本州は大雪ですね。皆さま大事ないでしょうか。縁あってこのエントリをご覧下さる方々にお見舞い申しあげます。
九州も寒くはありますが、都市部では雪はちらつく程度です。そんななか、1日NDロードスターに乗ってきました、バンザイ。
だいぶん違う車ですが、私としては300ps界隈のFWDのアイデンティティを探る旅なので、MEG3RS比でこの車がどうなのかを考えつつ乗ってきました。
実は初RWDです。楽しかったのなんの!
Mazda Roadster S special package
スペック
全長×全幅×全高 3915×1735×1235mm
ホイールベース 2310mm
車両重量 1010kg
エンジン型式 sky-active-G 1.5
最高出力 131ps(96kW)/7000rpm
最大トルク 15.3kg・m(150N・m)/4800rpm
総排気量 1496cc
ボア×ストローク 74.5×85.8mm
圧縮比 13.0
ステアリング形式 ラック&ピニオン(前引き!)
サスペンション形式(前) ダブルウィッシュボーン
サスペンション形式(後) マルチリンク
タイヤサイズ(前後) 195/50 R16
変速比
第1速 5.087
第2速 2.991
第3速 2.035
第4速 1.594
第5速 1.286
第6速 1.000
後退 4.696
最終減速比 2.866
価格 2,700,000円
エクステリア

なんともMAZDAらしくて、流線的なボディ。
ほんと、エクステリアデザインではMAZDAは世界ランカーですね。この方向でいっそフロントグリルなくすくらいの勢いで、グリルでかくする競争の市場にエポックメイキングを!

後輪駆動らしくホイールハウスとドアの前線も離れています。個人的にはちょっとフロントウィンドウ寝過ぎな気も。付け根をもう少し後ろに....でもそれじゃZ4か。
リアはなんとなくLotusっぽくて格好いいです。

タイヤはADVAN sport 。サイド剛性はMichelin ps2 の方があるような気もするけど、どうでしょう?

ホイールハウスがすかすかです。きちんとロールもストロークも幅があってイイ。
インテリア
狭い運転席に潜り込むように座ります。
おお! 気分はコックピット。もしかしてコレが囲まれ感ってやつですか!?

見切りもいいです。
足を前に投げ出すように座るので、ペダルも下に踏むより前に押す感があって高揚しますね!でもあとで自分の車に乗ったら、実はあまり変わりない印象です。やはりあの座席周りの雰囲気からそう思うのかな。
それとタコメーターが真ん中にある、イイ。MEG3RSのスピードメーターとタコメーターは配置逆だと思うんだ。
ステアリングは細身です。結構軽い。きちんとアンダーはわかります。
シフトレバーの位置が秀逸。本当に丁度いい場所にあります。レバーも短くてスポーティです。
実はジュラコンとか軽いシフトノブって素早い操作に
有効だと最近知りました。
シフトフィールはメリハリがあって気持ちいい。
でも少し感覚が樹脂っぽい。MEG3RSはギアがぎっちりと遊びなく組まれているかのように、回転数を合わせないと入りが悪く、気難しいですが、ロードスターは少しルーズというか、多少ズボラに合わせても入ってくれる印象。もちろん回転数を合わせればさらに軽く入ります。
クラッチも遊びが多くてストロークが長いです。トルクのなさもあって繋がり始めがわかりづらい。でもこれも多少ラフに繋ぐことができる印象。
総じてステアリングもシフトもペダルも、軽いですね。
シートはホールド感があるものの少し小さいかな。2時間走り続けたら疲れる。
エンジン
Sky-active G は初体験。

縦置き!4-2-1のエキマニが見たかったけど、覆われてます。横置きよりはエキマニ交換とかやりやすいんだろうか?
低い回転数から排気音は下品でなく結構いい音。でも回転数が上がってもそのままな印象。あまりドラマを感じません。直4の音もちょっと軽い。
加速は充分。レスポンスも充分。でも電光石火って感じではない。軽量フライホイールと聞いたのですが、吹け上がりも針落ちもゆっくりです。
S.B.TのClio2RSの吹け上がりを知っていると遅いなと思います。あれは2Lだけど。
素直に吹け上がっていき、きちんとスピードも乗っていく。でも3000rpmくらいですでに、なんというか「頑張ってる感」があります。
なんでだろう、エンジン音かなあ?
トルクバンド守って上の方でずっと走りたい、とはあまり思わなかったです。
MEG3RSも言っても2Lの直4で、特に美音でもない。だけど回すほどもっと回りたがっているように感じます。ターボとNAの違い? もっと勉強しないとわかりません。
シフトを入れずにブレーキを離してもアイドリングは変わらず800rpmくらいなのですが、シフトの入った状態でブレーキから足を離すと100rpmくらいアイドリングでの回転数が上がります。お利口です。
この非力さと燃費への配慮が1010kgという長所を大きく相殺しているんじゃないかなと思いましたし、実際に軽さは実感できなかったのですが、帰りにMEG3RSに乗ると、明らかに発進からの出足一歩目がワンテンポ遅れます。実はロードスターはスッと出ていたんだなあ。
ボディ
これまた充分。オープンカーの剛性感をどう評価していいのかわかりませんが。
軽くしなやかで、ひらりひらりとカーブを抜けていくキャラクターから、実際の剛性はともかく(エンジンの固有振動とかは気にならなかった)剛性感を感じるか疑問でした。でもロールを受け止めてきちんと踏ん張るサスを支える剛性感は感じます。
走っての感想はFWD,RWDのことなどもう少し考えつつ自分の中で消化して、後編で纏めたいと思います。
まずはこのロードスター。
全体を通して「軽い」車です。重量も操作系もとっつきやすさも。Lotus ほど振り切らず、実用性も残した趣味車。
実は結構ルーズに運転してもなんとかなってしまう。
「肩肘張らずに、快適に楽しく」
ロードスター評では似たようなフレーズをよく聞きますよね。実は「それって非力さや限界の低さを糊塗するキャッチーな言い訳では?」と性格悪く聞き流していました。
がつがつとサーキットに行ったり、限界近くでぶん回したい向きには正直言ってその通りじゃないかな。たぶん、ストイックに走ってもそんなに楽しくなさそう。
でも駐車場に停めたロードスターに歩み寄る時、うーんセクシーだなあ、と無駄に車の周りを歩いてしまいます。
今日一日で5台のロードスターと遭遇しましたが、皆さんすれ違いざまにハンドサインをくれました。
オープンにして信号待ちをしていると、お母さんに連れられた5つくらいの子が「あっスポーツカーだ、かっこいいね〜」と声をあげ、目が合った私は彼に手を振りました。
つまり君はそういう車なわけだ。
タイムを刻むのではなく、乗り手と車とFRの素直なフィールで日々を刻むんですね。
排気音はシックに、スタイルはセクシーに。
Abarth よりもずっとイタ車してるじゃないか。
価格は、どうかなぁ。
正直、私ならビート買って弄り倒す。
それかS2000買うかなあ。
でもそういうあまり品のよろしくない(失礼)方向ではなく、伊達にジェントルにそして楽しく。人生の達人がドライブするのに似つかわしい車ではないでしょうか。
そう思えば、リーズナブルな車なのかもしれませんね。