OBD切り替えボックス(自作)
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OBD分岐ボックスを自作しました。
OBDは双方向通信なので市販の分岐ケーブルを使っても1端末ずつしか使えない。いちいち抜き差しをするのが嫌だから分岐ケーブルを買ったもののどちらかの端末しか使えないのに先に起動した方が優先されるというのは不便きわまりない。意図的にスイッチで切り替えできるようにする必要性を感じ作りました。また自車のOBD端子は電源が常時通電のため、自動スリープの端末を使っているとは言え待機電流でバッテリーに負荷がかかりますので、車のOBD端子からの電源供給はやめて別途アクセサリー電源で動作するように変更しました。貧乏性なのでなるべく家にあるガラクタを利用して作りました。
ピロンと出た黒いOBDコネクタ(オス)を車側に刺し、白いコネクタ2つから信号が出ます。1〜15番ピンは市販の分岐ケーブルの仕様通りシンプルにYパラですが、16番ピン(12V電源ライン)はスイッチを入れて白いコネクタのどちらか一方にのみ送られる仕様です。車のOBD端子からの電源は黒いコネクタからから出てすぐのとこでカットして絶縁。スイッチに入れる電源はボンネット内のヒューズボックスからアクセサリ電源ラインを引き込んで使用。
ボックス自体をダッシュボード内に設置してスイッチだけ出す案も検討しましたが、修理の必要が出た時にダッシュボード開けるのが面倒臭いから、それに右膝(右脛?)の右上にはこの程度の設置スペースは確保できそうなのでこういうボックスタイプにしました。
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中に納めた分岐ケーブル自体はAliExpressで送料込436円のものです。マルチケーブルタイプではなく、電源ラインだけをアクセサリに取り直すために16本のケーブルがバラバラになったこの製品を選びました。日本Amazonでも同じものが買えますが、同じものを仕入れて少し利益を乗せて再販売されているだけのようなので少しでも安くAliExpressで購入です。
黒いオスコネクタが車体に刺さる方。そこから線が16本生えてひとつめの白いメスコネクタに入って各ピンが16x2パラでもう一つの白いコネクタに、という製品です。写真ではすでに片側の白いコネクタに刺してみた状態のこの端末はスマホ用のOBDアダプタ(いわゆるELM327のBT4.0版)です。車の状態を監視したりエラーメッセージを消したりする作業をスマホで行うためのデバイスです。iPhoneユーザなのでBluetooth4.0製品で信頼度の高そうなものを選ぶとこのVGateになりました。(そのうち、別途パーツレビューしようと思います)。
これと、写真には写ってませんが、HUD(ヘッドアップディスプレイ)を一緒に繋いだまま切り替えたいのです。当初HUDは信号を受けて表示するだけだから分岐ケーブルだけでBTアダプタと同時使用できるかなと淡い期待をしていましたが実際試すとダメでした。
電源スイッチつきのOBDケーブルも市販されていますが、どちらの機器を使いたいかによって電源を個別に入れ直すのはとても億劫なので、シーソースイッチで電源ラインを交互に(片方がONならもう片方がOFF)切り替えるような製品のほうが望ましい。市販品ではなさそうです。無いものは作ります。
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いきなりデジットや共立電子でケースを買うのも勿体無い。プロト版として何か手頃なサイズの箱は無いかなと探してみると昔iPhone5cを買った時の箱を発見。プラスチック製なので現物合わせでカッターナイフで加工しました。この写真には写ってませんが、透明なフタもプラスチック製です。
実際にスイッチやコネクタをハメてみると思いのほか強度的にも問題ありません。理想よりも少し大きく分厚いですが実に便利な箱を見つけました。
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スイッチは6〜7年前に共立電子のワゴンセールで購入したものです。たしか3個で200円くらいでした。前車ではナビの車速センサーカット用に使ってましたが、それのお下がりとなります。3ピンx2段のタイプなので下段は熱収縮チューブで3つとも蓋をし、上段を電源のAB切り替えに使います。
箱の中とは言っても何かが当たってショートさせるのが嫌なので余り端子は塞ぎます。写真上の電源ラインは平形端子でスイッチに刺すのですがこれも熱収縮チューブをプリセットしておき、スイッチにつけたあとハンダごてで撫でて養生しておきます。
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とりあえず仮組みした時の写真です。この段階ではOBDのインレット側(黒コネクタ)が写真右側に出ていますが、このあと実車でフィッティングした時にこれじゃ都合が悪いと分かったので、この後写真左側から出すように変更しました。この写真で黒いOBDが出ている穴は、あとあとアクセサリ電源を取り込むための単線用の穴として利用されることとなります。
大きさが比較的ゆったりしているので、もう少し小ぶりな箱があればなあと思いながらの工作でしたが、実車に取り付けると特に邪魔にならずしっかり固定できたので結果オーライです。
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最終的にはこのような形で落ち着きました。紫色の単線はヒューズボックスから取ったアクセサリ電源を取り込むためにギボシ加工で出しています。AliExpress購入のOBD分岐ケーブルの16番ピンのケーブルは各所でニッパーでカットしてスイッチの両端タップに配線し、中央のタップにアクセサリ電源を接続することで、どの端末に電源を供給するのかスイッチで選択できるようにしました。
見た目はあたかも電気屋さんがこしらえたようなものとなりました。カーボンシールとかで外装を綺麗に仕上げるか迷いましたが、仮設置すると全くと言っていいほど目につかないのでこのままで。
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拡大写真。スイッチ部分で端子がむき出しになるところは全て熱収縮をかけてシュート防止です。大元のOBD端子からの電源ラインや、16番カットでチョロっと残ったラインも丁寧に熱収縮チューブで塞いでおきました。
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実車への取り付けはフリスクの空箱を使ってパネル挟みで天吊りするような構造物をしかもスプリング式で作ってみたのですが最終的に実車取り付けの際に不採用となりました。無駄骨です。
実車(ベンツ S212前期 E250)で取り付け位置を吟味し直した結果、シンプルにインシュロックでラウンド固定となりました。
ボンネットオープンレバーの奥すぐの天面にお誂え向きの穴が二つあり、穴の間隔と箱の短辺が同じくらいなので、運転席の足元パネルをはずし穴から数珠繋ぎのインシュロックを出してラウンド(1周させるという意味)で締めてしっかり取り付けることができました。
奥側(進行方向側)にHUDのコネクター、左側にOBDアダプタをつけました。信号待ちで手を伸ばせば感覚でスイッチを切り替えることが容易にできます。
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