事あるごとに何シテル?とかに書き込んでるんでご存知の方も多いでしょうが、
VABに乗り換えてからフロントダンパーの底付きに悩まされてます。
要するにダンパーのストロークを使い切っちゃう訳ですが、
車に慣れてくればくる程、それに伴ってアベレージが上がってくる程、
底付きする機会も増えてきて日に日に事態は深刻になってきてます。
特に深刻なのは良い感じにコーナリングしてる最中に路面のギャップに乗ると、
フロントダンパーが底付きして一気にドアンダーに転ずる事なんですが、
最大Gで曲がってる最中にいきなりサスペンションがない状態になる訳ですから、
それはそれはシリアスな状態にいきなり転じちゃったりなんかする訳です。
昨年の秋には、ジャンプした後の着地姿勢が悪かったとはいえ、
底付きが原因で強度優先で買った筈のBBSのホイールを曲げてますし、
このまま放っておいたらまたホイールを曲げそう、
っていうか、もっと豪快に壊しちゃいそうな気もするので、
抜本的な対策を考えてみようと思います。
考えてみれば前車のGRBではコーナリング中にギャップに乗ろうが、
林道でジャンプしようが底付きした事など殆どなかったりするんですが、
車重もほぼ一緒、サスペンションのレイアウトもほぼ一緒、
スプリングのレートもほぼ一緒なVABではなんでそこまで底付きしまくるんでしょう?
サスペンション関係で唯一違うのは、GRBではダンパーがカヤバ製だったのが、
VABではビルシュタイン製に変わってるくらいでしょうか。
ひょっとしたらカヤバ製ダンパーに換えればいきなり解決するんじゃね?
って訳で、カヤバのダンパーを調達してみました。
たまたま偶然相場の半額くらいで調達できたので、
万一カヤバが気に入らなくて売っ払ってもお得ですし、
カヤバが気に入ってビルシュタインを売っ払うなら更にお得ですし、
こういう、どう転んでもお得なパターンは大好きです(笑)
で、どうせ足回りをバラすなら、ついでにお疲れになったアッパーマウントのピロも交換します。
まぁ、今のところ特にガタが出てるとかじゃないんですが、
指で軽く押しただけでも動くくらいスコスコになってるんでついでに換えときます。
ところがアッパーマウントの製造元のマルシェに問い合わせたら、
ピロ単体じゃ売ってなく、ハウジングごと買わなきゃいけないみたいです…
恐らくピロアッパー界ではド定番のミネベアのMBWTD18-207というピロが使われてる筈ですが、
本当にMBWTD18-207が使われてるか一回バラして確認して発注し、
新しいピロが届いたら、またバラして交換するのも面倒なんで今回はハウジングごと買ってみます。
で、送られてきた物を見てみたら、ピロの品番が刻印されてる面が奥側になるよう圧入されてて、
ピロを打ち抜いてみなきゃ品番が確認できません。
私の家にある設備でピロを打ち抜いたら再使用はできなくなるので、
新しいピロが届くまで車を動かせなくなるところでした。
ハウジング代をケチらなくてよかったですね。
とりあえずハウジングごと交換しておいて、
後から旧ハウジングからピロを打ち抜いて品番を確認して、
新しいピロを買って打ち込んどけば、次に作業する時に楽できちゃいます。
で、材料が揃ったんで早速交換作業を始めますが、
今迄使ってたハウジングを見てみると、今回送られてきたハウジングと違ってました。
こんなんじゃマイナスキャンバーが全然付けられない…
今現在着いてるピロにガタが出てるとかじゃないんで、
仕方なくピロは交換せずに作業を進めます。
後日、旧形状のハウジングを送ってくれるらしいんで、
二度手間にはなりますが、それが届いたらまたハウジングを交換します…
で、翌日に再度送られてきたハウジングを見てみると、
最初に送られてきた奴よりはマシですが、
それでもやっぱり今迄よりマイナスキャンバーが付けられない…
仕方ないのでサンダーで角を削り落として目一杯マイナスキャンバーを付けれるようにしました。
翌日に予約を入れてるアライメント調整に間に合うよう突貫工事ですが、
時間的に制約のある中で作業を続けてきたお陰で、
ラリーのサービス並みの短時間で足回りを脱着できるスキルが身に着いちゃいましたよ(笑)
そんな訳でアライメント調整ですが、本当は思うところもあったりもするんですけど、
公正に新旧比較する為、敢えて前と同じ
F.CAM-2°R.CAM-2°F.TOE-3mm R.TOE+2mm
に設定します。
VABはそもそもGRBと比べて車自体のスタビリティが高いので、
リアのトーを0にしちゃうとか、いっその事アウトに振っちゃってもイケちゃいそうなんで、
試してみたいところではありますが、今回は純粋にビルシュタインとカヤバの比較の為、
敢えて今迄と同じアライメントに設定します。
で、足回りも交換した、アライメントも調整した、
となると実際に走らせて試してみたいですよね?
って訳で、自宅敷地内の裏山で走らせてみました。
自宅敷地内の裏山に向かう途中で分かるのが、かなりマイルドになった事。
逆に言うとビルシュタインってやっぱ性能が良いんだなと思うのが、
低速からキッチリ減衰力が出てるビルシュタインに対して、
カヤバの方は、その辺りがユルめです。
(低速というのは、ゆっくり走るという意味じゃなくて、ダンパーがストロークするスピードの話です。)
ビルシュタインよりカヤバの方が硬いという話も聞きますが、そんな事は全然ありませんでした。
動き出しはユルいものの、それなりにストロークするスピードが速い領域では、
カヤバの方もちゃんと減衰力が出てるんで、
街乗りでは穏やかなのに頑張る時には頑張れるという意味ではカヤバの方が優秀だと言えます。
街乗りからヤッてる感を感じられるのはビルシュタインの方なんで、
そういうのが好きな人はビルシュタインの方が楽しめるんじゃないでしょうか。
で、実際に自宅敷地内の裏山を走らせてみると、
単純にダンパーの性能の良い悪いの話だけじゃなく、
全体的にカヤバの方が穏やかなセッティングになってます。
特に動き出しの減衰力の立ち上がりが穏やかな為、
一度姿勢を決めた後から足したり引いたりという操作を行うのは厳しいというか、
それをきっかけに乱れ出しちゃいがちな印象です。
逆に一撃で決められちゃう運ちゃんにとっては、
結構頑張れちゃうなという感じだと思います。
純正のカヤバ脚は結構イケるという話も聞きますし、
純正のカヤバ脚はてんで駄目という話も聞きます。
まるで正反対の意見ですが、その評価の分かれ目は運ちゃんの技量によるものと思われます。
一撃で決められる運ちゃんにとっては、
街乗りではマイルドなのに、頑張ろうと思えば頑張れる良い脚。
そうでない運ちゃんにとっては、肝心な時にフニャフニャでヘナヘナな駄目な脚。
面白い脚ですね。
ちなみに自宅敷地内の裏山には、
どんな車でも、どう乗っても必ずアンダーステアが出るコーナーがあって、
リバースステアを使って、どう収束させて弱オーバーステアに持っていくかがテーマなんですが、
今迄に乗った全ての車(ポルシェGT3とかガヤルドとか錚々たる車を含みます)の中で、
何気にVAB純正カヤバ脚が一番良いです。
まぁ、そのコーナーだけなら一番でも、他ではアレだったりもするんで、
全体的な評価としては一番じゃないですけど…
で、当初の目的である底付きに関しては、
ビルシュタインからカヤバに換えた事によって今のところ概ね解決されました。
まぁ、また慣れてきたらまた底付きしてくる可能性はありますが…
自宅敷地内の裏山だとか裏庭とかで頑張る用途なら、
底付きさえなけりゃ間違いなくビルシュタインの方が良いんですが、
いくら性能が良くても底付きしたらお話にならないんで、
暫くはカヤバ脚で頑張ってみようと思います。