
賛否両論が飛び交う
エネルギー回生システム(KERS)だが、2009年シーズンに向けて装着の準備がなされている。
また、KERSは将来のロードカーで使用可能な技術として、それぞれのF1チームの開発力を示す機会ともなり、またレース中に使用することで、オーバーテイクの際に
馬力を一時的に上げる事が出来るというメリットもある。
だが、昨シーズンのテストの際にBMWのメカニックが感電した事故を取り上げ、
危険性が高いと数チームはいまだ導入に異論を挟んでいる。
「かかる電圧は数百ボルトに及び、電流は数十アンペアに達する可能性があり、
場合によっては
十分死に至る危険性がある」
「また使用しているのは直流であり、感電してしまうとそれを逃すすべが無い」
ルノーのテクニカルディレクター、ボブ・ベルはそう警告を発している。
これに対し、FIAホワイティングは、
「我々は、テクニカル・ワーキング・グループを通じ、
KERSセーフティ・
ワーキング・グループを設置、BMWに指揮を執ってもらっている」
「彼らは何度と無く議論を重ね、取り扱いに関する長い提案書を出しており、それはすでにレギュレーションに反映されている。また、その内容を元に最終的な手引きが作成され、グランプリが行われるすべてのトラックやサーキットへと手渡される」
「各チームは自らの安全性を確保するために、それぞれで非常に責任を持って対応している。彼らはまた、マーシャルがコースアウトした車両への対応の仕方に関しても注意を払っている。例えばすべての車両に
KERS状態を示す警告灯のような装備が取り付けられるだろう。またマーシャルは、我々の提供する説明書で扱いに関して学ぶ事になるだろう」
「システム自体は安全なはずだ。もし危険が生じたならば、車に近づくマーシャルに
対してはっきりと示されなければならない。マーシャルは車に近づく際に、KERS状態警告灯を見て、もし異常を示していれば車に触れてはならない」
「またトラックで作業する人々に対しても、パーツの扱い方を説明する必要がある。
それらのパーツには、はっきりと識別できるようにカラーコードを施すことになるだろう。高電圧の危険性があるパーツに関しては、どのように運ぶかをきちんと知っている必要がある。また彼らは数千ボルトの耐性があるグローブを装着するだろう」
と述べている。
さらにホワイティングは、
「KERSはフォーミュラ・ワンをより面白いものとするだろうと考えている。ドライバーがそれをどのように使うのかを注目して見るのも興味深いだろうね。というのも規定では、パワーの放出は完全にドライバーの制御下に置かなければならないからだ。それが重要な部分なのだ」
とも。
危なそうな装置だが、過去にあった
オーバーテイクボタンの様な
新たな
装置には正直
期待するものがある。
Posted at 2009/01/31 09:15:43 | |
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