一部のネット上では今迄のインプより劣化してると評判のVABですが(笑)、
ここだけは明確に改悪されてるぞという所を今回は特別にお教えしちゃいますよ。
っていうか、VAB乗ってる人は気をつけた方がいいよマジで。
って訳で、ブレーキのリザーバータンクですが、
GC8からGRB/GVBまではずっとブレーキ専用でしたが、VABからクラッチと共用になってます。
つまりブレーキフルードをDOT5.1等のガチな奴に換えたら、
必然的にクラッチフルードもガチな奴を使わざるを得ない訳ですね。
クラッチフルードなど、そうそうベーパーロックするもんでもないですから、
敢えてガチなフルードを使う理由もないですし、
むしろ吸湿性の高いガチなフルードを使う事によって、
無駄にメンテナンスサイクルが短くなるだけでしかありません。
ブレーキにしろ、クラッチにしろ、作動する際にマスターから微妙にフルードを吹き返すので、
だんだんとリザーバータンク内のフルードと混ざって汚れていく訳ですが、
ブレーキよりも圧倒的にストロークの大きいクラッチフルードの方が汚れが早いので、
ブレーキとクラッチでリザーバータンクを共用すると見た目の劣化した感も強くなる訳です。
また、ショップ等でブレーキフルードの交換をして貰う人の場合、
敢えて言わなきゃわざわざクラッチのフルードまで交換してくれないでしょうから、
自分ではガチなブレーキフルードに換えたつもりでも、
クラッチ側から微妙に吹き返した純正フルードと徐々に混ざっていって、
実は残念無念な事になっちゃってるケースもあるかもしれません。
ショップ等でブレーキフルードを交換して貰う場合、
ちゃんとクラッチの方も抜いてくれるよう頼んどかなきゃ駄目ですよ。
しかしクラッチのフルードを抜くにはインタークーラーを外さなきゃいけないので、
工賃が余計に掛って、それはそれで残念無念だったりなんかもする訳ですが…
まぁ、私くらいのエア抜きマニアになると、いちいちインタークーラーを外さなくても、
隙間から手を突っ込んで手探りで作業しちゃったりなんかもする訳ですが、
ここにも落とし穴というか、罠というか、地雷が仕掛けてあったりなんかします。
フルードの交換作業を行う際に、まずはリザーバータンク内の汚れたフルードを抜き取って、
可能な限り劣化したフルードと新しいフルードが混ざらないようにしたい訳ですが、
VABのリザーバータンクは内部のパーテーションの切り方が複雑なので、
スポイトやシリンジでギリギリまで抜く事ができません。
ならばまずはキャリパーやレリーズシリンダー(オペレーティングシリンダー)側から、
可能な限り劣化したフルードを排出させてから新しいフルードを入れたいところです。
丸で囲ってるのがクラッチマスターに繋がるホースですが、
クラッチから先に作業を行う場合、このホースギリギリまで劣化したフルードを抜いてから、
新しいフルードを入れて交換作業を行いたいところです。
リザーバータンクの底に近い所にホースが刺さってるので、
このホースのギリギリまで抜きたくなるじゃないですか。
ところが実はタンク内のパーテーションがブレーキとクラッチで分かれてて、
クラッチ側からいくら抜いても見た目の液面はここまで下がらないんですよ。
ここまで下がらないっていうかMINレベルの線まですら下がりません。
つまり見た目ではまだまだ余裕がありそうなのに、
余裕こいて抜いていくとエアを食わせちゃう訳です。
とりあえず下の線まで抜いちゃおうかな~なんてやると確実にアウトですね。
こうなると面倒くさい、実に面倒くさい。
写真を見て頂ければお分かりのようにクラッチの釜の傾斜してる所に取り付けてあるので、
エア抜き用のニップルがレリーズシリンダーの一番高い場所に付いてる訳じゃないんですよ。
クラッチホースのバンジョーもニップルより上に付いてますし、
シリンダー自体が傾斜してて、その一番低い所にニップルが付いてます。
(赤丸で囲ってあるのがレリーズシリンダー 青丸で囲ってあるのがエア抜き用ニップル)
つまり普通にエアを抜こうと思ってもニップルより高い所にエアが溜まってるので、
何時間やろうが、フルードを何リッターぶち込もうがエアは抜けません。
レリーズシリンダーを外してニップルが一番高い状態にして抜かなきゃいけないんです。
で、このレリーズシリンダーはボルト2本で留まってるだけなんですが、
すぐ隣にセルモーターが鎮座してるのでマトモに工具が入らず、
外すのが結構大変だったりなんかするんですよ。
それでも頑張ってレリーズシリンダーが外れたら、
ニップルが一番高くなるようにしてエアを抜くんですが、
そのままクラッチペダルを踏もうもんならシリンダーからピストンが飛び出しちゃいます。
万力かクランプ的な物でピストンが飛び出さないようにしなきゃいけません。
ちなみに私の場合は手頃なクランプ的な物がなかったんで、
ブレーキパッドを交換する時にピストンを拡げるツールで逆に挟んでやりました。
で、エアが抜けたらレリーズシリンダーをまた取り付けるんですが、
例によってボルトを2本締めるだけなものの、なかなかネジを回せなくてイライラします。
目の前に見えてるネジが思うように回らないというのはなかなかのストレスです…
ほんの軽い気持ちで小一時間でフルードを交換するつもりだったんですが、
余計な仕様変更のせいで5時間掛かっちゃいましたよ…
しかもアクロバティックな体勢での作業を強いられるので全身筋肉痛になっちゃいました。
GC8からGRB/GVBまで20年も続けていたものを敢えてVABから変える意味が分かりませんし、
変えるなら変えるで、もっと扱いやすい仕様の物に変えて欲しいものです…