ポルシェの重さを考える。

タイプ９１１（俗に言うナロー）の頃は、1020kg～1080kg。
特別な９１１Ｒは830kg（210hp）という軽さ。
９３０（俗に言うビッグバンパー）になってから1100kgを超えるが、カレラＲＳ3.0は900kg（230hp）という。
その後、ＳＣで1160kg、Carrera3.2で1210kg。
９６４では、カレ４で1450kg、カレ２で1350kg、ＲＳで1230kg。
９９３カレラは1370kg、９９６カレラは前期1320kgで後期1420kg。
９９７カレラは1440kg・・・ですよ、この意味わかりますか？

同じ９１１という名前で呼ばれてはいるが、この重さからも、動き（加速ではない）が全く違うクルマであることが明白ですね。
太る重体（オモタイ）を更に速く加速させるために、どんどんエンジンも大きくなり、車重が１．４倍なら、排気量は１．８倍、まもなく“２倍２倍”か？と思ったところで空冷を脱却。
それは、空冷の限界というより、フラット６の排気量アップの限界だったのではないでしょうか。
４リッターはＶ８の領域ですからね。

加速においては、そのエネルギーをガソリンから得るわけですが、物理の法則に従って車重に比例する量を消費するわけです。法則には誰も逆らえません。
加速時はそれで良いとしても、アクセルを放した時の動きですよ、問題は。
重い体で大きなエネルギーを蓄えた車体は、全然減速しませんよね。
ここでも物理の法則がシッカリ存在する訳です。

　　　運動エネルギー　Ｅ＝（１/２）ｍｖ2　（ｍ：質量、ｖ：速度）

これを強力無比なブレーキで、容赦なく無理ヤリ減速するわけですね。
パッドとディスク（＆タイヤも）を擦り減らすことで、運動エネルギーを無駄な熱エネルギーに変えて大気に放出しながら、強制的に車体を減速させているのです。
エネルギーは速度の２乗に比例することから、速度が増すに連れて制動距離がドンドン伸びるわけです。まさに法則どおりでしょ！

ナローの切れ味を体験すれば、軽さの持つ意味が良く分かると思います。
アクセルを放した時の強烈な減速Ｇ、それを応用できる楽しみ、それは軽さユエなのだ。
「ポルシェ乗り」は、数字を自慢するためにポルシェに乗るわけじゃないですよね！
疾風のような身のコナシ、それは操作する度に一瞬の快感。

ボディを３回り縮小し、現代の素材と設計技術で車重は1000kg以下。
そしてエンジンは、Ｙ＝450×6＝2700cc。これが私の理想のポルシェだ。
つまり、大きさと重さがスイフト・サイズで、エンジンは250psのポルシェ・フラット６、
ＲＲorＭＲ・レイアウト。これで面白く無い訳ないでしょ？
仕上げに、正統なドライサンプ（ポルシェ・メカニズムNo.16参照）に戻して頂かナイト！

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