
タイトル写真は拾い物です。
約4年所有した970Panamera s e hybridを手放すにあたり、バイヤーズガイドをほぼ自己満足の為に書きました。かなりニッチな車です。どれぐらいニッチかというと、2023年3月時点でカーセンサーに登録されている同車種は5台です。とても似た名前の車にPanamera s hybridという[e]がないものがあります。これは970前期でプラグインでないハイブリッドモデルになります。
1)この車の立ち位置
今でこそPorscheもtycanやカイエンパナメーラにPHEVモデルを量産していますが、この車が販売され出した2014年頃はまだ欧州全体で自動車の電動化がどこまで進むのか不透明な状況だったと記憶しています。
そんな電動化黎明期にPorscheが世に出した充電できるハイブリッド車が970後期Panamera s e hybrid。
ちなみに970後期はs e hybridのみがティプトロニックで他は全てPDK。なぜこのような事になっているか詳しい人に聞いたら単純にPDKとPHEVをマッチさせる開発スケジュールがなくカイエンPHEVのティプトロニックを流用したとの事。それだけ他メーカーとの開発競争が熾烈だったのかも知れません。
2)モーター航続距離とバッテリー
モーター用バッテリーは9.4kWh、カタログ値では約32kmモーターのみで走行可能とうたっていますが、私の経験ではエコ走行を意識しつつエアコン不使用でも20km程度だと思います。でもこのエコ走行がなかなか味わいがあります。
初年度登録が2015年の車を2018年に購入しましたが、購入当時から航続距離は20km、その後4年間航続距離が短くなることはありませんでした。つまりバッテリーの劣化は7〜8年間はほぼなかったと考えて良いでしょう。
200Vの充電器で満充電まで3時間半〜4時間、100Vの充電器は使用経験がありませんがおそらくその2倍で8時間程度かかります。それでも自宅に充電施設があれば一晩寝かせれば十分満充電できますね。
ちなみに走行中にエンジン動力で充電するEチャージモードでは小一時間で満充電されます。
3)燃費
市街地で10km/ℓ、高速道路では15km/ℓ。2トンを超える車両重量を考えるとかなり優秀です。モーターの燃費への貢献度は高いですね。自宅に充電設備があり、なおかつ日常の通勤が20km以内であれは普段はガソリンを使用しないzero emissionが達成されて燃費は更に改善します。
4)購入時の注意点
モーターバッテリーが充電されているにも関わらず、エンジンが強制的に駆動してモーター走行ができない事がありました。某車系SNSでもモーターとガソリンエンジンの切替が故障したというレビューを見た事があります。私が経験した事象と違う可能もありますが症状は似ているため、この車種のウィークポイントである可能性はあります。
970 s e hybridを購入する場合は必ずこの部分、「Eパワーモードの不具合」が発生していないかを確認する必要があります。
バッテリー残量10%以上充電させていればモーターのみの走行Eパワーモードが選択できるはず、試乗時に確認してください。試乗ができなければ充電もしくはEチャージモードでバッテリーを充電するように販売店に依頼すればEパワーモードが正常に動作するか確認できます。それを断る販売店からは購入しない方が良いと思います。971以降のPHEVにこのトラブルがあるのかは分かりません。
5)4年間所有しての感想
Panamera自体の走行性能はその他のネット情報やレビューが詳しいので割愛します。
EVが環境に本当に優しいのかは私には分かりませんが、モーターの走行はとても滑らかで味わい深くエンジン車との対比という意味でとても満足度が高いです。
日常はエンジンを動かさずモーターでゆっくりと安全運転、チョイ乗りでエンジンを動かすことがなければエンジンにも優しい。遠出する時はちょっと踏めば上質なサルーンでありスポーツカー。1台で2度美味しい車です。
970 s e hybridは冒頭でも述べた通り2023年3月時点でカーセンサーに5台、価格帯は400〜550万円。
自宅もしくは職場に充電施設がありポルシェのEVに興味はあるけど、価格がネックだったり外出先の充電インフラに不安があり、一歩踏み出せない。そんな人の入り口には最適な車だと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
Posted at 2023/03/24 13:52:57 | |
トラックバック(0) |
Porsche