新型レガシィ乗ってみました。
試乗車のグレードは自然吸気エンジンの2.5i Lパッケージ、ボディカラーはサテンホワイトパールです。
○だった点
・運転が楽しめること
レガシィといえば代々、日本車としてはトップレベルのドライバーズカーであると思います。新型はボディサイズの拡大による車格アップやトヨタの関与によるスバルらしい「味」の希薄化が懸念されましたが、相変わらず運転が楽しい車です。
具体的にどんなところが楽しいのかは、以下に記すエンジンパワーやCVTの出来の良さ、車両感覚の掴みやすさなどを総合した結果だと思うのですが、試乗コースのアップダウンが続く交通量の少ない4車線道路をちょっと飛ばして走るのは気持ちいいです。
・室内空間の拡大
室内空間は先代までに比べて非常に余裕があります。特に後席空間の空間は大きく改善し、頭上・膝前・横幅ともボディサイズが拡大された恩恵が現れています。
・動力性能に余裕がある
試乗車の2.5i Lパッケージは2.5Lの自然吸気エンジン(170馬力)ですが、パワー・トルクとも十分で、レガシィのキャラクターによく似合うエンジンです。先代BP系までは2Lが主体だったのですが、ターボ付きはまだしも2.0iなどNAはいかにもパワー不足で、レガシィのキャラクターに似合っているとは言い難いものでした。また2Lターボは確かにパワフルですが、燃費や排出ガスの点でターボ付きは不利です。
新型は2.5Lが主体で、パワーではなくトルク重視となって、ようやくレガシィらしいエンジンを手に入れたように思います。
・マニュアルミッションが設定されている
最上級グレードの2.5GT Sパッケージのみですが、マニュアルミッションが設定されています。変速に要する時間やサーキットでのタイムなどは今やツインクラッチ式トランスミッションが上回っていますが、レガシィのようにサーキットでのタイム云々よりも運転を楽しむドライバーズカーには手動変速が相応しいでしょう。
せっかくならば他のグレードにも幅広くMTの設定があればなおよかったのですが…
・出来の良いCVT
レガシィとしては初めてのCVTですが、非常に出来が良く、レガシィらしい上質感を損なっていません。いかにもCVT的なベルトの唸り音や停止直前のひっぱられ感などはほとんど感じません。CVTにあまりいい印象を持っていない方もぜひ乗ってみていただきたいです。
ちなみにパドルシフトが備わっているのですが、パドル操作時のクリック感やパドル自体の質感、シフトダウン時の反応速度なども優れていると思います。
・車両感覚がつかみやすい
角張ったデザインで、かつボンネットの峰が運転席からはっきり見えて車両感覚が掴みやすいです。
水平対向エンジンらしい低いボンネットを失ってしまったのはやや残念ですが、日常使用での取回しの良さはありがたいです。
・見やすいサイドミラー
フォレスターなどにも共通しているのですが、サイドミラーが見やすく後方の安全確認がしやすいです。
もう少し頑張ってほしい点
・車を“着る”感覚が希薄になった
先代BP系はボディサイズの割りに室内空間が狭かったのですが、新型は確かにサイズが拡大して居住性は向上しました。それとひきかえに、コンパクトで車全体に意識が行き渡るような、車を“着る”感覚を失ってしまいました。
新型のサイズはこのクラスの車としては標準的で、アコードなどに比べると断然運転しやすいのですが…
・レガシィのアイデンティティを失った外観デザイン
レガシィの外観デザインといえば、ワゴンはリヤハッチまで黒くラップラウンドしたヒドゥンピラー、セダンは6ライトのサイドウインドウと、代々続くデザインアイデンティティがありましたが、新型はそのどちらも捨ててしまい、レガシィらしさが希薄になってしまいました。最近のDセグメント車のトレンドを押さえたデザインとも言えるのですが、アコードのような、アテンザのような、アベンシスのようなデザインになってしまったのがちょっと残念です。
・2WDの設定があってもいいのでは?
昨年登場したエクシーガには2WDが設定されていたため、新型レガシィにも設定が復活するかなと思っていましたが、結局復活しませんでした。スバルといえば4WDですが、燃費や車重などを考慮すればWDの方が有利です。4WDと2WDの間に昔ほど走行安定性の違いがあるとは思えないので、4WDにこだわり過ぎずスバル車の間口を広げるために2WDを設定してもいいのではないでしょうか。
・B4にトランクスルーが欲しかった
B4にはアームレスト部分以外のトランクスルーがありません。最近はミニバンなど使い勝手のいい車が主流なだけに、セダンゆえに使い勝手が悪いということでは、セダン離れに拍車が掛かりそうです。
総評
新型はボディサイズが大幅に拡大したことが話題になっています。みんカラのレガシィオーナーの方の中でもこのことについては賛否両論です。私はレガシィ門外漢ですが、乗ってみるとドライバーズカーであるレガシィの良き伝統を保っており、レガシィらしい車であると感じます。
今後もあまりトヨタテイストが強まることなく、レガシィらしさ・スバルらしさを保って欲しいですね。
※関連リンク
・先代レガシィ試乗記
・エクシーガ試乗記
・フォレスター試乗記
・アコード試乗記
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新車試乗記 スバル編 | 日記
Posted at
2009/06/01 22:47:57