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2009年01月19日 イイね!

パッソ セッテ乗ってみました

パッソ セッテ乗ってみました 2009年初試乗・昨年末に登場したトヨタの新型ミニバン・パッソ セッテに乗ってみました。
 グレードはG Cパッケージ、ボディカラーはバナナシェイクメタリックです。

 この車、発表・発売が暮れも押し詰まった12月25日でしたが、その直後から大半のディーラーは休みのはずです。ディーラーに展示車も試乗車もない状態で発売だけしとくっていうのは、何の必然性があってこんなことをしてるのかよくわからないですね。
 その上、地元のカローラ店にはこの週末からやっと試乗車が入りましたが、それならもっと落ち着いたときに発表・発売すればいいのに・・・


○だった点
・後席ドアがヒンジドアであること
 ミニバンの後部座席のドアといえば、最近の主流はスライドドアですが、セッテは通常の前ヒンジドアです。
 スライドドアにすると、ドア単体の重量やスライドレール、それらを支えるためのモノコック強化なので、どうしても車重が重くなります。また、イージークローザーや電動スライドドアが付いてないとどうしても力を入れて勢いよく閉めざるを得ず、手などを挟む危険があります。電動スライドにすると今度はそのために車重がさらに重くなるという悪循環です。
 恐らくセッテはそれを嫌ってヒンジドアにしたと思われますが、そのお陰で車重がホンダのフリードと比較して約100kg軽量に抑えられています。

・トルコンAT
 ここ最近のCVT車は運転感覚の不自然さ(速度と比例しないエンジン回転数、停止直前の引っ張られ感etc)が少なくなってきているとはいえ、トルコンATに慣れた身にはどうしても不自然に感じることも事実です。またiQ、ヴィッツのCVTは燃費を向上させる目的で巡航時のエンジン回転数をギリギリまで低く抑えていて、低速時には常にブルブルブルブルした振動が気になります。
 セッテは最近のコンパクトカーとしては珍しくトルコンATのみのラインナップですが、そういったトヨタのCVT車独特の不快感とは無縁です。

・広い室内空間
 全長4.2m未満のコンパクトなサイズですが、7人乗りをなんとか成立させています。もちろん余裕綽々というわけではありませんが、3列目は頭上空間には余裕があり、また足元も2列目を前にスライドさせれば、非常用プラスアルファの空間があります。実際にフル乗車するシチュエーションは多くないでしょうが、いざ3列目を使う際にそれほど我慢を強いられないというのは安心感があります。

・パッソベースとは思えない落ち着いた走り
 この車のベースとなったパッソ/ブーンは、いかにも「小さい車でいいんだけど軽じゃ嫌だ」という人向けの車という感じで、安っぽいエンジン音、狭い室内、騒々しい室内、バタバタした乗り心地が気になりましたが、セッテはパッソベースとは思えない落ち着きがあります。
 騒音や乗り心地はそれなりといったレベルですが、それでも現代のコンパクトカーの標準で、あまり安っぽさは感じません。ロングホイールベースの恩恵もあり、一クラス上のヴィッツやラクティスよりも上級感のある乗り心地です。

・6エアバッグが標準装備
 運転席・助手席エアバッグに加え、サイド・カーテンシールドエアバッグが標準装備(最下級グレードのXにはメーカーオプション)です。
 ただしVSCは全車メーカーオプションなので、これも標準装備していただきたかったところです。 


もう少し頑張ってほしい点
・後席ドアがヒンジドアであること
 長所のところに、ヒンジドアは重量が軽減できるのが長所だと書きましたが、使い勝手の点ではヒンジドアは不利ですね。特に子供がいる場合、チャイルドシートに乗せる際はドアを大きく開く必要がありますし、子供が成長してくると駐車場などで隣の車も構わずドアを大きく開ける可能性があるため、スライドドアのほうが気を遣わなくて済みます。 

・トルコンAT
 運転感覚に不自然さの少ないトルコンATですが、燃費の面での不利は否めません。10・15モード燃費を見ると、セッテ(G FF):15.6km/L、フリード(G FF):16.4km/Lと、フリードのほうが重量が約100㎏重いにもかかわらず、セッテの燃費は劣っています。コストの面からCVTの採用が見送られたのでしょうが、CVTだったらもっと燃費が良かっただろうなと思ってしまいますね。

・サイドシルが高く、乗り降りが少し面倒
 前席は気にならないのですが、後席のサイドシルがやや高く、降車の際の足の運びがスムーズに行きません。セカンドシートをやや前にスライドさせていると特に気なります。

・平凡な外観デザイン
 この車の外観はお世辞にも魅力的とは言えません。一般的にトヨタの車のデザインはアクを少なく、万人向けに仕立てられることが多いのですが、それにしてもセッテのデザインは平凡過ぎます。ライバルのフリードは使い勝手と見栄えを両立させたスタイリッシュなデザイン、この車の先代であるシエンタ(併売されるようですが)は女性向けらしく、いかにもかわいいデザイン…と、各車何らかのポリシーがあったと思うのですが、正直この車はスタイリッシュともかわいいとも言えず、何を目指したデザインなのかわかりません。
 その上、日産ノートやホンダフィットを思わせるサイドビューなど、「どこかで見たような・・・」感が付きまといます。激戦のB・Cセグメントなのでどうしても他車との違いを打ち出すのが難しいと思いますが、後発なのですからもっとスタイリッシュなデザインにできなかったのでしょうか。


総評
 昨年ホンダフリードがデビューし、予想外のヒットとなりました。
 (フリードの試乗記はこちら
 フリードに実際に乗ってみると、2列目座席の使い勝手やスペースの大きさなどに、コンパクトなサイズでミニバンを成立させようとした無理は多少感じるものの、ボディサイズを考慮するとかなり広い室内、ウエッジの効いたスタイリッシュな外観など、新たな魅力を感じる車でした。
 環境意識の高まりやダウンサイジング志向もフリードのヒットの追い風になったのでしょうが、使い勝手の良さやスタイルは重要だなと再認識させられました。

 翻ってセッテですが、善意に解釈すればトヨタ的な中庸さがあり、CMで謳っているような車に興味のない主婦層には受け入れやすい車でしょう。
 しかしミニバンを求める層は、中庸な無個性さよりもちょっとアクがあってどぎついものを求める傾向があるように思います。ヴォクシー、ステップワゴン、セレナなどは売れ筋はいかついエアロ付きのグレードですし、この車のライバルであるフリードもとんがった釣り目の結構怖い顔です。
 また、軽自動車でもかわいい一辺倒の車より、ワル顔で黒や紫色のタントカスタムやワゴンRスティングレーが女性にも人気です。
 セッテはトヨタの販売力で当面はボチボチといった販売状況でしょうが、フリードのようなヒットにはならないでしょうね。
2008年11月29日 イイね!

iQ乗ってみました

iQ乗ってみました すでに話題沸騰中の本年度日本カー・オブ・ザ・イヤー(JCOTY)受賞車・トヨタiQに乗ってきました。試乗車のグレードは100G レザーパッケージ、ボディーカラーはブラックマイカです。
 本当は先週乗ってきていたのですが、この車には言いたい事がいっぱいあるので、ついついブログ書くのに時間が掛かってました(汗

 この車、各ネット掲示板等で賛否両論が渦巻いており、またまだ発売されていないにもかかわらずJCOTYを受賞したことについての批判の声もありますが、その辺りの話も総評にて...

○だった点
・個性的なパッケージング
 iQの最大の特徴はなんと言ってもこれでしょう。3m未満の全長でありながら大人3人+子供1人が乗れるという、他では見られないパッケージングです。
 ヴィッツやフィットなど、コンパクトカークラスには室内の広い車は他にいくらでもあるのですが、コンパクトカーは近所への買い物や通勤などで、乗車人員は大人一人(+子供)で使用することが多く、室内が広くてもそれをフルに活用する状況はあまりないでしょう。
 ヴィッツやフィットなどは確かに非常に良く出来た車ですが、経済性も走りも室内の広さも・・・と、あれもこれもと欲張っている印象ですが、iQは車の使用の実態に即して、思い切り無駄を省いて小人数乗車に特化した合理性を持っている点が素晴らしいと思います。
 
・小回りが利く!
 これもiQの大きな特徴ですが、3m未満の全長と2mのホールベースを生かして、非常に小回りが利きます。
 これだけショートノーズの車だとエンジンルームがいっぱいになり、ハンドルの切れ角が制限されるのでは?という危惧もあるのですが、iQはエンジン・トランスミッション・補機類をコンパクトにまとめてあるため、ハンドルの切れにも影響していません。
 フルロックまでハンドルを切ると、まるで後輪を軸にしてフロントが回っているような不思議な感覚を味わえて、非常に面白いです。

・よく煮詰められている乗り味
 これだけショートホイールベースな車だと、どうしてもピッチングが気になりそうですが、iQの乗り味はよく煮詰められており、少なくとも街中でゆすられる動きが出ることはありません。前を向いて走っている限り、こんなに短い車を運転しているとは思えない、落ち着いた乗り味です。

・室内空間の横方向のゆとり
 室内の横方向へのスペースにはかなり余裕があり、助手席に座った人と距離が近すぎるということはありませんし、ドライバーとドア内貼りとの空間もかなり余裕があります。
 横方向のスペースについては、小さい車にありがちなせせこましさと無縁です。

・軽量・コンパクトへの取り組みと演出
 外観がいかにも小さいiQですが、薄型のシートやグローブボックスの省略、シンプルなルームランプ、エンジンルーム内の補機類の小型化など、軽量・コンパクトさを感じさせる演出がなされていて、いかにも新しい感覚の車に乗っていると感じられて面白いです。
 室内空間はセンターコンソール後半部分を断ち落として右脚が楽に前に出せるスペースを作っていますし、助手席シートレールをミニバンのように床に埋め込んでいることによって、絶対的なスペース以上に広さ感があります。


もう少し頑張って欲しい点
・視界が悪くて車両感覚が掴みにくい
 運転席から前方を見ると、ボンネットが全く見えない上に、ピラーが太くて窓が小さく、さらにドアミラーが大きいので、視界が悪くて運転がしにくいです。小さな車だから運転しやすいと思っていると完全に裏切られます。

・閉鎖的な室内空間
 小さなボディサイズと衝突安全性や動的安全性を共存させるために仕方なかったのでしょうが、窓が小さくて、さらにこの種の車としては全高が低いので、室内空間が閉鎖的です。
 上述したように横方向には余裕があり、また前後方向のスペースについては、iQは割り切っているので欠点にはなりませんが、高さ方向のスペースは完全に不足しています。
 前席の頭上や側頭部のスペースににが少なく常に圧迫感がありますし、後席に至っては天井(というよりハッチゲート上部)に後頭部が当たります。後席は窓面積も小さいため、まるで穴倉の中にいるような閉塞感があります。絶対的なスペースは極端に狭いわけではないのに、広さ感がなくて損をしているように思います。

 もう10cm全高が高ければ開放感があったと思うのですが、恐らくトヨタの開発者には同様のコンセプトで登場したスマートが、転倒事故を起こしたことが頭にあり、対策として室内空間を犠牲にしても全高を抑えることにしたのでしょう。 
 
・シートリフターが欲しい
 この車、なぜかシートリフターの設定がありません。座席の着座位置は比較的高いので、シートリフターで調整できるようになっていれば上述の頭上空間の問題も解決できたのに、と思ってしまいます。
 着座位置を下げると、その分どうしても前後方向のスペースが食われてしまうので、それを嫌ってあえてシートリフターを設定しなかったのだと思いますが、どんな体格の人にも正しい運転姿勢を取らせることを優先してほしかったです。

・気持ち悪いエンジンフィール
 以前ヴィッツの試乗記でも書いたのですが、巡航中のエンジン回転数をギリギリまで抑えているため(40~60㎞/h巡航時でおよそ1100~1400rpm)、常にエンスト寸前のようなブルブルブルブルという振動を発します。
 燃費向上のためでしょうが、そこまで燃費を気にするなら、なぜマニュアルミッションを設定しないんでしょうか?MTなら燃費のために高いギアで低速を走ることも出来ますし、それが気持ち悪ければシフトダウンするという選択の余地がありますが、CVTは車に押し付けられたギア比で、気持ち悪いのを我慢して走るしかありません。
 本気でエコ云々を言うなら、例え販売台数が望めなくてもMTを設定し、ユーザーに選択の余地を与えるべきだと思うのですが・・・

・かっこよくも可愛くも先進的でもポップでもない内外装
 同一コンセプトの先輩・スマートの内外装デザインは合理性の中に遊び心があり、ポップでファンな車だなと思うのですが、iQは正直スマートの劣化コピーの域を出ていない印象です。
 この車そのものについても、スマートがなければ存在したかどうか疑問ですね。
 
・やや高い価格
 iQと同じ1リッター3気筒でもヴィッツやパッソなどとは明確にキャラクターを分けているということなのでしょうが、価格は140~160万円と割高です。
 トヨタとしては、ベーシックなコンパクトカーや軽とは違うんだという位置づけにしたいのだと思うのですが、日本では大きな車=値段が高い・小さな車=値段が安いというヒエラルキーが出来上がっているので、トヨタ最小のiQが車体サイズの大きいヴィッツやパッソよりも高いというのは、顧客の側からすると納得いかないものがあるでしょう。


総評 
 とかくトヨタが出してくる車は、保守的な従来からの典型的トヨタユーザー層に向けているか、綿密なマーケティングのもとに出してきているかという二極分化しているように思いますが、このiQはそのどちらにも当てはまらない、トヨタとしては相当冒険的・実験的な車だと思います。
 逆に言えば、ヴィッツなどよく出来たベーシックなコンパクトカーが売れているからこそ、iQのような冒険が出来たんだなあとも思います。

 ただ、現状のトヨタの中でのこの車の位置づけは、本気で売って次世代の主力にしていこうというより、「こんなのもありますよ」「環境を考えてますよ」というアドバルーンに過ぎないものでしょう。
 今後のためにこういった車の存在も必要ですが、今のところは存在自体にあまり必然性が感じられません。世界の大トヨタなんですから、もう少し本気で作って、自動車の未来に明るい展望を抱ける車にして欲しかったと思うのですが、今のiQにはそこまでの魅力が到底感じられないのは残念です。

 それから、一般発売されていないのに受賞したなど、何かと物議を醸したiQのJCOTY受賞ですが、JCOTYは「今年を代表する車」に与えられるという点から見ると、iQはまさしく今年を代表する車、すなわち環境や安全に対して配慮し、かつ必要十分なコンパクトサイズにまとめたという、まさしく今年らしい車だと思います。

 余計な話ですが、ネットの掲示板やブログ等で「GT-Rが受賞車にふさわしいんじゃないのか?」という意見も見られますが、巨大なボディサイズに大パワーのエンジンで、ニュルのラップタイムが云々、ポルシェに対して云々というGT-Rのような車が、これから社会的に広く受け入れられるとは到底思えません。我々のような車好きの目で見るとGT-Rは魅力的ですが、社会的なGT-Rの立場はあくまで傍流、カルトカーに過ぎないと思います。

 そういった意義深い車であるiQだけに、トヨタが(おそらく)JCOTYを受賞したいがために発売日よりも発表日を大幅に早めて、今年のJCOTYの選考対象期間に間に合わせた、いわばゴリ押しをしたことは、極めて納得がいかないことです。トヨタは車と環境の共生を考えてこの車を発売したのでなく、単に評論家に受けの良さそうな車でJCOTYを受賞して販売につなげよう、企業イメージを向上させようという考えなのでしょう。
 
 JCOTYでの賞取り合戦に対する問題は別にトヨタだけでなく、ホンダや一昔前の三菱にもありましたが、正直こんなものを取ったこととユーザーがその車を評価するかどうかなんて、全く別問題です。一般ユーザーで賞を取った車かどうかなんて気にしている人はほとんどいないでしょう。

 にもかかわらず、ユーザー不在で毎年茶番劇を繰り広げる各自動車メーカーとJCOTY選考委員会は、ずいぶん世間一般の感覚からずれてるんだなあという印象を持ちます。
 結局彼らの仲間意識・身内意識の方が「ユーザーのために」という思いを上回っているんでしょうね。

 それから、最近トヨタはネットでの評判を気にしているようで、発売前のiQの一般ユーザー向け事前試乗会参加者選考の際、ブログをやっているかどうかをチェックして、ネットでの口コミで評価を拡げようとしていたみたいですが、そんな小賢しいことやる前に、車そのものの出来で勝負してほしいものです。

 とかくトヨタというメーカーは、派遣労働者の雇用問題やリコール隠し、他社の車を臆面もなくパクって後出ししてくるなど、その社会的影響力に比例した尊敬される企業であるかどうか疑問符がつくのですが、今回のiQを見てもその思いが払拭されることはありませんでした。
 今回のJCOTYにしても、iQの受賞には必死になるくせに、10ベストカーにも入らなかったアルファード/ヴェルファイアのような環境負荷の高い大型ミニバンを毎月1万台以上販売するなど、ダブルスタンダードが目に付きます。
 トヨタが単に金儲けのうまい企業としてだけでなく、自動車メーカーとして本当に尊敬される企業になる日はいつ来るんでしょうか・・・
2008年05月27日 イイね!

新型アルファード2.4乗ってみました

新型アルファード2.4乗ってみました 先日試乗したヴェルファイア3.5Vに続き、新型アルファードに乗ってきました。
 
 試乗車はヴェルファイアの3.5Lと動力性能を比較するための2.4Lの標準的なグレード・240G(2WD)、ボディカラーはホワイトパールクリスタルシャインです。(写真はカタログを撮影しました。)

 アルファードとヴェルファイアは基本的に同一の車であるため、私が感じた長所短所は5月16日のブログに記載したヴェルファイア3.5Vと動力性能以外ほぼ同一です。今回のブログは「重量がかなり重いこの車でも2.4Lエンジンで満足に走るのか?」という視点から記していきたいと思います。
(全体的な印象は5月16日のブログをご覧下さい。)


○だった点
・意外にまともな動力性能
 先代アルファードの売れ筋は2.4Lでしたが、重い車重に対してアンダーパワーであることが常に指摘されてきました。
 新型は先代比で100kg以上重量が増え、エンジンパワーは11PSアップしています。この重量増でパワーアップ分が相殺され、緩慢な動力性能であることは変わらないのかと危惧しましたが、実際乗ってみると、意外と普通に走るなという印象です。
 街中を流れに乗って普通に走る程度なら全く不満はありませんし、試乗コースに5~7%の上り勾配が連続する区間があったのですが、そこでも速度がどんどん落ちて流れに乗れないということはありません。さすがこの点はエンジンの効率の良い部分を引き出すCVTのメリットが最大限に発揮されているなという印象です。

・CVTらしいシフトショックの少なさ
 ヴェルファイア3.5Lに乗った際、6速オートマチックにもかかわらずシフトショックが多少伝わってきたのですが、2.4LはCVTらしくショックがほとんど感じられないスムーズな加速です。


いまひとつだった点
・安っぽい車内騒音
 ○だった点に、動力性能はまずまずと書いたのですが、その代わりエンジン・トランスミッションはかなり頑張ってます!という感じで、上り勾配などでエンジン音がかなり室内に伝わってきて高級感を削ぎます。またその音も、高級感のある音やいかにもエンジンが気持ちよく回っていそうな心地いい音ではなく、いかにもトヨタの大衆車用4気筒エンジンといった印象の安っぽい音です。
 この音に納得できない方や、スピードを出すことや山岳路・高速に乗る機会が多い方には2.4Lはお勧めできないように思います。

・軽量化に真面目に取り組んでいるのか?
 旧型アルファードの2.4Lの2WD車の車重は1,780~1,790㎏程度でしたが、新型は1,850~1,900㎏と大人一人分重くなっています。車体剛性・強度や安全性の向上のために重量が増した点もあるのでしょうが、どうも贅沢装備のために重量が増えている割合が大きい気がします。
 環境問題・エネルギー問題が大きくクローズアップされ、ただでさえアルファードのような必要以上に大きなサイズのミニバンの存在に疑問符が付く中、オットマンだのキャプテンシートだの贅沢装備のために重量が増加しているというのは、いかがなものでしょうか。

・3.5Lの動力性能は、もっと頑張ってもよかったのでは?
 これは2.4Lの欠点というわけではないのですが、上記のように2.4Lでも必要十分な動力性能を持っているのですが、じゃあ3.5Lの緩慢さは何なのか?という疑問が沸いてきます。エンジン出力で110PS、車重60㎏の差があるようには到底思えません。動力性能にこの程度の差しかないのであれば、2.4Lで十分でしょう。


総評
 全体的な印象としては、先日のヴェルファイア同様、良い意味でも悪い意味でもよくできた典型的トヨタ車だなあという印象です。
 3.5Lはかなり重い重量のせいで排気量の割にはおっとりしていましたが、2.4LはCVTの変速タイミングとよりアンダーパワーなエンジンのせいか、3.5Lに輪をかけておっとりした車です。
 まあ、この種の背の高い大型ミニバンがあまりドライバーを駆り立てるような性格だと非常に危険ですから、これがこの車のキャラクターにはぴったりでしょう。
 
 もし私がこの車を購入するとすれば、動力性能的には2.4Lで十分、エアロや18インチホイールで見た目がかっこいいということで、240S(ヴェルファイアだと2.4Z)の2WDという選択でしょうね。
2008年05月16日 イイね!

緊急試乗!乗ってみましたヴェルファイア

緊急試乗!乗ってみましたヴェルファイア 今週12日にデビューしたヴェルファイアに早速乗ってきました。
 試乗車は3.5Lの中でも標準的なグレードの3.5V(2WD)、ボディカラーはホワイトパールクリスタルシャインです。(写真のフロント・サイド・リヤアンダースポイラーはディーラーオプション)

 最初にお断りしておきますが、今回のブログは率直に申し上げてあまりこの車に対して好意的には書いておりません。ですから、新型アルファードを含め既に購入を決めた方や前向きに検討されている方にはちょっと申し訳ないのですが、購入を迷っている方の参考になればと思い、私の感じたままに書いていきます。客観的に見て明らかに私の認識が間違っている場合には、コメントやメッセージをいただけると幸いです。


 ヒット作となった先代アルファードが、高価格にもかかわらず若年層にも人気があったため、若年層をターゲットとしてアルファードを分離独立してできたのがこの車ということのようです。
 CMのイメージではアルファードよりもかなり若向けの印象ですが、実車を見ると、あくまでも保守本流のアルファードに多少アグレッシブな味つけをした車であると感じます。
 CMでは「THE POWER LUXURY」「その高級車は、強い」と高級をアピールしていますが、実車に触れてみると「高級」をアピールするにはちょっと違和感がある車です。
 確かに大型で高価格な車ではありますが、内装の造りや動力性能、細部の詰めなど高級車を名乗るにはやや厳しいように思います。
 以下詳細な印象を述べていきます。


○だった点
・サイズを感じさせない取り回しのよさ
 全長4,850㎜×全幅1,830㎜という大柄なボディですが、街中では車の直前の感覚がややつかみづらいものの、全体的な取り回しには不安を感じることがありません。カタログ数値での最小回転半径は5.7mですが、それを感じさせないぐらい小回りもききます。
 試乗車はバックモニターは装備されていなかったのですが、直線的なスタイルで見切りがよく、またサイドミラーが見やすいので車両感覚が掴みやすく、車の直後の死角にさえ注意すれば駐車スペースにきちんと収めるのに苦労しません。

・室内空間のアレンジが多彩
 セカンド・サードシートとも前後スライド量が大きく、足元空間を優先したり、荷室を大きくしたりと、大型ミニバンならではの室内空間のアレンジが多彩です。
 またノア/ヴォクシーから採用された、サードシートが軽い力で跳ね上げる機構も備わっており、使い勝手の向上にも配慮されていると感じました。


いまひとつだった点
・やや不十分に感じる動力性能
 街中での試乗であまり飛ばさず、前が空いたところで少し踏んでみた程度だったのですが、約2トンの車重を感じさせられる、やや緩慢な走りです。率直に言って「これ本当に280PSもあるの?」と思ってしまいました。3.5Lでこの走りだと、2.4Lはパワーアップしたとはいえ、ちょっと厳しいかな?

・シフトショックを感じるオートマチック
 6速オートマチックということに非常に驚いたのですが、残念ながらややシフトショックを感じることがあります。もうちょっと洗練させてほしいものです。

・もうちょっと頑張ってほしい内装の質感
 トヨタの車らしく、ぱっと目についたところはいかにも高級感があり、多くの人が「ああ、いい車だな」と感じられるように作られています。
 しかしよく見ると前席中央にある物入れのフタがちょっとチャチなプラスチックだったり、シフトレバー下足元の物入れがガタついていたりと、高級を謳う車としては厳しい部分が散見されます。「高級」を名乗るなら、もう少しコストをかけても上質な仕上げを期待したいところです。

・威圧感のあるデザイン
 デザインについては個人の主観なのでとやかく言いたくないのですが、この車のデザイン、特にフロントは威圧感があり、まるで周囲を威嚇しているようです。
 環境問題や原油高など車に対する風当たりが強い中、もう少し環境に優しく周囲と調和するようなデザインのほうがいいのでは?

・詰めが甘い装備
 一例を挙げると、
 ○セカンドシートウォークインにメモリーがないのは不便。(試乗車は8人乗り)
 ○HIDライトはロービームのみでハイビームはHIDではない。
 ○両側パワースライドドアが全車標準ではない。
 ○パワーバックドア・バックドアイージークローザーがオプションでも選べないグレードが多い。
 …など、「これは欲しいな」と思うものがオプションでも選べないのはつらいですね。
 特にパワーバックドア・バックドアイージークローザーがないことにより、力を入れてバックドアを閉めなければならず、ドアを閉めた時に「バチャーン!」という安っぽい音がして興ざめです。それに、全高が高いため男の私でも閉めるのに結構力が必要です。女性ではかなりしんどいのではないでしょうか。
 また、ハイビームのHIDなどは110万円のスズキスイフトでも選べるのですから、ヴェルファイアの価格帯の車には標準装備されていてもおかしくないのでは?

・オプション前提の価格
 ベースグレードの2.4X(2WD)300万円~と結構お買い得に感じますが、この車はオーディオレス(当然ナビもない)なので、ナビをつけると結構高くなってきます。
 驚いたのがメーカーオプションのHDDナビ&プレミアムサウンドシステムの価格で、なんと694,050円!!(そのワンランク下のHDDナビ&パノラミックスーパーライブサウンドシステムでも525,000円!!)
 ちなみにプリクラッシュセーフティ&レーダークルーズ&レーンキーピングアシストは328,650円!
 最高グレードの3.5V Lエディション4WDにこれらを装備すると、なんと570万円を超えます!!
 ヴェルファイアって富裕層向けの車なんですね・・・

・高いフロア高
 最近のミニバンはノア/ヴォクシー、ステップワゴンなど、フロアの低い車が多かったせいか、ヴェルファイアのフロア高はやや高く感じます。先代アルファードよりフロア高は下がっているということですが、もう少し下げる余地はなかったのでしょうか。

総評
 と、いろいろ書いてきましたが、この車、恐らく先代アルファード同様よく売れるでしょう。トヨタの車らしく、先代のネガティブな部分をつぶし、細かい改善が随所に見られます。
 試乗車ができ次第アルファードにも乗ってみるつもりですが、こちらはぜひ2.4Lに乗って、今回のヴェルファイア3.5Lの印象と比較してみたいと思います。
2008年01月23日 イイね!

プリウス乗ってきました。

プリウス乗ってきました。 プリウス乗ってきました。
はっきり言って今回の買い替えの大本命です!!

 試乗車はSグレード、ボディカラーはホワイトパールクリスタルシャインです。

 2003年の現行モデル発売から5年近く経ち、そろそろ次期型の噂も聞かれるプリウスですが、環境問題への意識の高まりに加え、昨今のガソリン高も追い風となり販売は好調なようです。
 この車はハイテクの塊で、スピードとパワーを重視する従来の自動車とは対極にあり、運転を楽しむこととは関係ないように思われがちですが、この車なりの運転の楽しみ方があり、それを極めていく奥深さがあります。
 この車の楽しみ方は、いかに燃費の良い効率的な運転ができるかというところにあると思いますが、例えば、「滑空」と呼ばれる走行テクニック(巡航中にアクセルをごく僅かに踏んで、エンジンもモーターも回生ブレーキも使わずに走行する)を使ったり、エアコンを入れっぱなしにしないなどという方法により燃費を向上させることができます。
 そういった運転技術が必要になってくるということは機械として洗練されていないといえるかもしれませんが、これだけのハイテク車であるがゆえに、逆にドライバーの技術や気遣いの介在する余地があることがとても面白いと思います。
 
 今後の自動車はますます昔ながらの運転の楽しみがなくなる方向へ向かうのかもしれません。もしかしたらプリウスはその先駆けとなっている車なのかもしれませんが、ドライバーの技量を要しない車が、車として面白いとも魅力的とも私は思いません。今後の自動車がドライバーにとって楽しいものであり続けるのを願いますが、そんな中でプリウスという車は、車の楽しみ方に新たな提案をしているように思います。



○だった点
・なんといっても低燃費
 プリウスの利点といえばなんといっても低燃費です。試乗中は街中・高速・流れの速いバイパスを1/3ずつで、かなり強い横風が吹いていましたが、モニター表示値で23㎞/Lを記録しました。(エアコンオフ、2名乗車、高低差ほぼなし、高速では100㎞維持)普段それほど燃費を意識した走行をしない私でもいきなりこの数値が出せるということですが、乗り手を選ばず誰でも低燃費を出せるということは量産乗用車として非常に重要なことだと思います。
 
・新しい運転の楽しみ方がある
 エネルギーの回収状況や積算燃費をモニターに表示させ、それを確認しながら走行すれば、自然と燃費を意識した運転となります。棒グラフで表示されるエネルギーの回収状況を見て効率のいい運転ができているかどうかチェックしたり、エンジン走行、モーター走行、回生発電などをエネルギーモニターで見ることができるのは、トヨタのハイブリッド車にしかない新しい運転の楽しみ方だなあと思います。
 (先日のブログでこれからの方向性を書いたとき、ハイブリッド車は運転が楽しくないと書きましたが、考え方を完全に切り替えると楽しめるでしょう。)
 
・操縦安定性の向上
 初代プリウスはハイブリッド量産車としては実験的な車であったがゆえに、低燃費スペシャルの傾向があり、操縦安定性が犠牲にされていたように思います。首都高のような流れが速くコーナーのRのきつい道を走るとグラリとロールし、また細い低燃費タイヤゆえグリップが不足していてかなり怖い思いをしたことがあるのですが、現行型は操縦安定性が劇的に改善されており、普通の車として走ることができます。コーナーでは緩やかにロールし絶対的な重量を多少感じるのですが、不安を感じるほどではありません。



いまひとつだった点というか不安な点
・エレクトロマルチビジョン(EMV)がマルチインフォーメーションとしてエアコン、ナビ、車両情報のモニターを兼ねているため、故障(内部の機構的なものでなく単にディスプレイが消える程度の故障)ですべての機器の操作ができなくなりそうで不安。

・エアコン、オーディオのディスプレイは別に独立させ、エレクトロマルチビジョンが装着されていない仕様も選べるようにしてほしい。その場合、燃費モニターのみメーター内に表示してほしい。

・走行用バッテリーが長期間の使用で劣化し、燃費低下の恐れがあるというのは本当?

・バッテリーを含めた廃車時の廃棄物の処理方法は確立されているのか?

・車両本体の高価格のもとを取るのは難しい。

・シートの形状がいまひとつで、背中~肩にかけて少しシートバックから浮いたような感じでサポート性がよくないし長時間乗っていると疲れそう。もう少し全身をサポートする形状にしてほしい。

・今年中にモデルチェンジ?
 実はプリウスを購入するに当たっての最大の不安がこれです!
 次期型は燃費が40㎞/Lを達成するとも言われ、現行型からますます進化することが予想されます。現行型でも十分満足な燃費ですが、やっぱり新型が気になる!


 この車の欠点としてよく言われる停止寸前のカックンブレーキですが、できるだけ滑らかに停止するよう心がけることもこの車を楽しむことの一つであるように思います。
 内装が安っぽいといわれる点については、確かに総額約300万円の車としては厳しいかもしれませんが、他の部分にかかっているコストを考えると、私は納得できるものだと思います。



総評
 以前から気になっていたプリウスですが、やっぱり素晴らしい車です。この機会にぜひ手に入れたいところですが…
問題はモデルチェンジの時期!!
せっかく購入したのにあっという間に旧型になってしまったら悲しい…
新型デビューはこの秋とも来年とも言われていますが、それまでは待てない。
かなり悩むところです…

欲しい度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
楽しい度:☆★★★★★★★★★(考え方を変えるなら☆☆☆☆☆☆☆☆☆★)
買える度:☆☆☆☆☆☆★★★★
維持費 :☆☆☆☆☆☆☆☆☆★ 

プロフィール

所持運転免許 ・大型自動車第一種 ・中型自動車第一種(8t限定) ・中型自動車第二種(8t限定) ・大型特殊自動車第一種 ・大型特殊自動車第二種 ・...

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