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まさだのブログ一覧

2008年12月10日 イイね!

フェアレディZ乗ってきました

フェアレディZ乗ってきました 新型フェアレディZに乗ってきました。
 
 グレードはバージョンST、トランスミッションは7M-ATx、ボディカラーはプレミアムアルティメイトイエローです。

 最初にお断りしておきますが、一般道での試乗で最高出力336PSのこの車のポテンシャルを発揮させることはできませんので、あくまでも日常的な使用+α程度の走り方をした印象とお考え下さい。
 こういった車をフルに楽しむためには、やはりサーキットで安全に楽しく走るべきでしょう。

(フォトギャラリーに写真があります。↓がリンクです。)
フェアレディZに乗ってきました その1
フェアレディZに乗ってきました その2
フェアレディZに乗ってきました その3

ついでにZと言えば・・・


○だった点
・車体剛性感の向上
 以前先代Z33を試乗したのとほぼ同じコースを走ってみることができましたが、下り坂のややタイトな右ターンで、クリッピングポイント付近に大きなギャップを超えるというかなり厳しい状況でも、全輪がきちんと接地している印象です。固いハーシュネスはあるのですが、それが一発で収まり、またサスペンションがきちんとストロークしています。
 Z33で同じコーナーを走った際には、ボディ全体がワナワナする感じが少し伝わってきて、ギャップで外へ飛ばされるような印象を受けましたが、新型はボディが足を活かしきっているようです。
 Zは代々大きなハッチバックを持つデザインのため、車体剛性にはかなり厳しいはずですが、新型はこの点に全く不満はありません。

・車体のコンパクト化
 最近モデルチェンジされる車はほぼ例外なくボディサイズが拡大していく中、Zは運動性能の向上をねらって全長を60㎜、ホイールベースを100㎜短縮しました。
 同じ日産のGT-Rが重量級スーパースポーツ路線を突き進む中、Zは初代S30を思わせるような軽快さを演出しているところが、スポーツカーらしくて好感が持てますね。

・スポーツカーらしさの演出
 ロングノーズ・ショートデッキのウエッジシェイプのスタイル、囲まれ感のある2シーターの室内、エンジンを始動した時の「ヴォン!!!」という音、パワフルだけど少しラフなエンジンフィールと、この車は見ても乗っても紛れもなくスポーツカーです。
 静かで広くて速い車は今いくらでもありますが、スポーツカーにはやはりスポーツカーであることを感じさせる演出は重要です。
 
・高性能と燃費の両立
 排気量を約200㏄拡大してエンジン出力を大幅に向上させた新型ですが、燃費はZ33型から向上しているようです。スポーツカーといえども、環境性能・経済性を無視できない昨今、燃費の向上はこの種の車が今後も生き残っていく上で極めて重要です。

・ATの7速化
 レクサス・トヨタ各車が6~8速ATを採用する中、日産は最上級のフーガでさえ5速ATで、ATの多段化では水を開けられていましたが、ここに来てスカイラインの一部改良と同時にZも7速ATを採用し、やっと遅れを取り戻した感があります。
 Zは代々AT比率が高いので、ATの7速化は北米のユーザーを中心に歓迎されるでしょう。

・ブレーキの効きの良さ
 交通状況がよいのを見計らって、80km/h程度からABSが作動する寸前のブレーキを踏んでみましたが、4輪で地面を捉えるような安定した姿勢で、内臓が前に寄り、目ん玉が目からポロッと落ちそうになるぐらい(笑)強烈な減速Gで停止します。

・ラゲッジルームが使いやすくなった
 先代Z33にはラゲッジルームに大きな があり、荷室の使い勝手を悪くしていましたが、新型はシートバックにバー状の物があるものの小型化しており、先代よりも使い勝手が向上しています。


もう少し頑張ってほしい点
・斜め後方視界の悪さ
 Z34で最も気になるのがこの点です。Cピラーやハッチゲートのフレームが太く、クオーターウインドゥが小さくなった影響で、斜め後方の視界が極端に悪いです。助手席背もたれの角度によっては、左後方がほとんど見えません。車線変更や駐車場などからのバックでの出庫の際には相当気を遣わされそうです。

・ダッシュボードのデザインが煩雑
 先代Z33は計器類、ナビ、オーディオ、エアコン各操作部が明確にわかり、操作がしやすかったのですが、新型はスイッチ類が多く非常に煩雑です。他の日産車と共通イメージを狙っているのでしょうが、スポーツモデルはシンプルなほど良いと思います。
 質感そのものは先代よりも向上しています。

・スピードメーターのスケールが180㎞/h
 欠点といえるかどうかわかりませんが、スピードメーターのフルスケールは180㎞/hとロマンのない数値です。(笑)
 高級車・ハイパフォーマンスカーはもとより、スイフトスポーツですら220㎞/hスケールですから、もっとハッタリをかまして欲しいところです。(笑)

・400万円クラスの車としては装備が微妙にショボい
 バージョンST・Tのパワーシートがフルパワーじゃない(座面の高さ調整が手動)、ボンネットを支えるのがダンパーではなくロッドなど、この価格の車としては装備が微妙にセコいというかショボいのが気になります。
 数万円価格アップしてもこれらを装備するか、軽量化を狙って豪華装備を徹底的に省略してしまうか、どちらかのほうがいいのではないでしょうか。

・デュアルクラッチ式トランスミッションがあってもよかったのでは?
 ATが先日一部改良されたスカイラインと同様7速となりました。トヨタに比べ多段化で遅れを取っていた日産が盛り返してきましたが、スポーツモデルの自動変速機の最近の世界的トレンドはトルコンATではなく、ポルシェのPDK、BMWのM-DCTなどに代表されるデュアルクラッチ式トランスミッションです。トルコンATが悪いわけではありませんが、最新型スポーツモデルとしてはデュアルクラッチ式トランスミッションのほうが適切ではなかったでしょうか。


総評
 2000年に日産の経営不振によりZが生産中止となり、30年以上続いてきたZの歴史が途絶えてしまったのは残念でしたし、2002年にカルロス・ゴーン体制の下、Zが復活したのは本当にうれしかったです。
 Z32時代は極僅かなマイナーチェンジはありましたが、動力性能には基本的には大きな変化がなく、11年のモデルライフを実質的に店晒しのままで終えてしまいました。
 ところがZ33になってから毎年のようなこまめな部分改良で商品力を保ち、約6年というZとしては短いモデルライフで新型にバトンタッチしたことは、ゴーン体制になって以降の日産が、この車のブランド価値を向上させていこうという意思を感じます。

 近年は環境問題やエネルギー問題、衝突安全対策など、スポーツカーにとっては逆風が吹き荒れ、また車が昔のような憧れの存在ではなくて、あって当たり前になり、若い人たちがスポーツカーに憧れるのではなく、bBやタントみたいな車に乗って満足している時代です。

 それなら、Zのようなスポーツカーにはもう存在価値はないのかと言えば、むしろ逆です。
 自動車の魅力は単にA地点からB地点への移動手段としてだけでなく、移動の時間そのものや人馬一体になるドライビングの楽しみ、美しいスタイルの車を所有し眺めて楽しむ、写真を撮って楽しむ…などということも挙げられます。今売れているコンパクトカー、軽、ミニバンに果たしてそういった楽しみはあるのでしょうか?
(全くないとは言いませんが、スポーツカーに比べれば、圧倒的に魅力度は低いと言わざるを得ないのでは?)
 
 例えが適切かどうかわかりませんが、ペットボトルのお茶がどんなに出回ろうとも茶道(茶の湯)がなくなることはありません。ペットボトルのお茶は安価にどこでも手に入り、多くの人ののどの渇きを潤すものであり、茶道はその様式や所作、お道具や軸、菓子などを総合的な美として楽しむものです。
 実用的な車がペットボトルのお茶とすれば、スポーツカーは茶道。お茶といってもそれぞれ全く別の存在であるように、車といってもスポーツカーと実用車は全く別のもので、比較することに意味がありません。
 車好きではない人で、「スポーツカーは狭くて人がたくさん乗れないし、乗り心地も燃費も悪いしからいらない!」というようなことをおっしゃる方がおられますが、「茶道は堅苦しくて、お茶が飲めるまでに時間が掛かるから、ペットボトルのお茶の方が優れている」と言っているのと同じであることに気づいていただきたいものです。(爆)

 スポーツカーは市場規模が縮小していったり、内燃機関を用いなくなるなどその形態を多少変えていくとしても、今後も生き続けるべき存在であり、それゆえにスタイルの美しさや動力性能、ブランド性を更に磨き続けるべきでしょう。
 
 歴代フェアレディZはL、VG、VQなど大きくて重く、エンジンフィールもいいとは言えない実用車のエンジンを流用し、ボディサイズも(Z33、Z34はやや小型化したとはいえ)スポーツカーとしてはかなり大柄で、この車がリアルスポーツカーと呼べるかどうかは議論があるところです。
 また、大昔は日本製本格的スポーツカーはほぼZしかありませんでしたが、現在はZよりも速い日本車はいくらでもありますし、輸入車が身近になったことで、いわゆるステイタスシンボルとしてやブランド性を求めるなら、今やZよりも輸入車の方が優れているでしょう。

 しかし、幼心に西部警察の大門団長が駆るスーパーZに憧れ、Z31のV6ターボ230PSに驚愕し、バブル絶頂期に280PS・3リッターツインターボと豪快なスタイル、豪華な装備で登場したZ32・・・
と、日本車で最もかっこよく、最もハイパワーで、最も速い車は私にとってはZなのです。Zは常に特別中の特別の存在です。

 Z最大の試乗である北米の景気後退で、今後もZにとって厳しい状況が予想されますが、日本製スポーツカーではトップクラスの伝統とブランド性を持つZが、今後も世界中で末永く愛され続け、世界中の車好きにとっての特別の存在であり続けることを願ってやみません。
Posted at 2008/12/10 22:15:33 | コメント(8) | トラックバック(0) | 新車試乗記 日産編 | 日記
2008年11月30日 イイね!

キューブに乗ってみました

キューブに乗ってみました 新型キューブに乗ってきました。
 試乗車は15X Vセレクション、ボディカラーはオーガニックオリーブです。

○だった点
・広い室内
 先代から定評のあった室内の広さですが、新型はさらに広くなっている印象です。ボディ全長が16cmも大きくなっている割には室内の広さに反映していないのが残念ですが、それでも高さ、幅、前後方向ともこのクラスの車としては最大級です。
 特に、直立に近いフロント・リヤ・サイドウインドウのおかげで肩周りや側頭部の余裕はコンパクトカーとは思えないほどです。

・しっかりした作りのシート
 先代から引き継がれたソファー風のシートですが、新型は厚みやサイズを増し、また縫製にもこだわっているそうで、ふんわりと心地いいシートです。

・エンジン音の静かさ
 遮音対策に力が入っているのか、走行中・アイドリング中問わずエンジン音が非常に静かです。特に停止中はよほど静かな環境でないと、タコメーターを見ないとエンジンがかかっているのがわからないほどです。 

・ボディサイズを5ナンバー枠内に収めたこと
 最近はコンパクトカークラスの車でも車幅を1.7m以上として3ナンバーになる車がありますが、やはりコンパクトカークラスの車にはある一定の節度が必要でしょう。
 3ナンバーのコンパクトクラスの車は、室内空間を広げるためというお題目でボディサイズを拡大させていますが、1.7m未満の全幅で広い室内空間を実現しているキューブを見習って欲しいものです。


もう少し頑張って欲しい点
・荷室へのアクセス性が今ひとつ
 新型キューブのデザイン上の特徴の一つであるリヤバンパーの張り出しですが、これによって荷室へのアクセス性が旧型より悪化しています。
 その上開口面積が小さくてドアシルが高く、開口部の地上高も高いなど、荷室の使い勝手が悪いです。荷室容量自体はそれほど小さくないので、使い勝手の悪さは残念です。

・Bピラーが太くての死角が大きい
 これは先代でも気になった点ですが、デザイン的な部分から、ドアのサッシュも含めたBピラー部分が非常に太く、左右斜め後ろの視界が妨げられています。ここは車線変更などで直接目し確認しなければいけない部分ですから、もう少しピラーが細くて見やすいほうがいいですね。

・ドアミラーが小さい
 ボディが四角く大柄だからミラー本体が小さく見えるのかなと思ったのですが、実際にミラー本体は小さく、後方確認がしにくいです。もっとミラーが大きくてもデザイン的なバランスは崩れないと思うのですが・・・

・コラムシフトはちょっと古い?
 最近はコンパクト・軽クラスの車はインパネシフトのものが多いですが、新型キューブは昔ながらのコラムシフトです。レバーの位置はよく考えられていて、ナビやエアコンの操作の邪魔にはならないのですが、ガッシャンガッシャンした操作感はいかにも古いです。インパネのスペースには余裕があるので、インパネシフトの方がよかったのではないでしょうか。

・ややデザイン過剰?
 内外装各部が非常に凝ったデザインの新型キューブですが、凝り過ぎてちょっとうるさい感じも否めません。先代キューブで好評だったデザイン性を進化させたということなのでしょうが、先代のデザイン性と合理性の絶妙なバランスから、新型は少しやり過ぎてしまったのは残念です。

・強いて言えば、もう少しリヤシート足元が広くても・・・ 
 先代から16センチも全長が伸びたにもかかわらず、それが後席足元空間にはあまり反映されていません。スペースが不足しているわけではないのですが、もう少し広くてもよかったかなと思います。

・ロードノイズが少し気になる
 ○だった点にエンジン音が静かと書いたのですが、エンジン音が静かな分、ロードノイズはやや気になります。タイヤの銘柄そのものにもよるのでしょうが、試乗車は175/65R15サイズのタイヤで、極端に太いというわけでもないはずですから、もう少しロードノイズは抑えていればよかったかなと思います。

・少し値段が高い
 旧型の同等グレードと比較して、およそ20万円程度の価格アップになっているようです。さらに、最上級グレードは200万円近い本体価格で、正直驚きました。旧型ではオプションだった装備が標準になっていたり、マーチ、ノートなどと位置づけの違いを明確にしたいという考えなのでしょうが、コンパクトカーとしては高い価格になってしまったように思います。


総評 
 旧型から好評だったデザインを進化させたキューブですが、内容は正常進化というか、旧型のネガティブな部分をつぶして出来た車という印象です。
 旧型の弱点として言われたシャシー性能の低さですが、今回の試乗ではチェックできませんでした。しかし、今回から欧州・北米への投入が計画され、高い速度域で高負荷のかかる条件で使用されることも想定されることから、シャシー性能にも余裕を持たせているのでしょう。
 外観デザインにややデザイン過剰かなという印象も持ちますが、このデザインが気に入れば十分に買いの一台だと思います。
Posted at 2008/11/30 18:49:09 | コメント(5) | トラックバック(0) | 新車試乗記 日産編 | 日記
2008年10月05日 イイね!

ムラーノ乗ってきました

ムラーノ乗ってきました 新型ムラーノに乗ってきました。
 試乗車は最もベーシックなグレード・250XL FOUR、ボディカラーはグレイッシュブロンズで、メーカーオプションのカーウイングスナビなどが付いている仕様です。




○だった点
・車内の静粛性が高い
 エンジン音、ロードノイズともよく遮音されており、車内の静粛性は高いです。強い加速の際には大排気量4気筒エンジン特有のややガサガサした音が聞こえてきますが、巡航時には非常に静かです。ロードノイズについては試乗時が雨天でしたが、ホイールハウス内の水音、屋根やフロントガラスに当たる雨粒の音などがよく遮断されており、上級SUVとしては十分納得できるものです。

・車体の大きさを感じさせない取り回し性
 全長約4.8m×全幅約1.9mという巨大なボディサイズですが、視点が高く、またサイドウインドゥ下端が低いことなどから視界が良好で、街中の走行や駐車場で大きさを感じることはあまりありません。外から見たときの巨大な印象に比べると圧倒的に取り回しがいいです。

・フラットな後席フロア
 後席のフロアトンネルの盛り上がりがほとんどなく、足元スペースがほぼフラットで非常に広いです。また後席左右席の横幅や足元空間にも余裕があるうえ、着座位置が高くて前方の見晴らしがいいため、後席はかなり快適そうです。

・後席シートベルトの高さ調節機構
 後席シートベルトのアンカー部に前席同様の高さ調節機構が装備されていて感心しました。日本車では装備されているのは初めて見ました。今年6月から後部座席シートベルト装着が義務化されていますが、シートベルトを快適に装着できるよう調整ができるようにすると、義務だから云々ではなく自分自身の安全のために装着しようと考える人が増えると思うので、地味な点ですがこのような改良は大歓迎です。

・排気量やグレード間の格差の少なさ
 試乗車は最下級グレードの250XL FOURだったのですが、このグレードと最上級の350XV FOURとの間で外観の見た目の差は、ルーフレール・サンルーフの有無とアルミホイールがポリッシュ調になるかどうか(ホイール径は同じ)などです。(内装についてはXVが本皮パワーシート、XLは布張りの手動シート)
 価格差が約90万円あるのですが、経済性などの理由から2.5Lを選んでも3.5Lに引け目を感じることはあまりなさそうです。


もう少し頑張ってほしい点
・荷室フロア高が高い
 FFベースの車としては荷室のフロア高が高く、女性や小柄な方は荷物の出し入れがちょっと大変かもしれません。(最初スペアタイヤがフルサイズだからかと思ったのですが、スペアはテンパーでした。)フロアボードにネットが仕込んであり、ラゲッジルームを分割できるという凝った機構が備わっているのですが、正直有効性に疑問があるので、この機構にこだわらず、フロアを下げてくれた方がありがたいです。

・ナビがなくてもモニターが付く
ムラーノに限らず最近の日産車に多いのですが、ナビ機能がなくても、車両情報の表示やエアコン・オーディオの操作パネルとして液晶モニターが備わります。これによって社外品のナビの装着がかなり難しくなります。
 私個人は田舎在住で、渋滞も決まった所・決まった時間でしか発生しないため、カーウイングスのような高性能・高価格なテレマティクスナビは必要なく、遠出した際に地図代わりになる簡易なPNDで十分です。
 このモニターはなくしてユーザーの選択肢を広げていただきたいと思うのですが・・・
 
・2WDの設定があってもよかったのでは?
 ここ最近RAV4やアウトランダーのように2WD仕様が追加されるSUVが多いのですが、新型ムラーノはなぜか先代にあったFFをなくし、4WDのみのラインナップになっています。四輪駆動の性能は必要なく、ファッションとしてSUVに乗りたいという人も多いと思うのですが、2WDの設定はあってもいいのではないでしょうか。

・足回りのバタつき
 車重や車体の大きさを考えると標準的ではあるのですが、タイヤサイズが大きいためか(235/65R18)、ハーシュネスや足回りのバタつき感が少し気になります。いかにも旧来のSUV的なオールシーズンタイヤではなく、完全なオンロードタイヤを装着しているのですから、乗り心地はもう少し頑張ってほしいところです。

・ちょっとエグいフロントのデザイン
 ムラーノは日本国内よりも北米・アジアでの販売がメインなため、新型はそれらの地域での嗜好に合わせたようですが、旧型よりもかなりアクの強いデザインになりました。旧型のシンプルかつ都会的で洗練されたデザインに好感を持っていただけに、新型のデザインにはやや戸惑います。日本仕様と海外仕様とでデザインを変えられなかったのでしょうか?


総評
 先代ムラーノのシンプルかつ都会的な外観デザインに好感を持っていたため、先行発表されていた北米仕様のデザインを見て、率直に言って「えらくエグいデザインになっちゃったなあ・・・」と、ちょっとガッカリしていたのですが、実際に乗ってみると快適な乗り味や、質感が向上して使い勝手が向上した室内など地道な改良が見られ好感を持ちました。やや荒削りな部分があった先代ムラーノに対し、走りや内装などが洗練され垢抜けた印象です。
(そういえば現行スカイラインも、ちょっとラフだった先代モデルを地道に改良して、良い車に仕上げていっていますね。)
 カルロス・ゴーン体制になってからの日産は行き過ぎたコストカットにより品質や質感が低下していたように思いますが、ここ最近はV36スカイラインや新型ムラーノのように地道な改善が見られる車も出てきました。
 やはりトヨタ・ホンダだけでなく日産からもいい車が出てこないと日本車全体のレベルアップにつながらないと私は考えます。ムラーノは日本ではマイナーですが、世界的には非常に人気のある車です。新型も好調を維持し、日産の屋台骨を支えていってほしいなと思います。
Posted at 2008/10/05 21:29:54 | コメント(2) | トラックバック(0) | 新車試乗記 日産編 | 日記
2008年09月24日 イイね!

エクストレイルクリーンディーゼル乗ってきました。

エクストレイルクリーンディーゼル乗ってきました。 注目のエクストレイルクリーンディーゼルに乗ってきました。

 グレードは20GT、トランスミッションは6速マニュアルミッションですが、ディーゼルはこのグレードのみです。(ボディカラーはダイヤモンドシルバー。ボディサイドに貼ってある「Clean Diesel」っていうでっかいデカールはPR用のものだと思います。)


○だった点
・環境性能と動力性能、快適性を兼ね備えた先進のクリーンディーゼル
 やっぱりこの車の美点はここでしょう。
 平成21年から施行される、世界トップクラスの厳しさの「ポスト新長期規制」をクリアした優れた環境性能です。試乗中、旧来のディーゼル車なら盛大な黒煙をまき散らすような、0→60㎞/h程度のアクセル全開加速を何度か試みたのですが、バックミラーで見る限り黒煙の発生は全く確認できませんし、テールゲート付近に煤が付着しているということもありません。このように目に見える黒煙(=PM(粒子状物質))の浄化性能も優れていますし、NOx(窒素酸化物)を無害なN2(窒素)とH2O(水)、CO2(二酸化炭素)へ浄化するLNT(リーンNOxトラップ触媒)も採用されています。

 優れた環境性能でありながら、排気量2リッターにもかかわらず36.7kgf・mのトルクと173PSの出力を発生するM9R型ディーゼルターボエンジンは、スポーティな動力性能も兼ね備えています。
 2,000rpmも回っていれば街中の流れを十分リードすることができますし、上述のような強い加速だと、豊かなトルクで軽々とスピードを乗せていくという感じで、かなり迫力のある加速です。ターボの力を借りているとはいえ、旧来の2リッターディーゼルエンジン車とは比べ物にならない圧倒的な動力性能に感動します。
 環境性能の高い車だから運転の楽しさがないというのはもう昔の話であり、コモンレールシステムや、ダブルスワールポートによって燃焼効率が向上していることが動力性能の向上にもつながっているのではないかと思います。

 また、騒音振動の少なさも特筆すべきで、窓を閉めていればかなり強い加速中でも車内騒音・振動はガソリン車並みです。エンジン始動直後の車外ではややディーゼル車を感じさせる音で、周りに建物が建て込んでいる状況ではガソリン車より気になるかもしれませんが、エンジンが温まればほとんど気になりません。

 ちなみに音質は「ゴロゴロ」「ドロドロ」した音ではなく、過去の日産のディーゼルエンジンで言えばサニーやパルサーなどに搭載されていたCD17やCD20の「ケロケロケロ」という感じの音に近いです。(恐らく技術的なつながりはほとんどないのでしょうが・・・)

・MTを設定したこと
 現在日本ではほとんど売れないマニュアルミッションの乗用車ですが、私個人としてはエクストレイルディーゼルにMTが設定されていることは歓迎したいと思います。CVTやトルコンATの燃費性能が向上したとはいえ、実燃費は依然としてMTの方が優れており、MTというだけでエコだと思います。 
 それに自動変速の車は確かに運転は楽ですが、その結果携帯電話を片手に運転したり、シートの上であぐらをかくようにして背もたれを倒して掌でハンドルをクルクル回したりといういい加減な運転を助長しているように思います。また、昨今言われる車の白物家電化は自動変速の普及と比例しているように思います。
 エクストレイル1台がMTだからといって世の中の流れがどうこうなるわけではないですが、注目のクリーンエアビーグルがMT車というのは、MT車に光が当たるきっかけになるのではないでしょうか。

・後席中央ヘッドレストが装備された
 細かい点ですが、エクストレイルのガソリン車は後席中央のヘッドレストが全グレード装着されていないのですが、ディーゼルは欧州仕様がベースになっているせいか、標準装着されています。今時装備されない方がおかしいような気もしますが、とりあえず喜ぶべきでしょう。


もう少し頑張ってほしい点
・MTのみの設定
 ○だった点で、個人的にはMTの設定がメリットだと書いたのですが、一般的にはデメリットですね。日本国内で販売される新車の圧倒的多数がCVT、トルコンAT、ツインクラッチ式トランスミッションなどセミオートマなど、いわゆる自動変速である現在、手動変速は面倒と思われていますし、そもそもAT限定免許を取る人の割合が増えている現状、MTのみの設定は今後の販売面でかなり厳しいでしょうね。
 エクストレイルのようなSUVは若い人がスノボやアウトドアの足に使うことも考えられますが、若い人にとってはATがないというだけで選択肢から外れそうです。日本市場で本気で販売するならCVT、トルコンATなど自動変速の早期投入は必須でしょう。
 エクストレイルディーゼルがMTのみで発売されたことについては、日産がクリーンディーゼルを早く発売したいがために遅れている自動変速の開発を待たずにMTの発売を先行させたという報道がありますが、おそらくそれが真相でしょうね・・・

・燃費のより一層の向上を
 試乗中は街中でのゴーストップ&空いたバイパスでは強い加速を何度か試してみる・・・という燃費にとってはかなり厳しい条件でしたが、積算燃費計表示値で10.4㎞/Lと、1.6トンを超える車重を考慮すればまずまずの数値でした。
 ただ、最近はガソリン車の燃費が格段に向上したので、以前ほどディーゼル車のコスト面でのメリットが少ないです。
・年間15,000km走行
・ガソリン価格(レギュラー)165円、軽油150円
・カタログ数値(10・15モード)の7掛けの実燃費
・・・と仮定してディーゼルの20GT・MT(10.6km/L)とガソリンの20X・4WD・CVT(9.5 km/L)を比較してみると、年間の燃料費の差額は約48,000円。車両価格の差は約63万円もあるので、13年以上乗らないと元が取れないということになり、ちょっと現実的ではありませんね・・・

・価格がやや高い
 上に書いたことと関連するのですが、車両価格は2,999,850円とやや割高なように思います。現状では低燃費で元を取るというよりも、先進のクリーンディーゼルを感じる車ということでしょうか。

・DPFの取り扱いに注意が必要
 カタログに書いてあるのですが、近距離や低速での走行が続くと黒煙を主成分とするPMを捕集するDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)がPMを捕集できず、手動再生スイッチを押してPM除去を行う必要があるそうです。
 「近距離や低速での走行が続く」ということは日本での走行パターンのかなりの部分に当てはまると思いますが、この状況で問題が生じるというのは、日常使用ではかなり厳しいものがありますね。

総評
 日本では石原慎太郎東京都知事によるディーゼル車規制によって、乗用車においてはディーゼルエンジンが壊滅してしまいましたが、久しぶりの復活ですね。ディーゼル規制により大都市部での大気汚染が改善するという光の部分もありましたが、同時に低燃費なディーゼル車の開発が停滞し、ヨーロッパの各メーカーに水をあけられてしまったという負の側面もあります。
 現状のエクストレイルディーゼルは上記のようにまだまだ問題点は多いと思いますが、日本国内においてディーゼル乗用車が復権していく大きな一歩となればと思います。

 現時点では・・・
 ・降雪の可能性がある地方在住
・車でかなり長距離を通勤している
 ・アウトドア系の趣味がある
・・・という方にお勧めできるという感じでしょうか。
Posted at 2008/09/24 00:08:15 | コメント(5) | トラックバック(0) | 新車試乗記 日産編 | 日記
2008年06月08日 イイね!

ティアナ乗ってきました

ティアナ乗ってきました 新型ティアナに乗ってきました。試乗車はオーテックジャパン扱いの特別仕様車・アクシス(2.5L・2WD)、ボディカラーはホワイトパールです。

 日産のLクラスセダン・ティアナがモデルチェンジして2代目になりました。
 先代ティアナは「モダンリビング」を提唱して、スピードやパワーで押すドイツ勢や豪華さが売りのトヨタ車とは一線を画す上品さと控えめさを持つ車でしたが、新型も基本的にその路線を踏襲し、先代からキープコンセプトで正常進化した車と言えます。
 ただ、先代が中国、台湾などアジア地域や中東で好評だったためか、軸足が日本市場からアジアなどの新興市場に移ってきたなと感じます。先代は程よいエンジンパワーやボディサイズ、シンプルでセンスのいい内外装デザインなど、日本的とも言える品のよさを持っていて、私は非常に好感を持っていたのですが、新型はそれがやや薄れてきた印象を受けます。
 以下詳細な印象を述べていきます。


○だった点
・内装の質感の向上
 先代はインテリアデザインに重点を置いていましたが、新型も同様に「おもてなし」をキーワードとして、心地よい室内空間を目指しています。
 先代はデザイン性最優先で、一部にLクラスのセダンとしてはインテリアの質感の不満な部分も見られましたが、新型はこのクラスのセダンとして相応、かつスカイラインやフーガと共通イメージの日産のアイディンティティを感じさせるデザインとなりました。
 新型はシートが非常に特徴的で、前後席とも日本車では他車に例を見ないほどふんわりとした柔らかいシートで、フランス車を連想させるものです。
 余談ですが、この車の木目パネルは先代同様フェイクウッドです。各サイトのユーザーレビューや掲示板を見ると、クラウンやヴェルファイアについて、Lクラスの車でありながら本木目ではないという批判もありますが、リサイクル性を考慮すると木とプラスチック(場合によっては金属製パネル)を組み合わせるよりも、単一の素材の方が効率的でしょうし、そもそも自動車の内装というあくまでも飾りの部分に木材の資源を使うことに固執しなくてもよいのでは、と感じます。

・十分な動力性能
 試乗車は2.5Lだったのですが、185PSという標準的な出力ながら、動力性能は必要十分でかなり強めの加速でも不満を感じることはありません。またこのエンジンはレギュラー仕様で、このガソリン高のご時世多少なりともありがたいですね。

・大型のサンルーフの設定
 このクラスのセダンとしては異色の「スタイリッシュガラスルーフ」という前後ツインサンルーフが設定されていますが、カジュアルで明るいこの車のキャラクターにとてもよく似合っていて、ティアナらしい個性になっていると感じます。


今一歩だった点
・やや個性が薄れた内外装デザイン
 旧型は決して本当に高級な車とはいえませんでしたが、それでもトヨタクラウンに代表されるような日本的高級感やメルセデス、BMWなどに代表されるスピードとパワーという価値観から一線を画した、どこかゆったり構えた品の良さを感じる車でした。
 新型は上述のとおり、特にアジア地域での拡販を狙っているせいか、外観デザインがどこか韓国や中国の車を思わせる、メッキを多用してキラキラした、やや攻撃的なデザインになりました。先代の持っていたどこか女性的で優しげな雰囲気を失ったのは残念です。
 また内装も、先代のダークブルーとライトベージュを組み合わせる大胆でセンスのいい色使いや、明るくモダンなデザインのダッシュボードやセンターコンソールなどからやや保守的になり個性が失われたように感じるのも残念な点です。

・ボディサイズの拡大
 モデルチェンジのたびにボディサイズが拡大するのは世界的な潮流とはいえ、先代は室内、トランクルームとも十分なスペースを持っていただけに、新型のボディサイズの拡大(全長+80㎜、全幅+30㎜)はいまひとつ納得できないものがあります。

・シートの出来がいまひとつ?
 上述したようにふんわりと柔らかな特徴的なシートが備わっているのですが、シートクッションが底付きしているような感じを受けました。試乗車は本皮シートで、通気性を向上するベンチレーション機能やシートヒーターなどのギミックが装備されていて、これらがない仕様ならもう少し良いのかもしれませんが、せっかくルノー傘下になっているのですから、フランス車の柔らかくても腰があって疲れないシートの作り方をもう少し学んで欲しいものです。
 また、シートがショルダー部分も含めてかなり柔らかいため、表皮のヘタリなど長期間使用した場合の耐久性が少し心配です。

・少し硬い乗り心地
 試乗車は17インチホイールと215/55-17タイヤが標準装着されたアクシスだったのですが、街乗りで細かいハーシュネスがあるなどやや乗り心地の粗さを感じました。乗り心地の点では250XLやXEなど16インチ仕様がベストマッチでしょうか。

・最下級グレードの中央席ヘッドレストがない&固定式ヘッドレスト
 最下級グレードの250XEには後部座席中央のヘッドレストがメーカーオプションでも用意されません。また左右ヘッドレストも固定式です。V36スカイラインも同様なのですが、日産の車はこのように安全装備をケチることがありますが、メーカーとしての良識を疑います。特にティアナは個人タクシーなどでもよく使用され、後席に3人乗る機会も多いと思うのですが・・・


◎次回予告
 超注目のスバルエクシーガに乗ってみたいと思います。フォレスター発売時の例からすると、発表日(6/17)直後にディーラーに試乗車があるのではないかと思うので、発表後すぐ行って来たいと思います。
Posted at 2008/06/08 20:25:55 | コメント(2) | トラックバック(0) | 新車試乗記 日産編 | 日記

プロフィール

所持運転免許 ・大型自動車第一種 ・中型自動車第一種(8t限定) ・中型自動車第二種(8t限定) ・大型特殊自動車第一種 ・大型特殊自動車第二種 ・...

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