補機バッテリー 劣化具合の検証
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
冬も本番になり、補機バッテリーの劣化具合が気になってきました。
どれだけ劣化しているのか?
交換の必要はあるのか?
検証を実施しました。
外気1℃、26119km走行、補機バッテリー製造年月は2017年1月です。ほぼ4年経過。
2
まず充電状態の確認です。
運転後、一晩放置した後の補機バッテリーの無負荷電圧(システムオフ時電圧)をテスターで計測。12.0Vでした。
3
無負荷電圧・電解液の比重・SOCの関係から、SOCは30%程度と算出されました。
クルマの充電制御がSOCを低めに制御しているのか、サルフェーションで容量低下しているのか切り分けができませんが、引き出せる電力量はかなり低い状態です。
4
次に、ACCモード、ONモード、ONモードで素早く順次負荷を増やして電圧降下具合を計測。
ACC電圧は車内で12Vソケットに差した中華電圧計、ONモードではOBDモニタで読んだ補機バッテリ電圧値から読み取り。
(テスター、中華電圧計、OBDモニタの数値誤差は0.1Vあるかどうかだったのでほぼ一致として扱います。)
なお最後にブレーキペダルを複数回踏み込み油圧ポンプを動作させたとき、補機バッテリ電圧は9.6Vまで降下。
このときパワーボタンを押すとシステム起動できました。
放電電流と電圧降下との関係から、内部抵抗は0.045Ωと算定されました。
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この内部抵抗0.045Ωですが、どの程度の劣化に相当するのかを把握するため、これで仮に普通のガソリン車のエンジンをクランキングしたらどうなるのか、簡単に計算してみます。
2L車のエンジンのクランキング電流は120A~145Aだそうです。130Aくらいで計算してみます。
クランキング時の電圧降下は0.045Ω×130A=5.85Vです。
このときの推定バッテリー端子電圧は12Vー5.85V=6.15Vとなります。
一例として、あるバッテリーチェッカーでは、クランキング時の電圧が6.75V以下ではバッテリ能力低下判定となるようで、現状の補機バッテリーは通常のエンジン車のクランキング用途ではそれなりに厳しい状態のようです。
https://www.kaise.com/use/j_use_part1.pdf
またJAFの資料によれば、エンジンクランキング時の電圧が7V以下だと、始動失敗の可能性が高まるようです。
ディーラーで普通にバッテリーチェックをしてもらうと、NG判定になるレベルと思われます。
プリウスPHVの場合、ONモードでの補機バッテリー電流(≓システム起動時の必要電流)は17A程度であり、エンジンのクランキング電流の1割強のイメージです。
従って、補機バッテリーが劣化し、容量低下し、内部抵抗が大きい状態でも、システム起動には目立った支障がない感じです。
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<まとめ>
・運転後、一晩放置後の補機バッテリー電圧は12.0Vで、充電状態はSOC30%程度であった。
引き出せる電力量は新品バッテリと比較して大きく低下しているので、ACCモードでの放置やシステムオフ時の暗電流消費(長期に乗らない場合)には注意が必要。
・少なくともON状態で補機バッテリー電圧が9.6Vまで低下してもシステム起動は可能であった。
・現状のバッテリーは、通常ガソリン車のエンジンクランキングには厳しい状態であると考えられる。
補機バッテリーは確実に劣化はしていましたが、週に何回かシステム起動する運用では、直ちに交換が必要なレベルではなさそうに思いました。
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