• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2019年06月13日

AlfaRomeo Canguro の真実に迫ってみる。

AlfaRomeo Canguro の真実に迫ってみる。 日曜日の夜、暇だったのでYouTubeを立ち上げてアルファロメオの動画を検索していると、一つの見慣れない動画に目がいった、

タイトルは「AlfaRomeo Canguro」投稿者欄にはGALLERY ABARTHと書いてあり、投稿時期は2年前となっている。

「こっ、これは!
胸が高鳴った!もしや、あの車のエキゾーストノートが聞けるのか?
と迷わず、再生すべくクリックした。

それがこちらの動画↓


この車こそが忘れられじGALLERY ABARTH MUSEUMの中で触れたアルファロメオ・カングーロであり、現在、自分が見てみたい一番の車なのである。


しかし、カングーロの知名度はアルフィスタの中でも低い・・・。
それは、この車が辿ってきた運命にも寄るところが大きいと思う。
何しろ、もうこの世には存在しないはずの伝説の車だったのだから・・・
カングーロより3年遅れてトリノ・ショーで発表されるベルトーネから独立したフランコ・スカリオーネが手がけた世界一美しい車と称されるTipo33.2Stradaleは、
alt
その美しさ故に究極のアルファロメオとして新しいアルファ乗りにも認知されている場合が多いが、カングーロはその流麗な容姿の笑に認識されていない事が多い。

そう思うと、自身、GALLAERY ABARTH MUSEUMの小坂士朗オーナーに直接聞くことが出来たカングーロのレストアの話と、ネット上に拡散されているカングーロの話から、個人的推察によりカングーロの真実を突き詰めてみたくなった。

まずはカングーロは1964年のトリノショーでお披露目された。(一説にはパリショーとあるが、トリノショーで間違いないと思われる。)

ジュリアTZのチューブラーフレームに
TZ1

TZ2

ジュリアTIスーパーのメカニカル・コンポーネント、そして若きベルトーネのチーフデザイナー、ジュジャーロ(ジウジアーロ)デザインのFRP製の美しいクーペボディを纏っていた。
ジュジャーロはこのデザインを大変気に入っており、出来たばかりのデザインをヌッチオ・ベルトーネに見せにいったところ、「2度とこのデザインを私の前に出すな!」と言われたという逸話が残っている。
話が逸れたが、カングーロは私のGT1300Juniorと同じ105系ジュリアなのである。
一部の表記ではAlfaRomeo Giulia Canguroとされている場合もある。
カフェ・ド・ジュリアの出場資格もあるのである(笑)

残念ながら市販化される事はなく、プロトタイプのままで終わってしまう。
プロトタイプということは、世界で1台だけの車なのである。

この後、カングーロに悲劇が訪れる。
自動車ジャーナリストが試乗中にクラッシュし大破してしまう。
プロトタイプカー同士の事故であったという記述も見つけたが、相手の車が何だったのか?どのような事故だったのか?などの記載は無かったので真実のほどはわからない・・・。

この事故車両はベルトーネ社で管理されるが、一部では倉庫内、一部では裏庭の敷地と意見が分かれるが、これは正解とも思える画像を見つける事が出来た。


小坂オーナーも、「カングーロはベルトーネの社屋裏の裏庭に放置されてた」と語っていたので、これは裏庭が正解という事になるだろう。
倉庫でも裏庭でどっちでもいいじゃんという意見もあると思うが、これをレストアするとなったら明らかに倉庫保管の方が良いわけで、屋外保管だったカングーロはFRPボディはパカパカでクラックが入り、鉄パーツは錆びてしまっていた事は間違いないだろう。

そして、この後のカングーロの運命だが、アメリカ人のコレクターに買われて一度アメリカに渡ったという説と、ドイツ人コレクターが購入してドイツにてレストアに着手した事があるという説がある。
勝手な個人的推察によると、これはどちらも違うのでは無いかと思う。
前述の小坂オーナーのコメントによると、明らかに裏庭でのカングーロを自身の目で見ている言い方である。
アメリカ人、ドイツ人、どちらにせよレストア途中で頓挫した個体を再びベルトーネに戻すであろうか?
そう考えると、小坂オーナーがファーストオーナーであると言うのが自然ではあるまいか?

ある有名なアバルトコレクターがベルトーネを訪れてこのカングーロは発見した際、「このカングーロを復元できるとしたら、日本の小坂だけだろう。(小坂オーナーは世界的なアバルトコレクターとしても有名」と言ったという逸話も残っている。

そして、遂にカングーロは小坂オーナーによってレストアが開始される。
小坂オーナーのこのレストアを金持ちの道楽とみる方もいらっしゃると思うが、私が直接聞いた話では、このレストアの為に、世界でも希少なアルファロメオ・スパイダー(スイマセン、モデル名を忘れてしまいましたが、思い出しました。)
世界に2台だけのPrototipo、Alfaromeo Giulietta Spider by Bertone

を売却している。
すると、世界中のアルファロメオコレクターから「あんな希少な車を売って、お前は気が狂ったのか?」「金に困っているのか?」というような揶揄を受けたそうで、それが非常に悔しかったと仰っていた。
だけど相手はある意味ライバル、カングーロのレストア資金にするとは伝えなかったそうです。
また、先述に書いた通り、カングーロは屋外保管の状態によりチューブラーフレームの状態が良くなかったのだろう。
自身が所有していた同じTZのチューブラーフレームを持つ
AlfaRomeo Giulia 1600 Sport Pininfarina Coupe

を解体してフレームを取り出して使用したらしい・・・。
もちろんお金があるからできることとは言え、なんという情熱、まさに真のエンスージアストとは小坂オーナーのことだと思う。

フロントカウルも何度も何度もやり直しをしたらしいですし、私がお話を聞いたのは既にレストア後期に差し掛かっていた頃、風防(フロントガラス)の作成で苦労されていました。


画像を見ていただければ分かる通り、カングーロのガラス類はとにかくガラス職人泣かせ。
サイドガラスなんて、ルーフ近くになってからカーブを描いてルーフにまで回り込んでいます。
でも、放置車両状態の画像を見てみると、サイドガラスは生きてそうなのでオリジナルををのまま使ったのかもしれません。
とある写真の撮影機材、環境がわかっていて●×のカメラでレンズは38mm、角度●●度××m前方から撮っている。
で、新しい風防ができる度に同じ機材、環境で写真を撮らせて送らせていたそうです。
その数、私がお話を聞いた時点で40枚超え!
以前にも書きましたが、その話を私達が聞いている時変な空気が流れました。
『それってただの意地悪みたいなものじゃないの?』的な・・・
その後の小坂オーナーの言葉に我々は心を奪われてしまうのです。
「40枚もOK出さないなんて酷い!と思うだろ?でも、風防1枚と言え、似てるものでもOK出したら、それは本物のカングーロじゃなく、偽物になっちゃうんだよ。だから、俺も心を鬼にしてNG出してるんだよ。」
コピー品を作っているのでは無い、本物を作っているんだ!
この情熱、心意気にカングーロという車と共に、小坂士朗という人間の持つ魅力に引き込まれた瞬間でもありました。
もちろん、失敗した風防にもお金は払っていたそうです。

やがて、カングーロが完成したという情報が入ってきました。
もちろん、お話を聞いてから何度となくカングーロの画像はチェックしていたので、どんな車かはわかっています。
そして、その姿を目にできたのが・・・

コンコルソ・デ・エレガンツァ・ヴィラ・デステ2005で優勝した画像でした。
ま、当然といえば当然ですが・・・。
その後もこの手のコンクールを総ナメしたらしいです。

ただ一つ残念なことにドライバー側(左側)に付いていたサイドミラーだけは再現する事が出来なかったそうです。

しかし、このレストアした個体をジュジャーロ氏に見てもらえる機会があり、「あの頃と何も変わっていない」という賛辞をいただいたらしいです。















どうでしょうか?
かなり個人的推察を入れた文章ですので、この文章はそのまま他人様に話さない方が良いと思います(笑)
でも、カングーロ、興味を持っていただけましたか?

しかし、世界で1台だけの車をジャーナリストが試乗中にクラッシュさせてしまう辺り、ランボルギーニ・イオタと共通した部分もある気がしますが、イオタは完全消失(その後、イオタは7台だけランボルギーニ自身がレプリカを作っています。)、そしてカングーロは小坂オーナーと出会うことで復活できたところが大きな違いのような気がします。

さてさて、まだGALLERY ABRTHは閉館中ではありますが、いつか死ぬまでにカングーロの実写をこの目で見たいものです・・・。





ブログ一覧 | アルファロメオ | クルマ
Posted at 2019/06/14 00:56:29

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

最強ラーメン祭 in小山(2025 ...
インギー♪さん

フォローしてくださっている皆様へ
べるぐそんさん

BLEな空気圧センサをRaceCh ...
morly3さん

ガリレオ温度計(パルテノン温度計)
ヒデノリさん

4/26)皆さん~おはようございま ...
PHEV好きさん

高遠城址公園
ライトバン59さん

この記事へのコメント

2019年6月14日 5:47
こんにちは。

ワタシも以前、拙ブログでカングーロにも触れたことがありますが、そのヒストリーや小坂氏の情熱についてはほぼ同様に捉えています。

アバルト美術館、閉館して久しいですが、ぜひ再開してカングーロを展示して欲しいですね~。

小坂氏にお話を聞けたなんて凄いですね!でもワタシもあの33ストラダーレ(ムゼオの個体とは比較にならない素晴らしさでした)を含めて、数回訪れ珠玉のコレクションを目の当たりにできたのは眼福でした。唯一、写真撮影NGなのが歯がゆいですが・・・そこは「美術館」ですからね(笑)
コメントへの返答
2019年6月14日 7:31
あれま、ネタ被ってましたか・・・
でもROSSO1970さんの捉え方と同様であれば、自分の考え方にも自信を持っていいのかもしれませんね(笑)。

確かに閉館して久しいですが、一部団体にスポット的に公開されたことはあるようです。

小坂オーナーに話を聞けたと言っても、大勢の中の一人でしか無いので、あの時のオフ会を企画した人間が凄かったんだと思います。

Tipo33は火入れ式も行なっていただけましたし、ある意味、あの日を起点に「カッコ良い車」より「美しい車」を好むようになった気がしています。
2020年3月14日 20:22
こんにちは、初めましてカングローの件ですが、1990年位、当時はアメリカにあったはずです。
これ以上、書くと色々とご迷惑おかけしますので書きません。
みんカラはメールやメッセージ機能がないのでしょうか。
2021年6月25日 19:56
はじめまして多分同い年です😀
カングーロは、ベルトーネの歴史をよく見ていたので知っていました。
逆にアルファロメオは苦手分野で、根っからのベルトーネ、ガンディーニ1番ジウジアーロ2番のフィアット派です。
誰から聞いたか忘れましたが、小坂さんを語る上でカングーロの話は絶対そのベストに入ると思います。X1/9プロトも温存して、その所有権やFAZAや内縁関係がエグくて、近寄り難いですが、興味ありの分野です。
私はタイプでは無いのですが、その段付き!イイですね!間違いなく博物館行きの車両と思いますよ。
大事にされてください(^^)
2022年3月3日 11:20
所有履歴はアメリカにあったのは間違いないですよ。それを彼が輸入したと思います。かなり前の話です。

プロフィール

「謎?
フォローしているわけではないのに、何故かSUPER GT LEXUS TEAM keeper TOMSのドライバー、ニック・キャシディが私のインスタをフォローしてくれた件w
フォローバックしないけどねwww
ニック、猫好きなんかな?w」
何シテル?   12/22 23:30
Rawgan67です。ジュリア(GT1300Junior)との暮らしを中心にアルファロメオライフについて綴って行けたらいいなと思っています。よろしくお願いします...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/4 >>

  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   

リンク・クリップ

YouTuber 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2017/10/04 12:42:28
"アルファロメオ ジュリア"の愛車アルバム 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2017/10/02 12:38:18

愛車一覧

アルファロメオ ジュリア アルファロメオ ジュリア
アルファロメオ歴20余年にして、人生の上りの車と思っていたジュリア(GT1300Juni ...
トヨタ ラクティス トヨタ ラクティス
通勤用、そして自転車イベントの際、ロードバイクを積載する為の車です。
アルファロメオ GTV キャバクラ号 (アルファロメオ GTV)
neroポディに赤革レザーシートにとどまらない赤の内装。そのエロさからキャバクラ号と呼ば ...
アルファロメオ MiTo アルファロメオ MiTo
嫁車です。中古で購入。暫く電装系のトラブルで悩まされましたが、現在はノートラブルで嫁の通 ...

過去のブログ

2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation