今シーズンはもう雪道を走る機会もなさそうなので車を夏仕様に戻したいところですが、
諸事情により時間があまり取れなかったのでリスクの高い所だけ作業してみましたよ。
雪山仕様から夏仕様に戻すには基本的にはタイヤを換えてリップスポイラー等の取り付け、
雪山装備(スコップやらスタック脱出ツールやら)を下ろす程度なんですが、
今回は併せていい加減お疲れになったフロントのブレーキローターを新品に交換します。
友人が使ってたPFC製のブレーキローターを奪って使ってたので正確な走行距離は判りませんが、
少なく見積もっても6万キロ以上、恐らく8万キロ程度は使ってると思われますので、
社外品のレーシング系ブレーキローターとしては驚異的な長寿命だと思います。
今回新品に換えておけば恐らく車を買い替えるまで使えるんじゃないでしょうか。
自宅敷地内の裏山やら裏庭やらで毎回F1用ブレーキフルードが沸いちゃうような使い方でも、
熱で歪んで使い物にならなくなるような事もなく、
これだけ走っても余裕で持つとなると(まだディンプルは全て残ってるのでもう少し使えます)
馬鹿馬鹿しくてPFC以外のブレーキローターは使えませんね。
値段は高いですがコストパフォーマンスは極めて高いと思います。
って訳で、ベルハットは今の物をそのまま残して、
ローター部分だけリプレイスローターに交換します。
そんな訳でブレーキローターを交換する訳ですが、
純正ブレンボ装着車の場合、一番最初にいきなり最大の危機が訪れます。
アルミ製のブレンボのキャリパーがスチールのボルトで留ってるんですが、
結構な確率でボルトが齧ってて、ボルトを緩める時にネジ山が崩壊します。
ネジ山が崩壊するならまだ可愛い方で、ボルトが折れる事すらあります。
特にサーキットなんかをガンガンに走ってて熱を食らってる車だと、
50パーセントの確率で齧ってるという話もあったりなんかします。
私の場合、納車直後にPFCローターに交換する際に、
齧り防止にワコーズのスレッドコンパウンドを塗ってはいますが、
それでも気休め程度でしかないので覚悟を決めてボルトを緩めます。
勿論ネジ山が崩壊したりボルトが折れたりした時に備えて、
ボール盤で正確に垂直に揉んで(適当にドリルで揉んで穴が斜めになっちゃうのもヤバい)
ヘリサートを入れて貰えるルートも確保してから作業してますよ。
最初に穏やかな工具でやんわりやって埒が明かず、強力な工具に換えて更に頑張る、
なんてパターンは事態が深刻化するだけなので、
覚悟を決めて最初から長いスピンナーを使って一気に緩めに掛ります。
特に問題なくボルトが緩みました。
今回の作業のクライマックスは終わったというか、
全体の難易度の8割は消化した感じでしょうか。
後はアルミのベルハットがハブに食っちゃってて外れないなんて事もままありますが、
今回は特にそのような事もなく外れましたので、
チャッチャとボルトを緩めてローターとベルハットを切り離します。
そしたら新品ローターをベルハットに組み付けていきます。
ボルトが赤とか青に塗ってありますが、お洒落とかそういうんじゃなく、
単に組み付け順序の確認用に塗ってあるだけです。
自宅敷地内の裏山を何回か走ればこんな色は飛んじゃいますよ。
しかしこのボルトの規定トルクは13~16Nm…
普通に50とか60Nmだったらトルクレンチなど使わず適当に締めちゃうところですが、
規定トルクがあまりにも低いのでちゃんとトルク管理したいところ…
しかしそんな変態的な低トルク用のトルクレンチなんて持ってない…
仮に今回の作業の為に買ったとしても次に使う機会なんてなさそうなので、
変態な友人に訊いてみたら案の定持ってました(笑)
残念すぎる友人のお陰でわざわざ一回こっきりの為にトルクレンチを買わないで済みましたよ。
って訳で、またボルトにスレッドコンパウンドを塗って組み付け、
パッドを新品に交換して出来上がりです。
しかし純正ブレンボは外す時も勇気と覚悟が要るけど、
締め付ける時もやらかしちゃいそう感が半端ないです。
私自身も前に食らった事ありますし、やらかした現場に居合わせた事もあるので、
触らないで済むならブレンボの脱着作業には関わりたくありません。
アルミのキャリパーにネジ込むんじゃなく鉄のナックルの方にネジ込むようにするか、
せめてアルミの母材に直接ネジ山を切るんじゃなく、
ネジ山を切った鉄製のスリーブでも打ち込んでくれればずっと難易度が下がるのに…