-320にしようかと思っていたのですが某ネットオークションでたまたまAU-340を見つけAU-320ほど出回っていないしこのAU-340は元箱はありませんでしたが説明書とAU-340に元々付属していたRCAケーブルが揃っていて大変綺麗な物だったため落札しました。たまにAU-340を見かけますが元々付属していたRCAケーブルまであるのは珍しいです。
元々付属していたRCAケーブルなのでしっかり「DENON」の文字が凸文字と印刷もされています。
こちらで入力切替出来ます。1と2があるのでレコードプレーヤーを2台接続したりツインアームのレコードプレーヤー(トーンアームが2本あるレコードプレーヤー)を接続出来ます。
L-505uXは1台のレコードプレーヤーか1本のトーンアームしか接続出来ませんがこれを使用する事により接続し直さなくても2台のレコードプレーヤーかツインアームのレコードプレーヤーの2本のトーンアームを切り替えて使用出来ます。
こちらがトランスセレクター。
左側の「PASS」はMM型カートリッジなど昇圧させる必要が無いカートリッジの時に選択し入力した信号はトランスを通らずスルーしそのまま出力します。
真ん中の「3Ω」はortofonのSPUなどのローインピーダンスのMC型カートリッジで使用します。
右側の「40Ω」が今回使用するDL-103などのハイインピーダンスのMC型カートリッジで使用します。
DENONではもう販売していませんが今でもMCカートリッジ用 昇圧トランスは新商品で販売されています。今販売されている新商品の昇圧トランスでも良かったのですが、まずは同じDENONでと思いDENONの昇圧トランスしか探していませんでした。他のDENONの昇圧トランスもそうですが時代が被っているDL-103とは特に相性が良いはずです。
そして…
ACROTEC
6N-A2110 RCAケーブル 1m×2本
前オーナーさんがAU-340に元々付属していたRCAケーブルよりこちらがお気に入りだったらしく付いていました。20年ぐらい前の当時2万円ほどしたケーブルのようです。
そのままでも綺麗だったのですが念のため掃除し端子も綺麗にしました。
そしてこの6N-A2110 RCAケーブルも掃除していたのですがRCAコネクターの中はどうなっているかな…と気になり開けてみました。キャップ状になっているので反時計回りに回すとRCAコネクター周りのカバーが外れます。このようなRCAコネクターだと大体同じ構造です。
中身も特に変わった所はありません。
そして元に戻そうと時計回りにカバーを回していると元の位置を超えても回り続けました。
おかしいなと思いながらも回し続けるとここで止まりました。
「これは‼」
試しにAU-340に接続し一杯まで締め込むと抜けませんでした‼一杯までカバーを締めるとRCAコネクターがロックされるコレットチャック式だったんですね‼。
今回はとりあえずDP-500M~AU-340は今使用しているortofon 6NX-TSW-1010Rフォノケーブル、AU-340~L-505uXはせっかくなのでこのACROTEC 6N-A2110 RCAケーブルと前に使用していたBELDEN 8460スピーカーケーブルをアースケーブルとした物を使用し接続しました。
ところが…。