前回予告の通り、ピストンの準備をします。
こちらが今回のレストアのために用意したカワサキ純正の 0.5mm オーバサイズピストンです。新品のピストンおよびピントンリング、ピストンピン、クリップがセットでヤフオクに出品されたものを気合いで落札しました。Z1Rのオーナーがストックしていたものの様でしたが、純正のピストンは既に廃版となっているため、とても貴重品です。ありがたく使わせて頂きます。
中身がこちら。各ピストンに書かれている数字は内燃機屋さんにシリンダーのボーリングをお願いした際に計測された値で、この数値に合わせてシリンダーがボーリングされています。
ピストンリングは一つのピストンに対して計6個あります。右側から2番目のギザギザのオイルリングを左右のリングで挟んで一つの溝に嵌めます。
ピストンリングを付けるに際しサービスマニュアルの記載を確認します。特に各々のピストンリングの区別や上下の識別、リングの開いている部分の取り付け方が重要です。
1番上と2番目のリングは上下の指定があり、上面側に”N”マークがあります。Nの後の50は0.50mm オーバサイズの意味だと思われます。このマークは肉眼では見れないため、ルーペで確認します。
1番上のリング
2番目のリング
各リングは下の写真の様に溝に嵌めて行きます。マニュアルでは上から順に取り付けるように記載されていますが、下から取り付けた方が既に取り付けたリングが邪魔にならず良いと思います。
リングが取り付けられたら、各リングの開いている部分をマニュアル記載の方向に合わせて完成です。これを4回繰り返します。
完成しました。新品のピストンはピカピカで良いですね。
因みにこちらが元々付いていたピストンを綺麗に掃除したものです。1番右の4番ピストンの状態が他ものと比べてイマイチだったので、手前の中古ピストンを入手しました。しかし、後日新品のオーバーサイズピストンが入手できたため、これらは結局使いません。
今回電装品については基本的に新品に交換しますが、セルモーターについてはまず車体に付いていた物を使ってみようと思いオーバーホールしてみました。
中身はブラシの削りカス等で汚れていたので、一通りパーツクリーナーとエアブローで掃除しました。
構成部品はこんな感じです。Oリングは純正部品が廃版のため、社外品を探してみて見つからなければ液体ガスケットを塗って再装着します。
ブラシが接する部分はサンドペーパーで軽く均します。
こちらがブラシ。まだ残りは充分にありました。角をサンドペーパーで軽く削ります。
歯車は年式相応の段が付いていますが、まだ使えそうです。
完成しました。Oリングは社外品で見つかったら後日交換します。
話しは変わりますが、フレーム加工をお願いしているショップより、7月中旬から作業に入るので周辺部品を持って来て欲しいとの連絡がありました。何となく遅くなるのではないかと心配していましたが、予定通りのようで安心しました。8月から本格的に組立作業に入れそうです。
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2023/07/03 23:25:02