• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

aki@rsのブログ一覧

2025年05月21日 イイね!

サスペンション・ストロークとタイヤ性能

皆さんこんにちは!
突然ですが車高下げてますか?
僕は善良なロードスター乗りなので最低地上高9cmは守ってます!
でも気持ちとしては地底の奥深くまで下げてます!笑
つか!ナンバーないけど!涙

若い頃、サーキットアタックしてる知り合いの方が「車高を下げたらタイムが1秒上がったよ!」って言ってたのを聞いたことがあります。
すごいなぁ、でもそれって本当かな?1秒なんて誤差じゃない?などと思ってました。
当時は笑

今となっては1秒、つまりコンマ1秒×10の大きさというのは身に染みて分かります、いやぁタイム詰めて行った先での1秒はデカいですよね…!
車高を下げると重心が下がるのでクルマの運動性能が向上するわけですが、実際はキャンバ足りなかったのがちょっと増えた分も結構あったんじゃないか?とか思ってますが笑

でもでも重心を下げるというのはスポーツカーにとってすごく重要です!
運動性能が向上するのは何故か?
タイヤが発揮できるグリップは、そこにかかる荷重が大きくなるほど、どんどん"増えにくくなっていく"特性があるからですね。
したがって4輪の荷重が均等でなく偏りがある状態では、「荷重が小さい側で減ったグリップ」のほうが「荷重が大きい側で増えたグリップ」よりも大きくなり、4輪トータルとしてはグリップ力が減ってしまう。
荷重というのはなるだけ均等なほうがいいんです。
重心を下げると、同じ縦Gあるいは横Gがかかったときの荷重移動量が減って偏りが少なくなりますから、グリップのロスが少なくなってくれます。
したがってコンマ1秒でも削りたければ車高は地の底まで下げなきゃいけません。
シャコタン万歳!

ただし気をつけなきゃいけないことがあります。
昔は純正サスのばねだけ切って車高を下げる、ということが一般的だった時代がありました。
そうすると車高が下がると同時にバンプストロークも減ります。
バンプストロークが減るとどうなるか?
ブレーキングやコーナリングですぐにバンプラバーに当たって底突きしやすくなり、底突きしている側のタイヤに過剰な荷重が乗る=反対側のタイヤから過剰に荷重が抜けることで、荷重の偏りが余計にひどくなってしまいます。
しかもタイヤには許容荷重があるので、ある一定の荷重を超えて過剰な力が加わると、発揮できるグリップ力はさらに減ります。
進入でアンダー、出口でオーバー、全体的なグリップ力も落ちてしまう上に、酷いと過荷重によるタイヤ変形で走行抵抗がめちゃくちゃ増えて失速症状まで出るので最悪です涙
ローダウンスプリングで車高を落とす場合も、ダウン量によっては似たようなことが起こります。
でもこれ厄介なのが、サーキットみたいな路面だと、場合によってはなんとなく乗れてしまうんですよね。
ただ「何となく遅い」。

そもそも車高を下げるとジオメトリ的にアンチダイブ・アンチリフト・アンチスクワット・アンチロールの働きが減ることから、そういう意味でも底突きしやすくなるので、車高短のクルマというのはバンプストロークとの闘いです。
ちなみに「底突き」といっても大きく分けて2パターンあり、(1)「1Gですでに底突きしている場合」そして(2)「1Gでは底突きしていないけど、実際に走ると底突きする場合」です。
もっと言えばウレタン製の柔らかいバンプラバーなどは、ちょっとだけ潰れた状態とギューっとめいっぱい潰れた状態では硬さが全然違うわけですが、まぁそういうことも含めて、硬くなってサスペンションがストロークしなくなるのが底突きですね。

ところでバンプストローク、リバウンドストロークなんて話をしていると「理想的なストローク・バランスというのは何対何なのか?」なんて話が出ることがあります。
「50対50が理想だ」「いや40:60だ」とか言いますが、これ、基本的には一般道を合法スピードで走る前提のお話なので、サーキット派の方は話半分で聞いてもらって大丈夫です。
例えばホイールレートの前後バランスなどは直接ステア特性に影響しますから、ばね定数の選定というのは大事です。
車高の前後バランスもロール軸の傾きに影響するので大事です。
でもバンプ:リバウンドのストロークバランスそのものは、運転特性に直接影響を与えるわけではありません。
変な話、余ってればいいんですよ余ってれば。(おいおい)
底突き/伸び切りが発生しないのであれば、割合なんてただの数字です。
とは言え安全のために最低限の余裕は確保したいのですが、まぁそういったわけで一般道を走る場合とは事情が異なるわけです。

もっと言うと例えば僕のロードスターの場合、ダンパが底突きするより前に、フロントはタイヤ天突き、リヤはアームロックがストローク限界になります。
だからダンパのロッド部分におけるストロークバランスが何対何か?ということは、そもそも実際のストローク限界と関係がありません。
前後バランスの関係でフロントはタイヤ天突きまでもかなりの余裕がありますが、リヤはどうしてもストロークがギリギリなので、アームにパテ貼ってアームロックまでの余裕がどれくらいなのか?を管理しています。

というわけで「底突きするのか?伸び切りするのか?しないのか?」「するのであればどのくらいの程度なのか?」ということが、タイヤが本来持っているグリップ力を十分に発揮させるためにとても大事です。
ストロークバランスが何対何だ、とかいうよりも、「底突きまで何mmなのか?」「伸び切りまで何mmなのか?」みたいなことが大事ってことですね。
まぁロードスターなどの車種であれば伸び切りに関してはあまり気にする必要はありませんが、AE86のフロントやFF車のリヤなどはコーナリングで浮いてしまうことがあるので、車種によっては伸び切り側の余裕も管理しましょう。

僕がまだ純正サスペンションで走ってた頃、たまたまタカスに来てた大井貴之さんに「あのね、ブレーキを強く踏み過ぎだよ」って言われたことがあるんです。
純正サスで普通にタイヤ限界を使おうとするとブレーキングでフロントが底突きします、そのためブレーキを手加減して底突きを和らげるような走りをしたほうが結果的に速い。
「タイヤの感触的にはこれで行けるはずなんだけど…」ってことしか頭になかった僕はその場ではちょっと納得いかなかったのですが、後になってその理由が分かりました。
タイヤの声を聞くのは大事ですが、サスペンションの状態が悪いと「騙される」ことがあるので注意が必要です。

アライメントや減衰力のセッティングをとことん煮詰めて完璧な状態に仕上げていても、ダンパの底突きやアームロックなどが原因でグリップが頭打ちになっていることがあります。
サスペンションのストロークが変なところで止まってしまってタイヤ本来のグリップ力を発揮できない状態になっていないか、改めてチェックしておきたいですね!
Posted at 2025/05/21 12:37:49 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2025年05月14日 イイね!

インリフトと内輪荷重

先日、OX3832さんのところでとても興味深い話題が出ていました。
「インリフトさせることでフロントの限界が上がる」
海外のレーシングカーではテザーというものを使って、狙ったポイントでインリフトするようにリバウンドストロークを規制する例もあるそうです(!)

さて、僕はこれよく分かっていないので整理してみましょう。

そもそもクルマは何故インリフトするのか?
クルマの傾き、つまりロール量に対して前後いずれかの内輪の伸びが足りなくなるからですね。
そしてクルマをロールさせているのはロールモーメントという回転の力です、これは遠心力で重心にかかる横方向の力とタイヤが横方向に発揮する力(コーナリングフォース)、それぞれの高さが異なるために発生します。

ハンドルを切って横Gが増えるとロールモーメントも増えますが、そうするとボディがロール方向へ傾く量も増えるので、内輪側ではタイヤにかかる荷重が減っていきます。
どんどん荷重が減って、仮にタイヤにかかる荷重がばね下重量だけになったとしましょう。
ばね下重量は、仮に10kgあったとしますね。
ここからさらにロールモーメントが増えると、ダンパがロアアームを引っ張ることでタイヤにかかる荷重は9kgf、8kgf、7kgf…と減っていき、やがて0kgfになります。
そしてさらにロールモーメントを増やしたとき、タイヤは地面から離れます。

質量を持つ物体は常に地球の引力で地面の方向へ引っ張られているので、インリフトした瞬間にタイヤを下げる力が発生することはないのですが、ただ、インリフトした瞬間にロールモーメントが減るという可能性はあります。
ロールモーメントはコーナリングフォースによって発生するので、4輪走行から3輪走行に移行した際にコーナリングフォースがカクンと減ると、結果的にロールモーメントがカクンと減るからです。
このあたりスタビやプリロードの有無で事情が変わるのと、厳密に言えば減衰力や慣性モーメントの影響を受けるのと、またコーナ形状というかハンドル舵角によっても大きく変わってくる部分なので、必ずロール角が減るとは限りませんけど^^;

フロントの限界が…というのはよく分かりませんが、リヤ内輪がインリフトしてからさらにロールする場合、それまで内輪のフロント&リヤともに荷重が減っていたのが、フロント内輪だけの荷重が減ることになるので、そのあたりの事情でしょうか?
この場合でも外輪側で増える荷重はロール軸の傾きとホイールレートの前後バランスによって前後に分配されます。
クルマというのはGが斜めに入力されるとロールとピッチングが同時に発生するので、ちょっとこのあたり分かりにくかったりしますが、サスペンションアームというのは動くようにしか動けないことから、基本的にロールはあくまでロール軸を中心として回転します。
ピッチングはピッチング、ロールはロールなので、それらが同時に発生して動くときはタテとヨコを分解して考えると分かりやすいかもしれません。

プリロードなり何らかの方法でリバウンドストロークを規制すると、ダンパがそれ以上伸びなくなるので、インリフトは発生しやすくなります。
ただ、やろうと思えば「ダンパは伸びようとしているけどアームを規制してそれ以上伸びなくさせる」ということも可能です。
テザーというのがどういうものか分かりませんが、たぶんアームの端部とボディを繋ぐことでリバウンドを規制する金属ベルトとかワイヤーのようなパーツだと思うので、それならプリロードのように車高に影響を与えることもないですし、理に適っていますね。
いや、見たことはないんですが苦笑
考えてると面白いですね^^
Posted at 2025/05/14 12:45:47 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「@Garage K 個人的には、「グリップする」=「より大きなグリップ力(コーナリングフォースまたは加減速力)を出せる」という意味かなと思って読んでましたが^^;
この件面白いんで記事にしますね!」
何シテル?   12/13 20:54
福井のロードスター乗りです。 ロードスターは現在休眠中。 タカスサーキットをホームコースとしてサーキットアタックしていました。 GPSロガーの結果を元...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

掲示板

<< 2025/5 >>

    123
45678910
111213 14151617
181920 21222324
25262728293031

リンク・クリップ

荷重移動量簡易計算ツール 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/01/28 18:05:40
幌っとOUT 
カテゴリ:ロードスタークラブ
2009/04/16 23:19:49
 

愛車一覧

マツダ ロードスター マツダ ロードスター
14年式のNB3型1,8RSです。 足回り以外はだいたい純正のままです。
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation