
MY2024の911カレラTの車両本体価格は1757万円です。「ツーリング」を意味する「T」の歴史は、
911Tがホモロゲーションを取得した1968年にまで遡ります。1968年から1973年まで生産された初代
911Tですが、991型世代で“ピュアな”911として911カレラTとして復刻。以来、718ケイマンT、718ボクスターT、マカンTなど、他のモデルにも「T」は展開されてきました。
そして満を持して登場した
992型カレラT。最大のトピックスは何と言っても992カレラ系ではGTSにしか設定されていなかった
マニュアルトランスミッションが設定されたこと。あとは軽量ガラスやリアシートレスなどの特別仕様により、現行の911カレラ系の中ではもっとも
シンプルかつ
ライトウェイトなモデルとなっています。加えて、素のカレラだとOP扱いとなるPASMスポーツシャシーや、スポーツクロノPKGは標準装備。また、素のカレラだとそもそも選択出来ない
リアアクスルステアリングも選択可能となります。また内外装にも専用装備が奢られ、特別なモデルであることが感じ取れます。
さて、歴代911のベースグレードのデビュー時価格の変遷を調べてみました:ー
初代911(ナロー)不明
930(~1989年) 985万円
964(~1994年) 1035万円
993(~1998年) 910万円
996(~2004年) 1039万円
997(~2011年) 1046万円
991(~2018年) 1244万円
992(2019年~現行) 1460万円
見てお分かりのように、30年くらいの間、997世代までは
911カレラ=1000万円前後というプライスタグでしたが、991世代から一気に200万円近い値上げとなり、そしてまた992世代で更に200万円のプライスアップとなっています。排気量が下がり、エンジンはターボ化され、それでもプライスアップ。それも
えぐいプライスアップ。で、専用装備と言っても、既存パーツの流用に過ぎませんし、エンジンもベースグレードとまったく一緒のカレラTが素の911カレラよりも更に200万円高い。装備が簡素化されているのに、プライスアップですからね。普通に考えれば現行911カレラTは「とてつもなく高い」モデルである、ということが言えそうです。
しかし、ここに
市場原理=リセールという問題が絡んで来ます。911カレラTはカタログモデルでありながら、間違いなく
希少車種です。私の知る限り各ディーラー割り当てはMY毎に1~2台程度、ディーラーによっては割り当てゼロというところもあるようです。前期型992は恐らく今年の9月で終了という話ですので、非常に
モデルライフの短いモデルになりそうです。また、現時点では後期型992でもカレラTが設定されるかどうかは不明です(後期型の一部モデルはハイブリッド化されそうですが、カレラTというモデルの特性上、継続されるかまったく予想出来ません)。となると、確かに購入する際の価格が高いことに間違いありませんが、特にMTモデルはかなりリセールが期待出来るという点では魅力があります。
納車前からリセールの事を考えるのも
無粋な話かもしれませんが、私のようなお金持ちではない人間にとって
リセールは非常に重要です。991カレラTはMTが正規導入されなかった関係で、イマイチ中古車市場での価値が良く分かりませんが、992カレラTのマニュアルは正規モデルなので、この辺は991よりは期待出来そう。992カレラTはポルシェがfun to driveにフォーカスしたモデルとしも価値がありますし、個人的には1757万円という高額なプライスタグはそれなりに納得していますが、ただ何の装備の変更もなくMY2023→2024で
大幅に値上がったのは正直悔しいです。とは言え、MY2023で選択出来なかったOPが選択出来るようになっていたり、と悪いことばかりでもないのかも?と自分に言い聞かせている次第です。
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992カレラT | クルマ
Posted at
2023/05/16 14:28:51