LSDのイニシャルトルク測定(簡易測定)とミッションオイル交換
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
1時間以内 |
1
先般、ブログでお伝えしたとおり、一部の右コーナーで車の動きが不安定になったことで、LSDに問題があると思い、ショップに相談いきました。
PS この時は原因がLSDだと思い込んでいたのですが、、、。
で、相談の結果は、LSDのイニシャルトルクは確かにかなり弱いが作動は正常なので、路面やアライメント、運転の癖などもあるのでは?ということになり、ミッションオイルの種類を変更することを勧められ、モティーズM509がお勧めとのことでした。
その後もいろいろと原因を探って、走行していましたが、摩耗しているタイヤではそもそもグリップが足りず、正常な状況か判断できなくなったので、考えられる原因を消去していくことにしました。
LSDが原因だと思い込んだ理由は2つあって、その一つは、コーナーでのアクセルオン時のタイヤグリップが不安定(空転したりしなかったりする)なこと、ショップに相談に行く前に確認していたイニシャルトルクの弱さから、まず間違いないだろうと思い込んでいたのです。
※この時のイニシャルトルクの印象は計測ではなく、片輪を浮かせて手で回した感じで、過去(FR車のLSD)の経験から、明らかに弱いので測定するまでもないなと思い、ほぼこれが原因だと思いこんだのです。
※後述の文章の中で、イニシャルトルクの単位で、kgmとNmが出てきますが、
1kgm≒10Nm
です。
2
もう一つの理由ですが、自分のLSDは、ATSのメタルLSDをモンスタースポーツでチューニングしているTDX300というLSDです。
このLSDに付属されていたのは、画像のATSのLSDの取説で、それに記載されている「効きの強さ100(単位なし)」をイニシャルトルク100Nm(10kgm)と考え、ATSのHPでも確認、メタルLSDの出荷時イニシャルトルクは10~15kgm(100~150Nm)となっていることから、自分のも出荷時イニシャルトルクは10~15kgmだろうと思い込んでいたのです。
このことが、もう一つの理由で、手で回したときに出荷時イニシャルから、とても弱っている印象をもったのです。
※ATSのHPでは、メタルLSDは、イニシャルトルクが6kgm以下になったら要オーバーホールとされていますし、一般的なオーバーホールの目安としては、出荷時イニシャルトルクから20~30%低下した時と言われています。
それで、まずは現在のイニシャルトルクを計測することにしました。
3
測定方法は簡単で、片輪をジャッキアップしてタイヤを外すか、センターキャップを外して、ハブボルト(32mmソケット)にトルクレンチをかけて回すだけです。
反対側のタイヤは接地させたまま固定しておき、ギヤはニュートラルにしておきます。
トルクレンチを回す速度は重要で、画像の黄色矢印間(90°)を5秒くらいかけて回す感じで、かなりゆっくりとトルクをかけます。
4
測定では、トルクレンチでハブを回して、トルクレンチがカチと作動せずにハブが回転するまで、10Nm(1kgm)ずつ設定トルクを上げていき、回転したら、そこから今度は設定トルクを1Nmずつ下げていき、ハブのまわり始めでトルクレンチが作動(カチっとなる)するところを探ります。
このトルクレンチが作動するかしないかの境界(トルクレンチがカチっと作動する上限)がイニシャルトルクとなります。
測定結果は、
・右側 5.1kgm(51Nm)
・左側 5.0kgm(50Nm)
でした。
かなり弱い~~、、、オーバーホールかぁ~?、、、とガックリきたのですが、ちょっと待てよと、、、3千キロ毎にオイル交換もしてきて、ストリートの3万キロで、ここまで下がるのもおかしいんじゃ?、ちょっと弱すぎん?、、、。
ひょっとして付属されていたATSの取説と、モンスターTDX300の出荷時イニシャルトルクは違うんでは、、、?。
5
※モンスタースポーツHPから引用しています。
販売終了されていましたが、HPには残っていました。
購入時には、これを確認していたはずなんだけど、、、装着後は取説しか見ていなかったので、すっかり記憶から抜けていました。
出荷時イニシャルトルクは矢印のところで、
5.5kgm(55Nm)~6.0kgm(60Nm)
と、かなり低いイニシャルトルクで出荷されています。
TDX300の場合、出荷時の状態で、ATSメタルLSDとしては、オーバーホールが必要なレベルの低いイニシャルトルクでした。
で、自分のLSDは、3万キロ走行でこの下がり方なら、かなり優秀で正常範囲かな。
PS イニシャルトルクを変更するなら、諸元なども添付しておいてほしいですね、、、。
6
なので原因はLSDではないなぁ、、とホッとしたのですが、ミッションオイルは購入していたので、まずはミッションオイル交換します。
PS 先週、ミッションオイルを交換したばかりなんですがね、、、。ショップの方があまりにいいと言われるので早く試してみたくて交換します。
購入したオイルは、ショップお勧めの、
・モティーズM509S 80W-110
です。
7
ミッションオイルの種類が変わるので、前日の夜からオイルを抜いて、10時間ほど放置してできるだけ多く抜いておきます。
8
注入に使用するサクションガンもできるだけキレイにして以前のオイルをできるだけ除去しておきます。
9
このモティーズのオイルって赤いし、クスコのオイルほど臭わないんですね、、、。
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ミッションオイル交換後、もうタイヤが限界なので、そんなにペースを上げての走行はできなかったのですが、100キロほど走行し、オイルが馴染んでくると、LSDの効きはじめが明確に感じることができ、明らかに効きが強くなった感じでかなりの好感触。
走行後、10時間以上、車を放置し、温度が下がったときを見計らって、再度イニシャルトルクを測定しました。
オイル交換前後の測定結果は、
・右側 交換前5.1kgm→交換後5.8kgm(58Nm)
・左側 交換前5.0kgm→交換後5.7kgm(57Nm)
でした。
ちょっと、びっくりするくらい復活したんですけど~、、、(^_^)
3万キロ走行での下がり幅から考慮しても、この上がり方はすごい。
徐々に低下していたイニシャルトルクが、ほぼ出荷時の5.5~6.0kgmの範囲に入ってしまいました。試走時に体感できたはずですね。
このことでLSDはやっぱり正常と結論づけました。
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結果として、やはりタイヤの偏摩耗が原因だろうと思います。
PS 新品タイヤを注文しているので、タイヤを履き替えて確認できれば確定です。
緑矢印の部分は、平均的に摩耗して、まだグリップもしますが、黄色矢印間の内側のサイドウオールの摩耗は激しく、ストリートでキャンバーをつけるとこれは仕方ないと思っていた箇所です。
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