「ハイノーズの意味と段付ノーズの関係」なんてタイトルですが、今回は恐らく唯一段がないマシンになるだろうマクラーレンのお話です
この間参照URLに乗せたサイトによい画像があったので、まずはそれを見ていきましょう
まずは正面図

完全に同じ角度からの画像ではありませんが、マクラーレンの新型のノーズが随分低い事がわかりますね~
では次に側面図

こうやって側面から見るとノーズが低いのは、モノコックが早い段階から傾斜しているからということが分かります
…ま、モノコック上面の高さも一応決まっているので、それ以外に方法がないと言われればその通りです(汗)
そのほかに気になるのは側面図をみるとマクラーレンはフロントタイヤ後方になにか「ある」のが確認できるかと思います
正面図と照らし合わせてみるとどうも水平方向にフィンが取り付けられているようです
ま、高さはほぼ一致しますけど、側面図だけではノーズ下の長い範囲のどこに付けられているかはちょっとわかりません
マクラーレンは動画が発表されてないのかな???
前回画像の使い回しですが、フェラーリは
バーチカルフィンが2枚ノーズ下に備えられています、こちらは動画で左右で2枚ある事を確認済みです
このフィンは側面からみるとタイヤに隠れてしまうサイズでして、段付ノーズを採用している各車、ほぼ似たようなサイズのフィンがあることが確認されます
マクラーレンの側面図を見て頂くと分かるのですが、フロントウイングステー後方が「ブラックアウト」とでも言うのでしょうか???真っ黒でよくわからない部分ありますよね
この黒い部分は何らかの空力パーツで間違いないでしょう
さて、なんとなくマクラーレンが他と少し異なるモノコック下側のエアフローを考えている事は多少分かって頂けたかな~と思います
で、色々見ているうちにマクラーレンのフロントタイヤ後方にあるものの正体が分かる画像を見つけました
えーとどう表現するとよいのでしょうか…逆T字型のスポイラーとでも言うのでしょうかね、延々と続いているようです
他のチームには見られないアプローチですね
一時期流行ったゼロキールが一体何だったんだ…というくらいモノコック下にぶら下げています(笑)
そもそも今のF1のフロントサスって空間を広げる為、あんな「ハの字」になったはずなんですけどね
ですがマクラーレンが間違ったアプローチをしてきた…とはとても思えません
低いノーズでも昨年(昨年も比較的ノーズは低かったですが…)同等以上のエアフローを見込んでいるはずです
※ここから先はあくまで妄想です(笑)
さてと、ようやく気軽に書ける前置きをしたところで好き放題書いてみたいと思います
妄想1
そもそもノーズを下げるのは、生産技術的に難しく、他ができなかった
ノーズを下げてきたマクラーレン銀河帝国(懐かしい響きだwww)の技術力はひょっとして世界イチィィィだから
えーと妄想というよりCFRP製品の特性から、私がめんどくさそうだな~と感じた事ではありますが…
CFRP製品は型にあらかじめ熱硬化性樹脂を染み込ませたシートを積層して作ります
その為、形は型次第で自由自在…とはいかない場合もあるのです
カーボン自体は曲面にもフィットできます
CADも随分進化していますし、かなり複雑な曲面にフィットできるようカーボンのシートを裁断することも可能です
ですが、俗に「副資材」と呼ばれるもの、今回のモノコックの場合「ハニカム」なんですが、これは曲面に形を合わせることが非常に面倒なものなのです
全く融通が効かないわけではありませんが、設計で思った通りの機能を発揮できない場合もあります
一見複雑な形状のF1ですが、モノコック単体では意外とシンプルな曲線で構成されていたりします
もう1点、現在のF1の場合、モノコックの天面は結構穴が空いています
昔、セナやマンセルが走っていた時代はフロントサスペンションの機構の多くが、モノコックの外側に配置されていました。
現在でもF3やFN等のカテゴリーでは常套手段です
ところが現在のF1ではフロントサスペンションにかかわる多くの機構がモノコック内に内蔵されています
その為、モノコック天面はメンテナンスの為の開口部が空いていまして…ひょっとして一番構造的に弱い面…かもしれません
勿論折り返しをつけたり色々手は打てますが、やっぱり開口部があると弱くはなります
で、その弱い面がノーズに向けて傾斜する…つまり曲がっているとなると…より弱くなる要素が増えるわけです
モノコックの重量を問題になる程増加させずに剛性と強度を出し、不利な形を積極的に選択できるマクラーレンのモノコック建造技術は他のチームより高いのかも…HRTもノーズ低いようですからちょっと説得力がないかな~(笑)
まあ、CFRPモノコックの実戦投入が一番早かったマクラーレンならひょっとして…なんて妄想です
妄想2
マクラーレンはフロントウイングと関連してモノコック側面の空間で他のチームよりエアフローを稼いでいる
トヨタがF1を撤退してからしばらくオートスポーツに連載されていたインサイドレポートのようなものから思いついた妄想です
TMGサイドでは「ライフル気流」等と呼んでいた渦流があったとか…
マクラーレンのフロントウイング内側には奇妙な形状が確認できます
翼の一種であれば効率を上げる為、エンドプレートがあった方が良い(フェラーリの似たような位置にある小さなウイングには翼端板がありますね)ので、このパーツ単体ではダウンフォースを狙った形状ではないように思います
では何だろうと図面屋は妄想しました
これで渦作ってるのかな~と
カルマン渦…なんてのがあります
あれは渦が悪さをする代表的な例(利用方法もありますけどね)なのですが、渦流は同時にエネルギーを持っています※タコマ橋で検索…かな~???ちょっと原理は違うかもしれない(汗)
えーと、でんじろう先生でしたっけ???あの人が良くやっていた空気砲の実験を覚えている方は多いのではないかと思います
あれとは渦の発生する向きは違いますがあの実験のように渦流は他の流れの影響を受けにくいのです
そして目には見えませんが気流の流れを区切ることができます
段付ノーズでモノコック下の空間を広く取ってきたチームは2枚のバーチカルフィンで、モノコック下の気流がタイヤ近辺の乱れた流れの影響を受けないようにできる限りスムーズに後方に流していると考えられます
それに対してマクラーレンはフィンではなく、フロントウイング付近で発生させた渦流によってタイヤ近辺の乱れた流れと分離し、モノコック側面付近を利用してエアフローを稼いでいるのではないでしょうか
で、逆T字型のスポイラーは渦流とともにノーズ下をくぐった気流を適切な向きに調整して側面全体の流れをコントロールしているのではないかな~と妄想しています
妄想3
実はコンベンショナルに見えるマクラーレンのマシンこそ、常識破りな「何か」を持っているビックリドッキリメカの可能性がある
マクラーレンの新車発表後、オートスポーツWebでこのようなタイトルの記事が出ました
「マクラーレン、ぎりぎり合法のデザインを採用か」
後にチームの抗議によって否定されたようですが
新車MP4-27が発表される前に、マクラーレン・アプライドテクノロジーのマネージングディレクターであるジェフ・マクグラスが、MP4-27には革新的なデザインが採用されており、その合法性についてライバルたちから疑問の声が上がる可能性があると述べた
そうです
そういったデザインの為、他のチームとは異なった箇所の流れに配慮している可能性も捨てきれない…という妄想です
このあたりはテストが始まってしまえばあっさり崩れるかもしれませんが…「うわっマジかよ」なんて仕組みが出てきたらそれはそれで面白そうですね