ラパンに乗ってみました。
乗ってみたと言っても、先日嫁さんの愛車・ライフダンクの車検を受けたのですが、その際に行きつけのN自動車さんから代車として貸してもらったものです。昨年の母親のワゴンRの車検の代車・パレットSWといい、今年の事故の代車ワゴンRといい、N自動車さんのところの代車はたいてい新車なので、非常に気分がいいです。
ラパンには一昨年の新車登場時には試乗に行きませんでした。なぜなら、こんなかわいい車の試乗には私みたいなオッサンは行けないからですwwwwww
試乗車のグレードはノンターボエンジンの中での上級グレード・X(トランスミッションはCVT)、ボディカラーはエアブルーメタリックです。
○だった点
・かわいい内外装デザイン
ラパンの特徴は何と言ってもここにあるでしょう。水色・ピンクなどかわいいボディカラー、切り立った前後左右のウインドゥによるちょっとクラシックな感じなスタイル、ブリキのおもちゃのようなダッシュボード、暖色系の優しい色づかいのシートなど、かわいい女の子が乗るにはピッタリの車です。
最近はタントやムーブのカスタム系やワゴンRスティングレーのように、軽なのに妙に怖い顔で威圧的なデザインの車が多い中、ラパンのデザインには思わずホッとさせられます。背伸びせず、かといって貧乏臭くならず、軽自動車らしいかわいいデザインには好感が持てます。
・低燃費
この車をお借りして通勤や街乗りで120キロほど走ってみたのですが、この間の積算燃費は燃費計表示値で22.0km/Lでした。私のスイフトの燃費計は5%程度のプラス誤差が出る事を勘案すると、実燃費は21km/L程度かと思いますが、それでも相当な低燃費です。
(ちなみに試乗中の最高は25.7km/Lまで行きました!!)
タント・パレットなど最近流行りのハイト系のターボ付だと、せいぜい13~4km/Lということもありますが、ラパンのこの燃費はセダンタイプならではの合理性を示していますね。
・違和感の少ないCVTの制御
この車のトランスミッションはターボも含めた全グレードCVTが採用されています。CVT車はかなり上級クラスであっても、発進加速時のエンジン回転と加速感の不一致による違和感、停止直前のカックンブレーキ感、減速時の「ひゅ~~ん」という安っぽいベルトノイズ、クリープ現象で微速前進したいとき、ブレーキの踏力を緩めていっても車が動き出さず、完全にペダルから足が離れる直前になっていきなり動き出すクリープのセッティングの違和感等がある車が散見されますが、ラパンのCVTはよく煮詰められており、CVTであるデメリットはほとんど感じられず快適な走りです。
(ただし、渋滞の中で微速でのゴーストップを繰り返す状況でややスナッチが感じられるのは要改善です。)
・しっかり感の向上した走り味
先代はフロアの剛性感が低くて、不整地や目地段差の大きい道路などでグニャグニャドタドタした印象があったり、電動パワステのフィールが人工的で、中立が不明確で直進に気を使わされたりということがありましたが、新型は大幅に改善されています。
ラパンのベースになっているMH22S型ワゴンRは先代MH21S型よりも走りの安定感が高くなっていますが、ラパンもそれを踏襲して安定感を高めて走りになっています。
・広い室内
パレットやワゴンRなどハイト系・スペース系の軽にはもちろん及びませんが、それでも実用上十分な室内スペースが確保されています。切り立ったサイドウインドゥのおかげで側頭部の空間が広くて圧迫感がありませんし、頭上スペースも十分です。
後席はさすがに頭上空間はあまり余裕がありませんが、それでも先代比+40mm延長されたホイールベースにより足元空間は広々していて、一昔前のセダンタイプ軽にありがちな狭苦しさは全くありません。
・掴み易い車両感覚
切り立った前後ウインドゥ、フラットなボンネット、低いウインドゥ見切りのおかげで、車両感覚が掴み易く非常に運転し易いです。小柄な女性でも運転しやすいでしょう。
もう少し頑張ってほしい点
・グニャングニャンのブレーキフィール
この車を走らせていて最も気になったのはこの点です。ブレーキペダル取付け部の支持剛性が足りないのか、バルクヘッドがやわらかいのか、マスターバックの容量不足かわかりませんが、ブレーキがとにかくグニャグニャで頼りないタッチです。ワゴンRではこのようなことはないんですが…
効き自体が悪いわけではありませんが、タッチが柔らかくて信頼感に乏しいです。
・シートの出来が悪い
1時間程度乗っただけで腰が痛くなってしまう、シートリフターで調整してもドラポジが決まらないなど、ラパンのシートはあまり出来がいいとは言えません。基本的に短時間の街乗りや通勤などの用途が想定される軽自動車に、あまり高機能なシートは必要ないと思うのですが、それでもちょっと厳しい出来です。
通勤で私のスイフトと同様の使い方をしてみたのですが、スイフトの方が断然疲れが少なかったです。
・風切り音が気になる
今回乗った車にはサイドバイザーは付いてなかったのですが、70キロを越えた辺りからピラー付近からの「ゴゴー!!」という風切り音が聞こえて気になります。空力云々言う車ではないのは分かっているのですが、この車、開発段階で風洞実験を多分やってないんでしょうね…
・機能を集約し過ぎのインフォーメーションディスプレイ
最新の車らしく、スピードメーター中央にインフォーメーションディスプレイが備わるのですが、オド・トリップメーター、エンジン回転、瞬間燃費、積算燃費、航続距離など様々な標示が一つのディスプレイに集約され過ぎているため、かえって見づらいです。せめて走行距離ぐらいは別に標示してほしいです。
・かわい過ぎる内外装(笑)
ラパンはかわいいことが売りの車なので、ラパンに乗ってこんなことを言うのも何なんですが、外観がかわい過ぎて、アラフォーに差し掛かった私が乗るのは少々キツいものがありますwww
外から見てる人も、かわいい色のラパンが走って来て女の子でも乗ってるのかな~と思ってると、私みたいなキモいオヤジが乗ってると「ゲゲッ!!」って思うでしょうねwwwwww
・やや乗降性が悪い
これもラパンのデザインの特性上やむを得ないですが、屋根が低くてドア開口部が比較的小さいため、乗降性が多少犠牲にされています。ワゴンRなどハイト系が自然に腰を落とすように乗り込めるのに対して、ラパンはやや潜りこむような乗り込み方になります。高齢者の乗る機会がある方にはあまりこの車はお勧めできません。
・SSは出ないのか?
先代ラパンには5速MT、64PSのターボエンジン、専用内外装を奢ったスポーティグレード「SS」がありましたが、現行型には未だに設定されていないようです。アルトワークス、Keiワークス、ワゴンR-RRなどスズキの軽のスポーティグレード壊滅状態の中、せっかくベースモデルの素性がいいのですから、スポーティグレードの設定があってもいいのではないでしょうか。
総評
最近の軽市場ではムーブ・ワゴンRはもとより、タント・パレットなど、より室内空間の広いものが好まれますが、ラパンに乗ると背が低く軽量で合理的なセダンタイプの魅力を再認識します。いくら室内空間が広いといっても、結局1〜2人で乗っているのですから、結局無駄になっているように思えます。ラパンのようなセダンタイプはもっともっと見直されてもいいのではないでしょうか。
ラパンの出来そのものは、主力車種のワゴンRをベースにしているだけあり、ソツのない仕上がりです。シートやブレーキの出来など、一部コストダウンと割り切りを感じる部分もありますが、この車本来の使用用途を考えるとあまり問題にならないのかもしれません。
この車はとにかくかわいい内外装を楽しむ車です。この内外装なら、例えば割り込まれたり煽られたり等、スイフトに乗ってるときなら「なんだコノヤロー」と思う状況でも、「ま、いっか〜」と広い心でいることができる、平和な車です(笑)
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新車試乗記 スズキ編 | 日記
Posted at
2010/12/01 22:27:21