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2019年05月09日 イイね!

車の経済学(44)残価設定ローンを徹底検証する!⑥

車の経済学(44)残価設定ローンを徹底検証する!⑥(3) 賢いローンの借り方
自動車ローンには、スタンダード・ローンと残価設定ローンとが存在し、どちらかの2者択一となり、どちらのローンがお得かどうかは、金利と残価によるケース・バイ・ケースとなるというのがこれまでの説明です。最近では、支払金額指定、据置きクレジット、支払回数指定等の様々なローンの商品が登場していますが、いずれにせよ金利が高く、特段の事情がない限り利用価値はないと思われます。

ローンにおけるマイナス要因は金利ということに尽きますが、金利を少しでも少なくする良い方法がないのかという疑問が生じます。

例えば、人気車ノートに適用されるニッサン・クレジットの残価設定ローンは、5年後の残価率が35%程度と高く、大きな魅力がありますが、金利は4.9%(現在の金利)と高くなっています(ホンダでは、1.9%のローンもあります)。
そこで考えられる方法として、ノートをローンで購入するなら、残価設定ローンを活用し借り入れを行い、その直後または同時に、金利の低い地方銀行の自動車ローン(1.75%)を活用してお金を借り、その借りたお金でニッサン・クレジットの残価ローンの残高の一部(本ケースでは、126万円、出来る限り多く、ただし、月々返済金額には最低金額の基準がある)を期限前返済する方法です。残価設定ローンは、ニッサン・クレジットは所有者(有担保)ですが、銀行ローンは、無担保ですので、ニッサン・クレジットと銀行からの双方で借入することは理論上可能な筈です。



この方法により、支払金利総額を何と23万円強も節約することが出来ます。少し、テクニカルに走り過ぎているかも知れませんが、ローン金利を少しでも抑える方法とはなり得ます。
今後、残価設定ローンが主力となり得るならば、各クレジット会社は、現在の残価設定ローンの欠点を解消し、改善された消費者目線の残価設定ローンが登場してくれることを期待しています。

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Posted at 2019/05/09 20:54:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2019年05月09日 イイね!

車の経済学(44)残価設定ローンを徹底検証する!⑤

車の経済学(44)残価設定ローンを徹底検証する!⑤⑤ 自動車ローンの制度的な取り扱い
自動車ローンには、概ね、2通りのローンが存在します。一つは、ディ-ラーを窓口とするクレジット(車両代金のディーラーへの支払者はクレジット会社で、債務者がクレジット会社に返済する3者間の契約)で、もう一つは銀行が融資するローンです。ディーラーを窓口とするクレジット(個別信用購入あっせん)は、割賦販売法という法律に基づき、銀行が融資するローンは金銭貸借契約(銀行法)に基づきます。このクレジットと銀行の融資するローンの制度的な相違ですが、以下の通りとなります。



割賦販売法に基づくクレジットで車を購入した場合には、消費者は以下の場合(抗弁の事由)に、支払いを停止できるという、現金販売にはない大きなメリットがあります。

1)ディーラーに債務不履行等があったとき(車の引渡がない、見本・カタログと違う、不良・欠陥品、商品の引渡しが遅れて、目的が達成されなかった等)
2)契約が成立していない場合
3)契約が無効の場合
4)契約が取り消された場合
5)契約が中途解約された場合
6)販売業者が倒産したとき

ただし、クーリング・オフ(例えば、購入後8日以内なら、契約を解除できる権利)は、車については適用除外となっています。

また、残価設定ローンの終了時には、当初取り決めた走行距離(例、月1,000キロの制限)を超えた場合、違法改造や修復歴があった場合には、債務者に負担金が発生しますので、予期せぬ出費を強いられるという煩わしさがあるのが残価設定ローンの特長となっています。

(次回に続く)
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Posted at 2019/05/09 20:51:51 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2019年05月09日 イイね!

車の経済学(44)残価設定ローンを徹底検証する!④

車の経済学(44)残価設定ローンを徹底検証する!④④ 元利均等という返済方式
ほとんどの自動車ローンの返済方式は、元利均等方式といって、月々の支払金額が定額(賞与時の上乗せあり)となっています。住宅ローンもこの元利均等方式による返済が多くなっています。この元利均等方式ですが、良く「金利から返済する」と言われていますが、まさにその通りということが出来ます。

それでは、実際の事例を見てみましょう。以下は、筆者が利用した残価設定ローン(3年間、37ケ月)の借入明細です。明らかに第1回目の金利支払い(=分割払い手数料)が一番高く、その後徐々に減っていくというの特長です。何を意味しているかということですが、3年間の途中で解約(特に前半で)すると金利だけ取られ元本がほとんど返済されていないという状況に追い込まれます。下記の例は、借入期間が3年ですが、借入期間が長くなればなるほど、当初の金利の支払額は大きくなります。



借入期間中に、環境の変化により止むを得なく車を売却せざるを得ない場合、どうしても他のモデルに買い替えたい場合には、現在所有の車の下取り価格では、ローンの残債が返済できなくなり、ローンの一括返済のために、預金の取り崩しをすることは避けたいものです。この対処法としては、頭金を充分支払う、借入期間を短期(~3年)とする方法がありますが、いずれにせよ簡単なことではありません。

ローンを借りる前に、毎月の借入残高が車の下取価格を上回らない様に、借入金額と借入期間を設定することが賢明な方法と言えます。(筆者のブログ2018年9月11日付け「車の経済学(23)「車をローンで買う場合、頭金は幾らが妥当なのか?」参照願います)



(次回に続く)
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Posted at 2019/05/09 20:48:58 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2019年05月09日 イイね!

車の経済学(44)残価設定ローンを徹底検証する!③

車の経済学(44)残価設定ローンを徹底検証する!③② クローズ型とオープン型
先に結論から申し上げましたが、オープン型の残価設定ローンは、ローンの契約時に残価を保証せず、契約終了時の時価で清算することになっていますので、クレジット会社が高く下取りしようとするインセンティブが働きませんので、下取価格がクローズ型の残価よりも高くなると想定することは困難かと思います。仮に、契約終了時前の市場価格の方が残価より高いと想定されたら、高く買ってくれる業者に売却し(ただし、クレジット会社の事前承諾が必要)、売却代金でローンを返済するだけで済み、わざわざ残価設定ローンを利用する価値はないと考えます。ただでさえ、残価設定ローンは、走行距離等の条件が付加されますので、契約期間中は窮屈となり、余程のこと金利が低くない限り利用する価値はないと考えます。

③ 契約終了時の取り扱い
各クレジット会社とも、契約終了時のオプションとして、以下の選択肢があります。

1) 車両を返却する
2) 借入残高を現金で一括返済する
3) ローンを組み直す(再クレジット)

この3)におけるローンを組み直す(再クレジット)という選択肢は、お薦めできません。何故なら、ローンは延長という取り扱いではなく、新規ローンを組み直すという取り扱いになりますので、クレジット会社の審査がやり直し、金利の支払総額はさらに高くなることが想定されます。

例えば、3年間の残価設定ローンを活用し、4年目以降に2年間のスタンダード・ローンで借り換えしたとしますと、5年間のスタンダード・ローンの金利支払総額より遥かに高くなることが想定され、残価設定ローンを活用したことが選択ミスという結果に繋がります。新車を購入して3年を経過しますと、車にも馴染んで使い勝手が増してくる時期ですが、エコカー減税やグリーン化特例がある車なら、同じモデルの新車を再度、残価設定ローンを活用して新車を購入した方がお得かも知れません。


(次回に続く)
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Posted at 2019/05/09 20:45:50 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2019年05月09日 イイね!

車の経済学(43) 残価設定ローンの徹底研究!②

車の経済学(43) 残価設定ローンの徹底研究!②(2) 残価設定ローンの基本的構造
① 残価設定ローンとスタンダード・ローン
残価設定ローンには、借入期間の満了時に提示した下取り価格を保証(ただし、走行距離、修復履歴等の一定の条件をクリアしなければならない。)するクローズ型(・エンド)と保証せず、下取り時にその時の市場の時価とで清算するオープン型(・エンド)がありますが、ここではクローズ型に絞って説明させて頂きます。なお、オープン型は、余程のこと金利が低くない限り、全くメリットの無いローンと考えられ、検討する余地すらないというのが筆者の見解です。

まずは、一般的なスタンダード・ローンと残価設定ローンでどちらがお得かを検証してみましょう(表2)。以下は、日産の販売店でノートを5年間の残価設定ローンとスタンダード・ローンをそれぞれ活用し購入する場合の支払金額の比較となります。



上記表2で分かる通り、残価設定ローンの方がスタンダード・ローンより月々の支払金額が少ないものの、5年間の支払総額が7万円ほど高いことになります。ただし、残価設定ローンの最終回の支払いは、車を返却(代物弁済)することで足りますので、キャッシュアウト(現金支払総額)でみれば、残価設定ローンの方が57万円ほど低いことになります。
要するに、スタンドローンを活用した方が、5年後に車を売却する場合に、58万円以上で売却できればスタンダード・ローンを活用した方がお得、58万円未満でしか売却できなければ、残価設定ローンを活用した方がお得という結果となります。

既にお気づきかと思いますが、残価設定ローンがお得か、スタンダード・ローンがお得か?は、「金利」と「残価」の相関関係(「金利」∞「残価」)により決まります。
スタンダード・ローンを活用した場合におけるローン契約終了時の残価は、ローン契約の締結時には分かりませんので、契約時に契約終了時の残価を推定しなければならないという面倒臭さがあります。しかしながら、最近では、多くの中古車買取業者がウェブサイトを通じて充分な情報を公表していますし、トヨタのウェブサイトでは、国産車ならほとんどのモデルの下取り価格を検索することも可能です。

繰り返しになりますが、残価設定ローンがスタンダード・ローンより有利かどうかは、以下の2要素が重要となります。

1)金利がスタンダード・ローンの金利より低いこと
仮に、残価設定ローンの残価とスタンダード・ローンの契約終了時の想定残価が同一とした場合、残価設定ローンの金利支払総額がスタンダード・ローンより低くないけません。最近では、ウェブサイトで、残価設定ローンにせよ、スタンダード・ローンにせよ金利計算ツールを利用し、簡単に支払金額や金利支払総額を計算することができます。
(例、https://keisan.casio.jp/exec/user)

具体的に、上記のニッサンのノートのケースで、スタンダード・ローンの金利が4.9%としたら、残価設定ローンの金利が3.8%以下となれば、金利支払総額は残価設定ローンの方がお得ということになります。(以下、表3)



2)残価設定ローンの残価が予想される市場価格以上であること
残価設定ローンの残価は、契約時に決まりますが、スタンダード・ローンは契約の締結時に自ら予想するしかありません。しかしながら、契約の締結後、借入の返済が始まりますが、残価設定ローンの残価がスタンダード・ローンの想定残価(すなわち、その時に市場価格)を下回ると予想できたら、中古車市場で最も高く買ってくれる買取業者に売却すれば良いことになります。この方法により、少なくても残価設定ローンの残価を担保できます。(最悪、残価設定ローンの残価で下取りが可能、市場価格がそれ以上であれば、市場で売却すれば良い。)

例えば、マツダ車のデミオなどは、3年間の残価設定ローンの場合、55%という大変高い残価率が設定されています。デミオの中古車市場では、3年後の買取価格はせいぜい50%程度と想定(筆者調べ)されますので、マツダの残価率は、市場価格より5%(=55%-50%)も高いことになります。デミオXDツーリングの新車価格が180万円(消費税抜き)としますと、残価設定ローンを活用した場合、この5%というっ筋は、3年後の下取り価格が9万円ほど高くなることを意味します。この9万円という差額がスタンダード・ローンと残価設定ローンの金利支払総額の差額より高い場合には、残価設定ローンを選択する方がお得だということになります。


(次回に続く)
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Posted at 2019/05/09 20:44:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ

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「車の経済学(68) 走行距離課税の経済学⑤ http://cvw.jp/b/2877098/46622881/
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カー・エコノミストの田理順(でん りじゅん)です。 BMWに約10年間乗りましたが、度重なる故障(何回ものランプ切れ、冷却水漏れ、オイル漏れ、パワーウィン...
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