以前セリカ乗りの方のプロペラシャフトのオーバーホール作業依頼を行った方がおられましたが、その方の車に乗られた方が自分のセリカXX GA61型もオーバーホールしたいということになり、整備屋さん経由で送られてきました。
依頼品を見てみます。
40万km走行車だそうで全体的にサビが多く見られて長年の疲れが見えました。センターベアリングはお預け先の整備屋さんで交換していただき、新品がついてきました。旧車は部品の入手が難しいことが多くご依頼主様のほうが特定の車種に非常に詳しいことが多いので部品手配をお願いすることが多いです。ジョイントの首振りは三か所とも中央部付近のクリック感が強く出て固めの感触になっていました。デフ側はゴムがサンドイッチされたよくトヨタ車にみられる構造になっていて、トルクのかかり方をマイルドにする構造になっていました。ヘコミやヒット跡などはないようだったので一安心です。
では非分解方式のジョイント部をばらしていきます。
写真では見にくいですが、第一軸の溶接部に大きくてとがっている溶接カスがついていたので切除しておきます。かなり外側に出っ張ってしかもとがっていたので引っかかると大変危険と思い、研磨しておきます。
交換用スパイダーを用意しジョイント部をばらしていきますが、入れるより抜いていくのはとても大変でかなりの時間がかかります。新品を組み立てていくほうが何倍も楽に感じるのでリサイクルの難しさをひしひしと感じながら抜き作業を行います。純正状態でつけられていたバランスウエイトも全部除去します。
スパイダー内部はサビや摩滅こそありませんでしたが、無交換でかなり走ってしまった真っ黒なエンジンオイルみたいになっていました。こうなっているとたいていの場合首振りの感触がかたいとか強いクリック感が出たりなどの症状が訴えられていることが多いです。
回転中心を0.01mm近くまで詰め、動バランス調整も測定限界近くまで調整して完成としました。首振りは羽のような軽さへと変貌しました。これから軽やかに駆動を伝達してくれそうな期待が高まります。
Posted at 2024/08/27 23:34:31 | |
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