2011年12月16日
というわけで続きです
F-X選定の話をするときに
F-35は未完成、F-18は古すぎ、最低限の低RCS性があって、独自改良もOKのユーロファイターが一番!!と言う方けっこう多いですが、最後の独自改造以外はそれ程優位性があるとは思えません
・ユーロファイターは1983年にプロジェクトがスタートして未だに未完成の機体
「28年」かけて完成してないんですよ、実戦でも飛んでいる分マシですがF-35を笑えませんね(爆)
ま、継続的なアップデートがなされている…という見方もできますし、まず飛ばすというのは決して間違っていないと思いますけど
因みにF-2は1986年計画で初飛行1995年です
ユーロファイターも初飛行はおんなじくらい
F/A-18E/Fは大元の飛行こそ1978年くらいですが、E/F型はF-2と同じくらい別物魔改造でしてその機体形状での初飛行は1995年くらい、だいたいこのあたりが4.5世代マルチロール機の「同期生」といった感じです
さて日本導入予定と言われる「トランシェ3」相当の機体ですが、これ調達予定は立てられていますが、導入実績がありません
日本が購入を検討したユーロファイターはガワはあるけど、戦闘機として戦えるシステムとしては未完成なんです
特に致命的なのがレーダーです
AESA(アクティブフェイズドアレイレーダー)の完成が「2015年予定」であって今すぐ買える機体ではないのです
しかも欧州はこれまで戦闘機に搭載できるサイズのAESAを実用化していません
これは日本の方が一枚上手ですね
・ユーロファイターはF/A-18E/Fに比べてそんなに新しいわけではない
先に述べてしまいましたがユーロファイターもF/A-18E/FもF-2もだいたい同期なんですよ
そんなに新しいわけではないです
初期型のユーロファイターは性能やら維持費の兼ね合いでそろそろ退役する機体も出るという話もありますね~
但し、空力的に元々狙っていた特性が違うので飛行特性の素性は良いと思います
F-18もF-2もハイローミックスでいうロー(安い機体)を想定して設計された機体ですが、ユーロファイターは元々制空戦闘機を目指していたという辺りも違いを生んでいるのかもしれませんね~
自衛隊が制空戦闘機を欲しいならアリでしょう
・安くはないよ
トランシェ2のサウジアラビア導入時の金額は120億円、しかもライセンス生産ではなく、完成品導入です
これに新型レーダーを搭載して、ライセンス生産料金が発生するとなると…まあそれなりのお値段になるでしょう
逆にF-2はそれ程高く無かったのかもしれませんね
・情報漏洩大丈夫???
Noブラックボックスなのは良いですけど、日本が独自に搭載する技術に関してはブラックボックス化してよいのでしょうか???
・・・F-2の時には日本の独自技術はアメリカが自由にアクセスできたそうです
もしそこの確約がないなら心配ですし、ユーロファイターのガワそのものにそれ程隠すべき技術はなさそうですから思っているより「高くつく買い物」になるかもしれません
それこそAESA技術と交換とか…
・一説によると95%ライセンスOKとか…ブラックボックスなしとちゃうんかい!!
本当に大事なところを教えてくれるか怪しい…感じもありますね
・正直エンジンがあれば次はない(笑)
F-15J置き換えの際にはもうユーロファイターでは優位性を保てないでしょう
欧州は最近ロシアの再軍備増強の気配がありますが、比較的平和です
日本だけのアップデートのためこれ以上の開発が進むとは思えません
次もユーロファイター系ということはまずないでしょう
日本としてはエンジンさえ何とかなれば、次の次くらいには国産をやりたい…と思っているはずでそのためには米国に少々劣ると言えども、何らかの形でエンジン技術が欲しく、ユーロファイターに掛る期待は主に「エンジン好きにさせろ!!」というところな感じもありますね(笑)
・ドッグファイトは強いけど…
F-15をドッグファイトで破ったとwikiにありましたが、ドッグファイトならF-2も充分強い
勿論戦場までの機動性もF-X対象の3機種では一番よいので、最初から有利な位置で戦える可能性は高く、「ドッグファイトだけ」強いということではないです
でも現代戦でドッグファイトは「最終手段」ですので、wikiに書かれた主張ではありますが、そんなに大きな利点かは不明ですね~
・リボルバーキャノン搭載だぜ!!(笑)
そう、困ったことに航空機関砲が我々日本で馴れ親しんだ「バルカン」ではなく口径も27mmと恐らく国内には流通していないと思います
ドッグファイトより出番の少ない航空機関砲ですが、専用に弾まで造る、しかも40機の為に…では高くつきそうですね…
このようにして皮肉にユーロファイターを眺めてみると
たった40機、次も期待できないのにライセンス生産したら高くつくし、未完成、特に現代航空戦の胆であるレーダーが不安とそんなに素晴らしいとは思えません
またアメリカが悪いのですけど、米国製のインチ環境が構築された日本の航空産業にm規格のユーロファイターがなじむにはコストが必要でしょう
それでもライセンス生産の魅力と優れた飛行特性と長所を持ち合わせています
空戦性能も現在では悪くないです
その辺りで何を重視するかでこのユーロファイターへの評価が決まるのだと思います
私は低RCS能力を除けばF-2で充分だよな~という感じがしてあまりお勧めではないかな~と思うのです
スーパークルーズ能力もありますけど、現実的にどれほどその能力が役に立つか私にはわかりません
例えば離陸後何分で高度いくつ、距離いくつに到達できる…というのにどれくらい寄与するのかな???
…もしその後、エンジンを好きにできるなら1機200億でもいいと思いますけどね(笑)
世の中そんなに甘くないですよねorz
Posted at 2011/12/16 12:02:23 | |
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軍ヲタ的ネタ | 日記
2011年12月15日
報道ではF-35でほぼ決定と言われているF-X(次期主力戦闘機)選定ですが、現在でも「ユーロファイターならNOブラックボックス」「信頼性とレーダーでF-18E/F」とか色々な人が色々な観点から主張しています
私としては「ユーロファイター」以外の2機種でこの先の運用思想次第…と思います
私よりマニアックな皆さんはわりとユーロファイター推しの方が多いようですね
逆になんとなく「ステルス」ってことで普通の人はF-35、電子戦能力やらネットワークとの親和性、信頼性、運用までのコスト、等々戦闘機単体ではなく「戦略的に考える」人はF-18E/F推しの人が多いのかな???
たまに戦闘機どころじゃない「買うな」という人もいますが…これは論外です
最大にして最低限の公共の福祉は「防衛」です
震災復興と同等レベルの最優先事項です
戦闘機に文句付けるなら対中ODAと韓国との通貨スワップに全力で反対すべきでしたね
戦闘機がいくら高いと言えども、
対中ODAは、1979年に開始され、これまでに有償資金協力(円借款)を約3兆1331億円(PDF)、無償資金協力を1457億円(PDF)、技術協力を1446億円(PDF)、総額約3兆円以上のODAを実施してきました
(外務省より)
3兆あればひょっとして空母打撃群が買えるかもしれん(維持できるかはまた別ですけどね~)
通貨スワップ枠5兆円…別に直接お金を渡しているわけではないですけど、デフォルトすれば5兆円で暴落した韓国通貨という紙屑を掴まされます
そしてデフォルトしても大して困らない…我々が思うより貿易規模が小さいですよ韓国、人口半分で給与所得も半分、日本の1/4以下で絶賛スタグフレーション中(笑)
可処分所得は日本の1/10もないかもしれませんよ下手したら…
どうも韓国行っても偽物ブランド以外は日本とあまり変わりない値段のようですからね
つまり5兆も用意して助ける程の市場ではないです
8兆円あれば1機200億の戦闘機だとしても一体何機買えるのやら(笑)
戦闘機を「買うな」という人はまずそこから考え直してくださいね(笑)
実は買わないで済むなら恐らく「こんな半端な時期に買いたくない…」
というのが本音ではあるのですが…
買わないと数が足りないってとこまで追い込まれているので仕方がないのですorz
個人的にはF-2追加調達をしなかった当時の「ゲル」長官に責任ありと思いますが、当時F-22が目の前にちらついていた事を考えると気持ちはわからんでもないかな…
ただ彼がF-2の性能を読み違えた事は確かです
搭載できる対空誘導弾の発展とAESAの性能向上(ソフトウェアでも性能向上を図れる)を見誤ったのです
戦場までの機動力(加速能力や上昇能力)は単発エンジンですからF-15Jに敵わないですが、BVR戦闘では基本的に見劣りせず、最後の手段ドッグファイトもFBWによって静的安定性が負となる機体を強引に安定させていますので旋回性能は高いんですよね
マルチロール機の有用性が認識され始めていた頃ですから、F-2追加調達も有だったのではないかと私なんかは思います
これをF-4EJ改の退役を見越して追加で取得しておけば、今「買うな」という選択肢が存在したわけですが…まあタラレバ論に過ぎませんね~
ということで我々日本人は残念ながら
・カタログスペックは優秀な永遠の未完成機…ユーロファイター トランシェ3相当
・ステルス性能だけが売りの欠陥未完成機…F-35A
・何年優位性が保てるか疑問の誕生した瞬間から時代遅れのロートル機…F-18E/F
(少々皮肉が過ぎましたかな???でも一面当たっていると思います)
と絶望的なラインナップからお買いものをしなければならない事に追い込まれたのですorz
でも税金を使って購入するわけですからせめて「最悪の中の最良」を選択しなければならないわけでして、その為色々な分野の色々な方が議論する事になっているわけです
続く~
Posted at 2011/12/15 16:30:31 | |
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軍ヲタ的ネタ | 日記
2011年12月12日
今年のフジスプリントカップで行われた、現役を引退したドライバーで争われる「レジェンドカップ」において通達されたペナルティが実行されたようです
ストレートライン走行中に蛇行(けっこうグレーゾーンが広いですが、ストレート上でのライン変更は一回だけしか認められていません、ここテストにでるぞ~www)で「あとでFSWの場内清掃」のペナルティを受けた土屋圭一氏が先日イベントでFSWを訪れた際、「偉い人」の呼び出しにあい、ペナルティを実行することになったとか…(笑)
FSWってトヨタ系の資本が入っていますから割とお堅いイメージがあったのですが、意外にお茶目で驚きました(爆)
「モリゾー」効果なんですかね、少しトヨタへのイメージを修正しようかな~
個人的には3人もエントリーしてひとつの良い所もなかった某36チームの三首脳にも何らかのペナルティがあってもいいんじゃないかと思います(爆)

Posted at 2011/12/12 20:50:23 | |
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モータースポーツ | 日記
2011年12月12日
みなさんのブログを見ていると岡山国際サーキットのオフ会盛りあがったようですね~
画像を拝見するとMSだけでも結構な台数が見受けられました
最近ではBKのMSよりBLのMSの方が多いくらいですね、すっかり図面屋号は型落ちだね(汗)
でオフ会の方は盛りあがりを見せたようですが、今回もMFCT参戦車両減少の傾向が続いているようでして…
あれだけMSがぞろぞろいるんだし、サーキットトライアルももう少し参加車増えないものかな~
…はい、まず自分が出ろって話ですよねorz
随分昔のネタになりますが
https://minkara.carview.co.jp/userid/304088/blog/18663924/
こんな事を書いたことがありました
MSはやれば結構できる子です
勿論、修練を積み、クルマを鍛え上げた西国の猛者の皆さんを相手にノーマルで対抗するのは無理ですけど、走行スパンを短くすればノーマルでもちゃんとスポーツ走行は可能でしてストレスなくサーキットを走ることができます
東の筑波なんかはコースも小さい為リミッターに掛ることはないですし、ノーマルでも腕次第では結構いけると思います
BKユーザーが減りつつある現在、BL系MSの新規サーキット走行ユーザーが増えてくれないものかな~と期待するものであります
…ま、サーキットトライアルはJAFで規定される「スピード行事」なので、「Bライ」必須というのがハードルを上げているのも問題ではあるのですけどね
「Bライ」自体は講習だけで取れるのですけど、ライセンス料以外にもJAF「個人会員」になる事が必須でして、自動車保険にロードサービスが付随している事が多い現在、JAFに加入しなくてはならないというのはライセンスの仕組み自体の問題なんだけど…お役所的JAFが改めるとは思えないもんな~orz
Posted at 2011/12/12 13:31:32 | |
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アクセラでサーキット | 日記
2011年12月11日
ひょっとしたら「仕事」カテゴリーになるかもしれませんが、ある意味TPP絡みなんで「日常」カテゴリーで(笑)
色々な分野で無理無茶を押しつけられそうなTPPですが、個人的には上記タイトルの条件、つまり全ての単位系をメートル、ISO単位系に改める事をアメリカが飲めるなら、条約を結んでやっても良いのではないでしょうか(笑)
もしできるもんならな( ̄ー+ ̄)フッ
まあ飛行機屋さんにとってはインチ系は馴染みがあって困るでしょうが、クルマ屋の端くれ下っ端の図面屋としては全てISO系で統一してもらいたいです
クルマの場合、インチとメートルが混在するので馴れはしますが非常に面倒くさい(^_^;)
何故かタイヤだったりパイプ類、そのフィッティングなど、「丸い」ものはインチ系であることが多いんですよね~
誰かに理由を教えて欲しいな~
勿論、CADソフトはどちらの単位系にも対応しますし、工作機械も対応できますが、人間の頭はそんなに簡単に切り替わりません
これは世界の大多数を占めるISO単位系で理系教育を受けた技術者に負担を強いる事で開発効率を低下させる為に仕組まれた非関税障壁に違いない!!(MMR風)
…べ、別に今、燃料系の設計しててインチの換算が面倒になったわけじゃないんだからね!!(お約束)
…えーとネタはさておいて、合衆国で利用される単位系を我々になじみ深いISO単位系に全て置き換えるというのはきっと実現しないでしょう
多くの人に「ふざけんな!!」という反感を買うこと間違いないですし
ではここで逆に考えてみてください
非関税障壁の撤廃なんてあたりさわりのない文字になっていますが、TPPって皆さんが関わる各分野でなじみ深いシステムが崩壊するかもしれないということなんです
なかにはなくなったほうが良いものも存在するかもしれないのは否定しませんけどね
私の合衆国がISO単位系を使わないのは非関税障壁だっていうのは「半分冗談」(半分マジだけど)ですが、下手したらこういった単位のように業界の基幹部分にもクレームがつくかもしれません
農業と工業のトレードオフ…なんて安易なもので終わらないですし、ひょっとしたらあなたが仕事をする業界にも非関税障壁の撤廃といって問題が持ち上がるかもしれないと思って注視すべきなのではないかと思います
…まあ、ネタなんだけど合衆国がISO単位に乗り換えたら、否応なしに出費を強いられるとはいえしばらくは「内需拡大ウマー」になったりしないかな???
そもそももうモノを造ってないから意味ないか???
ハンドルも右ハンドルに統一できないかな~これも非関税障壁だよね~
え?世界では左ハンドルが多いって???
いやいや、元々舵(ステアリング)がついた乗り物は右ハンドル(まあ世界最大の海洋国家だったこともある大英帝国の名残ですけど)が基本です(笑)
航空機の場合は船舶用語の使い回しに過ぎませんが船舶の場合、左舷がポートサイド、右舷がスターボードサイドと呼称されます
この場合のスターは「お星様」ではなくステアリングボードの事で(船舶に詳しくないので謎ですが、ステアリングボード=スターボードなのか海上でのやり取りの円滑化の為省略されたのか教えてエロい人)伝統的に舵は右側がいいに決まっています(キリッ)

Posted at 2011/12/11 13:53:41 | |
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日常 | 日記