Parttime lover 4号
久しぶりに嫁とタンデムツーリングするためにレンタルしたのは、12年ぶりにフルモデルチェンジしたスズキのアドベンチャーモデルの旗艦「スズキ V-Strom1000」です。
このクラス、他社が軒並みリッター超えの1200ccを標準とする中、あえて1000ccというサイズにこだわり、車体サイズをスリム化することによって、フットワークと扱いやすさを両立しようとチャレンジしたスズキの意欲作です。
価格も他社のこのモデルが200万オーバーするモデルも多い中、フルアジャスタブルサス、ABS、トラクションコントロールを備えて1,404,000円(消費税抜き 1,300,000円)。スズキは今回ハヤブサも同じような価格帯でマーケットにぶつけてきてましてスズキの意欲がうかがえます。
今回高速道を使って那須岳までのタンデムロングツーリングに出かけ600kmほど走りましたので感想を。
最初に高速道路での動力性能はこのクラスだともう余裕があり過ぎて素晴らしいの一言です。タンデム乗車でもどこまでも突き抜ける加速性能はリッターバイクならではでしょう。ハンドリングはスズキがアルプスローダーで頂点を目指すと張り切ってるだけあって、今回那須岳のヒルクライムをしてみましたが、フロント19インチなのに立ち癖も無くとてもリーンターンはニュートラルで、かつ切り返しの俊敏さはもうアルプスローダーというか足の長いリッターSuper Sportsマシンですね♪今回スズキがバイクに初めて採用したトラクションコントロールユニットと装備重量(ガソリン、オイル、クーラント他油脂類含む)228kgというライバル車に比べて数十キロも違う圧倒的に軽い車体が大きく運動性能に寄与してると思います。
トラクションコントロール(TC)を解除すると1速で軽々フロントアップするほどパワフルなエンジンですが、TCモード1(弱)にセットすることで、少々スロットルを乱暴に扱ってもきちんと収めてくれて、今回のタンデムツーリングはものすごく安心してワインディングを流すことができました。多少のルーズはマシンが吸収してくれる、タンデムでこれだけ安心して元気に走れるのはホントに楽しいですね。リアシートに座ってた嫁の感想では結構なハイペースでしたが楽ちんだったとのこと。TPOでセッティング可能なタンデムには欠かせないリアショックのプレロードアジャスタはとっても便利です。また、
車体のクオリティに関しては、プラスチック多用してるため若干チープ感はありますが、現在販売中のバイクはほぼ同じような作り込みなのであまり気にしなくてもいいかも。これも時代の流れでしょうね。
総じて、ハンドリングは抜群!ただ、フィーリングの部分をもうひと頑張りって感じでしょうか。
最後に、ちょっと気になった点をいくつか挙げれば
■おそらくこのバイクに乗ったすべての人が感じるだろうステップの位置の悪さ。停車時に足を着こうとする時、足を下ろしたい位置にステップが直接干渉するので、足べったりの人じゃないと交差点ごとに怖い思いをするでしょう。意識していないとステップに足を払われて立ちこけする羽目になるかも。足つき性は悪くないだけに残念なところ。
■新型リッターVツインエンジン、ストレスなく回るものの中高回転域での振動をもう少し抑えてほしいです。 高速道路ではハンドルの振動で身体の疲労より手がしびれる方が先に来ます。エンジン音は6000回転超えるあたりからガラッとかわり、音はまんまダートラレーサーのような超~爆音に変わり、とても官能的な音で凄くいい!でも、本来のこのエンジンが持つ一番セクシーな部分が日本の道路事情の中では全く姿を見せられないのはちょっぴりもったいない気がしました。あと巡航時スロットパーシャルでの燃料カットが頻繁でギクシャクする。燃費稼ぐためにやってると思われるけど、インジェクション4つもつけてるんだから、もうちょっと繊細に制御できないものかな。パーシャルで流してると、唐突に「ンゴ~~」ってエンブレがかかる。排気量大きく減速Gも強烈だから結構気になりました。△
■スリッパークラッチ&クラッチアシスト採用でクラッチ操作の軽さは最高!250ccバイク並みの軽さは疲労軽減に効果絶大!◎
■エンジンメカノイズ音の中でカムギアかな?必要以上に「ヨヨヨヨ~ン」「ミャ~ミャ~」音が耳についてVツインのドコドコ音を期待しちゃうとちょっとがっかりかも。せっかくのドコドコ排気音が、ライディング中はエンジン派手に回さない限り「ヨヨヨヨ~ン」って音しか聞こえません。ツインの心地よい鼓動と排気音に身を任せて流したいって人には不満かも。個人的にカムギア音はあまり好きじゃないのでマイナスポイントかな。でもこの音が良いって人もいるから好き嫌いの分かれるところかな
■エンジン振動に起因するのですが、メータパネルに埋め込まれたシガーソケットに差し込んだプラグがいつの間にか緩んでつないでる機器の電源が勝手に切れてしまいます。プラグとの相性というか、もうちょっとソケットに抜け防止のギミックが必要でしょう。いっそロックの爪がある抜けないヘラーソケット対応のほうが良かったかも
◼︎フロントブレーキの初期制動(かかり始め)が強すぎ。足長のサスだから最初穏やかに奥でギュっと効くセッティングが望ましいです。タンデムしてるのに徐行時は人差し指一本でもカックンブレーキになるくらい強烈。いくらABSがあるからっていっても、姿勢が不安定になるこの設定はダメだろ、オフロードも走る前提のバイクのセッティングじゃありませんね。荒れた路面だと、フロントからツルン~ズシャーって行きそうで怖いです。ブレーキっつーもんは握った分だけリニアに反応するに越したことはないと思います。
総合的には他社ライバル機を圧倒するコスパに優れた良いバイクと思います。ツアラーとして快適性能にこだわると、前記した小さい事が気になりますが、それを差し引いても軽い車体とトラクションコントロールのおかげでタンデムツーリングでもチョッ早で安心して流せるすごく楽しいバイクであることに間違いはありません。一つお願いするとしたら、ぶらり流してる常用域での鼓動感とか排気音のフィーリング(演出)にもっと磨きをかけて欲しいかな。オンロードの動力性能は抜群!高速道路や峠かっ飛びツアラーには最高の相棒になりそうです。私の感覚的にちょっと合わないところもありますが、日本の道路事情にマッチした快適なツーリングバイクであることは間違いないでしょう
※GPSレー探の速度計と車両の速度計の表示の比較で、100km/hまでは5~8キロ、100km/h超えで8~10kmほど車両の速度計の方が大目に表示されます。120~上はハッピーメーターになってます。
●V-Strom1000 ABS 主要諸元
■型式:EBL-VU51A
■全長×全幅×全高:2,285×865×1,410mm
■ホイールベース:1,555mm●最低地上高:165mm
■シート高:850mm
■装備重量:228kg(ガソリン、油脂類含む)
■燃料消費率:国土交通省届出値、定地燃費値29.0km/L(60km/h)、WMTCモード値20.9km/L(クラス3-2)
■燃料タンク容量:20.0L
■エンジン種類:水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ
■総排気量:1,036cm3
■ボア×ストローク:100.0×66.0mm■圧縮比:11.3
■燃料供給装置:フューエルインジェクション
■点火方式:フルトランジスタ式■始動方式:セルフ式
■最高出力:74.0kw[100PS]/8,000rpm
■最大トルク:103.0N・m[10.5kgf]/4,000rpm
■変速機形式:常時噛合式6速リターン
■ブレーキ(前×後):油圧式ダブルディスク × 油圧式シングルディスク(ABS付)■タイヤ(前×後):110/80R19 M/C 59V × 150/70R17 M/C 69V
■懸架方式(前×後):倒立テレスコピック × スイングアーム
■フレーム:ダイヤモンド(アルミツインチューブ)
■車体色:キャンディダーリングレッド、パールグレッシャーホワイト、グラススパークルブラック。
■メーカー希望小売価格:1,404,000円(本体価格1,300,000円)。