
初心者の頃疑問に思ってたシリーズ
車高調って調整したりバネ変えたり出来るのはわかるけど、セッティングって具体的にどんなことしてるの?
今回はどんなことやってるか?がメインです。
昔よく思ってた「結局車高って前後何ミリが良いの」とか
「バネレートは前後いくつがベストなの?」
という類いではありません。
コレって本当に「その人(と車の仕様)による」
がアンサーなんですよね。
良く色々な媒体で質問として上がっていて、良く返ってくる答えで釈然としないのはすごくわかるんですけど、タイヤや車重、走るコース、その人のドライビングスキルによってかなり変わってきます。
仮に速いタイムを出す脚のセッティングがあったとしてもそのセッティングの狙い(良いところ悪いところ)を理解してドライビングに反映していないとタイムを削ることは難しいです。
なので、今回はセッティングについて調べようと思ったけど、
でも肝心などんなことやってるのか書いてないってブログが多い所を今回は書いていこうと思います。
1.車高(バランス)
単純だけど地味に重要です。
コレは書いてるサイトとか雑誌が多いので特に詳しくは書きませんけど、重要な要素なのは確かです。
2.減衰調整
減衰調整が可能なタイプはやりますね。
ただサーキット走行だと使う幅ってそんなに広くありません。良いところを見つけたら微調整程度しか動かさないことが多い。
それ以上は根本的に車高調のショックアブソーバーの中身を変えないと改善しないことが多いです。
3.スプリング
バネレート、バネの銘柄(ハイパコとかハルスプリングとか)を変えることで前後のロール量を増やしたり減らしたりして調整してます。
バネレートを高くしていくとタイヤのグリップの限界を引き出すのが難しくなっていきやすいですが、逆にバネレートを上げた方が簡単になる場合もあったり単純ではないです。
基本的にタイヤのグリップ力と相談しながらレートを上げていきます。
4.バンプ・リバンプ量の調整。
ショックアブソーバーが縮む量と伸びる量のバランスをとっています。
具体的にいうと100mm動くショックアブソーバーがあったとすると車が静止した状態で縮む方に60mm、伸びる方に40mm合計で100mmというふうに100mmの中で割り振りを変えるということをしています。
調整に使うパーツとしてはヘルパースプリングを使う場合が多いです。
他の手段としてメインのバネレートを変えたり、
あとはプリロードをかけたり抜いたりしても調整できます。
伸び縮みのバランスが悪いと車の動きが悪くなってコーナーで曲がりにくくなったりブレーキが効きにくくなったりします。
5.バンプラバーの調整
バンプラバーとは車高調のショックアブソーバーがなんらかの過剰な入力で縮み切って壊れないように保護する部品です。

画像の黄色い部品
サーキット走行では縮んでいった時にバンプラバーに当たらない様に調整するのが基本ですが、あえてバンプラバーに当てて動きに変化をつける様な使い方をすることもあります。
その時は当てることを前提にした専用のバンプラバーに交換します。
他にはバンプラバーに当たらない様にバンプラバー自体を短くしたり、バンプラバーを外すなんてこともありますが、推奨されません。
以上は車高調を外すことが出来れば誰でもやれる範囲の変更ですが、プロ級になると(というかショップでも自分では出来ないところも多い)以下の調整をします。
6.寸法の変更
車高調のショックアブソーバー自体の長さだったりロッドの長さを変更します。
コレによってショックアブソーバー自体の動きを良くしたり伸び側と縮み側の動かせる最大量を増やしたり減らしたり出来ます。
7.ショックアブソーバーの特性変更
ショックアブソーバーの中の部品や中のオイル・ガスを交換することで減衰の特性を根本から変えることができます。
ダイヤル調整とは比べ物にならないくらい自由に特性を変化させることが出来ますが、理想的な動きがなんなのか?どこを変更すればそれが実現できるか?
変更したショックアブソーバーが実際にその数値になっているか?
などは膨大なノウハウや専用の測定機械が必要なので大抵のお店は専門のメーカーに投げています。
車種や走るステージによって必要な知識は変わるのでかなり奥が深い領域です。
ここまで自分で考えてやれてる人ってどれだけいるのか?
大体これくらいですかね?
これらの要素を組み合わせて理想的なセッティングを実現していくわけです。
値段が高い車高調はこういうことをしてるだけに高いだけの理由があるわけですね。
自分の求める理想に合っていないと値段が高くてもダメだし、安くても自分で調整すれば良い結果を出すことも出来ます。
奥が深いですね〜
Posted at 2024/09/12 23:57:27 | |
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