この記事は、
穴だらけについて書いています。
例えばインプを買ってきて、自宅敷地内の裏山やらサーキットを走ってみると、
最初に問題が起きるのがブレーキで、
色々対策を重ねていっても最後まで問題を抱え続けるのがブレーキなんじゃないかと思います。
まぁ、ブレーキが抱える問題というのは要するに熱に対する問題なんですが、
なんで最初から最後まで熱に対する問題を抱え続けるのかちょっと考えてみましょうか?
まず最初にブレーキってなんなんでしょう?
スピードを落とす為の物?
車を止める為の物?
力学的な言い方をすれば、
ホイールの回転運動のエネルギーを熱エネルギーに変換する物ですね。
スピードを落とす、車を止めるのと引き換えに熱を発生させる物な訳です。
短時間に急激に減速させようとすれば一気に熱が発生しますから、
熱の問題を抱えるのは当然ですよね。
そんな事はメーカーだって百も承知ですから、
それなりに熱の問題を抱えないような対策を盛り込んでブレーキを作ってます。
その代表とも言えるのがベンチレーテッドディスクです。
外側のディスクと内側のディスクをリブで繋いで隙間を作る事によって、
ディスクの表面積を増やして冷却しやすくしてる訳ですね。
しかしこれだけじゃ自宅敷地内の裏山やらサーキットやらを走ると
冷却が全然追い付かない状態なので更に冷却する方法を考えてみます。
って訳で、更に熱対策をされた方の写真を借りてきてみました。
先程はメーカーも熱対策は施してるのは言いましたが、
そうは言ってもブレーキに小石やらゴミやらを巻き込んでも困るので、
ブレーキの裏側はバックプレートで覆われてます。
こんなんじゃ冷却する為の空気が入らないじゃないか!
という事で穴を開けてみた訳ですね。
で、これでブレーキは冷えるようになるんでしょうか?
確かに内側のディスクには風が当たるようになったように見えますが、
外側のディスクの状況は変わってないようにも見えます。
そもそもベンチレーテッドディスクというのはどういう理屈で冷却しようとしてるんでしょう?
内側のディスクと外側のディスクの間の隙間には空気が入ってます。
このディスクが高速で回転すると遠心力が発生します。
空気は水や金属よりはずっと軽いですが質量は存在します。
この質量によってローターの間の空気は遠心力で外側に飛ばされていく訳ですね。
つまり回転しているローターの中では中心部から外縁部に向かって風が流れてる訳です。
元々ローターの中には風が流れてるんだったら、
その流れを加速させてやった方が効率が良さそうな気がしませんか?
ローターの内部から冷やしてやれば内側も外側も冷える訳ですし。
って訳で、ローターの中心付近、
つまり空気の流れの上流に穴を開けた例がこちらです。
ローターの中心部に風を送り込んで、
ローターの中にバンバン風を通り抜けさせちゃおうって寸法ですね。
インプ用の社外品のバックプレートも同じ設計思想ですね。
こちらは内側のディスクの表面にも風を当てる為の穴も開いてますが、
やはりローターの中心付近に大穴を開けて、
内側のディスクと外側のディスクの間の隙間にジャンジャン空気を送り込んでやろうとしてます。
とにかくジャンジャン空気を当てたいんだったら、そもそもバックプレートいらないんじゃね?
と思った方も居るでしょう。
その通りです。
ブレーキを冷却するという観点に於いてはバックプレートは邪魔者でしかありません。
バックプレートがない状態が一番冷えます。
但し、バックプレートにはローターを小石やらゴミやらから護るという意味の他に、
逆にローターの熱から周りの熱に弱い補器類を護るという意味もあります。
安易にバックプレートを外しちゃうと、
ABSのセンサーの配線の被覆のビニールや、タイロッドエンドのゴムのブーツなどを、
今度はローターの熱が攻撃するようになっちゃうんですね。
逆に言うと熱に弱い部分さえ護ってやれば、
バックプレートを外した状態が冷却には一番有利だとも言えます。
護ってやるといっても写真の通り断熱材を3ヶ所に巻くだけですし、
バックプレートを外す事によって、ローターを小石やらゴミやらから護る機能はなくなる訳ですが、
それらを巻き込んで困ったという例は殆ど聞きませんから(ない訳じゃない)、
ブレーキの冷却を重視する人ならバックプレートを外しちゃってもいいんじゃないかと思います。
よっぽど運が悪くない限り問題ないと思いますが、
万一小石やらゴミやらを巻き込んだとしても、私は一切関知しません…(爆)
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Posted at
2012/11/11 03:51:55