• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

まさだのブログ一覧

2011年07月26日 イイね!

デミオSKYACTIVに乗ってみました

デミオSKYACTIVに乗ってみました デミオSKYACTIVに乗ってみました。
 グレードは13-SKYACTIV、ボディカラーはスカイアクティブ専用色のアクアティックブルーマイカです。

 現行デミオには昨年沖縄旅行でレンタカーとして乗った際に試乗記を書いてみたのですが、先月マイナーチェンジと同時にマツダの環境技術「SKYACTIV TECHNOLOGY」の第一弾・高効率ガソリン直噴エンジン「SKYACTIV-G」を搭載したので、その事を中心に書いていきたいと思います。


○だった点
・既存技術を磨き上げて低燃費を実現したこと
 デミオSKYACTIVの最大の売りは、やはり10・15モード30km/Lというその燃費性能です。
 この燃費を達成するために、デミオに導入されたのが「SKYACTIV TECHNOLOGY」です。これはエンジンはもとより、トランスミッション、ボディ、シャシーを軽量化・高効率化する技術で、デミオSKYACTIVを皮切りにマツダ各車に搭載されていくようです。今回デミオSKYACTIVにはまず、市販ガソリンエンジン車としては世界一の高圧縮比14.0を実現した「SKYACTIV-G」が搭載されました。
 このSKYACTIVテクノロジーはもちろん革新的な技術群だと思うのですが、特筆すべきはハイブリッドなど飛び道具に頼らず、既存技術の地道なブラッシュアップによって構成されているという点です。

 近年の環境技術・低燃費技術といえばトヨタ・ホンダを中心としたハイブリッド車(HV)や、三菱iMiEV・日産リーフに代表される電気自動車(EV)など、ガソリン離れというべきか、出来るだけガソリンエンジンを使わず電気に仕事をさせるというというのがトレンドでした。
 プリウスに乗ると、これだけ高度な仕組みを違和感なく日常使用できることに驚嘆しますし、当然燃費の数値は素晴らしいものです。また、航続距離に不安があったりコストパフォーマンスに大きく劣っていたEVも、iMiEVやリーフを見ると進化を実感できます。
 ただ、HV・EVとも使用済みのバッテリーのリサイクル技術はまだ確立していないといわれますし、そもそもHV・EVは常に重いバッテリーを載せて走らなければなりませんが、自動車にとって車重が重いことは走る・曲がる・止まるの三要素になんらメリットを与えません。
 単純に燃費の数値だけならHVの方がいいかもしれませんが、正直今のHV車はどれも運転が楽しいとは到底思えません。勤務先に現行プリウスがあり、時々乗るのですが、運転感覚は極めて退屈で、長時間だと運転することが苦痛になってきます。楽しみといえば燃費計とにらめっこしながら「あ、0.1km/L上がった」とか喜んでいるぐらいでしょうか・・・
 燃費の数値ばかり気にして運転の楽しさをおろそかにするのは本末転倒というか、自動車の自殺であると感じます。
 ガソリンエンジンは熱効率(燃焼時に動力に転換させる熱量の比率)が30%程度であると言われ、残り70%前後を無駄にしているということになります。(ちなみにディーゼルエンジンの熱効率は46%程度であると言われる)既存のガソリンエンジン車の持っているポテンシャルを最大限引き出そうとするSKYACTIV TECHNOLOGYは技術の可能性に対する誠意のある挑戦であると思います。

・i-DM 
 メーター内に効率の良い運転をアシストするモニター機能「I-DM」が装備されていて、加減速等の運転行動から、運転を評価してくれます。
 この手のモニターは燃費運転偏重で、「こんな加速してたら周りの車に迷惑だろ」と思うような発進加速でないと良い評価がもらえなかったりしますが、I-DMはドライバーのアクセル、ブレーキなどの操作を検知、運転操作を判定してスキルのレベルを色を使って表示するという、燃費だけではなく、「スムーズな運転」「上手な運転」を判断する、いかにも運転の楽しさにこだわるマツダらしいシステムで好感が持てます。

・アイドリングストップ機構の性能向上 
 アクセラやビアンテ等マツダ車に採用されていたアイドリングストップ機構「i-stop」がデミオSKYACTIVにも採用されました。現行アクセラに採用されたばかりの頃のi-stopは、エアコンオンの状態や市街地等でのゴーストップの頻度が高いとあまりアイドリングストップせず、標準車に比べてそれほど実用燃費が良くありませんでした。
 また、アイドリングストップ状態からハンドルを操作するとエンジンが掛かって右折待ちなどの素早い発進に備えるという機能もなく、まだ未成熟なアイドリングストップ機構という印象でしたが、デミオはこれらが改善されている他、後退時にはアイドリングストップが作動しないなど、最新のアイドリングストップ車らしい機能が盛り込まれています。
 これまでに運転する機会のあったアイドリングストップ車(マツダアクセラ、スバルステラ、日産マーチ)の中では最も制御が洗練されていると感じました。


気になった点
・燃費オタクになり過ぎwww
 ハイブリッド車以外の市販車としては初めて30km/Lという燃費をマークしたこの車ですが、やはりちょっと燃費スペシャルというか燃費オタクになってしまっている点があります。
 実はSKYACTIVにはメーカーオプションでもHIDヘッドライトが選べません。これには事情があって、圧縮比14.0:1という高圧縮を実現するためにエンジンブロック強化する必要上、エンジンブロックが大きいということと、エンジン始動時のバッテリー負担が大きいアイドリングストップ機構が備わっているためにバッテリーを大型化しているのですが、それゆえにエンジンルームがいっぱいいっぱいになってしまって、HIDライトユニットの入るスペースがなくなってしまったそうです。
 HIDライトなどなくて困るものではないですが、それでもコンパクトカーでも常識になってきているHIDライトを、先進的なSKYACTIVで選べないのはちょっとがっかりです。
 また、軽量化のため燃料タンク容量が標準車の41Lから35Lに少なくなっています。上述の通り、エンジン本体・バッテリーの大型化による重量増を相殺するために燃料タンクを小型化して重量を削っているそうですが、これでは航続距離が短くなってしまいます。
 余談ですが、私が乗っているスイフトの燃料タンク容量は43L、燃費の最高記録は25.5km/Lなので(ちなみに10・15モード燃費は18.8km/L)、航続距離は1100km近くになります。ところがデミオSKYACTIVは航続距離はカタログ燃費で走ったとしても1050kmです。遠出すればまだ伸びるのかもしれませんが、もう少し燃料タンク容量が大きくないと低燃費の特徴がいまひとつ生きないのではないでしょうか。
 このように燃費スペシャルな点があるのは、個人的には嫌いではないのですが、一般に広く受け入れられるためには、特殊な部分は少しでも減らす方がよいと思います。

・もう10kg重量を削って! 
 上述の通り、燃料タンク容量を削ったり、座席をSKYACTIV専用にするなど軽量化に徹底的にこだわっていますが、車重が1010kgなので、重量税のことを考えるともう少し頑張って1000kg以下に収めていただきたかったものです。(ま、数千円のことですが・・・)

・走りの楽しさが退化した 
 標準デミオの試乗記で走りが素直で楽しいと述べましたが、この美点がSKYACTIVはやや退化してしまったのかなあと思わせられます。燃費重視のセッティングのせいか、以前乗ったトルコンAT車よりも巡航時のエンジン回転数を低く低く誘導していて、巡航からの再加速がワンテンポ遅れる印象があります。
 また、長所で記した通りアイドリングストップ機構「i-stop」は非常に優秀なのですが、エンジン停止が頻繁なうえエンジン再始動時の音や振動がやや気になるので、ちょっとうっとうしくもあります。
 環境性能と素直な運転感覚を両立するのはなかなか難しいですね。

・MTが設定されていない 
 標準デミオは最近の車にしては珍しくMTのラインナップが豊富で、スポーティ仕様のSPORTはもとより、15C、13Cにも設定されていますが、残念ながらSKYACTIVにはMTの設定がありません。コストや需要の面から見送られたのでしょうが、乗り方によっては驚異的な燃費を叩き出せるMTとSKYACTIVエンジンの組み合わせをぜひ見てみたかったのに残念です。今後、MTが必須の欧州市場へも投入されるのでしょうから、追加設定を期待したいところです。 


総評 
 昨今エコカーの本流といえば、なんといってもプリウスに代表されるHVです。2011年上期の新車販売台数はHVを擁するフィットが1位、プリウスが2位。2010年通年はプリウス1位、フィット2位でした。
 それだけ社会にHVが浸透いるということなのですが、HVを購入された方の中には、とりたててHVは必要ないが流行りで・・・という方も多いことでしょう。そういう方は、HVがガソリン車等に対してLCA(Life Cycle Assessment:個別の商品の製造・輸送・販売・使用・廃棄・再利用までの各段階における環境負荷を明らかにすること)の点で疑問符がつくということはご存じないのかもしれません。
 常に無駄な重量物(バッテリー)を積んで走り、大きなバッテリーの廃棄・リサイクルの技術・ルートが確立されていないHVを、単にエコなイメージだけで購入する風潮には、私は大いに疑問を感じています。人間というもの、どうも物事の本質を熟慮しないで、流行に流されてしまうことがあるのかもしれませんが・・・
 私が考える本質的な自動車とは、小型軽量で運転が楽しいことが必須であると思っているのですが、デミオは自動車の本質を理解する方にぜひお勧めです。
 手元に、マツダのデミオ開発担当主査の水野成夫氏に日本経済新聞がインタビューした記事があるのですが、水野氏は「HVを否定するつもりはない。エコだけだったらHVの方がいいのかもしれない。ただ、2人の時間、家族の時間をメインにするのであれば、HVが正しいと思わない。重たいということは楽しさを損なう」「楽しさを追求するためにガソリンで出来るだけ頑張るのが正論だと思う。競合とは思っていない。楽しむというのは(疾走感を表現したブランドメッセージ)『Zoom-Zoom』の方向そのものだ」と語っています。デミオは作り手自身のこのような明確なメッセージ性が伝わってくる素晴らしい車です。運転が好き、車が好き、楽しさと環境性能の両立を重視するという方には是非お勧めしたい車です。

 
↓↓関連試乗記こちらも是非↓↓
デミオ(標準車)試乗記
プリウス試乗記
プリウスα試乗記
フィットハイブリッド試乗記
フィットシャトルハイブリッド試乗記
Posted at 2011/07/26 16:46:31 | コメント(5) | トラックバック(0) | 新車試乗記 マツダ編 | 日記
2010年07月15日 イイね!

プレマシーに乗ってみました

プレマシーに乗ってみました 先日発売されたマツダの新型プレマシーに乗ってみました。
 グレードは3グレード構成の最も上級かつスポーティな20S、ボディカラーはカッパーレッドマイカです。(試乗待ちの人がいたため写真が撮れませんでした。)


○だった点
・欧州車的なしっかりした走り味
 マツダの車といえばサイズやクラスを問わず、欧州車的なしっかりした走り味が魅力ですが、ミニバンであるプレマシーにもこの美点は受け継がれています。やや重めながら遊びが少なく、路面のインフォメーションを伝えてくるステアリング、ミニバン的な腰高感がなく自然なロール感などミニバン故のネガティブさが感じられません。一人で乗っている時にはドライバーズカーとして十分運転を楽しめます。

・乗り心地が良い
 最近のミニバンやコンパクトカーに多く採用されているトーションビーム式の車はポコポココツコツした乗り心地のものが多いですが、プレマシーのリヤサスペンションはマルチリンク式独立懸架で、この好影響で乗り心地が大変良いです。
 試乗時は2名乗車だったのですが、このぐらい荷重が少ない状態でも跳ねるような挙動がなく、落ち着いた走り味です。
 また、燃費のみを考えればトランスミッションはCVTの方がいいかもしれませんが、5速のトルコン式オートマチックが採用されていることでギクシャク感のない素直な走り味です。

・2列目シートのアレンジ
 2列目シートは先代プレマシーやMPV譲りの「カラクリシート」で、中央部を折りたたんで6名乗車&ウオークスルーにしたり、大型センターアームレストモード、また中央席をセッティングして7名乗車にできるなどのアレンジができるのが面白いです。中央席の座り心地は決してよくないのですが、それでも大型ヘッドレストに中央席用の3点式シートベルトが装備されるなどまじめな作りです。
 また左右独立スライドの調整量が大きいのもいいですね。

・環境性能の向上
 すでにアクセラやビアンテなどに採用されているアイドリングストップ技術「i-Stop」がこの車にも搭載されています。試乗時は気温28度でエアコンは常時使用していたのですが、エアコンオン時でも信号待ちでのアイドリングストップの頻度は高く、一昔前のアイドリングストップ機構のようにエアコンオンだとアイドリングが止まらないということはありません。これなら燃費に貢献しそうです。

・リーズナブルな価格
 ベースグレードの20CSは車両本体価格179.9万円からとリーズナブルです。マツダの車ですから値引きは期待できそうですし、エコカー減税+補助金対象車なので相当安く買えそうです。車を乗りつぶす方には相当いい買い物ではないでしょうか。


もう少し頑張って欲しい点
・あまり変わり映えのしないスタイル
 ボディサイドに新しいデザインコンセプト「NAGAREデザイン」に基づくプレスラインが入っているのが目新しいのですが、これを除くと全体のシルエットは先代プレマシーそっくりです。フロント・リヤのデザインイメージを敢えて変えているようですが、ちょっと変わり映えがしないように思います。
 それから、先代で気になった点として、サイドウインドウ下端が高過ぎて、車の直近が見づらいということがあったのですが、それが改善されていません。
 日産のセレナは、運転席から車の直近にいる子供を見やすくするためにサイドウインドウ下端を低くしたデザインとしていますが、プレマシーも機能とデザインの両立を図っていただきたいものです。

・ちょっともっさりした走り
 以前、先代の途中まで存在した2.3Lモデルに乗ったことがあるのですが、ミニバンらしからぬ鋭い加速と活発な走りに驚きました。
 現行型は2Lモデルで単一エンジンのみのラインナップ(最下級の20CSのみi-Stopなし)なのですが、走りにいまひとつ活発さがありません。車重が1500kgもある上、燃費重視の燃料噴射制御が行われているのかもしれませんが、走りのマツダ車としてはやや不満の残るところです。

・大きなボディサイズ
 2L級のミニバンとしてはかなりボディサイズが大きいです。(全長4585mm×全幅1750mm)全長はウィッシュ(4590mm)と同等ですが、その割には室内の前後方向の余裕はウィッシュに劣っているように思えます。
 最近のマツダ車はアクセラやアテンザなどもですが、デザイン重視で前後バンパーなどが大型化してボディサイズを拡大させている割に室内空間が大きくなっていない例が多いように思います。 

・3列目シートの狭さ
 上記のボディサイズの大きさと、長所のところで書いた乗り心地にも関連するのですが、3列目シートの空間は狭いです。背低系のミニバンなので室内が広くないのはやむを得ない部分はあるのですが、ウィッシュに比べても少し狭いです。
 マツダの車らしく、各座席のサイズができるだけ確保されていたり、リヤサスペンションをスペース効率重視のトーションビーム式ではなく、走りを重視したマルチリンク式を採用しているが故に、どうしても居住スペースを食われてしまっているので、そのあたりを納得できれば良いでしょう。

・あまりよくない燃費
 試乗コースは流れのいい幹線道路、混んだ市街地半々で燃費計表示値で10.1km/Lでした。実燃費は9km/L台前半というところかと思うのですが、今時の2Lクラスの車としてはちょっと良くないですね。
 

総評
 ここ最近、マツダに限らず各社プラットフォームを先代モデルから引き継いで、やや簡素なフルモデルチェンジをする例が多いですが、新型プレマシーも先代のブラッシュアップ版という印象の車です。
 先代は日本国内では販売台数も多くなくて地味な印象の車でしたが、欧州などでは「マツダ5」として好評だったので、それをそのまま踏襲するということなのでしょう。
 しっかりした走り味なので、通勤距離が長いなど走行距離が伸びる方や、リセールバリューは気にせず乗りつぶす方、夫婦+子供2~3人でたまにおじいちゃんおばあちゃんとお出かけする機会があるという方にお勧めできる車だと思います。


↓↓関連試乗記こちらも是非↓↓
アクセラ試乗記
ビアンテ試乗記
ウィッシュ試乗記
Posted at 2010/07/15 15:54:39 | コメント(7) | トラックバック(0) | 新車試乗記 マツダ編 | 日記
2010年04月21日 イイね!

デミオに乗ってみました

デミオに乗ってみました デミオに乗ってみました。 

 先日のブログにも書いた通り、沖縄旅行でのレンタカーとして活躍してもらいました。グレードは13C(AT)、ボディカラーはメトロポリタングレーマイカです。
 この車には3年前の登場時に13C-VとSPORTに試乗してみたのですが、その時にはまだブログ自体を始めてなかったので、試乗記を書いてませんでした。
 その後も仕事で乗る機会がちょくちょくあり、是非レポートしてみたいと思っていました。


○だった点
・キレのいい爽やかな走り 
 デミオの魅力は何と言ってここだと思います。
 コンパクトで車の隅々まで意識が行き届き、軽い車重による軽快なフットワークは自動車の運転の楽しさを再認識できます。

・低燃費
 10・15モード燃費の数値は21.0km/Lですが、今回乗った実燃費は約17km/Lでした。那覇市内の渋滞にはまったり、市街地をチョコチョコ走ったりと燃費には厳しい状況で、なおかつあまり燃費を気にせず適当に走った数値としては極めて優秀です。
 試乗車はトルコンATの13Cでしたが、CVTではなくトルコンATでもこれだけの燃費が出せるという点が素晴らしいですね!

・コンパクトさと実用性の高次元での両立
 全長3885mmとこのクラスの中では小柄な方ですが、2490mmと相対的に長いホイールベースで室内空間には余裕があります。
 またフォトギャラリーも見ていただきたいのですが、荷室空間にも余裕があり一般的な大きさのキャスターバッグが縦に置けるぐらいの空間があります。
 外観からは室内が狭い印象を受けますが、実際は十分実用的な空間があります。

・室内の快適性が高い
 上記のロングホイールベースの影響で、コンパクトカーとしては乗り心地がいいです。フィットに見られるような、ポンポンと跳ねるような、妙なゲインの強さはこの車には感じられません。
 またロードノイズ・エンジン音の遮断もよくて室内が静かです。

・スタイリッシュな外観
 最近のコンパクトカーはどちらかと言えばスペース効率重視で、コロンとしたスタイルの車が多い中、デミオはシャープでかっこいいスタイルです。これなら男性が乗っても全くおかしくないですね。

・気の利いた装備
 最近のコンパクトカーはどれも装備が豪華ですが、デミオはオプション設定ではありますが、オートライトやオートワイパーなどクラスの水準を超えた装備が備わっていて快適に運転ができます。

・豊富なボディカラー
 最近のコンパクトカーでは決して珍しくありませんが、ボディカラーは全12色あり選ぶ楽しみがありますし、それらが全グレードで選べます。また他の車にないようなビビッドなグリーンやイエローメタリックもあるのがいいですね。


もう少し頑張ってほしい点
・燃費計が欲しい!!
 低燃費はこの車の売りの一つですが、どういったわけか、積算・瞬間とも燃費計が備わりません。
 今回の全行程での燃費は約17km/Lと素晴らしい数値だっただけに、燃費計があればさらに燃費に気を遣った運転ができて、数値が向上するのにな〜と思います。

・圧迫感のある後席空間
 後席スペースの大きさ自体は側頭部がやや狭い以外、足元空間や横幅などは余裕があり、ボディのかさが大きかった初代DW型並みの室内空間があると思うのですが、サイドウインドウの天地が小さいため圧迫感が強いです。
 さらにリアサイドウインドウが下端まで全開になればいいのですが、下4分の1ほど残るので閉塞感があります。
 リアサイドウインドウ後端に三角窓を設けて窓が下まで下がるようにしてもいいのではないでしょうか。

・オプション設定の多い装備
 フル装備すると豪華なのですが、量販グレードだとそれらがオプションのことが多く、あれもこれもと装着していくと結構いい値段になります。
 スイフト1.2XG Lパッケージ・CVT・2WD(127万円)と同等の装備(CDプレーヤー、革巻ステアリング、ステアリングリモコン、6スピーカー、スマートキー、フルオートエアコン、15インチアルミホイール)のデミオ(13C-V)は145.3万円となり、割高感があります。

・次のマイナーチェンジでi‐stopを設定してみてもいいかも
 これは不満でなく要望ですが、次回のマイナーチェンジでアクセラビアンテに備わっているアイドリングストップ機構「i‐stop」を設定すると、さらにこの車の経済性が際立つのではないでしょうか。

・ATとMTが同価格
 これは別にデミオに限らず最近の軽やコンパクトカーに多いのですが、自動変速とマニュアルミッションが同価格です。
 燃費はMTとATがほぼ同等になってきている上、車両価格まで同等になってくると、MTは単純に趣味で選ぶものになってしまいますね。
 

総評
 私の個人的な好みもあるのですが、運転が楽しく、コンパクトで隅々まで意識が行き渡るデミオのような車は本当に気持ちいいですね。大き過ぎず、さりとて不安を感じるほど小さくもない、「過不足がない」とはまさにこういう車だなという品の良さがあります。
 デミオは先代DY系から現行DE系へのモデルチェンジの際に思いきってコンセプトを変え、軽い仕様で1㌧を切る車重とコンパクトなサイズになりましたが、キレのいい走り・低燃費・良好な乗り心地と、自動車にとって軽量コンパクトであることはそれだけで魅力に繋がるんだなあと認識させられます。
 マツダはブランドスローガンとして「サスティナブルzoom-zoom」を提唱していますが、私はマツダの車の中で最もzoom-zoomを体言しているのはデミオであると感じます。
 ハイブリッドなど飛び道具に頼るのではなく、既存技術を使った正攻法で経済性と走りを両立させていることも素晴らしいです。

 世界的に自動車がどんどん大きく・重くなっていく中、ダウンサイジングをして魅力的になっている現行デミオは一服の清涼剤といった印象ですね。

 コンパクトカークラスは多士済々でどれも魅力的ですが、デミオをお勧めできるとすれば、こんな方でしょうか…
・運転の楽しさ・運転感覚の素直さを重視する方
・市街地よりも郊外・長距離走行の多い方
・年間走行距離の多い方
・一度車を購入したら乗り潰す方
・1〜2名乗車する機会の多い方
 これらの点はスイフトもほぼ共通で、デザインやブランドで好きな方を選べばよいと思いますが、燃費重視であればスイフトよりもデミオの方がいいでしょう。

 逆に…
・市街地走行が多い方
・多人数乗車や荷物を載せる機会の多い方
…はこの車の良さはあまり生きて来ません。
 また、短いサイクルで車を買い替える方にも、リセールバリューの弱さからお勧めできません。そういう方にはフィットをお勧めいたします。


↓↓フォトギャラリーに写真があります↓↓
デミオに乗ってみました その1
デミオに乗ってみました その2


↓↓関連試乗記 こちらもぜひ↓↓
スイフト試乗記
フィット試乗記
ヴィッツ試乗記
パッソ試乗記
VWポロ試乗記
Posted at 2010/04/21 11:57:59 | コメント(9) | トラックバック(0) | 新車試乗記 マツダ編 | 日記
2009年10月26日 イイね!

CX-7乗ってみました

CX-7乗ってみました 私の試乗記では新型車にはできるだけすべてに乗ってレポートしようと思っているのですが、いろんな事情で乗れない車もあります。

 例えば…
①メーカーやディーラーが数を売ることを期待してないので、最初から試乗車がない(例:カムリ)
②仕事の繁忙期でバタバタしてるうちに試乗するタイミングを失ってしまった(例:クラウン)
③他の車種の派生車・兄弟車なので、そう大きな違いはないだろうと思って試乗に行く気にならなかった(例:ミラココア)
④ワーキングプアの私は敷居が高くてディーラーに行けないwwwwwwwww(例レクサス、高級輸入車)

 ②はできるだけ機会を見て乗ってみたいです。
④については………あんまり突っ込まないで下さい(泣)
(ていうか誰か乗せて下さいwww)


 んで、問題は①なんですが、そういう車でも個人所有の車をひょんなことから運転させていただくことがあります。


 というわけで前置きが長くなりましたが、マツダのSUV・CX-7に乗ってみました。
 グレードは標準車(FF)、ボディカラーはクリスタルホワイトパールマイカです。
 試乗車は個人の所有車のため写真は撮っていません。(写真はカタログを撮影しました。)


○だった点
・スタイリッシュな外観
 日本国内登場から3年近くが経過していますが、販売台数が少ないこともあり未だに新鮮さを失わない、スタイリッシュでかっこいい外観デザインです。レクサスRXやムラーノなどライバルと比べてもワイド&ローでスポーティです。

・活発な動力性能
 この車は4気筒2.3リッターDISIターボエンジンが搭載されていますが、ボディサイズのわりに少排気量なエンジンとは思えないほど活発な走りです。2,000回転程度から豊かなトルクを発揮して、ボディサイズを全く感じさせない軽快な加速を披露します。
 また、ハンドリングもマツダの車らしくシャープで素直です。SUVとしては全高が低いので上屋の重さを感じにくく、低重心で安定した楽しい走りです。

・充実した安全装備
 隣の車線の車をモニターして、車線変更時に危険があればドライバーに警告する「リアビークルモニタリングシステム」をはじめ、急制動時にハザードランプを高速で点滅させる「エマージェンシーシグナルシステム」など、受動的・能動的安全システムが数多く採用されています。


もう少し頑張ってほしい点
・固い乗り心地
 この種の大型SUVといえば車重が重い分、ゆったりと鷹揚な乗り心地なのですが、CX-7は脚の固さを常に感じさせられます。ちょっとした段差でも強いハーシュネスが伝わるというラフさなので、車格相応の乗り心地を期待すると裏切られます。

・スポーティな味付けが少しわざとらしい
 マツダの車といえばZoom-Zoomを謳いスポーティで楽しい運転感覚を売り物にしています。
 確かにどの車も、素直で自分のイメージしたラインをトレースできるキビキビとしたハンドリング、剛性感の高い足回り、インフォメーションを伝えてくるステアリングフィールなど、素晴らしいドライバーズカーであり、SUVであるCX-7にもそのDNAが受け継がれてはいます。
 ただし、このCX-7に限らずアテンザ、アクセラなど最近のマツダ車は運転感覚を演出したいあまり、ちょっとわざとらしいところが鼻につきます。本来レベルの高い運転の楽しさというのは、コンパクトなサイズ、軽い車重、シンプルな内外装(すなわち初代ロードスターのような車)から生み出されるものだと思いますが、最近のマツダ車はそれがありません。無駄に大きいボディ、決してフィーリングの良くないエンジンを過給機で無理矢理パワーアップしていたり、ちょっと過剰な装飾がされた内外装など、無理にスポーティさを演出しているようでちょっと底が浅いです。

・燃費が悪い?
 オーナーさんに聞いたところ、街乗りでの燃費は8km/Lに届かないそうです。車重を考えればやむを得ないですが、現代の水準から考えると相当燃費が悪いですね。ターボの過給圧をもう少し下げてもいいのではないでしょうか。

・車両感覚がつかみづらい
 全幅がなんと1,870mmもある馬鹿でかさのうえ、スラントしたノーズや傾斜の強いフロントガラスの影響か車の直近が見えず車両感覚はつかみにくいです。
 雑誌カーグラフィック誌11月号にSUV各車の車両感覚のつかみづらさについての比較記事が出ていました。その中にCX-7はなかったのですが、同様のスタイルのレクサスRXの成績が悪かったです。
 この種の日本製SUV(というよりもクロスオーバー)は格好ばかりを気にして、日常の使い勝手や安全性について真剣に考えているのか疑問に思えます。

・乗降性が悪い
 上記の幅が広いことにも関連するのですが、ロードクリアランスが高く、シートからサイドシルの間隔が広いため乗降性が悪いです。脚を相当外に投げ出すようにしないと地面に足が着きません。(私の脚、そんなに短くないはずなんですがwww)
 女性や子供、高齢者・障害者の方には向いてない車ですね。

・ボディカラーの設定が少ない
 ボディカラーが白・黒・茶・グレーの4色しか設定されていません。いかに台数が売れないからといっても、こんな高額車でボディカラーが少ないのはユーザーを馬鹿にしています。スタイルが売り物の車なのに、それを彩るボディカラーが少ないのは矛盾しています。


総評
 デビューからかなり時間が経っており、また販売台数も少ない車なのでもう乗る機会がないままかなと思っていたら、思わぬ乗ることができてラッキーでした。
 この車の価値は一にも二にもスタイリッシュな外観ということに尽きると思います。20~30代の男性がかっこよく乗るのが似合う車ですね。
 ただし、上記の通り実用性にはかなり問題があります。スタイル重視の車だから実用性は二の次でよいというのがメーカーの姿勢なのかも知れませんが、例えばBMW3シリーズなどはかっこいいスタイルと高い実用性を兼ね備えているのに、それと比べるといかにもレベルが低いというか志が低いです。
 これはCX-7に限らずレクサスRXやムラーノなどクロスオーバーに共通した傾向であるように思えますが、このままではクロスオーバーは一過性の流行商品で終わってしまうでしょう。
 自動車メーカーが流行を追うことは当然ですし、売れる車を作らなければいけないことは理解できるのですが、ユーザーも自動車にとって本当に必要なことはなんなのか、本当にその車が自分のライフスタイルに合っているのか、きちんと考える必要もあるでしょうね。
 

関連試乗記もご覧下さい↓
アクセラ試乗記
ランドクルーザープラド試乗記
ムラーノ試乗記
エクストレイルディーゼル試乗記
VWティグアン試乗記
Posted at 2009/10/26 22:15:24 | コメント(8) | トラックバック(0) | 新車試乗記 マツダ編 | 日記
2009年06月29日 イイね!

新型アクセラ乗ってみました

新型アクセラ乗ってみました 新型アクセラ乗ってみました。
 グレードはセダンの20E、ボディカラーはインディゴライトマイカです。
 

○だった点
・素直で気持ちの良い運転感覚
 マツダの車に共通した美点ですが、運転感覚が素直で違和感がありません。試乗時には中速コーナーが連続するコースで運転することができましたが、こういう状況だととても気持ちいいです。
 電動パワステながらステアフィールは自然ですし、CVTの停止寸前の引っ張られ感もほとんど感じません。

・i-stopによる省燃費
 車にアイドリングストップシステム「i-stop」が搭載されています。信号待ち等で日常的にアイドリングストップを実践されている方も多いかと思いますが、めんどくさくて…とか、ごく短時間の停止だろうと思っていたら、思いの外長時間停止してしまい、エンジン止めればよかった…などということがあるかと思います。ならそういったことがなくなりそうで良いですね。


もう少し頑張ってほしい点
・広くない室内
 後席の空間は、前席に身長センチの乗員が適切なポジションをとって、膝前・頭上とも握りこぶしが入らないぐらいで、側頭部にも余裕はありません。これではフィット、ヴィッツなど多くのBセグメントの車よりも空間的余裕がなく、Cセグメントとして意味がないと思います。

・無駄にでかいボディサイズ
 先代よりもさらにボディサイズが拡大し、全長4,580mm×全幅1,755mm(セダン)と、Cセグメントの車とは思えない大きさです。
 上記の室内空間広くないということにも関係しているのですが、こんなにボディサイズが大きいのに室内が大して広くないのはなぜでしょうか?
 スタイルを重視しているからあまり室内が広くなくていいという考え方なのかもしれませんが、同クラスのVWゴルフがスタイリッシュさと高い実用性を両立させていることを考えると、ちょっとレベルが低いと言わざるを得ません。

・うっとうしいi-stop
 新型アクセラの最大の特徴の、停車した際にエンジンのアイドリングを停止させる「i-stop」ですが、エンジンの始動・停止時の振動が大きくちょっと気になります。その上、エアコンオンの際にもアイドリングが停止するのはいいのですが、停車時間が2~3秒程度でもエンジンが止まるのでうっとうしいです。こううっとうしい思いをして燃費を稼ぐぐらいなら、おとなしくデミオにでも乗ってた方がいいと思うんですが…
 それに、短時間でチマチマと停止始動を繰り返すとセルモーターやバッテリーへの負担が心配ですね。
(なお、i-stopにはキャンセルスイッチがあります。)


総評
 新型は先代に比べて、クラス分けというか立ち位置を明確化したようで、先代にあった2.3Lがマツダスピードアクセラを除いてなくなりました。これはアテンザとの区別を明確にする点から良いことだと思います。

 基本的に新型アクセラは先代の改良版という位置づけのようで、見た目のイメージ・実際に乗った雰囲気とも先代のブラッシュアップ版といった印象です。先代で感じられた、どこか雑というか安っぽい印象はかなり軽減されています。
 先代は世界販売台数が200万台を越える大ヒット作でしたが、そのうち日本国内で販売されたのは一割程度だそうです。新型はそれを踏まえてますます輸出指向を強めているように思います。
 その分日本市場を無視した感は先代よりも顕著で、無駄に大きいボディサイズといいメーカーのマツダはこの車を日本市場で本気で売ろうとは考えていないのでしょう。

 で、それだけ日本市場を無視するなら、世界中でCセグメントの強豪達と本気で渡り合えるのかというと、やや疑問に思えます。Cセグメントの車の世界的なベンチマークはVWゴルフだと思うのですが、ファミリーカーでありながら質が高く濃密な走り味とTSI、TDI、DSGなど先進のメカニズムに、なおかつ広い室内空間など高い実用性を併せ持つゴルフに比べ、アクセラは厳しい言い方をするとゴルフの劣化コピーの域を抜け出ていません。多少改善されたとはいえどこか大味な走りや、図体はデカいくせに狭い室内など、ゴルフのレベルの高さに比べるとまだまだといった印象です。

 先代アクセラは大ヒット作でしたが、「値段の割りには出来がいい」「値段が安くて壊れない」という売れ方だと、韓国車や中国車にあっという間に追い付き追い越されてしまうでしょう。正直言って新型アクセラのこの程度の出来では、韓国・中国勢に対して大きなアドバンテージはないなと感じます。
 世界的に自動車の白物家電化が進む中、日本ブランドのテレビやパソコンの失敗の轍を踏まないためにも、「マツダならでは」「日本車ならでは」という世界を、マツダは早く確立する必要があるのではないでしょうか。
Posted at 2009/06/29 22:58:58 | コメント(7) | トラックバック(0) | 新車試乗記 マツダ編 | 日記

プロフィール

所持運転免許 ・大型自動車第一種 ・中型自動車第一種(8t限定) ・中型自動車第二種(8t限定) ・大型特殊自動車第一種 ・大型特殊自動車第二種 ・...

ハイタッチ!drive

みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/6 >>

1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     

愛車一覧

日産 NV350キャラバン 日産 NV350キャラバン
グレードはバン2WD 2.5Lガソリン DX クロムギアパッケージ スーパーロングボディ ...
日産 シルビア 日産 シルビア
ご縁があって購入。 平成5年10月初度登録のS13ド最終・純正K's(ターボ)・純正M ...
ダイハツ アトレー ダイハツ アトレー
子供の送迎で自転車を積まなければいけなくなったため、安~い軽を探してると、なぜかこれにな ...
トヨタ プリウス トヨタ プリウス
基本的に嫁さん用ですが、私の遠出用も兼用。 ・クルーズコントロールとパワーシートは欲し ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation