| 目的 |
修理・故障・メンテナンス |
| 作業 |
DIY |
| 難易度 |
  中級 |
| 作業時間 |
1時間以内 |
1
自作のエアコンキャンセル機能を追加しようとした際に、配線を間違えて壊してしまった、マニュアルエアコン用エバポサーモスイッチ。
配線を追加しようとしたECU回りとエアコン主要部品概略回路は左回路の通り。この回路は、GDB-C型であり他のアプライドモデルでは異なるかもしれない。
純正状態の回路動作は、バッテリからの+電源が、エアコン冷媒の圧力が正常なら通電している。
エアコンを使用する際にONにする”A/Cスイッチ”を押すと、エバポサーモスイッチのGND側が落ち、エバポサーモスイッチが働きECUに信号を送っているようだ。
2
エアコンキャンセル出力を追加したのは、左の回路の通り。
これはマニュアルエアコンの場合で、通常のSTIなどのオートエアコンではエバポサーモスイッチはない。
オートエアコンの場合は、専用のコントローラがある。ただし、ECUへの信号は同じピンを使っているので、オートエアコンであってもエアコンキャンセルを追加するのはECUのB134コネクタの2番ピンでよい。
エバポサーモスイッチとは、エバポレータの凍結を検出するスイッチであるようだ。
回路のように、ECUとエバポサーモスイッチの間にエアコンキャンセル用のリレー接点を接続したのだが、何を取り違えたのかECU側の配線を間違え、ラジエータファン制御用信号を接続してしまった。
この出力は、ON時にGNDへ落ちる信号であり、エバポサーモスイッチの出力にGNDを接続してしまった形になる。
この改造を加えてから、エアコンはうんともすんとも言わず…朝晩は涼しいが昼間はまだ暑い。
エアコンが無いと、ものすごく暑い…。早く修理しなければ。
3
A/Cスイッチを入れると、A/CスイッチしたにあるLEDが点灯している。
上の回路から考えると、ヒューズが飛んでなければエバポサーモスイッチが壊れているであろう。
ヒューズをチェックしたが、正常だった。エバポサーモスイッチの単体故障であると推測できる。
壊れた箇所の特定がなんとなく出来たので、スバルの部品販売にエバポサーモスイッチを発注。担当者が間違えてオートエアコン用のサーミスタを発注していた…。返品できないと言ってきたが、発注した部品のコネクタと色が違うことを理由に返品さしあげた。間違ってるのに購入は出来ない。
挙句に、このエバポサーモスイッチはスバルの部販では扱ってないと言い出すしまつ。コイツ単体の発注は出来ず、エアコンユニット全体を購入しろと言ってきた。その金額、15万…。ふざけた話だ。
残された道は、ひとつ。
エバポサーモスイッチを直すのみ。
間近に観察してみる。
黒いプラスチックのケースを外すと、なにやら回路が入ってるではないか。
4
アナログ回路のようだ。
IC1の表記名が微妙ではあるが、LM393であるならコンパレータだ。
このエバポサーモスイッチには、エバポへ行くサーミスタが接続されている。
と言うことは、リニアライズされたサーミスタの電圧変化をコンパレータで検出してECUへ出力しているだけであろう。
なんとか直りそうだ。
車上で、接続コネクタの電源の方向をチェックする。さらに、エバポサーモスイッチの出力をECUから浮かして電圧をチェックする。
電源を投入した状態(A/CスイッチON)で、ECUへの出力はHi(12V)あるがECUに接続すると5Vに落ち込む。
これでは、ECUは認識できないであろう。
受動部品(抵抗、コンデンサ)が壊れることはまず無い。
どこかのIC、ダイオードなどの半導体が壊れているはず。
5
6
クルマからサーミスタのハンダをはがし、エバポサーモスイッチ本体を取り外す。
トランジスタの種類がわかれば交換して動作チェックが出来る。
回路をおっていくと、バッテリ電圧をダイオードとツェナーダイオードで10Vを作り出している。これをコンパレータの電源にしている。
また、比較用の電圧もここからとっている。
当然だが基準用の電圧がバッテリ電圧が変動するたびに変化すると、コンパレートできない。
話がそれてしまったが、トランジスタには+10V側からバイアスが掛けられている。
さらに、エミッタにはバッテリ電圧が掛かる回路になっている。
そう、PNP型のトランジスタを使用している。
外部にわざわざ抵抗をつけてバイアスを掛けるなら、デジトラではないであろうと思われる。
では、手持ちのPNPトランジスタ…2SA1015で換装してみよう。
7
動作チェックしてみる。
サーミスタは、クルマにあるから可変抵抗をサーミスタに見立てることにした。常温では、6.4kΩ。可変抵抗も同じ値にセットする。
ECUへの出力端子に、LEDと可変抵抗を接続し、その反対側をGNDに接続する。
車上でチェックした電源端子に電圧を印加する。
無事にLEDが点灯した。
ECUへの出力端子の電圧を測定すると、電源に印加していた11.8Vから0.2V落ちる11.6V。
8
さらに、可変抵抗を大きくなる方向に変化させると、LEDは消灯した。
擬似的にエバポレータが凍結した状態を作り出したのだ。
スイッチとしての機能は復元したようだ。一安心だ。
車上テストに移った。
残しておいたサーミスタと仮接続し、エバポサーモスイッチに車両側コネクタを接続する。
ECUへの接続端子は、浮かしテスタを接続しておく。
ACCオン。
A/Cスイッチオン。
机上テストと同様に、バッテリ電圧を示している。
A/Cスイッチオフで電圧はほぼ0Vだ。
これなら、大丈夫そうだ。
ECUと接続し、エンジンを掛けA/CスイッチをON。
無事にエアコンが入った。復元完了。
今日も天気が良くて暑いが、車内は涼しい風で満たされた。
あとは、表面実装用PNPトランジスタを発注して換装すれば完全に修理完了だ。
秋月なら、40個で200円也。スバル部販が吹っかけてきた15万とはえらい違いだ。
電子パーツをクルマにDIYで取り付ける場合には、まったりと時間を取れるときに行いたいと反省…。
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