最近ネットを賑わしているロータス(元ルノー)のフロント車高調整(個人的には適性化だと思う)システムが気になっています
ネットから入手できる情報をまとめてみると
・ブレーキング時のノーズダイブを抑える(ピッチングスピード減衰するのではなくピッチングを抑制するようです)
・ブレーキングトルクに反応
・以前ルノーで導入されていた「マスダンパー」に似ている
とのことです
これらの全てが正しい情報であるかはわかりませんが、この3つを満たすシステムと仮定して考えると、私には1つしか作動原理が思い浮かびません
まずは「マスダンパー」、ルノーF1時代噂になった簡略図から

こいつは上下Gに反応して中に入っている錘が差動(慣性によって錘はその場所にとどまろうとします)することでフロントの振動を低減するものでしたが、車高調整システムではこれを前後Gに反応するよう車体に対して前後方向に稼働するように取り付けます
これで「ブレーキングトルクに反応」と「マスダンパーに似ている」という2点をクリアできます
さて残る「ブレーキング時のノーズダイブを抑える」機構ですが、これについてはいくつか前例があります
我々一般車乗りにはあまり馴染みがない機構で「サードエレメント(もしくはサードダンパー)」というものをご存じでしょうか?
一番簡単、かつ分かりやすく説明されているとあるレースエンジニアさんのブログを参照にします
http://gazoo.com/G-Blog/GazooRacing12/439168/Article.aspx
アンチロールバーは我々のクルマにも欠かせない「スタビライザー」として、ロールをコントロールします
それに対してサードエレメントはピッチングのみに作用する機構なのです
なんで我々の一般車には存在しないかって???
こんな複雑な機構をわざわざ考えなくても(オンボードサスのレーシングカーでなければ各リンクのスペースも厳しい)「アクティブサス」で解消可能です
また発生Gがレーシングカーに比べて少ない為、コントロールしなくても影響は小さいはずです
サードエレメントの話、続きます
このサードエレメントというのはある程度スペースを食う為、基本的にはリアサスに用いられることが多い機構です
ま、F1の中身なんて覗く事ができませんし、私が知っているのはあくまで量産フォーミュラでの話です
空力の為、ノーズやモノコックはできるだけスマートにしたい、マスの集中を図りたいそういった意図には反します
ボンネットが存在するSGTなんかではどうなっているのか非常に興味深い…とは思いますが、このあたりもメーカーにとって機密事項が多く覗く事は難しいです
そんなサードエレメントですが、過去にF1レベルのフォーミュラに実装されて、その事実が公表されている例がありました
童夢F105です
http://www.dome.co.jp/column/f1_back_08.html
このF105のフロントサードエレメントではフロントピッチング量の抑制に成功しています
さて、察しの良い方、技術に詳しい方ならもう気が付いているかと思いますが、このフロントサードエレメントに前述の前後G(ブレーキングトルク)に反応する「マスダンパー」をリンクで繋ぎます
レバー比だったりサードエレメント(スプリングが入っているかダンパーだけなのかも不明ですし…)のどの要素にリンクが繋がっているかは想像できませんが、原理的にはこれでブレーキングトルクに反応する可変レートフロント車高適性化システムになるはずです
サードエレメントのスプリング機構の一部に過ぎませんから「可変空力デバイス」ではありませんね~
いや~素晴らしい!!
…ただ一つ心配なのはこの機構の質量によって前後荷重配分の理想とは逆の事(現在の無給油レギュとピレリタイヤのサイズにとっては)をするわけで…昨年のロータスルノーの成績でタイヤの特性を完全につかみ切れていたか分からない中で投入するのはひょっとすると危険かもしれない…かな???
Posted at 2012/01/13 18:09:22 | |
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