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ヨーロッパ仕様の９３０carrera3.2において、８７年９月よりクラブスポーツという設定があった。これは、純粋な走りに対して邪魔モノを除去し、軽量化した“走り”仕様である。

パワーウィンドー、パワーシート、リアワイパー、集中ドアロック、ラジオ、リアシート、遮音材、エアコンなどを除去。
外観では、フォグランプが外されたため、バンパー下がＳＣと同様となった。また、英国以外のＥＣ仕様では、防錆用アンダーコートも省いたため、防錆保障が１０年から２年に短縮された。
以上により最大で100kgの軽量化が図られ、1110kgとなった訳だ。

エンジンは基本的にノーマルであるが、モトロニックのチップ交換により最高回転数において400～600rpmのアドバンテージを得ることも可能だった。しかしながら最高出力は変わらず、ＥＣ仕様で231psであった。
足回りは、ハードサスにより30mmの車高ダウン、加えてショートストローク・シフト。
スポーツするためのエッセンスが存分に注ぎ込まれていたのであった。
以後２年間に３４０台が生産され、大半はヨーロッパで売られたと言う。

また、同名の“日本仕様”も売られたらしいが、それはＥＣ仕様とは違っていたようだ。
リアシートも備わり車重も変わらず、エンジン出力も日米仕様の低圧縮217ps。
結局、足回りを変更しただけという・・・ＥＣ仕様から見れば、名ばかりのマガイモノ？
これを“偽装”と捉えるかどうかは個人の判断だが、本物を見抜くのも消費者ということであろう。

No.134