さて、ここのところ個人的に盆と正月が一緒にやってきたような忙しさだったので、
ブログ書いたりする余裕も全然なかったんですが、
ようやくほんの少しだけ余裕が出てきたんで、
以前からご依頼頂いてたブレーキパッドのテストのレポートを上げてみますよ。
って訳で今回実験したのはマルシェのカーボン02改(フロント用)とカーボン02(リア用)です。
ぶっちゃけた話、自宅敷地内の裏山を走る度に、
毎回毎回ベーパーロックさせてるのはおかしいんじゃないか?
と疑問を抱いたとあるお方からコイツを試してみろと、
フロント用のカーボン02改(中古品)を預かったものの、
フロントだけじゃ実験できないのでリア用のカーボン02も調達して実験してみました。
フロント用とリア用で銘柄が違いますが、この組み合わせでいいんだそうです。
って訳で、早速中を見てみますか?
どちらも中古品でアレですが、上がエンドレスMX72、下がカーボン02改です。
カーボン02改の方がパックプレートが厚いのにお気づきでしょうか?
バックプレートが曲がるまで踏んで踏んで踏み倒した人が常連さんの中に居るんでしょうか?(笑)
こちらはリア側、上がカーボン02(新品)、下がエンドレスMX72(中古品)になります。

(こういう写真撮る時はちゃんと向きを揃えとけよ…)
リア側に関してはバックプレートは標準的な厚さのようです。
MX72のようにキメが細かく綺麗に焼き固められた感じと違って、
一見スが入ってるようなボソボソっぽい感じがPFCのレーシングパッドに似てますね。
そんな訳でサクッと取り付けて、まずは当たりを付けなきゃいけない訳ですが、
当たりを付ける為と移動の為に街乗り(高速を含む)しただけで違いが分かります。
まずは街乗り中心で、ごくたまにサーキットや峠という使い方の人は、
ここから先は読まなくて結構です。
明らかにアナタ用ではありません(笑)
ある程度以上に高温になった時のコントロール性を重視してるようで、
というか、それ以下を切り捨ててるようで、
街乗りではフィーリングも良くありませんし使い勝手も悪いです。
例えば赤信号で止まる際にペダルを踏むと、低温では全く効かないという事はありませんが、
温度が上がるに従って制動力が高まってくるので、
それに併せてコントロールする必要がありますし、
そういう中途半端な温度と踏力で使うとノイズダンパーを入れてても結構鳴きます。
(パッド以外の条件を揃える為エンドレス製のアンチノイズシムを入れてあります)
もし入れてなかったら盛大に鳴きまくるんじゃないかと思われます。
また、当たりを付ける為に近所をウロウロしてただけでも、
ご覧のようにブレーキダストでホイールが汚れてます。

(○で囲った所だけ布で拭ってみました)
まだフロントのカーボン02改の方は洗えば普通に落ちますが、
リアのカーボン02の方は効きを重視したカーボン系パッド特有の粘着質のダストで、
サーキットや峠をを走らせた後の洗車では苦労させられるんじゃないでしょうか。
鳴いたって全然気にしないぜぃ?
ダストなんかどうでもいいぜぃ?
街乗りでフィーリング悪いのなんて当たり前なんだぜぃ?
サーキットや峠でガツンと効きゃそれで充分なんだぜぃ?
俺ってワイルドだろぅ?
という方だけ先にお進みください(笑)
そんな訳で、早速自宅敷地内の裏山に持ち込んで実験してみますよ。
まず最初にタッチの違いが印象的です。
柔らかいタッチのMX72とは正反対で、
PFCのコンパウンド97辺りと似た硬質なタッチです。
テフロンホースやマスターシリンダーストッパーを着けたりする人には好印象だと思います。
また、メーカーが意識してると言ってるだけあって、
PFCのコンパウンド97辺りに似た素直なコントロール性です。
プロミューのHC+とかみたいにスイッチ的に一気に制動力が立ち上がるような事はなく、
踏んだら踏んだ分だけ効くといった感覚です。
MX72より少し初期制動が強い感じでしょうか。
しかし制動力そのものはクラスが違うので当たり前ですが、
MX72なんかとは全然比較にはなりません。
エンドレスならMX72ではなくCC-Rgと比較するのが適切ですが、
CC-Rgを装着したGRBに乗った事がないので憶測ですが(他の車種では何度も乗ってます)、
同等レベルに効いてるんじゃないでしょうか。
また、ブレーキバランスが少しリア寄りになるのも私の好みです。
そして肝心の対ベーパーロック性ですが、
MX72と同条件で走らせても、ABSがなくなる所までペダルが入るには1.5倍ほど走れるようです。
なんだ結局ベーパーロックするんじゃん!と思われるかもしれませんが、
この自宅敷地内の裏山でちゃんと走らせるとカーボンブレーキが装備されたポルシェ以外では、
鉄ブレーキのポルシェだろうがガヤルドだろうが全車必ずベーパーロックはしてるので、
全くベーパーロックしなくなるというのはそもそも期待していません。
ベーパーロックするまでの時間というか距離を1.5倍先延ばしできるというのは、
この場合優秀な結果だったという事になります。
なんだか褒めてばっかりで雑誌の提灯記事みたくなっちゃいましたが、
特に貶すべき点が見当たらないのは確かです。
ネット等で安く売ってるCC-Rg辺りと比べると、
ほぼ定価でしか手に入らないのが痛いのかなとも思いましたが、
そもそもの定価が値引きされたCC-Rgと大差ないので、
これも特に問題にはならないようです。
長く使ってる人の話では耐摩耗性も悪くないし、
ローター攻撃性も低いみたいですので、
CC-Rg辺りを使ってる人なら試してみる価値はあるかもしれませんよ。