
たまたま程度の良いミシュラン パイロットスポーツ3(PS3)を入手したんで、
ちょっくら自宅敷地内の裏庭で実験してみたりなんかした訳ですが、
そこで大きな誤解と、その誤解によって失敗してた事に気付いちゃいました。
私はMXX以降に日本で発売されたミシュランの最上級グレードのスポーツタイヤを使い続ける、
自他共に認めるミシュラン党だったりする訳ですが、
最初にミシュランを使い始めたのは実にひねくれた理由からでした。
それ以前は当時お付き合いのあったブリジストンのRE71シリーズを使ってたんですが、
かなりグリップする代わりにかなり減りも早く1年ごとに交換していました。
その当時、自宅敷地内の裏山に集う人達と夜な夜な競争してたんですが、
2分15秒くらいのコースで2位の人に20秒以上の差をつけてました。
コーナーを3つも曲がれば見えなくなっちゃうくらいの圧倒的大差なんですが、
それでも負けた人はタイヤの違いなどを理由に言い訳するんですね。
で、私の場合、実に残念な事に人間が出来てないんで自分が一切言い訳をしない代わりに、
他人の言い訳も一切受け入れられないんです…
頑張って勝ってもタイヤのせいにされちゃうんなら自分のタイヤを駄目な奴にしちゃう?
ブッチギリで勝ってもギリギリで勝っても勝ちは勝ちだよね?
ついでにタイヤ交換のサイクルが伸びれば経済的だよね?
当時はブリジストンを始めとする国産タイヤに勢いがあって、
ポルシェに純正採用されたエクスペディアなどは、
筑波2000でミシュランから換えると1秒半、
ピレリからなら3秒速くなると言われてたくらい徹底的なグリップ志向だったんで、
ミシュランやピレリなどのヨーロッパ製のタイヤは、
外車を買うと付いてくる全然駄目なタイヤという認識だったので、
周りの人からナメられる為に買うタイヤとしては丁度良い。
そんな訳でミシュランのMXXを買ってみました。
で、使ってみると確かにグリップしない。
しかし荷重を適切にコントロールしてやれば全くグリップしないという訳でもない。
(換えた当初は5秒近く遅くなったけど20秒差が15秒差になっただけで大勢に影響ない)
そして雨の日の排水性は当時の国産ハイグリップより桁違いに良い。
(ウェットでのタイムは逆に3秒以上速くなった)
グリップそのものは落ちるけど、コントロール性は笑っちゃうくらい良い。
当時の国産ハイグリップと比べて圧倒的に乗り心地が良くて静か。
ついでに国産ハイグリップの倍持つのでお財布にやさしい。
なんといっても、
競争相手「いや~、なんかセッティングが今一つ決まってなくて…」
私「そうなの? でもこっちはウ○コタイヤのミシュランだよ?」
競争相手「…」
このやり取りが最高に気持ちいい(笑)
ミシュランには競争相手を一発で黙らせる破壊力がありました。
これって物凄く良くね?
って訳で一発で気に入り、MXX2、MXX3、パイロットスポーツと、
ミシュランのタイヤを買い換え続けました。
中でも初代パイロットスポーツ(PS)の出来が良くて、
海外タイヤ好きな人達からはミシュランの最高傑作などと言われてたんですが、
そんな噂を聞きつけた敏感な人達がミシュランを使い始めました。
折しもバブルが弾けて10年以上経ち、
グリップ良ければ全て良しという時代じゃなくなってたので、
評判が評判を呼びミシュランを使い始める人が増加しました。
そんな折に発売されたパイロットスポーツ2(PS2)が、
それまでのミシュランの方向性とは違うグリップ志向で、
ひょっとしてRE050が作りたかったの?と訊きたくなっちゃうような物でした。
しかしこれが当たった。
それなりにグリップするので国産プレミアムグレードから履き替えても全然違和感がない。
それまでのミシュランユーザーからするとグリップ志向でアンバランスに感じられる物も、
国産からの買い換えユーザーにとっては充分バランス志向に感じられる。
なんといってもおフランスのエスプリがブランド心をくすぐる。
このPS2がミシュランを一気にメインストリームに押し上げました。
それまでのミシュランユーザーにとって違和感のある内容でも、
大量の新規ユーザーを掴み、普通にRE050とPS2を比べられる時代がやってきたのです。
で、そんな折に発売されたパイロットスポーツ3(PS3)が物議を呼びました。
曰くグリップが悪い、コンフォート志向が強すぎてスポーツ性が感じられない。
しかしそこに追加投入されたパイロットスーパースポーツ(PSS)は違いました。
まさしくPS2の後継と言える内容で、PS2から入ってきたユーザーを納得させる物でした。
で、そんな時にたまたま私もタイヤを買い換えた訳ですが、
なんとなく評判の悪いPS3を避けてPSSを買ってみたんですが、
なんか違うと思ったPS2と同じく違和感のある物でした。
なんかやたらとグリップ志向でバランス悪いし、
RE050と同じくらいしか持たないんだったら敢えてミシュラン選ぶ意味なくね?
かといってPS3はコンフォート志向が強すぎて駄目らしいし、
PSSにしろPS3にしろ私が求めてる方向性とは違っちゃってるのかな…
そんな風に思ってるところに、たまたま入手したPS3を使ってみてハッキリ判りました。
PS3は紛う事なく初代PSの方向性の発展形でした。
コンフォート志向が強すぎて駄目という意見はPS2以降に入ってきた人の意見で、
初代PS以前から使ってる私が聞くべき意見ではなかったという事です。
PS3はコンフォート志向が強すぎるんじゃなく本来のミシュランの味付けであって、
むしろグリップ志向が強いPS2とPSSだけが元々のミシュランの方向性とは違ってるだけでした。
私にとって必要のない意見に惑わされてPSSなんて寄り道をしちゃいましたが、
丁度良い感じにPS3がナメられてる昨今、元通りの方向性に戻る事ができちゃいましたね。
競争相手「いや~、PSSの内圧の設定を失敗しちゃって…」
私「そうなの? でもこっちはウ○コタイヤのPS3だよ?」
今後PS4が発売され、PSS2が発売されるんでしょうが、
周囲の意見に惑わされる事なく迷わずPS4を選んでいこうと思います。