輸入車に憧れがありましたし、いつかはきっとという想いも手伝い、毎年訪れていた大阪輸入車ショー。
その年は、小学校1年生の息子を連れて各社のブースをぶらぶらと散策。
そして辿り着いたのが、運命のBMWのブース。
いいなあ、と思って佇んでいると、ひとりのセールスマンに声を掛けられました。きっと、指をくわえて如何にも欲しそうに見ていたんでしょうね。
話をすると、「BMWを買うならこのディーラーがお奨め」と、会社の後輩が推奨していたディーラーのセールスではありませんか。つい、引き寄せられるように椅子に座り、話を聞くことに。息子は美味しそうに出されたジュースを飲んでいます。
いや、でも、全くの冷やかしだったのです。BMWなんて高根の花。しがないサラリーマンが手を出せる代物ではありません。
ただ、イヤーモデルの切り替え時期なので大きく勉強できますよ、という誘い言葉につい釣られ、以前から気になっていたライトレッド色の在庫を聞いてしまったのです。
すると、なんということでしょう。1台在庫があるというのです。
そして、いちど試乗しませんか、という誘いをまんまと受けてしまったのです。
次の週末の土曜日、高槻のディーラーまで訪れ、こわごわ試乗した後、切り出されたのが、悪魔の囁き。
「ライトレッドの在庫ですが、今週末まで仮押さえしているんですよ。明日中に決めて頂けないなら、次の希望者の女性の方へ回すのですが。」
おいおい、俺は全くの冷やかしだし、仮押さえなんて聞いてないぞぉ!
後でわかったことですが、そのセールス氏は、車好きで知られた超有名プロ野球選手の登録を一手に引き受けていた人物で、その選手のサイン入り色紙は、我が家の家宝になっています。
さて、夢うつつの状態でローンの見積もりを携え、帰宅したのですが、多分、その道中で決意していたと思います。
「もう40歳になったのだから、いつポックリ死んでもおかしくない。人生思い残すことなく、死ぬまでに一度乗ってみたかったBMWに乗らせてくれぇ!」
と、一晩かけて嫁に嘆願したのでした。
ちょっとアンダーパワーでしたが、ハンドリングはとにかく素晴らしく、その後のハンドリング評価の基本になりました。
買って早速スキーへ行ったら、ペンションのオーナーに、「勿体ない」と言われましたが、西へ東へガンガン乗りました。
私は「精密機械感」と呼んでいますが、ギッチリと噛み合った歯車が、ギュワーンと回るような重厚感がBMWらしく、国産車とは全く異なる世界観を満喫しました。
ただ、サービスフリーウェイで助かりましたがトラブルが多く、ハンドルの異音とアイドリング異常に悩まされました。
何度修理しても完治することなく、ついにインジェクションバルブにカーボンが溜まる問題は構造的欠陥だとディーラーから聞き、2回目の車検整備時の修理代が30万円かかるとわかり、5年で手放すことにしました。
なお、このミニカーは、ミュンヘンのBMW博物館で買い求めた物です。