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2025年11月13日 イイね!

PHEVという選択肢 ― Panameraと296GTS、同じPHEVでもまったく違う思想 ―

PHEVという選択肢  ― Panameraと296GTS、同じPHEVでもまったく違う思想 ―PHEV(プラグインハイブリッド)は、EVと内燃機関の “おいしいところ” を両立させる技術として、ここ十年で大きく進化してきました。
私は2018年から今日に至るまで、PorscheのPanameraを二世代にわたって所有し、現在はFerrari 296GTSでもPHEVを体験しています。
両者は同じPHEVでありながら、その思想は驚くほど異なります。

この記事では、Panamera 4E-Hybrid(971後期)とFerrari 296GTS、二つのPHEVの対比を通して、“PHEVという技術の幅” を考えてみたいと思います。



■ Panamera PHEV:日常をEV化しつつ、週末はGTとしての顔を持つ

まずPorscheのPHEVから話を始めます。

私は
• 970後期型Panamera S E-Hybrid(2015年登録)を2018〜2023の5年間所有




• その後、971後期型Panamera 4E-Hybridを2年間所有中



と、合計7年近くPanameraのPHEVと付き合ってきました。

● 970後期で感じた「長期使用でも安心できるバッテリー品質」

970後期は2023年に手放すまで実質8年もの歳月が経過していましたが、モーター航続距離が極端に短くなるといった劣化は感じませんでした。




もちろん n=1 の経験ではありますが、
「2015年当時のバッテリーですらこれなら、技術が進んだ現在のPHEVはさらに安心できる」
というのが正直な実感です。

● 971後期は“日常のEV”として完成度が高い




PanameraのPHEVは、完全EVでの通勤や街乗りを可能にする航続距離を確保しつつ、
週末の長距離・高速走行ではエンジン走行にモーターがスムーズにアシストする、**「二面性」**を持つクルマです。

つまりPorscheのPHEVは、
・日常=EV
・週末=GTとしてエンジン+モーター
という、極めて実用寄りで洗練されたPHEVです。



■ 296GTS:モーターはEV走行のためではなく、“走り” のために存在する

一方、Ferrari 296GTSのPHEVは、明確に目的が異なります。







カタログ上はEV航続距離25kmとされていますが、これはあくまで「副次的な機能」。
296におけるモーターの役割は、
• アクセル初期応答の劇的な改善
• ターボラグの完全な排除
• サーキットでは最高出力を引き上げる追加ブースト

といった、“走りの質を上げるための武器” です。

EV走行モードは、自宅周辺での静粛な移動など、ごく限られたシーンのオプションにすぎません。

● Porscheが911にPHEVを採用せず「t-hybrid」を選んだ理由

PorscheはPanameraやCayenneで膨大なPHEVの経験を持っていますが、**992後期GTSではPHEVを採用せず、応答性向上のための“t-hybrid”**を選びました。

この判断はおそらく296と同じ方向性で、
「モーター=走りの性能を引き上げるための道具」
という思想が共通しているように思います。



■ バッテリーの将来性はどうか?

長期品質は「楽観視」している

バッテリーの劣化要因は、
• 高温
• 頻回の充放電
などがありますが、これはスマホのような小型デバイスの話。

自動車は巨大な熱管理システムとコストをかけた制御があるため、状況は全く異なると期待しています。

970後期Panameraで劣化を感じなかった経験を踏まえ、私は
「現行PHEVのバッテリーは長期的に見ても大きな問題は起きにくい」
という立場です。

● 296に関していえば

仮にEV航続距離が落ちたとしても、
296のモーターは航続距離を期待したEV走行のためではなく“走行性能のため”に存在するため、劣化の影響は限定的だと考えています。



■ 結論:PHEVは“すでに十分信頼できる技術”である

EV・PHEVを巡っては、
• インフラが足りない
• 本当に環境に良いのか
といった議論がマスでは続いています。
PHEV好きな私も環境負荷に関しては疑問を持っています。

しかし、個人が楽しむ技術として見た場合、現在のPHEVはすでに十分成熟しており、
信頼できるレベルに達していると私は感じています。

Panamera:「日常も長距離もシームレスにこなす、万能型PHEV」

296GTS:「究極のレスポンスと刺激を手に入れた、性能特化型PHEV」


同じ技術でもここまで思想が違う。
それがPHEVの奥深さであり、これからの自動車選びの面白さでもあると思います。
Posted at 2025/11/13 13:09:09 | コメント(3) | トラックバック(0) | Ferrari | 日記
2025年11月12日 イイね!

V12 Vantage ― 疲れた夜に寄り添うエンジン

V12 Vantage ― 疲れた夜に寄り添うエンジン
昨夜は、とても疲れていました。
いつもなら早めに風呂に入り、そのまま眠るだけの夜です。
ここ最近は、頭では「少し走りたいな」と思っても、体がまったく追いつかず、ドライブを諦める日が続いていました。

それでも昨夜は、なぜかV12 Vantageを運転したくなりました。




いつものようにECU(Emotional Control Unit)を挿入してエンジンをかけると、静かに心のどこかを撫でられるような感覚がありました。



出番の減ったV12 Vantage

正直なところ、V12 Vantageの出番はかなり減っています。
街乗りではEQAが便利で、刺激を求める時は296 GTSがすべてを満たしてくれます。
6.0Lの自然吸気エンジンに6速MTという構成に、使い勝手の悪さと、価値に対する疑問を抱きつつありました。
それでも、ガレージの中での存在感は変わりません。
どこか控えめだけれど、確かにそこに在ると感じさせる。
ただ、「どんな場面でこの車を使えばいいのか」と迷うことが増えていました。



心に響くフロントエンジン

ミッドシップの296に慣れてしまうと、V12のフロントエンジンは少し控えめに感じます。
それでも、走り出してすぐに思い出します。
1500〜2000回転で一般道を流しているだけで、なぜか心が揺さぶられるのです。
この車には、理屈では説明できない何かがあります。

最寄りのICから高速に乗り、スポーツモードをオン。
エンジンを回し、瞬間燃費2〜3km/Lで走行。

高揚というよりは、どこか哀愁を帯びた音が、疲れた心身に寄り添ってくれる。
約1時間のドライブを終える頃には、静かに満たされた気持ちになっていました。そしていつもより深く睡眠できたような気がします。



付き合い方を見直す

実のところ、V12 Vantageを手放すべきかどうか、ここしばらく悩んでいました。
出番が少ない車を所有し続けることに、どこか後ろめたさを感じていたのかもしれません。
けれど昨夜のように、ふと乗りたくなる瞬間がある。
それだけで、持っている意味は十分だと感じました。
使用頻度が少なくても、走ること自体が目的でも、それを否定する必要はない…



これからの距離感

ありがたいことに、296を迎えた後も、妻からV12 Vantageを手放すよう急かされることはありません。
しばらくは、無理に結論を出さず、この落ち着いた距離感を保とうと思います。

今週末には1年点検、新しい整備工場の方が積載車で引き取りに来てくれます。
こうしたサポート体制にも改めて感謝しつつ、しばらくは「296とV12、どちらを残すか問題」は棚上げです。




Posted at 2025/11/12 19:31:59 | コメント(5) | トラックバック(0) | V12 Vantage
2025年11月07日 イイね!

Ferrari 296GTS 〜納車後1ヶ月の感想とバッテリー管理のリアル〜

Ferrari 296GTS  〜納車後1ヶ月の感想とバッテリー管理のリアル〜■ ようやく訪れた、買ってよかったと心底思う瞬間

先日、久しぶりに都内の好きなサウナへ行きました。
その往復をFerrari 296GTSで走り、しみじみと「買ってよかった」と思えました。




購入直後は、正直この感覚には到達できませんでした。
車幅の把握しやすさだけは初日からすぐに実感できたものの、初のFerrariという名の重圧に、自分の感性も運転も追いつかず、「すごい車を手に入れてしまった」という戸惑いの方が大きかったのです。





インフォテイメント操作はステアリング上の小さなタッチパネルで行うため、操作性はお世辞にも良いとは言えず、ユーザーインターフェースも直感的ではありません。

(この十字のタッチパネルと周囲のボタンで操作します…)

その修得に気を取られ、296の「走り」の本質に意識を向けられていなかったように思います。


しかし今は違います。
音、加速、ステアフィール──そのすべてが圧倒的です。
自分の言葉で表現する語彙力はありませんが、296に関する動画レビューで絶賛されている内容は、誇張でも忖度でもないと実感しています。

高次元の車両操作性がいとも簡単に手に入り、慣らし運転中でも心地よいエンジンサウンドを楽しめます。
隣の人と会話したいときはEVモードで静かに走り、走りを楽しみたいときはエンジンの咆哮に身を委ねる──実用性と官能性の絶妙なバランスが、この車にはあります。

瞬間的な刺激では355や458など過去の名作に及ばないかもしれません。
しかし今の自分にとっては、一台で様々なシチュエーションに対応できる守備範囲の広さこそが魅力です。

オープンにしても風の巻き込みは最小限で、身長180cm弱の私の頭頂部の髪が軽くなびく程度。
会話も自然にできるほどの静粛性を保ちながら、五感で“走る歓び”を味わえます。
個人的には981ボクスター、991.1タルガ以来、約4年ぶりのオープン走行──最高です。



■ ハイブリッドの「不安」、実際は?

購入後まもなくバッテリー上がりを経験した私が言うのも説得力に欠けますが、管理の要点さえ押さえれば、過度に神経質になる必要はないと思います。

バッテリーを満充電にしておけば、およそ2週間は持ちます。(著名なブロガーさんの記事では3週間平気という記載もありました。)



走行モードがEVまたはハイブリッドの場合、バッテリーを積極的に使うため、当然ながら残量は比較的早く減っていきます。
一方で、パフォーマンスモードやクオリファイモードでは、モーター出力を使うのはアクセルを踏み込んでターボラグを補うほんの一瞬。
それ以外の時間は余剰エネルギーを充電に回すため、通常走行中でもバッテリー残量は50%前後を維持します。

そこから100%まで充電するには、ハイブリッドモードを選び「チャージ」を指定する必要がありますが、15〜20分ほど走行すれば、あっけなく満充電になります。



自宅充電環境がなくても、ハイブリッドモードで20分程度走行すれば、ほぼ満充電となり、2週間はバッテリー上がりを防げるでしょう。
この「20分走行・2週間維持」をどの程度煩雑と感じるかは人それぞれですが、ひとつの目安にはなると思います。


自宅に充電環境があれば、よほどずさんな管理をしない限り、バッテリーに関して神経をすり減らす必要はありません。
(ちなみに私は、バッテリー残量約30%状態で2週間放置し、上がりを経験しました。)

ディーラーでは「プラグを繋ぎっぱなし」を推奨されましたが、私は過充電による劣化が気になるため、ドライブ後に満充電にし、翌日にはプラグを抜く運用をしています。
毎週末のドライブ、または残量確認を習慣化する予定です。

参考までに、以前所有していた970後期型パナメーラS E-Hybridのバッテリーは、10年経っても航続距離の低下などの劣化を感じませんでした。
適切に管理すれば、296のバッテリーも長く健全に保てると楽観しています。

Ferrari 296GTSのハイブリッドシステムは、要点さえ押さえれば、充電環境がなくてもそれほど気を使う必要はないとトラブルを経験した上で、今は感じています。

296はその優れた性能とは裏腹に、中古車市場では供給過多でリセールも芳しくありません。
スーパーカーや高級スポーツカー全体の相場下落も一因ですが、296に関しては「バッテリー管理への不安」がマイナス要因になっていると考えます。

このブログが、そうした不安を持つ方の一助になれば幸いです。
──本当に、いい車です。



納車約2ヶ月経って到着した、オリジナルと同じ仕様のモデルカー
Posted at 2025/11/07 14:12:43 | コメント(2) | トラックバック(0) | Ferrari

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「296買ってよかったと、しみじみ思う。」
何シテル?   11/02 21:17
981ボクスターをきっかけに車道(くるまどう)にはまりました。 FIAT500CをきっかけにMTにはまりました。 そしたらボクスターを3台乗り換えたり、V12V...
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