EQ調整
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
![](/images/icon_difficult_on.svg) 初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
スピーカーリケーブルによって、少し雰囲気が変わった気がするのでイコライザーを再調整します。
BRAX DSPをいれてますので、ATF PC-TOOLを使用します。
このアプリはATF社のDSPに対応した無料アプリですが、なかなかの性能と使い勝手の良さで気に入っています。また、アップデートも頻繁で、力の入れようが伝わってきます。
それに引き換え、日本のメーカーは…
2
使用する機材は
・コンデンサーマイク
・パソコン
です。
マイクは色々ありますが、個々の校正ファイル付きでおそらく最安のUMM-6をチョイス。
USB接続で別の電源もインターフェースも要らず、車内使いに便利です。
パソコンは調整用に中古サーフェスを購入。このアプリがWindows専用のためです。これまた、狭い車内では薄いタブレット型が使いやすいです。
これらを100均のUSBハブをでDSPと接続。サーフェスに入力チャンネルが1つしかないのでハブが必要です。
3
このアプリのEQは、基本的には左右独立1/3オクターブのグラフィックイコライザーと、任意バンドとQのパラメトリックイコライザーを備えた本格版。確か最近のアップデートでパライコの選択できるバンド数も増えたんだったような。
そこに加えて、このアプリにはRTA機能があり、その結果に基づく調整方法が3つあります。
測定値に対してハウスカーブ(EQ調性の目標となる周波数応答のグラフ)を表示し
・手調整
・Auto調整&入力
・TUNE EQ
が使えます。
AutoとTUNE EQはどちらも自動調整なのですが、TUNE EQは全域をパライコ扱い?で複雑な調整を自動でやってくれる新機能です。この前からこの機能を使っています。
DSPとサーフェスを繋いでマイクも接続してアプリを立ち上げます。
まずは右上のRTAをクリック。
4
RTAの画面が開いたら、RTA-settingをクリックしてマイクの校正ファイルを読み込ませます。
イコライザーのような画面が、ハウスカーブです。とりあえずはATFおすすめのカーブです。(あとは自分で入力するしかありません。もしかしたら読み込ませられるのかも)
5
BACKで戻ったら、ピンクノイズを再生して測定に入ります。
チャンネル(スピーカー)ごとに以下の作業を繰り返します。他のチャンネルはすべてミュートします。
左のStartAnalyzerをクリックすると測定値が赤で表示されます。これは常に動いています。リアルタイムアナライザーなので。
画面上のオレンジのバーが緑になるくらいのボリュームが必要なようですが、うるさすぎるのでほどほどにして、右のバーでグレーのハウスカーブに重なるように表示を調整します。
6
中央のTuneEQにチェックを入れる。
そうしたらStertMeasurementをクリック。
マイクは上向きに垂直に持って、耳の横でテニスボールくらいの円を描いて、ゆっくりと鼻の前を通って反対の耳でまた円を描く、という動きを繰り返します。平均値を取るたです。
20秒間の測定で平均値が白いグラフで表示されます。これは動かなくなります。これと、ハウスカーブの差を調整します。
その調整が、右のTuneEQ Calculationeをクリックで、自動で計算されます。
Doneになったら、先程のTuneEQ Calculationeの右の方SetEQをクリック。
7
これを繰り返します。
すると調整値が反映され、周波数応答のグラフが変化します。
ピンクノイズの聞こえ方が変わるので調整によってかなり雰囲気が変わります。
曲を聴くとまったく別物になります。
恐るべき自動機能です。
8
かつて高機能のDSPを有したカーオーディオ製品のうち、エンドユーザーにまで調整法を開放していたのはカロXくらいでした。
ただしこれはこの狭いディスプレイでの調整でなかなか難儀でした。そしてそれは進歩せず。
その後、同等以上の調整能力を持ったDSPもいくつかのメーカーから登場しましたが、これらはみな調整用アプリを公開せず、プロショップに行かざるを得ない市場を形成しようとしました。
商売だから仕方がないのかなあと思っていましたが、幾ばくかの疎外感も。そして、日本のメーカーはこの頃からジリ貧に。
一方で、この頃からオーディソンを皮切りに海外メーカーから比較的安価な単体DSPが投入され始めました。なかでもATF社の製品群の物量は圧倒的でした。
ちょうどこの時期、ラジカセというよりは車両機能のコントロールユニットと化し始めたもとのカーオーディオデバイスは、丸ごと取り替えが難しくなり、そこに上手く割り込める単体DSPやアンプ内蔵DSPが新しい流れとなりはじめました。
それに加えて、調整アプリを無料公開し、全世界のエンドユーザーに届けるという懐の深さが、日本メーカーのケチなスタンスを完全に駆逐したように感じられます。
日本の年収が下がり、クルマいじりどころではなくなったという切実な背景がありますが、この時期にカーオーディオの楽しさを広めるのではなく、安易に一部の富裕層の囲い込みに走った末路と言えます。
ちなみに今回の調整方法に関しても、日本にはほとんど情報がありませんでしたが、海外のフォーラムでは盛んに情報交換されていて、そこで調べることができました。
エンドユーザーのDIY精神を切り捨てた日本メーカーは、そのせいで世界では不要な存在になってしまったのだなあと悲しくなりました。
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