HA36 パワーウィンドウ故障修理
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
6時間以内 |
1
助手席側のパワーウインドウが、運転席側SW(以下メインSW)・助手席側SW(以下サブSW)とも上げ方向に操作しても動かなくなった為、原因を調べました。
最初は頻度的に時々上がらなくなる程度でしたが、徐々に症状が悪化して最終的に完全に上がらなくなりました。
応急処置として、窓を閉めなければならないので、ドアガラスを持ち上げてテープで固定しました。
手順です。
①助手席側ドアトリム(内張り)を固定しているボルト2本(写真の箇所)をプラスドライバで取り外す。
②フロントスピーカ前方から後ろに向かって順々にトリムを剥がす様に引っ張り、ドアトリムごと樹脂製リベットを抜いていく。
同時に助手席側サブSWの配線コネクタを抜く。
ドア側にリベットが残る場合は、抜いてトリム側に取り付けておきます。
※写真は運転席側のものを使用
2
シーリングカバー(透明ビニール)を剥がす。
パワーウィンドウ駆動用モータ付近とドアガラスアップストップボルトの周りだけでOK。
剥がす時にブチル接着剤が粘って伸びて汚らしくなるので、指で整えておきます。
ブチル接着剤は、何回剥がしても接着力が落ちる事無くシーリングカバーを固定する事が出来ます。
※写真は運転席側の違う箇所です
3
前後2ヶ所のドアガラスアップストップボルトをプラスドライバーで緩めて取り外す。
これでドアガラスがフリーになります。
結構強く締め付けてあり、先端サイズ2番のドライバーを使うと十字穴をなめてしまいますので、必ず3番を使います。
※写真はサブSWをドアトリムから取り外してコネクタを差し直した状態
4
ドアガラスが前後のドアサッシュ(ガイド溝)にはまっている事を確認しながら手で上方向にスライドさせ、養生テープでドアに仮固定する。
私の場合、梱包用透明テープを使用しましたが、粘着力が強い分、後日テープを剥がした後にガラスに付着した接着剤をブレーキクリーナで除去するのにとても落としにくかった為、シール剥がし剤の使用をおすすめします。
または養生テープの様なもう少し粘着力の弱いテープを使った方が良いのかもしれません。
5
ここからは電気的なチェックです。
①助手席側サブSW本体をドアトリム(内張り)に固定しているボルト2本をドライバで緩めてSW本体を一旦外し、ドア側ハーネスのコネクタに差し直す。
②助手席側のモータから抜き取った2極コネクタにデジボルのプローブ2本を差し込み、キースイッチONの状態で、運転席側メインSWと助手席側サブSWをそれぞれ押して直流電圧を測定したところ、「下げ」「上げ」共に12V供給されている事が分かりました。
(=ハーネスの断線は無く、メイン/サブ共スイッチの切換機能に問題無し)
6
①手順1、2と同様、運転席側のドアトリム(内張り)を外すと同時にメインSWのコネクタを抜き、更にシーリングカバーを剥がす。
②メインSW本体をドアトリムに固定しているボルト2本をレンチタイプのプラスドライバで緩めて一旦SW本体を取り外し、ドア側ハーネスのコネクタに差し直す。
7
ここから先は、スズキのディーラーでパワーウインドウの配線図をプリントアウトして頂き、回路を確認しながら原因調査しました。
助手席側モータ入力側(+)電流は手順5で問題無かったので、次に戻り側(-)電流を確認しました。
助手席側配線のコネクタを元通りモータに挿し込みます。
配線図によると、戻り側はサブSWとメインSWを経由して最終的にボディにアースされているとのことなので、キーSW OFFの状態で導通チェックを行いました。
8
①メインSWのコネクタの灰色線の端子(配線図内メインSW No.5)と茶色線の端子(配線図内メインSW No.7)に導通試験モードにしたデジボルのプローブを差し込み、メインSW・サブSWとも「上げ」操作したところ両方とも導通の証であるブザー音が鳴りました。
(=モータの接続やサブSWの接続状態には問題が無く、少なくともメインSW直前の端子No.7までは電流が来ている)
②メインSWのコネクタの灰色線の端子(No.5)にデジボルのプローブを1本差したまま、もう1本を今度はワニ口クリップ付きの配線で延長してボディの金属面に接続し「上げ」操作したところメインSW・サブSWとも導通NG、「下げ」は導通していました。
(=メインSW内の「上げ」方向の回路の途中で戻り側の導通が途切れている)
③試しに、メインSW直前の茶色線の端子(No.7)からワニ口クリップ付き配線でボディの金属面に直接バイパス(戻り側の強制ボディアース)を行い、キーSW ONの状態で「上げ」操作したところメインSW・サブSWとも助手席側ウィンドウが動きましたので、②が裏付けられました。
注)③の配線をつなげたまま絶対に「下げ」操作しないこと! バッテリの+-端子を直結しているのと同じ状態になりショートします!
よって、原因はメインSW内部の故障と判断し、ネットで中古品を購入し交換を行いました。
9
参考情報その1
配線図全体です。
前席のみパワーウィンドウ付きと全席パワーウィンドウ付きの両方が載っています。
10
参考情報その2
もしモータの故障であれば、レギュレータアッシを交換する必要がありますが、その場合に緩めるボルトがこの8ヶ所です。
※写真は左前側です
これらを外し、ASSY全体を一番大きな開口部から取り出します。
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