
来月6月でいよいよ最初の車検となる我がVITPILEN 401だが、長く乗り続けていけるか心配だった修行ポジションも、楽に乗れる姿勢が分かってきてロンツーも楽しくなってきた今日この頃。購入した当時と、現在の所感を述べてみる。
兄弟車SVARTPILENと比べてのライディングポジションの違い。
ステップ位置は両車種とも同じだが(違いますすみません。VITの方はSVARTに比べてバックです)、やはりVITPILENのハンドルが鬼畜。シートとほぼ同じ高さかつ、バーハンドルに近い形状で今までに味わったことのないライポジになる。初めてのバイクでこのポジションならば何の違和感もなく、ただキツいポジションなんだなと感じる事ができるだろう。しかし、長年バイクに乗り続けていると、なんとも例えようのないポジションに戸惑いを覚える。しかし、経験を加味して乗りこなそうと色々と試してみると、コレだ!と言えるライディングのコツが分かるのだが、そこまでの道のりが長い。
独特の形状をしたタンクなため、フルカウルのスーパースポーツばりにハングオン(リーンイン)で走るような事をすると、振り落とされるような感覚に陥り、リーンウィズで走ると、出荷状態の、硬さを調整していないリアサスが固すぎて、接地感が無いようななんとももどかしい気持ちになる。そこで、このVITPILENで最も重要になるのが「ステップ荷重」であると2万kmの走行を経て分かってきた。
VITPILEN 401での特筆すべき事項は、何といってもその“車重”の軽さにある。セルフステアを意識してステップ荷重をすれば、ヒラヒラと勝手に曲がってくれる。峠道のタイトコーナーなどはリーンアウトでしっかりステップ荷重をしてやると何の不安もなくスルっと曲がれるようになる。そして、コーナーを攻略した後の立ち上がりが気持ちいい。
走り方については、アクセルレスポンスが非常に良く、雑に扱うとガクガクしてしまうので、特にコーナーではアクセルワークに気を使いたい。VITPILENは低回転域が弱いので、峠でも街中の交差点でも常に4,000rpm以上を意識してコーナリングをしたい所。
次に、タンク容量MAX9.5Lというタイトな燃費事情に触れたい。
私はどんな車種であろうとも、常にロングツーリングを念頭に置いてモーターサイクルライフを楽しんでいるのだが、ことVITPILEN 401に関しては、燃費問題が一番辛い所である。平均燃費はおおよそ28km/L前後と、そう悪くない数値はたたき出すものの、航続距離が250㎞程度で給油を考え始めないといけないというのがなかなか厳しい。なので、ロンツーへ出るとなると、目的地以外に日曜・祝祭日も営業をしているガソリンスタンドを探す計画も立てなければ、道中大変な事になってしまう。特に山中でガス欠した日には悲惨だ。(鬼燃費のNinja250SEなのに奥多摩周遊でガス欠したのは私です)
VITPILEN 401のカスタム事情。
諦めろとしか言いようがない。
ただ、KTM 390 DUKEと同様のシャシ&パーツがほとんどなので、消耗品等の交換はなんとか自己調達できるのが救い。ディーラーで頼むとどうしても高くつくのでそこだけはKTMに感謝しよう。ちなみにKTM 390 DUKEのカスタムパーツを流用しようとすると、大体オレンジになってしまうのが悲しい所である。
そもそも、この美しい純正状態でいじるのがもったいない。ベタベタとステッカーを貼るのすらもためらわれる美しさ。でもマフラーだけは替えたい。
社外品のマフラーに替えたら?
純正扱いのアフターパーツでアクラポビッチからスリップオンマフラーがディーラーでも飾られているが、なんか見た目がイマイチで、音も純正とさほど変わらないという噂があるあれ。正直あれはあまりオススメしたくない。コンプライアンスを考えると、社外マフラーで車検も通る奴はそのディーラー推奨のアクラポ以外に選択肢はないのだが、ストレート形状のサイレンサーに替えると、単気筒ショートストロークの小気味良く歯切れの良い重低音が官能的なので一度味わって欲しい。クソでかいキャタライザーのせいか知らんが、ストレート菅でもかなり音量を抑えられる。
高速道路走行について。
そうとうキツい。
巡航速度120km程度が限界。それ以上となると排気量を上げるべき。あとはスプロケを最高速寄りに丁数を調整するぐらい。一番キツいのがやはりライポジ。これはもう慣れてもらうしかないが、コツがあって、シートの一番前まで腰を持って行って上半身直立に近い状態を作る。程よい上体の角度+風圧でこれがなかなか楽なのである。しかし、中野真矢さんに言わせれば、タンク密着状態のライポジはダサいらしい(56designイベントで直接ご本人から聞いた。)まあ気にするな(笑)
タイヤ交換の余分な経費。
チューブレスタイヤだがスポークホイールのためチューブを装着しなければならず、チューブレスと違ってパンクのリスクが非常に高くなっていて、かつ、チューブ代も余計にかかる。そしてタイヤ交換難易度もMAX(チューブレスの固いビード+チューブ噛みこみパンクを避ける腕がいる)。2りんかん等バイク用品店でも、チューブのみの交換すらタイヤ交換と同じ金額を取られるので、自分でタイヤ交換できる腕は磨きたい所。それができればランニングコストは相当抑える事ができる。
積載問題。
皆無。
諦めろ。
シート下はほぼ空間がない。
リアシートは尻下がりなのでキャンプツーリングなどは相当怖い。グラブバー必須。SVARTPILENのタンクについてるアレを装着すれば、タンクバッグにレインコートや工具などを積んでいけるのでそれもアリ。とにかくリアシートに積載するのは色々気を遣う。工夫が必要となる。
ちなみに私が今年の5月にロンツーした際、リアシートにズタ袋を固定した積載方法だが、タンデムステップにロープを固定すると、リアサスがギャップを拾う度にロープがたわむので、休憩の都度、緩みを必ず確認しなければならない。実際、ボコボコな路面が多い木曽路を走った際に、荷物が左側へどんどんとズレていって、抜け落ちそうになっていた事実がある。
ツーリング先で顔を指される存在感。
珍しいバイクと言われるVITPILENだが、未だに信号待ち等で知らんバイク乗りに声をかけられることが多い。所有感が満たされる瞬間ではあるが、正直めんどくさい(笑)また、林業が盛んな地域へ行くと、高確率でチェーンソーのHusqvarnaを知る方に、これまた高確率で話しかけられる面倒くささがある。(Husqvarnaのステッカーを貼ったバイクという認識らしい)
え?何それ!?感が拭えない車種。マジで相当声を掛けられる。〇〇マウントとかそういうのじゃなく、純粋に物珍しさから声をかけられる確率が非常に高い。400㏄如きだが所有感が大変に満たされる。
純正パーツの物持ちの良さ
2万kmをオーバーしたが、未だにブレーキパッドは半分残っているし、スプロケも実は3万kmまで持つのではないかというぐらい頑丈な消耗具合。本当に外車かと疑うぐらいにランニングコストに優れる車種。一番気にするべきランニングコストはタイヤ関係とオイル関係、そしてガソリンのハイオク指定ぐらい。その他は国産車バリに非常に長持ちする。購入当時は外車なので色々と金がかかるのだろうと考えていたが、ご自身で基本的な整備ができるのであれば、ディーラーへ持っていくのは定期点検か車検ぐらいなので、消耗品を探す手間さえパスすれば案外に維持しやすい外車の部類に位置するのではないかと思う。
最大の難点は車検。
これだけは日本のクソ制度が悪い。VITPILEN 401を所有するに辺り、一番の難点が車検だと考える。現状のモーターサイクル400㏄市場は、本当にガラパゴスと称されるぐらい日本のクソ制度。同じ車検を受けるならば、正直、大型二輪免許を取得してVIT or SVART 701を買うのが最適解だと思う。
総評
結局、中免で乗れる最大排気量だから401を選んだわけで、大型二輪免許を持っていれば701を買うのが正解。401で一番辛いのが高速道路での移動。巡航速度を抑えて走るなら401でも問題ないのだが、いかんせん単気筒で高回転での移動となるので、冗談抜きで手がしびれてくる。
401の利点は中免で乗れる事以外にない。401を所有するにあたって、高速道路を利用しての移動が多いならば701がいい。しかし私は大型二輪免許を取ろうとは思わない。それは、調子に乗ってそのうち事故るんだろうなという自己評価からくる。それでも401はかなりのポテンシャルを秘めているのでコイツで十分事足りる。高速道路以外の日本の道路事情ではこのVITPILEN 401で必要十分だからだ。
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VITPILEN401 | 日記
Posted at
2022/05/25 22:51:48