トリップメーター修理
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
格安入手したジャンクメーター。定番のトリップ戻り不良があり放置していたのですが、DIY修理にトライしてみました。
まずは構造の理解から。5個のドラムがピニオンギアで連結されています。リセットピンを押すとピニオンギアが外れ、レバーがドラム側面のカムを押して各桁をゼロに揃えます。しかし、レバーとピニオンギアが戻るまでの一瞬、フリーになったドラムは重心の偏心や慣性で回転しようとします。スプリングでドラム同士を密着させて回転を防いるようですが、密着が弱くなるとドラムが回転してしまい、ゼロに揃わなくなります。
2
ドラムユニットを取り外し、両端に圧入されたストッパーを抜くと分解できました。ドラム側面の突起がリセット用のカムです。スプリングはサビて崩壊していました。写真右側の駆動ドラムの軸受け部分が摩耗しやすいらしいのですが、この個体は摩耗を超えて消失寸前。。。ガラクタ箱で見つけた真鍮製の穴開き円盤を接着剤で貼り付けて補強しました。
3
使い古しのボールペンを分解してスプリングを拝借。適度な密着力が出るように短くカットしましたが、本当はもっと自由長の長い物が良いと思います。インクのチューブは輪切りにして駆動ドラムの右側に挿入し、クリアランス調整に使いました。ドラム、スプリングをシャフトに刺してストッパーを再圧入。メーターユニットに戻してドラム周りは完成。
4
ピニオンギヤ軸を押すレバーも朽ち果てていました。補修はあきらめて代用品を作製。1mm厚の真鍮板を切って折り曲げ、真鍮パイプを半田付けしました。雨漏り+青空駐車のビートにはお勧めできません。
5
組むとこんな感じに。あ、リセットピン逆向きですね。これでトリップは完治。ただし、スプリングが強すぎたようで、強めに押さないと揃わなくなってしまいました。念を入れてシャフトにシリコングリスを塗ったのも良くなかったかも。リセットピンの奥側のスリーブには嘉十郎庵さんのアイデアを頂きました。
6
作業中、スピードメーターのゼロストッパーピンを折ってしまったので、代用品を作りました。ストッパーの裏側にΦ4の窪みがあるので、これを利用します。まずM2真鍮ナットの外周を削って外径Φ4に加工。頭髪用ブラシからの拝借したプラ棒を加熱したナットに挿して熱溶着しました。写真の左2点が材料。右が完成品です。
7
実際に装着してみると、ぱっと見には気付きません。ただし、耐熱性に若干不安あります。今から思えば、金属棒を接着剤で固定したほうが良かったですね。
8
メーターケース接合部のゴムパッキンも崩壊していたので、角断面ゴムスポンジ3x5mmで代用。現物に合わせてΦ1ポンチで固定ピンの穴を空けました。ピンが折れ過ぎているとうまく固定できません。
9
現在付いているメーターはもっと程度が良いのですが、OHして愛着が沸いたので交換しました。割愛しましたが、燃料計、水温系も交換しています。達成感以外は安物買いの銭失いでしたね。。
10
1年後追記。1mm真鍮板で作ったトリップのリセットレバーは強度不足だったようで、リセットのたびに少しずつ変形していき、トリップ自体も動かなくなってしまいました。強度UPのためレバーにリブを追加。ドラム押さえのスプリングも柔らかい物に交換しました。今度はもう少し耐えてくれるでしょう。
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