2SK2412 DCパワーアンプ その1(製作)
投稿日 : 2022年02月26日
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2SK2232 DCパワーアンプを製作している時に気づきました。
リチウムイオン電池電源±11V(約7W出力)程度であれば、もっと特性の良いFETを使うことで、音質向上ができるのではないかと。
辿り着いたのが今回の2SK2412で、パワーアンプを製作します。
2SK2412でパワーアンプを製作している事例が検索できなかったですが、どうなるでしょうか。
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FET諸元表
2SK134、2SK1529はオーディオ用のMosFETですが、オン抵抗が高く順伝達アドミタンス|yfs|が低いです。
一方、2SK2554や2SK2233はオン抵抗が低く、順伝達アドミタンス|yfs|が高いのですが、入力容量が多く、高域の応答性は低下します。
今回選んだ2SK2412(黄色着色)は出力30Wですが、入力容量は2SK1529に近く、順伝達アドミタンス|yfs|が4倍弱の15Sで電圧の立ち上がり特性に優れています。
低入力容量と電圧の立ち上がり重視で選んでみました。
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アンプの回路は4端子型SiC-FET DCパワーアンプとほぼ同一です。
参考回路
https://minkara.carview.co.jp/userid/2649267/car/2217963/5013280/photo.aspx
選別
念のため、2SK4150+2SK2412のダーリントンモジュールで150mA(12V)時のVGS(V)を測定しました。
約2.5%の差がありましたが、手動の測定誤差が大きく(温度上昇でドリフトする)参考程度です。
VGSの近い物でペアー組をします。
同一ロットならば無選別でもいけそうです。
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VGS-Id の関係
終段の駆動用抵抗は150Ω、VDSは12V
手動計測のため、少々バラつきがあります。
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アンプ用ベンチで基板と終段モジュールを組み込み、作動調整します。
出力波形を観てみます。
10kHzサイン波(出力負荷は8Ω)
赤線:入力信号
黄線:出力
出力電圧は約±11(ほぼ電源電圧)あり、約7Wの出力です。
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10kHz方形波(出力負荷は8Ω)
オーバーシュートが見られたので、NFB抵抗に47pFをパラった後です。
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簡単にヒアリング
低域の押し出し感は2SK2233に一歩譲ります。
しかし、中高音の音の分解能が高く、小音量の楽器が良く聞き取れます。
声質も一層滑らかになりました。
音質は合格です。
6ch分の仮調整まで完成しました。
次はケーシングです。
つづく
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