enjoy ポルシェ911のブログ一覧

公道でレーシングカーを運転したいというクルマ好きの夢。
かつて、それを実現させたツワモノどもが居た。
それが・・・Light Car Company Rocket！

ブラバムやマクラーレンで一時代を築いた超一流のF1マシン設計者ゴードン・マーレイによる設計・指揮。
バイク用（ヤマハFZR）1リッター143psのエンジンをミッドシップ。小径鋼管で組んだスペース・フレームにFRPボディーを纏い、サイクルフェンダーはカーボン製、その車体重量は・・・なんと351kg！桁違いに軽い。正にバイク感覚？

そして、各部のディメンションは当時のマクラーレンF-1マシンに準じるという。
ＰＷＲで言えば、ちょうど私の９３０に500psのレーシング・エンジンを載せた状態だが、フィーリングは単なる数字では表せないことは、No.81で既述のとおり。エンジニアの理想を結実させた強靭なる超軽量マシン、そのオリジナリティの高さは郡を抜いている。

早速、上から乗り込み、スタート・ボタンを押し、デジタル・パネルで状態確認。
シーケンシャル６速シフトを確認、ＨｉとＬｏの切替えが有り実際には６×２＝１２速。
髪の毛１本分の操作にも即応する驚異的な鋭さ、スタートでは何度もエンジン・ストールさせたが、成功すれば・・・正にロケット・スタート（驚）。
アクセルレスポンスやクラッチ等操作系はＦ３と同様の感覚という（嬉）！
乗り味は正にレーシングカーそのもの、吸い付くが如きにクイック過ぎる左右の動きは、首の弱さをモロに自覚させてくれる（汗）。
カミソリを超えたメスの切れ味、かつて無い未体験ゾーンであった。
それは、９３０が普通乗用車に思えるくらい！・・・ある意味世界最強だろう！

ロケットは、ユーザー迎合的“肥満スポーツカー”作りに対する最大のアンチテーゼだ。つまり、ゴードンがほぼ時を同じくして設計したスーパーカー「マクラーレンF1」とは対極となる車である。
因みに、ゴードンは、マクラーレンF-1よりもロケットに愛着があるというが、愛車がポルシェ９３０（勿論ＥＣ仕様）であったことは日本ではあまり知られていない。

世界で30台、日本では数台保有と言われているロケットは、オーダー・メイドも可能らしい。
男の見果てぬ夢・・・宇宙飛行士もしくはF-1パイロット？
“ロケット”に乗れば、１．３５ｔも超える力ずくの重量級マシンでは決して叶えられない瞬間移動の世界・・・物理の法則をも超越したが如き「宇宙」を体験できる！！

No.150

ポルシェ９３４ターボ・・・その２

９３４は３リッター・ターボ・エンジンであるから、ターボ換算で、4001～4500ccクラスとなり、最小制限重量は1120kgであった。
そのため、大幅な軽量化は必要なく、量産のボディ・シェルをそのまま使ってレースに出ていたのであった。なんと強靭なボディ！

特徴として、狭いエンジン・ルームに２個のインター・クーラーを備えたが、効率よく冷却するためにこれを水冷とした。
この画期的な冷却方法をめぐっては、ＦＩＡの車両規則に反するのではないか、との騒ぎになったが、最終的にはオトガメ無しで決着した。

ポルシェが如何なる装置であれ、冷却に「水」を使ったのはこのインター・クーラーが最初であった。

No.149

ポルシェ９３４ターボ

９３４はカレラ系の発展型であり、カレラＲＳＲをベースとして、７６年に３１台のみ製作された特別なモデルである。
空冷水平対向６気筒、2993cc＋KKKターボ・チャージャー＝485ps。

76年シーズン、カレラＲＳＲに続き、４年連続のヨーロッパＧＴチャンピオンシップを手中にした。
また、アメリカではトランザム・シリーズでチャンピオンとなった。

９３０の面影を色濃く残す９３４の魅力に、今だに魅了され続ける者は少なくない。

No.148

９１１カレラＲＳＲターボ

ＲＳＲの発展形で、巨大なリア・ウイングが特徴。
世界選手権のスポーツ・プロトタイプの排気量３リッターを考慮、ターボ換算値から逆算し、２．１４リッター・ターボとした。そのパワーは、５００ps以上。

１９７４年のル・マン、マルティニ・カラーを身に纏った２台が参戦。フェラーリやマートラなどのプロトタイプを相手に互角に戦い、市販ベースでは最上位の総合２位に輝いた。

疾走する魅力的な勇姿、それは３５年前のル・マンに於ける一期一会であったが、
愛好家の手により現存し、当時の走りを存分に魅せてくれる。

No.147

９１１カレラＲＳＲ３．０

ポルシェは、かつてル・マンと並んでタルガフローリオにも最大の力を注いでいた。
1956年から1973年まで参戦し、幾多の勇姿を見せつけ、最多優勝の記録を持つ。

最終年の73年、９１１カレラＲＳＲ３．０が総合優勝を勝ち取り、
憂愁の、有終の美を飾ったのである。
（画像は実の優勝車）

No.146