KYB / カヤバ NEW SR MS  

純正車高ダンパーレビュー３連投その３、トヨタ86＆BRZ用、KYBのNew SR MSダンパーです。
あくまでも普段使用＆公道を無理ない範囲で気持ち良く走らせる程度で、サーキット無しでの素人レビューです。

一言でまとめると、良く出来た猫脚サス、といった感じでしょうか。

脚がよく動く印象ですが、ダンパーが柔らかい感じではありません。路面の凹凸は、角は丸めながらもそれなりにしっかり伝えてきます。しかし減衰力の圧と伸のバランスが良いのか、小さな入力から大きな入力まで、連続した入力でもばね上（車体）がフラットに保たれてる感があります。走行時に動的な車高を高く維持している（目線が上がった）印象で、ばね下のストロークに余裕がある感じです。（後述する物理的ストロークアップの影響もあるとは思いますが）
ただこれだけ脚が動く印象だと、もしかしたらサーキットには向かないのかも？荒れた峠道とかは良いのかも？？その辺りは私には判断できませんが。

まだ走行距離が少ないですが、慣らし具合での乗り心地変化はザックスと異なり小さいようで、最初から安定しています。ただしこれは、可能性は低いとは思いますが、季節的な要因もあるかも。（ザックスへの交換はGW、KYB MSへの交換は盆休み）

ステアフィールは直進中央からリニアに反応し、コーナーを外乱の影響無く素直に丸く曲がる印象で、安心感が有ります。ショーワだけでなくザックスと比べても、車重が軽くなったかのような軽快感があります。

今回のダンパーレビュー3連投の中で、個人的ベンチマークのクリオ3RS（シャシースポール）のレベルに一番近いのは、間違い無くコレですね。86のクルマ自体の完成度がワンランクアップしたように感じます。
ただしこの乗り味は、クリオRSのようなホットモデルではなく、以前気に入って長く乗っていた「プジョーのヌルめスポーティグレードなマイナー並行輸入車」の印象の方が近い気がします。もしかしたら、一般的なピュアなスポーツカーセッティングとは少し方向性が違うのかもしれません。

そんな訳で、個人的にはかなり好みです。車高の落ちないサスキットという事であまり人気無さそうですが、特にスポーティーな（だけどピュアなホットモデルでは無い）仏車好きな人とか、試してみる価値はあると思います。

ただ一つ難点が有るとすれば、スプリングに過負荷を与える仕様になってて、耐久性が気になるという点です。
KYB MSと純正ショーワをダンパー単体でメジャー測定（誤差有り）で比較すると、下記のように寸法が異なります。

フロント
・ロッド長　9mm長い
・ケース長　6mm短い
（純正より圧側が6mm、伸側が3mmストロークアップ）

リア
・ロッド長　13mm長い
・ケース長　14mm短い
（純正より圧側が14mmストロークアップ）
（伸側は1mmストロークダウン？？測定誤差かも？）

ここから分かる事は、特にリアの圧側ストロークが増やされているという事です。よってスプリングがより多く縮ませられるため、スプリングに発生する応力が高くなります。
KYB MSは純正スプリング使用が前提なので、スプリングの耐久性は低下傾向になるものと思われます。

・補足情報（リアスプリングの仕様について）
今回KYB MSには、車体についていたショーワからスプリングを移設しています。よって耐久性の高いであろうアプライドG仕様スプリングです。
きっとKYB MSのストロークアップダンパーでも、十分な耐久性がある！はず？

以上、あくまでも私個人の感想なので、正しさは保証できません！

◎走行距離；約1000キロ、継続使用中



という事でレビュー3連投でした。相変わらず私らしく無駄に長文なので、この最後まで付き合っていただける方がどれだけ居るか分かりませんが、感じたままを全部書いてみました。交換前後での乗り比べなので記憶頼みではありますが、自分の車でこうやってダンパーを直接比較出来るのは、とても面白かったですね。

それにしても、思ったより違いは大きかったです。ダンパー一つでこれだけ車の印象が変わるというのは、ちょっとびっくりでした！