GDBタービンRHF55VF39オーバーホールその2【図解】
1
インペラシャフトを抜きます。Comp側先端に対辺10のナットが締まっていて、EX側の先端(反対側)を掴んで緩めます。ただし、このナットは逆ネジになっています。右回しで緩みます。
おそらく回転方向の関係でそうなっているんでしょう。
Compインペラを抜けば、EX側にシャフトごと抜けます。
そしてComp側ハウジングベース板を外します。
星型ビットのボルトなので、あらかじめ星型ビットセットを用意しておいたほうが良いです。
ここで初めて知ったこと・・・
このタービンはオイルフローティングでした!
ワタクシ、ずーっとボールベアリングだとばかり思っていました(笑)
2
ワッシャー留め板を外します。これも星型ビットが必要です。
この留め板の加工はすごいです。オイル流路の溝が芸術的に彫られています。小さな穴が斜めに空いていたりして、非常にデリケート且つ効果的にオイルを流通させているのがよくわかります。
溝の形がミッキーマウスみたい(笑)
3
これがEX側のはめあい部です。
ここから漏れています。
しかし・・・シールパッキンのようなものが無い(汗)
砕けてどこかへ飛んでいってしまったのか??
センターハウジングとシャフトとの隙間が結構デカイです。0.3mmくらいはある。こんなに隙間があっていいのか?
こんなに隙間があっては漏れるのも当たり前。
ここで現物を見ながら1時間くらい悩みました。
そうか・・・こんなに高熱になる場所にゴム系のシールパッキンなど入れられるわけがない。元々無いんだ。
シール材が無くても漏れないような作りになっているんだ。
中身を穴からのぞきつつ、構造がようやく理解できました。
4
こんな感じになっています。
EX側にはシャフトにツバがついています。
オイルフローティングベアリングとシャフトのクリアランスから圧出されたオイルはシャフトのツバで外への流出を遮断され、真下へ落下してリターンされていく構造なのです。ツバは外へ流出しにくい形状になっていて、ゴム系のシール材が無くても外へ漏れないようになっています。
余談ですが、当然ながらComp側にはシャフトにツバがありません。ツバがあっては組み立てることが出来ないからです。
よってComp側は漏れとめワッシャーとカラーで2重に漏れ止めをしています。そして両方ともフローしたオイルがリターンするように2室構造となっています。よく出来ています。これを考えた人はスゴイです!
5
これはシャフトのEX側です。オイルがねっとりと絡みつくように付いています。
なんか変です。
6
オイルを除去すると・・・
なんだこりゃ?!
ヘンな塊が沢山こびりついています。
どうやらカーボンのようです。沢山堆積しています。
細い棒でつつくとパキパキと割れながら砕けていきます。
どうやら原因はこれだったようです。
7
カーボンがシャフトのツバに堆積していたことによって、オイルがスムーズに滴下せずに、シャフトのツバにまとわり続けることによってシャフトを伝って外までオイルが流出したことが原因と思われます。
図内の赤線のルートをたどって外まで流出していたんでしょう。
ワタシが使っているオイルはゼロスポーツのTITANIUM R。
「粘弾性オイル」と言って、回転する物にまとわり付く性質を持っています。このような表面積が大きい物質があると余計にまとわりつきやすくなります。
シャフトにもガタはほとんどありません。タービンのフィールは変わらないのにオイルだけ漏れる・・・というわけのわからない症状になっていたんですね。
この構造だと、センターハウジング内には排気ガスが入ってくるんです。高熱の排気ガスと、熱くなったシャフトとでカーボンのような堆積物が出来やすいんでしょう。
早速カーボンの除去に入ります。
8
除去後。針の先でつついて除去しました。一応キレイになっています。若干傷が付いたのでペーパーでもかけようかと思いましたが、すぐそばにはシャフトがあります。
間違ってもシャフトを削ってしまってはいけませんので、このくらいでやめておきました。
これでオイルが滑らかに滴下してくれるようになるでしょう。
各部をパーツクリーナーでキレイに掃除して、液体ガスケットを塗りつつ、再度組み上げました。
近日中にまたタービン交換ですね。
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