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2010年01月02日

パレットSWに乗ってみました。

パレットSWに乗ってみました。  スズキ パレットSW
に乗ってみました。

 この車はターボ・CVTの「TS」、NA・CVTの「XS」、NA・トルコンATの「GS」の3グレード構成ですが、試乗車はノンターボの上位グレードXS(FF)です。
 パレット登場時に試乗の機会を逸してそれっきりだったのですが、この度うちの母ちゃんのワゴンRの車検の代車として、行きつけのN自動車さんに無理を言ってお借りしました。
 余談ですが、Nさんのところの代車はこういう新車の軽がほとんどで、1年ぐらいで定期的に入れ替えています。代車というとボロい車か、最近では代車料金を取られることもあるようですが、Nさんのところは無料で新しい車を貸してくれます。

 2008年1月に登場したパレットですが、この度副変速機付きCVTの搭載・スポーティグレードのSW系の登場とともにマイナーチェンジされたので、良い機会ということで試乗記をアップしたいと思います。
 また、これまでに乗ってきたワゴンRやライバルであるダイハツ タントの印象とも比較したいと思います。


○だった点
・広い室内
 この車の美点は何と言ってもここです。幅は軽自動車の枠内なのでやむを得ませんが、室内前後長・高さとも軽自動車であることが信じられないほどのスペースです。「広い」ではなく「広大」と表現するのが適切です。
 特に後席空間の広さは特筆すべきで、頭上・足元とも、握りこぶし何個分とか手のひらが入るとかそんな小さいレベルの話ではなく、大人が手足を伸ばしてもまだ余裕があります。
 また、この広さによりによりウオークスルーが可能で、子供をチャイルドシートに乗せ降ろしするのがとても楽です。この車のOEM車の日産ルークスのCMで、リヤシートで子どもが踊りまくってますが、あれ誇張ではなくほんとに踊れそうです。
 さらにこの車は荷室も含めたフロアの低さも特筆できます。小さい子供でも乗り降りが出来ますし、荷室への荷物の積み下ろしも容易です。

・優れた使い勝手
 運転席周辺の小物入れスペースが豊富で、収納性が高いです。小さい子供がいるとおむつや着替え、飲み物食べ物、おもちゃなど、ちょっとしたお出かけでも荷物が増えてしまいますが、小物入れなどの収納スペースが豊富で、様々なものがうまく収まります。
 荷室の空間はリアシートのスライドによって変えることができます。スライド最後端だと空間はミニマムですが、これだと後席足元空間にものすごく余裕があるので、そこまで余裕が必要なければ、前にスライドさせて荷室空間を作り出すことができます。フロアが低くて室内高が高いので、A型ベビーカーを縦にしまうことも可能です。

・安定感があり快適な走り
 背の高い軽自動車としては走行安定性が高く、高速道路やコーナーでも比較的安心して走ることができます。
 パレットのような背高系の軽というと、高速道路やコーナーでの安定感が低く、怖い思いをすることもありました。あまり脚を固くすると粘ったあげくに横転ということになるので、それを避けるために、柔らかいサスセッティングで最初から強いアンダーステアにしつけてある車が多いのですが(ムーヴコンテタントなどはそういう考え方)、パレットの脚は固すぎず柔らか過ぎず安定した走りです。
 また、1トン近く車重があるためか軽としては乗り心地が良く、細かい段差でポンポン跳ねるような動きもありません。

・豪華装備
 パレットシリーズの中でも、SWは上位シリーズなので装備は豪華です。オートライト、ディスチャージライト、フルオートエアコン、キーレスプッシュスタート、パワースライドドアなどが備わり、「軽自動車としては」という注釈なしで非常に装備が充実しています。私のスイフトよりも装備が豪華で悔しいです(爆)

・高級感のある内外装
 ピアノブラックの内装パネルやスエード風のシート生地にクラスを超えた高級感があります。またパネルのチリの小ささや、適度な節度感のあるATのセレクター・各スイッチやダイヤルなど、安っぽさを感じさせません。
 スズキの軽に高級感を感じるなど、一昔前までは考えられなかったことです。スズキの軽は本当に良くなりました。

・両側スライドドア
 パレットは後席左右のドアがスライドドアです。スライドドアは子供が駐車場で急にドアを開けて隣の車にぶつけたりする心配が少なく、また狭い場所で子供をチャイルドシートに乗せ下ろししたり、荷物の積み下ろしの際にも非常に楽で、小さな子供がいる家庭にはうってつけです。
 ちなみにライバルのタントは助手席側がセンターピラーレスのスライドドアですが、運転席側は通常のヒンジドアです。これは意外と使い勝手が良くないというか、左右で後席へのアクセス性が異なるので違和感があり、パレットの方が使いやすく感じます。 

・ヘッドライトが明るい
 この車にはディスチャージヘッドライトが標準装備されていますが、他のディスチャージライト車よりもかなり明るく感じます。さらに、この車のライトはプロジェクタータイプなので光が拡散しにくく、明るくても他車の迷惑になりにくいのがいいですね。


もう少し頑張ってほしい点
・苦しいエンジン性能
 車重が900~1,010kg(!)と軽自動車としてはかなり重いため、エンジン性能に余裕がありません。高速道路の6~7%程度の勾配でも、時速90キロを維持するのがやっとです。試乗車はノンターボ(54PS)のXSだったので、ターボ付きのTSであればもっと余裕があるのでしょうけど…

・不安定なブレーキ
 軽とは思えないほど走りが安定しているパレットSWですが、急制動時にボロが出ます。80km/hからABSが効く程度の減速Gを与えると、フロントは激しくノーズダイブしリヤの荷重が抜けてふらつきやや不安定です。直線でこうなので、障害物を避けるためにハンドルを切りながら制動を行うダブルレーンチェンジのようなことは、恐ろしくて出来ません。こういうところに重心の高さを感じてしまいます。

・期待外れの燃費
 燃費は3日間、近場の買い物や山道、高速などを燃費を気にせずごく普通に走って13.2km/Lでした。軽としては相当重い1トン近い車重で、パワーに余裕がなく高回転まで使わざるを得ないノンターボエンジン車であることを考慮すれば決して悪くもないのでしょうが、低燃費と快適性を両立させた新型CVTを搭載していることを考えれば、ちょっと期待外れでした。
  
・スライドドア開口部の狭さ
 上記のとおり両側スライドドアであることはこの車の長所なのですが、開口面積自体はヒンジドアよりも小さく間口が狭いです。スライドドアは開口部が広くて使い勝手がいいようなイメージがありますが、実際にはそうではなく注意が必要です。
 それから、一般的に体重10キロ程度までの乳幼児はチャイルドシートを後ろ向きに装着して乗せますが、スライドドアはヒンジドアよりも子供の乗せ下ろしがしにくいです。スライドドアにはスライドドアのメリットがあるのですが、タントエグゼのようなヒンジドア仕様の設定があってもよいのではないかと思います。

・軽自動車の本分を外れた高い価格
 試乗車のXS(FF・オーディオレス)で142.8万円、最高価格のTS(4WD・ハイグレードサウンドサウンドシステム付き)で177万円という、軽自動車としてはかなり高い価格です。内容を考えれば納得できる価格ではあるのですが、それでも先日登場した新型アルトの約2倍というのは、本来経済的であるべき軽自動車としていかがなものかと思います。


総評
 昔の軽自動車といえば、とりあえず足代わりになればいい的な存在で、狭い・走らない・乗り心地が悪い・安全性が低いことは当然であり、積極的に選ぶものでなく、我慢して仕方なしになるものでした。
 しかしパレットSWに乗ると、そんな軽自動車に対する意識は完全に過去のものになったと感じます。落ち着いた乗り心地・豪華な装備・きめ細やかに配慮された使い勝手・造りの良い内外装…
 パレットは軽自動車の中でも高価格なモデルなので、良くて当たり前かもしれませんが、それでも「軽自動車はほんとに良くなった!」と痛感させられる素晴らしい車でした。「仕方ないから軽を選ぶ」ではなく「パレットがいい!!」と言って積極的に選べる車です。
 代車として借りた3日間でしたが、返すのがこれだけ惜しくなった車はBMW3シリーズ以来です(笑)

 もちろん問題がないわけではありません。軽自動車なのに1トン近い車重・排気量からすると考えられないぐらい悪い燃費・軽自動車の本分から外れた高い価格・相対的に貧弱なシャシー性能…と、自動車としてこれはいかがなものかという点も多く、ライバルのタントなども含め、そういった点が批判の的になることもあります。
 が、私が小さい子供二人を抱える家庭の父親ということもあるのですが、この車の考え抜かれた使い勝手の良さは何物にも代えがたいです。ボディサイズが小さく、スクエアで見切りがいいことによる運転のしやすさは、運転の上手ではない嫁さんにも安心です。
 その一方で、軽とは思えない室内の広さは子供の世話や乗せ下ろしにも肉体的負担が軽減されます。室内はただ単に広いだけでなくフロアも低く(この点はタントよりも優れている)、乗降性・積載性が非常に優れています。
 このようにパレットという車は、生活の中で車を必要とする人のことを本当に考えて作られています。子供がいる家庭の方はもちろん、流行りに乗ってミニバンを買ったけど、フル乗車する機会なんてほとんどないし…という方のダウンサイジングの受け皿としてもおすすめできます。「軽なんて…」と思っている方、是非一度乗ってみられてはいかがでしょうか。
  

↓関連試乗記 こちらも是非↓
ワゴンR試乗記
アルト試乗記
ムーヴ試乗記
ムーヴコンテ試乗記
タント試乗記
ブログ一覧 | 新車試乗記 スズキ編 | 日記
Posted at 2010/01/02 22:45:26

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この記事へのコメント

2010年1月2日 23:09
軽の世界でも高性能・快適さ等を要求されたら価格的には仕方ないんですかね…
車体・エンジン排気量以外なら普通車の性能を変わりありませんからね

私的にはタントエグゼは、よく出したな~と思っちゃいます(笑)
コメントへの返答
2010年1月2日 23:16
この車に乗ると、軽のボディサイズや排気量の規格は適正なのかと思ってしまいます。排気量については、自然吸気であればせめて800ccぐらいは欲しいように思いますね。

エグゼにも是非乗ってみようと思うのですが、スライドドアは重量増の大きな要因になっているので、それがないことは走りにかなり有利なんじゃないかと思います。
2010年1月3日 13:37
最近の軽自動車は、広い、快適がすごく押されていますね。

個人的には「車両価格が安い」「燃費がいい」「維持費が安い」が軽自動車の一番いいところだと思っていたんですが、ここ最近ではそんな利点が薄くなってきているのが少々気になります。走行距離によっては、燃費のいいコンパクトカーのほうがランニングコストが低いということにもなりかねませんね(*o*)

軽自動車の、保険料・自動車税はずっと据え置きであることを祈りたいです・・・(汗)
コメントへの返答
2010年1月3日 19:41
軽自動車の本分が経済的であることを考えれば、パレットのように豪華で広い車は軽自動車らしくないと言えますが、車そのものはやっぱり魅力的です。

ただ、Xblueさんのおっしゃるとおり、このような車が増えてきたことで軽自動車の優遇税制の改正論議が浮上するかも知れませんね。
普通車よりも価格が高くて贅沢装備、」その一方で普通車よりも燃費が悪いとなると、「軽自動車っていったい何?」ってことになりそうですね。

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