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2024年12月21日

ねじ式車高調で全長調整する方法

昔は車高調と言えばねじ式が一般的で、全長調整式の車高調というと高級品でしたが、最近は車種によってはねじ式車高調を探すのに苦労することもあるそうです。
ねじ式車高調はロアシートだけで車高を調整しようと思うとプリロードが変わってしまうため全長調整式よりも性能が低いようなイメージがありますが、オイル容量やストロークの面で有利になるというメリットもあります。
また知識さえあればアッパーマウント周りの工夫によってねじ式車高調でも全長調整することは可能なので、手間はかかりますがプリロードを変えずに組むこともできます。
現在、そのあたりのノウハウも廃れてきているかもしれないので、僕が知っている範囲でいくつか書いておこうと思います。
全長調整式でも、事情があってロアブラケットで調整できない、または調整範囲が足りないなどの場合に参考にしてください。



まず基本となる知識ですがそもそも全長というのは車高調そのものの長さのことで、通常アッパーマウント上面(車体が乗っかるところ)からロアアーム取り付けボルト穴の中心までの長さのことを言います。
全長調整式はブラケットを回せばこの長さが変わるのに対し、ねじ式車高調は肝心のブラケットがありません。
そこでアッパーマウント周りを工夫することによって全長を調整します。
それには以下のような方法があります。



1.ワッシャで調整する
通常、車高調のアッパーマウントはトップナット2つのダブルナットで固定されていますが、そこから突き出たロッドのねじ部分は少し余ってるはずです。
例えば2cmくらい余ってたとすると、この2cm分はプリロードをかけずに全長を伸ばすことが出来ます。
具体的にはまず車高調をクルマから取り外して、アッパーマウントをバラします。そしてロアシートを回して2cm上げてやります。
このとき、そのままアッパーマウントを組もうと思うとスプリングに2cm分のプリロードをかけないと組めないと思うのですが、アッパーマウントの下に2mmくらいのワッシャを10枚入れてやると、アッパーマウントの位置が上がることでプリロードをかけずにアッパーマウントを組むことが出来るようになります。
つまり全長を2cm伸ばしたことになります。





2.スリーブナットとイモネジ
上記のようなやり方でワッシャを挟んでアッパーマウントの取り付け位置を上げようと思ったとき、もしロッドのねじ部分の長さが足りないと、アッパーマウントはギリギリ入ったんだけどナットを締めるだけの長さがない…ということがあります。
そこでスリーブナットという部品を使うと、そういうときでもナットを締め込むことが出来ます。
スリーブナットというのはこういうやつです。





これはニーレックス「ローダウンNAマウントキット」の補修部品として出ているものです(https://nielex.net/footwork_lda.html
部品自体はNA/NBロードスター向けですが、M12×P1.25、M10×P1.0、M12×P1.0、M10×P1.5の各種ラインナップがあるのでサイズが合えば他車種でも使えます。
スリーブ部分にもねじが切ってあるので、ロッドのねじ部が足りなくて普通のナットが締められないような取付位置であっても、スリーブ部分が中に入り込むことでねじを締めることが出来ます。
ただしそのような取付位置で組むとダブルナットで締め付けることが出来ないため、緩み止め用の固定にはイモネジを使います。



3.延長ロッド
「2cmや3cmではダメなんだ、全然長さが足りないんだよ」って場合は、ロッドのねじ部を延長するという方法もあります。
こちらはYZスーパーロード用に部品設定されている「ステムロッド延長用M10x1.25+55mm」です。(https://www.yzz.co.jp/shock.htm



このようにロッドのねじ部に延長ロッドを取り付けることで実質的にロッドを伸ばします。
写真では上のほうしかねじが切ってありませんが、追加で下のほうまでねじを切れば全部使うことが出来ます。
ただし延長ロッドの下のほうは高ナットになっているので、高ナットの位置ではアッパーマウントを固定したくても固定することは出来ません。



4.ハイアッパー
その場合、アッパーマウント自体は上のほうで固定することにして、ハイアッパー(ハイマウントタイプのアッパーマウント)を使うことで、車体取付面を下げることが出来ます。
ロッドに固定する位置が上がっても、車高そのものはアッパーマウントの車体取付面の高さで決まるため、この高さが低ければ車高は上がりません。
ハイマウント構造によって稼ぐことの出来る高さは製品によって異なり、プロスペックSS/AJのように調整式になってるものもあります。(https://nielex.net/footwork_psa.html
また固定式であれば構造そのものは簡単なものなので、ヤフオクで個人の方が作成したものが売られていたり、知り合いの鉄工所のおじさんに作ってもらう方もいるようです。
僕の使っている物も超ハイマウントの特注品です。





5. アッパーマウントスペーサー

1~4まではアッパーマウントの取付位置を変えることで全長調整するというものですが、発想を変えて、アッパーマウントと車体との間にスペーサを入れて全長を伸ばすというやり方もあります。
5mm程度のものであれば難なく取り付けられると思うのですが、ツワモノはアッパーマウントの車体側固定ボルトを長いものに打ち換えて、3cmくらい伸ばす人もいるようです。
何でもアリですね笑







番外.ばねを遊ばせる

バンプストロークが余ってる場合は、ばねを少し遊ばせた状態で組むとプリロードをかけずに車高の調整が出来ます。
ロアシートのスプリングガイドから外れるのが嫌な場合はレートの低いヘルパースプリングを入れて対策しましょう。





以上、ねじ式車高調で全長調整する方法でした。
2と3については、減衰力調整のダイヤルがロッドの頂点についているタイプだと使えないので注意してください(ダイヤルがダンパケース側面あるいは底部についているタイプなら使えます)
どの方法も全長調整式のロアブラケット調整と比べると手間がかかるのですが、やり出すと楽しいのでおすすめです(おいおい。笑)
「ああ、サスペンションのチューニングしてる~!」って感じがします笑
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Posted at 2024/12/21 12:40:09

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