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イイね!
2011年04月10日

リーフに乗ってみました。

リーフに乗ってみました。  なんだかずいぶんブログアップをサボってしまいました。仕事の忙しさは3月で一段落したはずなんですが・・・


 さて、日産の電気自動車・リーフに乗ってみました。
 グレードは二種類あるうちの廉価グレード「X」、ボディカラーはホワイトパールです。Xと上級グレード「G」の違いですが、Gにはソーラーパネル付きルーフスポイラー、クルーズコントロール、バックモニターなどが備わります。


○だった点
・航続距離が長く実用性が高い
 リーフの航続距離はJC08モードで200kmと発表されています。試乗当日は気温が10度程度と低いものの晴天の日中で、電気を食う暖房はつけずに済みましたが、100kmほど走行して、まだ残り航続距離が60kmありました。高速道路や山道を飛ばしたりと、電気自動車にとって有利とは言えない状況でこの航続距離なら、十分に実用的と言えますね。 
 三菱の電気自動車・iMiEVを同様の条件で走行した時には、80km程度でバッテリー残量が怪しくなってきて途中で急速充電したのですが、リーフは充電しようという気になりませんでした。
 このぐらいの航続距離であれば、よほどの遠出以外十分実用になりそうです。

・低重心で安定感のある走り
 床下全面にバッテリー、インバーター等の重量物の搭載していて重心が低いため、走りに安定感があります。全高が1545mmと高いため一見フラフラ走るのかな〜と思いがちですが、見た目とは裏腹です。
 また重量物が分散して搭載されていることも、走りに好影響を与えているように思います。 
 車重が1520kgと、電気自動車としては標準的だが車格の割には重く、また脚回りのセッティングも柔らかいため、挙動は穏やかですが、脚を固めてタイヤのグリップレベルを上げていけば相当スポーティな車になりそうです。

・高い快適性
 電気自動車なので、室内の静粛性が高いのは当然なのですが、インバーターから発せられる「キーン」「ヒューン」という高周波音が少なく、音質の点でも快適です。
 プリウスは窓を閉めていても減速時に「キーン」音が室内に聞こえてきて、正直かなり耳障りなのですが、リーフは遮性音が優れているだけでなく、音の発生そのものが少ないです。

・室内空間と機器類スペースの両立
 電気自動車と言えば大量のバッテリーを搭載しなければなりませんが、リーフは床下にバッテリーを搭載することにより、室内空間と電気自動車関連機器スペースの両立を図っています。
 日産は電気自動車・燃料電池自動車に対しては経験豊富で、1998年には既にステーションワゴン「ルネッサ」をベースとした電気自動車が市販化されていました。ルネッサはガソリン車のボディシェルも電池を搭載することを前提とした高床構造で、これによって室内が狭いなど不評ではあったのですが、こういった先例でノウハウを積み重ねたことによって、リーフでは満足のいく室内空間を確保できています。


もう少し頑張ってほしい点
・あまりかっこ良くない外観
 リーフの最大の欠点はここではないかと思います。外観はあくまでも個人的な好みの問題かな~とも思うのですが、それにしてもポコッと飛び出したカエルのようなヘッドライト、角を落としたティーダのようなムラーノに似てるような中途半端なスタイル、全幅がかなり広い(1770㎜)割にドデッと背が高く見えたりと、お世辞にもカッコイイとは言えません。
 あまりかっこよくなくても、いかにも未来っぽい・電気自動車っぽいスタイルならまだいいのですが、エンジンが入ってないにもかかわらず普通の大きさのボンネットがあるので、パッと見普通の車と変わらない印象です。
 あと余談ですが、充電はボンネット先端のリッドを開けてやるのですが、充電している姿はまるで鼻から点滴チューブを挿されているようですwww もうちょっとなんとかならなかったのでしょうか?

・シートの出来が良くない
 シートの出来はごくごく普通の日本のコンパクトカーという感じで、小一時間程度運転しているとなんとなく姿勢がずれてきて、腰やお尻が痛くなってきます。EVとしてはせっかく世界最高レベルの性能を持っていながら、自動車の本質的な部分がおろそかにされているのは残念です。 

・仕方ないけど効かない暖房 
 EVの暖房には大きなエネルギーを消費します。(場合によっては、走行することよりも暖房に要するエネルギーの方が大きい)
リーフは三菱iMiEV同様、電気ヒーターによってクーラントを熱して、それをヒーターコアへ循環させて温風として吹き出すという形式ですが、暖房の効きは良くありません。内燃機関自動車はエンジンで熱せられた冷却水をヒーターコアへ循環させることにより、エンジンの排熱を利用して暖房も行うという非常に効率的な仕組みが確立していますが、リーフやiMiEVは本来であれば電気自動車には必要ないLLCを、わざわざ暖房のためだけに搭載し、それをわざわざ電気を使って熱するという非効率さです。もう少し効率の良い暖房システムが開発されないものでしょうか。

 
総評 
 電気自動車には依然として、航続距離の短さや初期コストの高さという問題があります。それはよく出来ているこのリーフとて例外ではありません。普段満タンで900km近く走ることができるスイフトに乗っていると、i-MiEVよりも圧倒的に長くなったとはいえ180km程度の航続距離は不満がありますし、現状では補助金込みでないと極めて高価な価格も、購入に対する心理的な障害になります。
 ただ、それらの問題がクリアになる方ならリーフは大いにお勧めできる車です。毎日充電するならば全く不満のない航続距離、ガソリン車やプリウスなどハイブリッド車よりも快適な乗り心地、優れた動力性能等に加え、時代の最先端を行く電気自動車に乗っているという優越感もあります。ハードの出来自体は現時点では文句なしです。

 リーフの問題点は車自体のハード面よりも、車を走らせるためのインフラや社会環境にあると言えます。
 電気自動車には必須の急速充電器ですが、先日東名高速各SAに設置されることになったというニュースが流れたように、各所に設置される動きが広まってはいるものの現状ではまだまだ十分とは言えませんし、今後電気自動車の普及が進めば、ガソリン車の給油よりも時間がかかるだけに出先で充電しようとしても充電ステーションが混雑しているという恐れもあります。
 それから、電気自動車といえば当然電気が必要になりますが、福島第一原発事故によるエネルギー政策の転換で、原発の新設や休止中の原発の運転再開が困難になると思われます。こういった状況は電気を使う電気自動車の普及の足かせになろうことは想像に難くありません。
 また、今回のような大地震後のインフラ復旧において、電気は比較的早く復旧するとはいえ、それでも完全に遮断されてしまうこともある中、自動車の動力源まで電気に依存してしまうのはいかがなものかと思います。
 現に今回の地震で、家庭のオール電化を進めた挙句、地震による停電で家電が使えないばかりか、都市ガス・プロパンガスを廃止しているがために湯も沸かせない・風呂も入れないということになってしまった家庭が多かったようです。エネルギー源を電気一本に集約してしまうのは、非常時に困るのではないでしょうか。
 今回の地震ではガソリンの供給難が大きくクローズアップされたことから、電気自動車が注目されつつありますが、個人的には「ちょっと待てよ!?」という印象です。

 ちなみに最近普及が進む家庭用太陽光発電ですが、シャープと京セラに確認したところ、太陽光による自家発電システムは外部電源が停電によって停止すると、「自立運転機能」に切り替えたうえで、別系統の電源プラグによってソーラーによる電力供給ができるようです。
 しかし、当然夜間など日射量がない場合は発電ができませんし、発電量が限られている上に不安定なため、電気自動車の充電には向いていないようです。

 前途洋々に見えた電気自動車に思わぬところで難題が降りかかってきましたが、限りある化石燃料を有効に利用するためにも電気自動車の普及は今後の世界において必然でしょう。発電手段の多様化を進め、電気の安定供給を進めることが重要になってきますね。


↓↓フォトギャラリーもどうぞ↓↓
リーフ乗ってみました 外装編その1
リーフ乗ってみました 外装編その2
リーフ乗ってみました 内装編
リーフ乗ってみました 機能編


↓↓関連試乗記 こちらも是非↓↓
iMiEV試乗記
プリウス試乗記
フィットハイブリッド試乗記
CR-Z試乗記
インサイト試乗記
ブログ一覧 | 新車試乗記 日産編 | 日記
Posted at 2011/04/10 22:24:37

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この記事へのコメント

2011年4月10日 22:39
電気自動車として販売した大手、日産に拍手!

ノーマルではカエルっぽいですが、ニセグリルでガバッとお口を開けてやるとカッコよくなりそう~
コメントへの返答
2011年4月10日 22:45
車としての完成度はかなり高いです。正直iMiEVがかわいそうになるぐらいです・・・

そのうちNISMOやインパルあたりからエアロが出てくるんでしょうね。
いじったらかっこよくなるかも・・・
2011年4月10日 23:11
セカンドカーとして復旧する日が来るんでしょうかね。
あっiMiEVの方がいいか。

ファーストカーとしてはやはり航続距離が・・・
コメントへの返答
2011年4月10日 23:22
個人的には魅力度で言えば断然iMiEVだと思うんですが、なんせiMiEVは航続距離が短いです。

あれで航続距離がリーフ並みなら相当魅力的なんですが・・・

今後の改良に期待です!
2011年4月11日 12:23
実用的な航続距離としては200キロは欲しいところですね。

今後EVが普及していくとして、やはり原発が今以上に必要だ、となるのか現状ではかなり厳しいでしょうね・・・。

コメントへの返答
2011年4月11日 14:12
航続距離が伸びてきたとはいえ、やっぱり短いですよね。
街中オンリーならともかく、時々遠出するならたちまち航続距離が不足しますし・・・

現実的には原発の整備は推進せざるを得ないんでしょうけど、原発を推進するにせよストップするにせよ、今後の電気自動車の普及に影を落とすことは確実だという気がします・・・
2011年4月11日 19:40
日産がそんなに電気自動車を勢力的に作っていたとは知りませんでした(^^;)

航続距離が短くても充電がどこでも出来れば安心できるんですが、今の状況だとそう簡単にはいきそうもないですね。個人的には暖房の問題がかなりのストレスになりそうです。

今回の地震で電気に対する考えがガラリと変わりました。クリーンで経済的で安全で・・・
人間にとってそんなに都合のいい資源はないと考えたほうがよさそうです。。。
コメントへの返答
2011年4月11日 22:26
スポーティな車のイメージの強い日産ですが、電気自動車や燃料電池車などの研究開発はかなり進んでいました。
ハイブリッドだって、初代プリウスとそれほど変わらない時期に実用化できそうだったんですが、コストの問題(販売価格が初代プリウスほど安くできなかった)で引っ込めちゃいましたが・・・

暖房はストレスですね~!
実は私はかなり寒がりなのですが、寒い日に車の暖房つけないのは正直苦痛です・・・

>人間にとってそんなに都合のいい資源はない
原子力発電にそういう幻想を抱いていた(抱かせられつつあった)のが、今回の地震で根本から破壊されましたからね。
原子力云々とか代替エネルギー云々ではなく、我々の生活がエネルギーの大量消費を前提としていることを改めて問い直さなければいけませんね。
2011年4月12日 12:47
あっためていた試乗記だけあって、総合的な記述におそれいりましたという感じです。
これからフォトギャラも見てみますね。

(追伸)わが社でも今回の震災以降、店舗のオール電化の流れが見直している最中です。
コメントへの返答
2011年4月12日 15:01
今まではオール電化の前提に原子力発電我あったと思うのですが(太陽光発電もあるが)、今回の震災で方向転換を余儀なくされますね。

ただ、何から何まで電気依存でいいのかという、社会の仕組みの見直しのいい機会ではないかとも思ってます。

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