• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

aki@rsのブログ一覧

2026年06月05日 イイね!

EDR解析の日々(2)

事故データの解析をしていると、依頼者側のクルマだけでなく、相手のクルマが時速何kmくらい出していたのか?という情報が必要になることがあります。
相手が「オレは全然スピード出してなかったんだよ、だからお前が悪いんだ!」という主張をしてくることがあるからです。
ドライブレコーダの映像で相手のスピードが分かればいいのですが、映像だけではよく分からなかったり、そもそもドライブレコーダがついてなかったりすることも多いです。
皆さんドライブレコーダはつけましょうね、ちょっと頭が普通じゃない人に当てられたとき、とても面倒くさいです。
裁判になったとき証拠は多いに越したことはないですよ。マジで。

さてドライブレコーダの映像がない場合でも、クルマのエアバッグコンピュータの中にEDRデータが残っていれば、重要証拠として裁判に提出することが出来ます。
こちら側のクルマの速度データと衝撃データがあれば、お互いのクルマの車重を使って計算すると相手の想定速度が出せるからです。




■ 運動量保存の法則より

 (M1*V1) + (M2*V2) = (M1*V1') + (M2*V2')

 ただし
  V1 : 自車の衝突前速度
  V2 : 相手の衝突前速度
  V1' : 自車の衝突後速度
  V2' : 相手の衝突後速度
  M1 : 自車重量
  M2 : 相手質量


■ 反発係数

 e = (V2' - V1') / (V1 - V2)


■ 相手車両の衝突前速度

     V1' + (M1/M2)*(V1' - V1) + e*V1
V2 = -------------------------------
             1 + e






ここで出てくる速度はあくまで計算で得られた値なので、実際の速度とは異なる可能性があります。
ただし、全て客観的なデータのみを使って、広く認められた物理式を使う以上、裁判官の人に「前提条件の設定が合理的である」「誰が計算しても同じ結果が得られる」と判断してもらえれば、それは合理的な想定速度として認めてもらえます。
例えば相手が「所詮こんなの机上の空論だ!」とか言って駄々をこねたとしても、「それでは想定速度と実際の速度との間に著しい差があるということを証明してください」という話になるので、相手は黙るしかない。
ってことになるんですね。



ただしこの計算、実務としてはもうちょっと複雑です。
例えばこないだの事故は依頼人の弁護士先生から「事故の状況がイマイチよく分かってなくて…とりあえず相手がどれくらいのスピードでどれくらいの角度からぶつかってきたのか調べてください」と言われた案件でした。
そんなん言われると嫌な予感しかないんですけど(苦笑)

さて、まずはEDRデータのうち「プリクラッシュデータ」を見ます、そこには事故の瞬間~5秒前までのクルマの速度やペダル操作、ハンドル操作などのデータが記録されています。
データのサンプリングレートはクルマの世代毎に違うんですが、今回は0,5秒毎の間隔で記録されていました。
で、それを見ると、まずクルマの速度はずっと一定だったことが分かりました。
また、ペダル操作もハンドル操作も衝突の直前までずっと一定だけど、事故の0,5秒前にアクセル離して、急ハンドルが切られていることが分かりました。
「やべぇ!」と思って避けようとしたんだなと。
でも車体のヨーレートを見ると、衝突の0,5秒前も、衝突の瞬間も、小さすぎて無視出来るくらいのヨーレートしか出ていません。
ここから、「急ハンドル切ったけどクルマ側の反応が間に合わなかった」ということが分かります。
クルマは急に止まりませんし、クルマは急に曲がりません。

というわけで衝突の瞬間、こちらのクルマは「ほぼ直進状態」であることが分かりました。
ちょっとホっとしました。
少し曲がり始めていたら、その後の計算が一気に複雑になるので(涙)



次に衝撃データを見ます。
衝撃データはデルタVとして記録され、サンプリングレートがぐんと上がって、単位が1000分の1秒になります。
縦方向最大○○km/h、横方向最大○○km/hというのが出ます。
これは例えば「固定された壁に時速○○km/hで衝突したときと同じレベルの衝撃(速度変化)」ってことです。

縦と横それぞれの衝撃の大きさが分かれば、三平方の定理を使って合成することで、最終的にナナメ方向の衝撃の大きさが分かります。
でもここでひとつ問題があります。
クルマのメカニズム上の都合で、縦のデルタVが記録されるタイミングと、横のデルタVが記録されるタイミングって微妙にズレてることがあるんですよ。
例えば縦の数値が衝撃の瞬間から数えて10ミリ秒前に○○、さらにその10ミリ秒前に○○、という感じで10ミリ秒毎に記録されていたとしたら、横の数値は衝撃の瞬間の7ミリ秒前に○○、さらにその4ミリ秒前に○○、みたいなことがよくあります。
まぁ少ししかズレてないので大した違いじゃないといえば大した違いじゃないんですが、計算する上では都合悪いし、相手から不備を突っ込まれても面倒なので、これをあらかじめ揃えておきます。

どうせなら分かりやすいほうがいいので、大抵は縦のデルタVに合わせます。
つまり横のデルタVを10ミリ秒毎の数値に換算して揃えるわけです。
これを揃えるには、1区間毎に1ミリ秒あたりの値を算出して、それを使って10ミリ秒毎の値を出します。
数が多いのでかなり面倒くさいんですが、今の時代、チャッピーにお願いすると一瞬でやってくれます(自分でも確認はしましょう笑)

で、ここまでやってようやく縦と横の衝撃データが用意出来たことになります。
そこから合成値(=ナナメの衝撃データ)を計算して、その最大値を見つけたら、上記の計算式に当てはめて相手の速度を出します。
とは言えナナメ衝突の場合、まず縦方向の速度成分を計算して、次に横方向の速度成分を、さらにそれらを合成して最終的な想定速度を求める。という作業になります。
アークタンジェントを計算すると相手が進んでいた角度(こちらの進行方向に対して何度の向きに進んでいたか)も出ます。
初めてやる場合は理屈が分かっていたとしても「面倒くさっ!!」と思うかもですが、まぁ何回も同じことやってれば何てことはありません(笑)



ところで前提条件としてお互いの車重や反発係数は正確には分かりません。
車重については車検証に参考値が乗っているとは言え、運転者の正確な体重も分からないしガソリンの量も分からないし、荷物やナビなどの装備品も分からないし、もしかしたら軽量化されてるかもしれないし(笑)
また反発係数については詳しい説明を割愛しますが、厳密には接触部位や当たる角度によって微妙に変わります。
それらを正確に調べることは不可能なので、心配な場合は考えられる誤差の範囲をそれぞれ調べた上で、最小の場合と最大の場合で計算して「想定速度はこの範囲内」として提出します。
まぁ大抵はほんとに誤差程度の違いしか出ません。
大事なのは全く誤差のない完璧な値を計算することではなくて、前提の設定の仕方にちゃんと合理的な理由があって、誰が計算しても同じ結果が得られることです。



というわけで、EDRのデータを使うと相手のクルマの想定速度を計算できますよって話でした。
ドラレコなくても、ちゃんとクルマに記録は残ってます。

いやぁでも、衝撃が小さいとデータ残らないんですけどね。
バンパー同士がちょこんと当たった程度だと、衝撃の大きさがしきい値を超えないので、記録されません。
過去何度、データ取りに行って空振りしたことか…(苦笑)
Posted at 2026/06/05 17:11:12 | コメント(1) | トラックバック(0) | EDR関連 | 日記
2026年03月12日 イイね!

ギヤが入りにくい症状について レアケースと確認方法

MT車の運転って楽しいですよね!
回転をうまく合わせて、ギアがスッと入ってくれると、とても気持ちいいです。

ただ車が劣化してくると、回転をうまく合わせているのにギアが入りにくいという症例が出ることがあります。
その原因は様々です。

■シンクロの劣化
シンクロコーンが摩耗してコーンとコーンの間のギアオイルを排出するための溝が少なくなってくると、コーンが重なっている部分の摩擦係数が下がってしまうことで、シフトノブを押し込んでもカウンターシャフト⇔アウトプットシャフト間の回転がなかなか同期せず、ギアが入りにくくなることがあります。

■シフト周りのブッシュの劣化
ブッシュが痩せてくると、シフト操作に対する実際の有効ストロークが減ってしまい、シンクロを押し付ける力が弱くなることで、ギアが入りにくくなることがあります。

■クラッチのマスターシリンダーあるいはレリーズシリンダーの劣化
クラッチの油圧経路にオイル漏れやエア噛みが発生すると、クラッチを切っているつもりでも実際には少し繋がっていることで、カウンターシャフトがインプットシャフト経由でエンジンの力によって回されてしまい、シンクロの摩擦力ではカウンターシャフトの回転を止めきれなくなって、ギアが入りにくくなることがあります。

■ギアオイルの劣化
オイルが劣化して摩擦調整剤の役割が弱くなると、シンクロの摩擦力が下がってしまい、ギアが入りにくくなることがあります。

というわけでいろんなケースを挙げてみました。
でも、ギヤが入りにくくなる原因というのはさらにこれ以外にもあります。
中でも、古い軽自動車だと結構あるよねっていうやつがあって、ん~、スズキ車に多いですかね?苦笑

症状としては「停車中や、いったん減速してから再加速するときなどに、ギヤが入りにくい」というもの。
ギヤはトランスミッション内のカウンターシャフトとアウトプットシャフトの回転が同じにならなければ入ってくれないのですが、まずクルマが停止している状態ではタイヤの回転が止まっているので、アウトプットシャフトの回転はゼロです。
したがってクラッチを切りさえすれば、インプットシャフト回転が止まることでカウンターシャフト回転もゼロになって、ギヤが入らなければいけません。
ただ、これはあくまで「クラッチを切りさえすれば」なので、仮にクラッチの切れ不良が出ていたら、クラッチペダルを床まで踏んでいても実際には完全に切れておらず、ギヤが入りにくいということがあります。
その場合、平坦な場所にクルマを停めて、ギヤを1速に入れ、クラッチペダルを踏んだ状態でブレーキペダルから足を離すと、クルマが少しずつ前に進もうとします。
それがクラッチ切れ不良の症状です。

クラッチが正しく切れているクルマであれば、ギアを1速に入れてブレーキペダルを離し、クラッチペダルを少しずつ戻していくと、あるポイントでクラッチが繋がって、そこで初めて少しずつ車が前に進もうとします。
そのポイントよりも多くクラッチペダルを踏み込むと、クルマは前に進みません。
これが「クラッチが正しく切れている状態」です。
ただ、その状態でも「クルマが停止しているのにギヤが入りにくい」という症状が出ることがあるんですよね。
そういうときの原因って何でしょう?






正解は、パイロットベアリングです。






(画像はwikipediaからお借りしました)


クラッチを切っている状態って、なんとなくエンジンとクラッチが完全に切り離されているようなイメージがありますが、実はインプットシャフトがフライホイールの中心のベアリング(=パイロットベアリング)に刺さっていて、軸の回転中心を保持しています。
つまりクラッチが完全に切れていたとしても、構造上その部分は繋がっているんですね。
ここのベアリングが劣化して回転が悪くなってくると、フライホイール回転に引きずられるかたちでインプットシャフトが回されてしまうので、結果としてカウンターシャフトがエンジンの力によって回されます。
クルマが停止している状態ではアウトプットシャフトの回転はゼロ、でもカウンターシャフトは回ろうとするわけですから、その回転差分の力がシンクロコーンの摩擦力を上回っていたら、ギヤは入ってくれません。

症状が酷いと、本当に全然まったく、ちっとも入ろうとしないこともあります。
うりゃー!って力づくで入れようとしても入りません。
ちなみにダブルクラッチを踏んでも入りません。走行中ではないからです。
クルマが停止中だとアウトプットシャフト回転はゼロですから、エンジン回転によってカウンターシャフトが回されている状態でダブルクラッチを踏んでも回転の差が広がるだけで逆効果なので、ギヤは入りません。

でも、そういうときギヤを入れる方法というのはあります。
エンジンを切ればいいんです。
インプットシャフトを回そうとするのはエンジンが回転する力であり、その回転をパイロットベアリングが伝えてしまっているのが原因ですから、エンジン止めればスコスコ入ります。
いったんエンジンを止めて、1速に入れてからエンジン始動しましょう。
とりあえず走り出すことは出来ます(でも信号待ちでまた入らなくなります)

さてこの症状、「確実にパイロットベアリングが原因なのである!」という確認を取ろうと思うと、トランスミッションを降ろしてパイロットベアリングを直接点検する必要があります。
でもトランスミッションを降ろすのはとても大変で、時間もかかります。
そこで、簡易的に点検する方法があります。
それは「クルマをリフトアップした状態で1速に入れてみる」というものです。

(1)クルマをリフトアップする
(2)エンジンが止まっている状態でクラッチペダルを踏む
(3)エンジンが止まっている状態でシフトノブを1速に入れる
(4)クラッチペダルを踏んだままエンジンをかける
(5)タイヤが回ったらパイロットベアリングが怪しい

まぁ要はクラッチ切れ不良の確認と同じようなものです。
そのためクラッチ切れ不良ではないことの確認は先に必要です。
でもまぁパイロットベアリングだったら大体これでタイヤが回って「え!なんでクラッチ切ってるのにタイヤが回ってんの!」みたいな感じになります(分かっててやってんですけど)
同時にクラッチのあたりからシャラシャラと音がすることもありますが、でも、音がしないこともあります。

これ、試してみる前は「本当にタイヤを回すほどの力があるのか…?」とか思ったりもしたんですが、実際「ギヤが入りにくい!」と感じるほどのパイロットベアリング抵抗がある場合、テストすれば普通にタイヤは回りますね。
「ギヤが全然入らない」とかじゃなくて「なんかギヤ入りにくい」程度のケースでも、タイヤは微妙に回りました。
あ、ブレーキが固着してないクルマに限ります笑

そんなわけでパイロットベアリング不良が原因でギヤが入りにくい場合の簡易的な確認方法についてでした。
クラッチ切れ不良もパイロットベアリング不良もない状態で上記テストを行ってタイヤが回ることはまずないと思う…というか僕にはちょっと考えつきません。
そんなレアケースあったら教えてください笑
Posted at 2026/03/12 17:26:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | その他 | 日記
2026年03月04日 イイね!

アンダーステアとセルフアライニングトルク

本題に入る前に薔薇さんがS2000の肝いりパーツを宣伝されていたので、ここでも紹介してみます。
アネブルさんが作ってくれたパーツだそうです!

https://minkara.carview.co.jp/userid/548381/blog/48958586/

ハイドラマットという部品を使った、純正の燃料タンクでもガス欠症状が出ないようにするためのキットだそうです。
そう言えば前にアネブルさんのXで見たことある気がします。
S2000にお乗りのそこの貴方!ぜひ!笑笑



さて本題です。
OX3832さんのところで面白い話題が出ていました。
ウエット走行において、あるコーナで「アンダーが出ても分かりにくい」という症状が出たようで、その原因としてセルフアライニングトルクが本来より小さくなってしまっているためにアンダーが分かりにくいのではないか?と。
状況としてはコーナ立ち上がりですね。

さて、「ハンドルを戻そうとする力」と「セルフアライニングトルク」は微妙に定義が異なるので、まずはそのあたりを確認してみましょう。
そもそもセルフアライニングトルクは「タイヤの接地中心」と「タイヤが発生する力の中心」との間に距離があるために発生します。
タイヤが発生する力の中心のことを「タイヤ横力の着力点」といい、そこから接地中心までの距離のことをニューマチックトレールといいます。




(自動車操縦安定性講座入門より)



しかしニューマチックトレールの値が同じでも、実際にはクルマが違うとハンドルの戻りにくさも違うということがあり得ます。
それはハンドルの戻りにくさが、キャスタ角で変わるからです。
キャスタ角をθとすると、ハンドルを戻そうとするモーメントは「(ニューマチックトレール+キャスタトレール)× Cosθ ×タイヤ横力」となります。
なので、キャスタが寝てるとハンドルを戻す力が強く、キャスタが立ってるとハンドルを戻す力が弱くなります。

ところでセルフアライニングトルクはスリップ角2~4度のピークを過ぎるとその後、下降していきます。
タイヤ横力は一般にスリップ角15度~20度がピークとなるのに、セルフアライニングトルクのピークがそれよりずいぶん低い角度域に位置するのは何故でしょう?
それは、タイヤ横力が増えるほど(タイヤ接地面の形状が変化することにより)着力点が前方に移動し、ニューマチックトレールが減っていくからです。
セルフアライニングトルクつまりタイヤ接地点まわりに働くモーメントは「ニューマチックトレール×タイヤ横力」で決まるため、例えばタイヤ横力の着力点がタイヤ接地中心と一致するところまでタイヤ接地面が変形すると、どれほどタイヤ横力が大きくてもセルフアライニングトルクは発生しないことになります。
ただしセルフアライニングトルクがゼロでも、キャスタトレールが一定量あればハンドルを戻す力は発生するため、コーナリング時に「手ごたえがある」ことになります。

実車においてはフロント内輪、フロント外輪ともにこれらの力が発生するため、最終的にステアリングにかかるモーメントは「その瞬間のタイヤ横力」「その瞬間のニューマチックトレール」「その瞬間のキャスタトレール」によって決まる、内輪と外輪それぞれから受ける力の合計で決定されることになります。
ただし基本的には外輪側が多くの荷重を受け持つので、外輪側が支配的です。

ところでニューマチックトレールがゼロでキャスタトレールが一定量ある状態というのは、どういう状態でしょうか?
例えば限界走行時がそれに近くなりますが、ニューマチックトレールは「タイヤ横力に比例して変動する」という側面があるので、キャスタトレールに比べてニューマチックトレールが極端に少ない状態というのは「ハンドル操作に対するタイヤ横力の変化が分かりにくい」と言えるかもしれません。
ただしそれとは別に、ドライバーはシートから受ける横方向の変化によってタイヤ横力…というかコーナリングフォースの増減を判断することが出来ます。(コーナリングフォースはタイヤ横力のうちクルマの進行方向に対して横方向の成分のこと)

アンダーステア傾向を改善するには、何らかの方法によって、リヤのコーナリングフォースに対するフロントのコーナリングフォースの割合を増やしてあげる必要があります。
一般にトーアウトはアンダーステア傾向、トーインはオーバーステア傾向になると言われていますので、トーアウトを減らすのはアンダーステアを改善する方向です。
ただしコーナリングの各地点で一様にアンダーステア傾向が改善されるわけではなく、特定のシチュエーションにおける症状が改善されるかどうかは他の諸条件によります。

このあたり、「手ごたえを改善したいのか」「アンダーステア傾向を改善したいのか」によって、ニューマチックトレールあるいはキャスタトレールを変更できるようなセッティングにするのか、それとも最終的なコーナリングフォースの前後バランスを変更できるようなセッティングにするのか?の判断が分かれることになります。
トーアウトを減らすことでコーナリング中の実際の内輪、外輪のスリップ角がそれぞれどのくらいの規模で変化し、それがセルフアライニングトルクをどのくらい変えるのかは分かりませんが、それとは別に、トー調整を行うとハンドリングの感触が変わります。
トー調整はサーキットの現地で簡単に行える作業なので、個人的にはまずタイロッドを片側半回転ずつ調整してから試走するというのを繰り返して、トーを変えていくと具体的にどういうハンドリングの変化があるのか?を確認するのがいいのではと思います。

いやぁこういう話題は脳が動きますね!わくわく!
2026年02月27日 イイね!

AIの建前と限界




 ・OpenAIのサム・アルトマンCEO「2028年までにAIが人類の知能を超える超知性に到達」




だそうです。
でも…現状、自動車関係のメカニズムの説明をさせると回転方向を平気で間違って説明を続けたりするお茶目なチャッピーですよ(苦笑)

メカニズムにせよ回転方向にせよ、やはり「理解」そのものがそこに存在してなくて、あくまで「そういう文脈でよく出てくる単語の組み合わせパターンを返す」という計算機なので、インターネット上の情報を学習データに使う以上、ここらへんが限界じゃないのかなって気はします。
AGI(汎用人工知能)実現のためには大規模言語モデルだけでは限界があって、世界モデル(ビデオやセンサー情報を使って現実の物理変化や因果関係を予測するシミュレータ)が必要なんだとか言われてますが、結局それも学習データの限界はあるので、2028年までに超知性が…とか言われるとなんだか違和感がありますね。

AIが製品として大した経済価値を生んでいない現状、AIの開発元は投資家からお金を集め続けなければいけないので、よりオーバーかつセンセーショナルな表現で声高にあれこれ謳うしかないというのは理解できますが、記事になれば本気で信じちゃう人とかいるわけだし、なんだかね。
どっかのカスタムパーツの謳い文句と同じ匂いを感じます。

それでも昔と比べるとハルシネーションが少し減ったのは確かだと思うので、出来ること、出来ないことをよく理解して、上手に使いたいですね。
























Posted at 2026/02/27 17:28:33 | コメント(0) | トラックバック(0) | その他 | 日記
2025年12月23日 イイね!

目的関数の最適化

こないだGeminiくんにサスペンション関係の質問をしていて、返ってきた回答が明らかに間違っていたので指摘しまくっていたら、最終的に「正解を教えてください」と言われたのでびっくりしました。
え!そんな挙動あるの!?こっちが聞いてるのに!(笑)

以前、別の記事で「リアルタイムにフィードバックを送ってアルゴリズムを変えられる」と書きましたが、これは同一ユーザとの会話のみの適用で、他のユーザとの会話に反映されることはないようです。
教えてって言われても僕も正解なんて知らないし…仮にここで正解を得られてもGeminiのシステムそのものには反映されませんよね?と言ったら、以下、Geminiくんの回答です。


















計算結果にスコアが設定されてて、なるだけ高いスコアが取れる単語の組み合わせを出力するようにプログラムされてるってことか…なるほどね~。
でもまぁ結局、エクセルをちょっと複雑にしたやつ、という印象は変わりませんね。
INDIRECT関数とか使って別のブックの特定シートから条件に合ったセルの値を取り出して組み合わせる、というのと、学習データを用いて設定された目標を満たすような単語の組み合わせを計算して出力する、というのは、まぁ厳密に言えば別ですけど、「考えていない」という意味では似たようなものですよね。
「認識」「理解」「思考」どれも存在しておらず、あくまで計算結果に過ぎません。

脳科学者の茂木健一郎センセーがAIのことをいろいろ勘違いしてるって記事があって、AIの計算過程って「思考プロセス」って呼ばれたりするし、あぁ、文系の人ってこのへん混同しちゃうよなぁとか思って読んでました。
僕も文系なので非常に良く分かります!
でも今回のGeiminiくんとの会話はAIの設計を理解するうえでひとつ参考になりました。
肝心の、知りたかったサスペンション周りの疑問は何一つ答えが得られなかったんですけど(笑)

AI関係の業界の中にも未だにスケーリング則を信じてる人がいるっていうのが府に落ちませんが…まぁみんな文系なんでしょう。
気持ちは良く分かります!
空想の世界で生きてるから仕方ない!(笑)

でもね、タイヤの荷重だって、増やせば増やす程どこまでもグリップ増えていくとは限らないのよ(謎)
Posted at 2025/12/23 13:21:48 | コメント(0) | トラックバック(0) | その他 | 日記

プロフィール

「@Garage K 個人的には、「グリップする」=「より大きなグリップ力(コーナリングフォースまたは加減速力)を出せる」という意味かなと思って読んでましたが^^;
この件面白いんで記事にしますね!」
何シテル?   12/13 20:54
福井のロードスター乗りです。 ロードスターは現在休眠中。 タカスサーキットをホームコースとしてサーキットアタックしていました。 GPSロガーの結果を元...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

掲示板

<< 2026/6 >>

 1234 56
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    

リンク・クリップ

荷重移動量簡易計算ツール 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/01/28 18:05:40
幌っとOUT 
カテゴリ:ロードスタークラブ
2009/04/16 23:19:49
 

愛車一覧

マツダ ロードスター マツダ ロードスター
14年式のNB3型1,8RSです。 足回り以外はだいたい純正のままです。
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation