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2024年12月14日

スプリング:線径&巻き数とグリップ力との関係

Garage Kさんのところでトレースの渡海さんのXのつぶやきが紹介されていました。
https://x.com/Trace_damper/status/1867142869527720271

ざっくり言うと「同じレートのスプリングでも、(1)線径が太くて巻き数が多いものと、(2)線径が細くて巻き数が少ないものとでは、レートが同じでも(1)のほうがタイヤがグリップする」ということのようです。
このつぶやきだけではちょっと情報が少なくて、グリップと言っても縦グリップのことなのか横グリップのことなのか、テストは合計何回くらいどのような手順によって行った結果なのかもちょっと分かりません。
でもこういうの考えてると楽しいですね!

縦であろうが横であろうが、ドライバーが体感で分かるということはドライバーが感じることのできる力(つまりシートやステアリングから伝わる力)のはずなので、クルマにGPSロガーつけて縦Gか横Gを測定すれば差が出てくるはずです。
誰でも分かるレベルっていうことで言えば、例えばハイグリップタイヤを履かせたスポーツカーにかかる最大加速度が縦0.8~1.2Gくらい、横1.2~1.5Gくらいだとすると、そうですね~、0.1Gとかだとちょっと微妙な差の気がするので、誰でも分かるのは0.2G~0.3Gくらいですかね。
で、加速度のグラフはちょっと見にくいですけど、少なくとも速度グラフを見れば誰が見ても明らかな差が分かるわけです。
グラフで明らかな違いが出たのであれば「こんなに違ったよ!」という感じで堂々と発表すればいいわけですが、でも今回そのようにされていないということは、それは「簡単には測定できないけど体感なら分かるんです」っていうような類のものってことですよね。

ということはグリップ力の違いというのは4輪合計ではなくて、例えばフロントのスプリングだけを交換してみて「フロントのグリップが増えたよ!」ということかもしれません。
とは言えタイヤにかかる荷重合計が変わるわけではないことから、この変化はリヤのグリップがフロント側に回ったと考えるのが自然なので、そうであればスプリング単体の測定結果がどうあれ、スプリングを交換したことによって結果的に前後のロール剛性のバランスが変わったと考えるべきなんじゃないかな?と思います。
前後のロール剛性バランスが変わったのであれば、結果として前後のグリップ力が変化し、それをドライバーが感じられるのは納得がいきます。

てかこれ、各輪にホイール6分力計とストロークセンサつけて測定値を見れば、実質的なレートが本当に同じなのか?どのようにグリップ力が変わったのか?っていうことは一発で分かるはずなのですが、ホイール6分力計って1000万円くらいするはずなので、ちょっと買えませんね笑
でもサンプリングレートは数キロHz、力の分解能は数ミリNという優れものです!車両運動の解析には欠かせませんよ!
ブリジストンさんとかKYBさんなら持ってると思うので、誰か実際に試してデータ公表してください(無茶いうな。笑)

いや、結局はあまり詳しいところまで追及しないで、皆がいろいろスプリング交換してばね遊びするきっかけになればいいな、とか思ってます笑
HALスプリングの人いいこと言うよね笑


































と言いつつ、ついでなのでスプリングレートについてもうちょっと書きますね。
自動車のスプリングに使われる圧縮コイルばねのばね定数は、

ばね定数 = (横弾性係数×線径⁴)÷(8×有効巻数×コイル中心径³)

で決まります。
このうち橫弾性係数は材料や焼き入れなどの処理によって決まり、それ以外は寸法上の設計によって決まります。

これだけ考えると、ばねを縮めていったときのばね定数の変化は全くないように思えますが、実際にはストロークに対するばね定数は必ず一定とは限りません。
僕は実際に比べたことはないのですが、もともとばね製品というのは誤差が大きいらしく、例えば新品で買ったのに自由長がカタログ表記と数ミリ違う…と言った話をときどき耳にします。
そうなると線径や中心径、巻きの均一性や端部の処理などにも多かれ少なかれ誤差があることを頭に入れておかないといけません。

その前提でもうちょっと言うと、線径が太く巻き数の多いばねと、線径が細く巻き数が少ないばねとでは、線材の長さが違います。
ばねが短いと、ばねの各部分にかかる応力分布が均一にならず、特に端部の形状からくる影響などがあった場合、長いばねと比較して相対的に影響が大きくなります。
また、材料の均一性や熱処理、および線径、巻き数、中心径に関する製品誤差も、長いばねのほうが相対的に影響が小さく、短いばねのほうが大きくなります。
よくいう「ハイパコは誤差が少ない」というのは理に適っていて、逆にいうと、それをウリにしてるくらいなので他社さんのは誤差が大きいんだろうなと笑
まぁ、誤差の少ないことと、サーキットでタイム出せるかどうかは必ずしも一致しないんですが笑
(※誤差の影響と重量の影響のどちらが大きいかを評価する必要があるというだけの話であって、必ずしもハイパコだとタイム出ないという意味ではありません。ハイパコいいよね!)

HALスプリングの低反発みたいに、そもそも表記レートと実際のレートは違いますって場合もあるわけで、そのあたり各社の考え方が違う部分もあるでしょう。

ちなみにですけど一般的にいうスプリングテスタというとこんな感じのやつで、トレースさんが使われているものも同じようなタイプではないかと思います。
https://www.cts-e.com/index.php?main_page=product_info&cPath=52&products_id=779

任意の位置で測定し、測定結果がデジタルメータに表示されます。
それに対して、
https://jisc-jp.com/products/sst/

この手のテスタは試験結果をグラフとして出力することが出来ます。
例えば簡易的なスプリングテスタで1箇所か2箇所くらい測ってみて「うん、ばね定数は同じだ!」と思ったとしても、より高度な試験機にかけるとやっぱりちょっと違って出てくるというのはあり得る話なんですよね。

そんなわけで個人的にはこの手の話は「いくらレートが同じと言っても、実際には違うんじゃない?」と思っています。
ただ、他人様の行いで確認することも出来ない以上、単なる予想でしかないので、結局のところ実際どうなのかは分かりません。
ともあれ足回りって複雑なぶん楽しいよね、って、やっぱりそういう結論に笑
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2024/12/14 15:41:57

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この記事へのコメント

2024年12月14日 16:16
この方の過去の発言を確認したのですが,どうやら「グリップ=ステアリングレスポンス」と捉えているような気がします.

そうすると例に挙がっていた2種類の違いは低反発と高反発の違いなので,言っている事は正しいかなぁ~と思いました.ただ,ステアリングレスポンス=グリップだとは思いませんけれど(苦笑).
コメントへの返答
2024年12月14日 18:04
なんと!
その発想はありませんでした汗
スプリングテスタでストローク中央付近の1箇所でしか測っていないとすれば、理屈は合ってますね…。

いろんな言い方する人がいますからね苦笑

プロフィール

「@Garage K 個人的には、「グリップする」=「より大きなグリップ力(コーナリングフォースまたは加減速力)を出せる」という意味かなと思って読んでましたが^^;
この件面白いんで記事にしますね!」
何シテル?   12/13 20:54
福井のロードスター乗りです。 ロードスターは現在休眠中。 タカスサーキットをホームコースとしてサーキットアタックしていました。 GPSロガーの結果を元...
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